2013/02/22(金) - 13:06
10日間のステージレースがいよいよ開幕。第1ステージは福島晋一(チームNIPPO・デローザ)がファーストアタックを決めて逃げに乗り、それを佐野淳也(ヴィーニファンティーニ)を含むスプリンターチームが追うという展開になった。スプリントを狙う愛三工業レーシングチームはうまく前に出れず、綾部勇成の20位が最高位となった。
10回目の参戦、福島晋一がファーストアタックを決める
暑い暑い熱帯マレーシアでのステージレース。歩いているだけで、たくさんの汗が吹き出してくる。
選手たちは、この暑さやヨーロッパとは6時間、アメリカ(東海岸)とは12時間という時差に適応して、まずはパフォーマンスを発揮できる状態にするのが課題だが、どのチームも数日前にはランカウイ島に到着していたために、調整は“まぁ悪くはない”といった状態。太陽の位置が高くなり、気温がグングンと上がろうとしている朝10時、今年のツール・ド・ランカウイ、第1ステージのスタートは切られた。
スタートしてすぐに3選手のアタックが決まった。福島晋一とワン・メイイン(中国、ハンシャンサイクリング)、そしてジュンロン・ホー(シンガポール、OCBCシンガポール)というアジア人3人の顔ぶれだった。彼らのファーストアタックを追うチームはなく、瞬く間にタイム差は10分以上にも広がっていった。
今年で10回目の出場となる41歳の福島晋一。2007年にステージ優勝を挙げており、ツール・ド・ランカウイは彼にとって特別な思い入れのあるレース。福島は「初めて出場したのは2002年、まだ自分が無名の頃でした。それから毎年、レースとともに強くなってきました。ここに来れば、たくさんの友だちに会えて、自分の自転車キャリアのすべてがここにあるような感じ。今年も出場できて嬉しく思います」と話す。このレースでの経験があったからこそ、“アジア”という規模でのチーム構想が生まれ、昨年まではマレーシア籍のトレンガヌチームでキャプテンとしてマレーシアや韓国人選手らとともに活躍した。そして、今年の目標を「やっぱり、もう一度ステージ優勝をしたい。チャンスがあったら、それを確実に掴めるように頑張りたい」と話す。
そんな福島らの逃げを追うのは、アンドレア・グアルディーニ(イタリア)のアスタナと、フランチェスコ・キッキ(イタリア)のファンティーニヴィーニ、そしてグアルディーニの連勝を阻止する最有力と言われているテオ・ボス(オランダ)のブランコプロサイクリングなど、ヨーロッパのトップレースで活躍する強豪チーム。それらチームのアシスト選手たちがシステマチックにローテーションを繰り返し、セオリー通りに逃げとのタイム差を詰めていった。
新チームで存在感を示す佐野淳哉
ローテーションのなかでひときわ目立っていたのが佐野淳哉(ヴィーニファンティーニ)だった。かなりの長い時間、集団の先頭には佐野の姿があった。
今季、チームNIPPOから格上のプロコンチネンタルチームへ移籍した佐野にとって、このレースが新しいチームでの初戦。ナショナルチームとして、ツアー・オブ・カタール、オマーンと連戦していたため、チームに合流するのは昨年末のトレーニングキャンプ以来だと言う。
「まずはチームのオーダーをしっかりとこなして、認められることが今回の課題です」と話し、チームの期待に応える走りを見せた。
福島はその後、残り13キロで吸収され、集団から4分ほど遅れてフィニッシュラインを越えた。「踏もうとすると脚が攣ってしまって、まったくダメだった……」と福島は振り返る。
しかし、マレーシアでは絶大な知名度と人気を誇る福島。140キロを超える果敢なエスケープに、レースを終えた福島のもとには多くの関係者が声をかけにやってきた。「明日は明日の脚があるので、また頑張ります」と笑顔で汗を拭った。
愛三工業は明日もチーム力でゴールスプリントを狙う
今回は西谷泰治と福田真平、2人でゴールスプリントを狙うという愛三工業は、スプリントの展開を狙い、終盤のローテーションに中島康晴を入れて存在感をアピール。しかし、最終コーナーで思うようなラインを取れず、綾部、盛、福田、西谷という発車前の並びのままフィニッシュし、第1ステージでは力を発揮することができなかった。
西谷は「今日は消化不良ですが、明日は途中に2級の山もあるので、上りの不得意なピュアスプリンターよりも、自分たちにチャンスもあるかもしれない」と話し、次のステージに挑む。
第2ステージは、セルダンからクアラカンサールまでの117キロというショートステージで、途中49.7キロ地点に標高500メートルの2級山岳を越えるレイアウト。
新城幸也(ユーロップカー)は、第1ステージで2位に入ったブライアン・コカール(フランス、ユーロップカー)や総合を狙うピエール・ローラン(フランス、ユーロップカー)のアシストをしながら走るが「チームでは、その上りで仕掛けようか、とも言っていたけど、残り60キロもあるので、そこでタイム差を稼いでもゴールまで逃げ切るのはまず難しいと言っています。だから明日もスプリントですね!」と、ブライアンのステージ優勝を狙う姿勢だ。
text&photo:Sonoko Tanaka
10回目の参戦、福島晋一がファーストアタックを決める
暑い暑い熱帯マレーシアでのステージレース。歩いているだけで、たくさんの汗が吹き出してくる。
選手たちは、この暑さやヨーロッパとは6時間、アメリカ(東海岸)とは12時間という時差に適応して、まずはパフォーマンスを発揮できる状態にするのが課題だが、どのチームも数日前にはランカウイ島に到着していたために、調整は“まぁ悪くはない”といった状態。太陽の位置が高くなり、気温がグングンと上がろうとしている朝10時、今年のツール・ド・ランカウイ、第1ステージのスタートは切られた。
スタートしてすぐに3選手のアタックが決まった。福島晋一とワン・メイイン(中国、ハンシャンサイクリング)、そしてジュンロン・ホー(シンガポール、OCBCシンガポール)というアジア人3人の顔ぶれだった。彼らのファーストアタックを追うチームはなく、瞬く間にタイム差は10分以上にも広がっていった。
今年で10回目の出場となる41歳の福島晋一。2007年にステージ優勝を挙げており、ツール・ド・ランカウイは彼にとって特別な思い入れのあるレース。福島は「初めて出場したのは2002年、まだ自分が無名の頃でした。それから毎年、レースとともに強くなってきました。ここに来れば、たくさんの友だちに会えて、自分の自転車キャリアのすべてがここにあるような感じ。今年も出場できて嬉しく思います」と話す。このレースでの経験があったからこそ、“アジア”という規模でのチーム構想が生まれ、昨年まではマレーシア籍のトレンガヌチームでキャプテンとしてマレーシアや韓国人選手らとともに活躍した。そして、今年の目標を「やっぱり、もう一度ステージ優勝をしたい。チャンスがあったら、それを確実に掴めるように頑張りたい」と話す。
そんな福島らの逃げを追うのは、アンドレア・グアルディーニ(イタリア)のアスタナと、フランチェスコ・キッキ(イタリア)のファンティーニヴィーニ、そしてグアルディーニの連勝を阻止する最有力と言われているテオ・ボス(オランダ)のブランコプロサイクリングなど、ヨーロッパのトップレースで活躍する強豪チーム。それらチームのアシスト選手たちがシステマチックにローテーションを繰り返し、セオリー通りに逃げとのタイム差を詰めていった。
新チームで存在感を示す佐野淳哉
ローテーションのなかでひときわ目立っていたのが佐野淳哉(ヴィーニファンティーニ)だった。かなりの長い時間、集団の先頭には佐野の姿があった。
今季、チームNIPPOから格上のプロコンチネンタルチームへ移籍した佐野にとって、このレースが新しいチームでの初戦。ナショナルチームとして、ツアー・オブ・カタール、オマーンと連戦していたため、チームに合流するのは昨年末のトレーニングキャンプ以来だと言う。
「まずはチームのオーダーをしっかりとこなして、認められることが今回の課題です」と話し、チームの期待に応える走りを見せた。
福島はその後、残り13キロで吸収され、集団から4分ほど遅れてフィニッシュラインを越えた。「踏もうとすると脚が攣ってしまって、まったくダメだった……」と福島は振り返る。
しかし、マレーシアでは絶大な知名度と人気を誇る福島。140キロを超える果敢なエスケープに、レースを終えた福島のもとには多くの関係者が声をかけにやってきた。「明日は明日の脚があるので、また頑張ります」と笑顔で汗を拭った。
愛三工業は明日もチーム力でゴールスプリントを狙う
今回は西谷泰治と福田真平、2人でゴールスプリントを狙うという愛三工業は、スプリントの展開を狙い、終盤のローテーションに中島康晴を入れて存在感をアピール。しかし、最終コーナーで思うようなラインを取れず、綾部、盛、福田、西谷という発車前の並びのままフィニッシュし、第1ステージでは力を発揮することができなかった。
西谷は「今日は消化不良ですが、明日は途中に2級の山もあるので、上りの不得意なピュアスプリンターよりも、自分たちにチャンスもあるかもしれない」と話し、次のステージに挑む。
第2ステージは、セルダンからクアラカンサールまでの117キロというショートステージで、途中49.7キロ地点に標高500メートルの2級山岳を越えるレイアウト。
新城幸也(ユーロップカー)は、第1ステージで2位に入ったブライアン・コカール(フランス、ユーロップカー)や総合を狙うピエール・ローラン(フランス、ユーロップカー)のアシストをしながら走るが「チームでは、その上りで仕掛けようか、とも言っていたけど、残り60キロもあるので、そこでタイム差を稼いでもゴールまで逃げ切るのはまず難しいと言っています。だから明日もスプリントですね!」と、ブライアンのステージ優勝を狙う姿勢だ。
text&photo:Sonoko Tanaka
フォトギャラリー
Amazon.co.jp
ショッツ エナジージェル (カーボショッツ) ワイルドビーン味 45g×10個
ショッツエナジージェル