2013年シーズン、春のロードレースシーンは季節はずれの寒さに悩まされていた。5月に行われたジロ・デ・イタリアでは雪の中を走る選手たちの姿を覚えている方も多いはず。そして、チームに関係なく“真っ黒なジャージ”を着用した選手が多くいたことに気づいた方は少なくないだろう。

プロチームのジャージはチームやスポンサーのイメージに合わせたカラーを用いてデザインされているが、そのことを無視するかのように、チームの枠を超えて着用されるジャージが今回紹介するカステリの
“GABBA(ガバ)”だ。選手やチームとの共同作業の末に開発されたアイテムで、同社のハイエンドモデル“Aero Race Jersey”を悪天候に対応させた一着。レインウェアにありがちな“ばたつき”や“ごわつき”を排除した最先端のハイスペックウェアで、スプリントの際にも脱ぐ必要性は少ない。

カステリ GABBA WS JERSEY
カステリ GABBA WS JERSEY(ブラック)カステリ GABBA WS JERSEY(ブラック) カステリ GABBA WS JERSEY(ブラック、背面)カステリ GABBA WS JERSEY(ブラック、背面)


“GABBA WS JERSEY”の開発が始まったのは2009年。当時カステリがサポートを行っていたサーヴェロテストチーム(以下、CTT)との共同開発の中で、雨で気温が低い時に着用するウェアの開発と改良を検討していた時の事だった。

当時CTTに所属していたガブリエル・ラッシュ(ノルウェー、現スカイプロサイクリング)が「春のクラシックの様な悪天候の際に、コンディションに合わせて防滴性のあるナノフレックスアームカバーを付け外し出来る様な、ばたつきの少ない半袖のレインジャケットが欲しい」と提案したことに始まった。そして開発されたジャージにはラッシュの愛称である“GABBA”の名前が付けられた。

冬物のウェアと比較すると、襟は長め冬物のウェアと比較すると、襟は長め 使用する素材はアウトドアではおなじみのゴア・ウィンドストッパー。防風性や防水性、透湿性、伸縮性のすべてを高いレベルで達成した、サイクルウェアにとって理想的なマテリアルだ。特に防水性と透湿性の両立は特筆すべきものであり、カステリが行った検証でも性能の高さを確認することが出来る。

バックポケットの排水用のハト目穴と、パンツへの浸水を防ぐ“ストームフラップ”バックポケットの排水用のハト目穴と、パンツへの浸水を防ぐ“ストームフラップ” また、素材だけを悪天候に特化させただけでなく、各所に工夫を施す。背面には後輪の水はねによるパンツへの浸水を防ぐ“ストームフラップ”、バックポケットには排水用のハト目穴を装備。前面のジッパーには自転車の上で着脱に困らないように、大きめのノッチのものを使用している。

脇腹にプリントされる“gabba”の文字脇腹にプリントされる“gabba”の文字 防風・防水素材を用いた半袖のサイクルウェアはまさしく革新的。雨のレースやグランフォンドのような、寒いと感じる中スタートし、運動強度が高くなり体温が高くなる場合のウェアのチョイスには困りがちなもの。しかし、GABBAは春夏ものウェアと同じようにアームウォーマーを用いることで、体幹を冷やすことなく、細かく体温の調整が出来る。

現在、カステリのサポートを受けるガーミン・シャープの選手たちの評判も非常に高い。プロトンの中で最も機材にこだわりを持つ選手の一人であるデーヴィッド・ミラー(イギリス)は語る。

「チームメイトに”供給されているアイテムの中でどれが一番いいか?”って聞いたら全員がGABBA JERSEYって答えると思う。この黒くて、薄手で、包み込むような着心地のジャージを着ている私たちに対して、他のチームはそれぞれ供給されたゴアテックスのウェアを来ているあたりに、プロトン全体からジェラシーを感じるよ。どのチームだって欲しいんだろうね。チームの誰かがGABBAを着て勝利すると、GABBAが後押ししてくれているように思えるんだ。」

また、実際にGABBA JERSEYを着用して勝利を手にしたミシェル・クレダー(オランダ)も次のように語る。

「春でもヨーロッパはとても寒い。だから、GABBAを着るだけでとても大きなアドバンテージになる。レース終盤に向けて体温を保ってくれるし、それが勝負に大きく影響する。気温が低い時、雨が降っているとき、もしくはその両方、そんな時にはGABBAが役に立つ。8度から9度を越えれば脱げばいいし、それ以下なら着た方がいい。他のライダーが寒そうにしてるのに対して、僕は寒さを感じず、コンディション良くゴールに向けて準備ができる。本当にすごいアドバンテージだね。」

デーヴィッド・ミラーとミシェル・クレダーのインタビュー



カステリ GABBA WS JERSEY
サイズ:S、M、L
カラー:ブラック、イエローフルオ
価 格:19,800円(税込)



GABBA WS LONG SLEEVE JERSEY
カステリ GABBA WS LONG SLEEVE JERSEY(イエローフルオ)カステリ GABBA WS LONG SLEEVE JERSEY(イエローフルオ) カステリ GABBA WS LONG SLEEVE JERSEY(イエローフルオ、背面)カステリ GABBA WS LONG SLEEVE JERSEY(イエローフルオ、背面)


“GABBA WS LONG SLEEVE JERSEY”はGABBAジャージを愛用する選手たちの要望によって作られた一着。悪天候でのトレーニング用に対応したジャージだ。高い伸縮性と通気性を兼ね備えた防水素材を使用しながら、着用時に重さを感じない軽さに仕上がっている。

脇腹のあたりに設けられたベンチレーション脇腹のあたりに設けられたベンチレーション また、脇腹のあたりには、ジッパーで調節できるベンチレーションが装備されている。他のGABBAシリーズ同様に、後輪の水はねから背中を守る“ストームフラップ”と、バックポケットに排水用のハト目穴を装備。サイズはS、M、Lの3種類で、カラーはブラックとイエローフルオの2種類がラインナップ。


カステリ GABBA WS LONG SLEEVE JERSEY
サイズ:S、M、L
カラー:ブラック、イエローフルオ
価 格:24,000円(税込)



GABBA CONVERTIBLE JERSEY
カステリ GABBA CONVERTIBLE JERSEY(ブラック)カステリ GABBA CONVERTIBLE JERSEY(ブラック) 袖は着脱可能袖は着脱可能


“GABBA CONVERTIBLE JERSEY”はGABBAジャージに取り外し可能な袖を追加した、汎用性の高さが特徴の一着。いつ雨や強風などの悪天候に出くわしても、袖をつけることにより完全に風をシャットアウトしてくれる。レース中に気温が上がったら、袖を取ることで、半袖のGABBAと同様の使い方が可能。ジャージ前面のジッパーはもちろんのこと、袖と本体を繋ぐジッパーにも耐久性に定評のあるYKK製のものが使用されているため、実際に着用した際にスムーズに取り外すことが出来る。

バイクの上でも簡単に袖を外すことができるバイクの上でも簡単に袖を外すことができる ジャージをばたつかせることなく、体をドライに保ち、適切な体温を保てるため、この一着で様々な天候に対応できる。GABBAジャージ同様に後輪の水はねからパンツへの浸水を防ぐ“ストームフラップ”と、バックポケットに排水用のハト目穴を装備。サイズはS、M、Lの3種類で、カラーはブラックとイエローフルオの2種類がラインナップ。


カステリ GABBA CONVERTIBLE JERSEY
サイズ:S、M、L
カラー:ブラック、イエローフルオ
価 格:27,800円(税込)



FAWESOME VEST
カステリ FAWESOME VEST(イエローフルオ)カステリ FAWESOME VEST(イエローフルオ) カステリ FAWESOME VEST(イエローフルオ、背面)カステリ FAWESOME VEST(イエローフルオ、背面)


“Fawesome Vest”はガーミン・サーベロ(現ガーミン・シャープ)との協力の中で生まれたもう一つのアイテム。使用するパネルの数が少なく、刺繍も少ないことから、実際に着用してみると“ごわつき”が少ないように感じる。また、防風性や防水性、軽さ、空力性能などの相反する性能を全て高いレベルで達成している。特に、空力性能は同社のAero Race Jerseyと同等のレベル。生地は前面と背面で別のものを使用し、風があたる前面にはゴア ウインドストッパー X-Lite Plus、背中から発せられる熱を逃がしたい背面には薄手“Velocity”と呼ばれる素材を使用している。

水はねによるパンツへの浸水を防ぐスプラッシュガード(比較的ツヤのある部分)水はねによるパンツへの浸水を防ぐスプラッシュガード(比較的ツヤのある部分) 他にも、前かがみになった際の首回りの防風性を確保するための高めの襟や、水はねによるパンツへの浸水を防ぐ“スプラッシュガード”、暗いところでの視認性を高めるためのリフレクターなどの使い勝手を高めるための工夫がみられる。サイズはS、M、Lの3種類で、カラーはブラックとイエローフルオの2種類がラインナップ。


カステリ FAWESOME VEST
サイズ:S、M、L
カラー:ブラック、イエローフルオ
価 格:15,000円(税込)


防水性と透湿性の検証
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