プロレース前日にパリ~ルーベ市民レースを完走し、ルーベ行きの電車の中で友達になったジャコさんとプロレースの観戦をする事を決めたキット北村さん。今年のレースは男女ともにドラマがあり、近年まれに見る熱量と感動をレースファンに与える展開となった。グルパマFDJユナイテッドのU23チームとも合流し、ジャコさんと共に、熱狂の渦の中へ臨む。2026年の石畳を制する旅、遂に完結です。
石畳を制する旅・再び2026 Vol.5

熱狂のベロドロームを背にポガチャル、マチュー、ワウトの三つ巴を⽣観戦 photo:Kitto Kitamura
2019年のパリ~ルーベの観戦では友人達とレースを車で追っかけ、最後はカルフール・ド・ラルブルのスクリーンでゴールシーンを視聴したが、今回はジャコさんと共にベロドロームの熱狂を体験。タデイ・ポガチャル選手がモニュメント完全制覇するのか?マチュー・ファンデルプールが連覇するのか?ワウト・ファンアールトがライバル2人に土を付けるのか?2026年のパリ~ルーベを生で見る事が出来たことを誇りに思っているキット北村の石畳を制する旅・再びの最終章です。
それでは、“石畳を制する旅Vol.5 パリ~ルーベ観戦記”のお話です。

屋根付きの新しいベロドロームの見学へと向かう photo:Kitto Kitamura
前日にジャコさんは制限時間ギリギリでゴールしたらしく筋肉痛で動けないらしい。そんなジャコさんがアランベールまで自走して観戦するというのは無理そうなので、ベロドロームでゴールシーンを観戦するプランに変更と相成りました。午前中に予定していなかった空き時間が出来てしまったので、屋根付きの新しいベロドロームの見学へと向かいました。
残念ながら、レース当日は関係各社の詰所みたいになっており、新しいベロドローム内を見学する事は出来ませんでした。ベロドロームの見学が出来なかったので、お土産購入のためにパリ~ルーベファンでごった返しているビレッジにチェックインしました。まだプロが到着するまでかなり時間がありますが、大勢の人が催し物を楽しんでおられました。
パリ~ルーベ公式グッズショップで自分用のTシャツやら小物を購入します。ここでウエイブワン・カペルミュールの社長に『Tシャツ買ってきて!』と頼まれていたお土産も購入しました。

レース当日は関係各社の詰所となっており、新しいベロドローム内の見学は叶わず photo:Kitto Kitamura 
お土産購入のため、ファンでごった返しているパリ~ルーベのビレッジへチェックイン photo:Kitto Kitamura

プロ到着まで時間があるが、大勢のファンが思い思いに催し物を楽しんでいる photo:Kitto Kitamura 
パリ~ルーベ公式グッズショップでTシャツや小物を購入 photo:Kitto Kitamura
お土産を物色していると、聞き慣れた声で背中を叩かれました。元・ウィリエールのセールスで、現在セッレイタリアで働いている柴犬友達:フランチェスコ・ムナロンさんでした。パリ~ルーベが終わってから、ポーランドに行くらしいです。相変わらず転職してから、ヨーロッパ中を転々としているので大変そうです。

元ウィリエール、現セッレイタリアの柴犬友達フランチェスコ・ムナロン氏と偶然の再会 photo:Kitto Kitamura
ビレッジからモーテルに戻り、ゴールする直前までテレビ観戦です。テレビ観戦はベッドでゴロゴロしながら見られるので楽ちんですね。
テレビを見ていると信じられない光景が、まさかのタデイ・ポガチャル選手がパンク、そして、大変困っている様子。周りにアシストやチームカーがいないんでしょうか?ポガチャル選手、まさかのシマノロゴの青い自転車でレース復帰です。シマノロゴの自転車は走行性能どうなんでしょうか?普通はチームカーが近くにいるはずですから、シマノロゴの自転車が走る機会なんて余程の状況じゃない限りありません。ポガチャル選手は乗り慣れていない自転車で猛追しますが、明らかに勢いがありません。

モーテルに戻ってベッドでゴロゴロ寝ながらテレビ観戦。まさかのタデイ・ポガチャル選手がパンク、アシストもチームカーも見当たらない photo:Kitto Kitamura

ポガチャル選手、シマノロゴの中立サポートバイクで信じられないレース復帰 photo:Kitto Kitamura
慣れない自転車で数km走った後、ようやくチームカーと合流しバイク交換です。この後、UAEエミレーツXRGのアシスト陣が鬼の形相で後続集団の先頭に立ち、ポガチャル選手を牽引し第一集団にポガチャル選手を引き上げます。精魂尽き果てたアシスト達は役目を終えると、後ろに下がって行きました。
テレビの画面が切り替わり第一集団に先行している逃げ集団には、永遠のライバルのワウト・ファンアールト選手とマチュー・ファンデルプール選手が走っています。このタイミングでジャコさんから電話です。ゴールが早まりそうだからベロドロームでの集合時間を30分早めたいとの話でした。

ベロドローム周辺を散策中に発見したグルパマFDJユナイテッドのチームカー photo:Kitto Kitamura 
小さすぎるグルパマFDJユナイテッドのチームバスも発見した photo:Kitto Kitamura

スタッフに話を聞くとエリートではなくU23カテゴリーのチームでした photo:Kitto Kitamura
集合時間が早まったため、早めにベロドロームに向かいます。まだジャコさんとの合流時間まで小一時間あったので、ベロドロームの周りを散策しました。するとグルパマFDJユナイテッドのチームカーを発見!しかし、プロはまだ走っているのに、何故チームカーがプロトンの後ろについていないのか?謎でした。
グルパマFDJユナイテッドのチームバスも発見しましたが、チームバスが小さいんです。チームバスが小さすぎて違和感満載です。
グルパマチームのスタッフに話を聞くと、エリートカテゴリーではなくU23カテゴリーなんだそうです。バイクのコンポーネントが全てデュラエースではなくアルテグラだったのも納得です。(チェーンリングは56-44Tのデュラエースグレードでしたが…。)

U23とはいえエリートとバイク自体は同じ、赤いFILANTE SLR-ID2はやはり格好良い photo:Kitto Kitamura

U23の選手のバイクをチェック。まだ販売されていない15mmオフセットのシートポストが装備されていた photo:Kitto Kitamura

ハンドル上のコースマップ、距離159kmでセクター25からセクター1まで photo:Kitto Kitamura
U23とはいえ、エリートカテゴリーとバイク自体は同じですからカッコイイですね。通常、市販のスペックは0mmオフセットのシートポストですが、オプションの15mmオフセットのシートポストがもう出来上がっているようですね。またナンバープレートを取り付けるためのシートクランプも出来上がっていましたね。このスペシャルなシートクランプの市販はしないでしょうけど。コースマップを見ると距離は159kmでセクター25~セクター1までのようですね。
ゼッケンナンバーからU23のエース選手のようです。まだ名も知られていない若手選手ですが、デカトロンCMA CGMチームのポール・セクサス選手のように19歳なのにポガチャル選手に喰らいつくような選手も出てきているわけですから、将来を見越して記念撮影しておきます。

U23のエース選手と将来を見越して記念撮影しておく photo:Kitto Kitamura

機材やコースの話を熱心にしてくれた若手選手、トップカテゴリーでの活躍を願う photo:Kitto Kitamura
色々と機材やコースの話をしてくれる若手選手もいました。“早くトップカテゴリーに上がって、チームに勝利をもたらしてくれ!”と懇願しておきました。
ジャコさんから頻繁にメッセージが来ますが、ベロドローム周辺のどこにジャコさんがいるのか?位置の特定が出来ません。そろそろ男子のゴールが迫りコース規制が入ってくるので、ジャコさんとの合流は後にして、ベストな観戦場所を求めベロドロームの周りを探索します。

ジャコさんの居場所がわからず合流は後回しに。ベストな観戦場所を探索 photo:Kitto Kitamura

ベロドローム内VIPスクリーン真下がベストと判断 photo:Kitto Kitamura 
スクリーンを見上げ続けて首が痛くなる、縁の特等席に上がる作戦を企てる photo:Kitto Kitamura
ざっくりと見回して、ベロドローム内のVIPの方々が見るスクリーンの真下がベストだと判断しました。周りの人に状況を聞くとマチュー選手がパンクし、ポガチャル選手とワウト選手の一騎打ちの様相らしいです。
スクリーンを見上げる観客達。一緒にずっと見上げていると首が痛くなってきました。ベロドロームの縁に上がれば、ベロドローム内も見ることが出来て良さそうです。ベロドロームの縁に上っているファンの人達に、『日本からわざわざパリ~ルーベのために来ているんです。ベロドロームの縁に上がらせて!』と強くアピールして何とかベロドロームの縁のスペースに入れてもらうべきだと思いました。

日本からのアピール作戦成功、優しいフランス人ファンと共に縁の特等席へ photo:Kitto Kitamura
強くアピールした結果、優しいフランス人レースファンがベロドロームの縁に迎えてくれました。無料の観客席ゆえお尻は痛いですが特等席です。ポガチャルとワウトの一騎打ちを肌で感じることが出来て幸せでした。ワウトの勝利でベルギー中が深夜までドンチャン騒ぎで翌日えらい事になったらしいです。国民的ヒーローの勝利はやはり凄いですね。
プロ男⼦のレースが終わると、レースの感動を噛みしめながらファンの皆さんは家路につきました。皆、今日のレースを観戦出来た事に満足気でした。ここで上手く合流出来なかったジャコさんに晩御飯をどこにするか?連絡を取りました。ジャコさんからの返事は『美しい女性を見に行こう?』というものでした。治安の悪いルーベの街でキレイな女性のいるバーなんて危険です。“ジャコさん、そんな所に行って大丈夫なの?パリ~ルーベに何回も来ているジャコさんはルーベの街を何でも知っているだろうから、お供しますけど…。”するとジャコさんからの返事は『その女性達はバイクに乗っているんだよ。』
“はっ?”、最初ジャコさんが何を言っているのか?分かりませんでしたが、ベロドロームのスクリーンに再び火が灯り状況を理解しました。プロ女子のレースがこれからゴールするのです!

男⼦レースが終了し、ジャコさんからまさかの『美しい⼥性を⾒に⾏こう』とのお誘い photo:Kitto Kitamura

続々ゴールする女子選手達、ポリーヌ・フェランプレヴォの勝利は届かずも感動 photo:Kitto Kitamura
観客が半分以下になった事で、無事にジャコさんを見つける事が出来て合流出来ました。ジャコさんの重たいお尻を押して、ベロドロームの縁に再び上りプロ女子のレース観戦です。Vol.4で書いた通り、『プロ⼥⼦のレースのゴールが、市⺠レースのゴールの後の⼟曜⽇の⼣⽅である。』と勘違いしていた事がここで判明します。すなわち市⺠レースの制限時間は⼗分にあったという事なんです。市民レースの145kmコースを走らなかった事をここで激しく後悔します。
続々と後続の選手がゴールしています。女子のレースも男子に負けず劣らず感動のレースでした。女子のレースを見ずに家に帰ってしまったファンはもったいない事をしたのでは?と思いました。私の個人的な話としましては、大好きなポリーヌ・フェランプレヴォ選手の勝利を望んでいました。カルフール・ド・ラルブル辺りで、もう彼女が勝てる見込みは希薄でしたが感動したので良しとします。

ベロドローム屋台でジャコさんと夕食、まさかのミラノ~サンレモ新メンバー加入 photo:Kitto Kitamura
キット北村はルーベの街中にあるレストランで地元のフランス料理が食べたかったのですが、ジャコさんはとてもお腹が減っているようで辛抱たまらずベロドロームの屋台での晩餐となりました。ジャコさんはベロドロームの縁に上がっての観戦に大満⾜したようで、晩御飯のソーセージとフライドポテトを奢ってくれました。(正直、人生⼀度は本場のフランス料理が⾷べてみたかったなぁ…。)
ジャコさんがビールをグイっと一気に飲み干して、突然『俺をキット北村のミラノ~サンレモに連れて行ってくれ!』と懇願されてしまいました。ジャコさんもミラノ~サンレモ市民レースのハードルが高過ぎて、どうしたら良いのか分からず、ずっと悩んでいたようです。私もジャコさんも今の体型ではミラノ~サンレモでゴールするなんて到底出来やしませんが、まさかの5大モニュメント制覇の新メンバー加入です。自転車はウィリエールにしてもらわなければなりませんが、ジャコさんは働き者なので問題無いでしょう。
2週に渡って私と戦ってくれたFILANTE SLR-ID2ともお別れが近づいてきました。ウィリエール本社のメカニック達への感謝の手紙をヘッドチューブに貼り付けて、レミーさんのオフィスからウィリエール本社に送り返してもらいます。

2週間戦い抜いたFILANTE SLR-ID2とお別れ、メカニックへの感謝の手紙を添えて返送 photo:Kitto Kitamura
4日間という短期間ではありましたがフランスともお別れです。治安が悪そうな裏道ではなく表通りを通って駅へと向かいます。月曜日なのにルーベの駅の切符売り場が閉まっていたので、自動券売機で切符を買おうとするのですが購入出来ません。駅員さんもいないので、掃除のおじさんに助けてもらいますが、やはり購入出来ません。仕方なくベルギー行きの列車に無賃乗車し、すぐに車掌さんに事情を説明して車内でブリュッセル行きの切符を買えました。

アミーチ・ディ・ビチの8mm六角レンチとレミーさんのスラム充電器ともお別れ photo:Kitto Kitamura
アントワープのアミーチ・ディ・ビチから借りた8mmの六角レンチとレミーさんから借りたスラムの充電器ともおさらばです。スラムの充電器、同時に2個充電出来る物ってあるのでしょうか?ふと思いました。

ブリュッセルのホテルまで自転車を引き取りに来てくれたジェフさんとセップ君 photo:Kitto Kitamura
レミーさんが忙しいので、息子のジェフさんと孫のセップ君が自転車を引き取りにブリュッセルのホテルまで来てくれました。7年前に小さかったセップ君が大きくなっていたので、大変驚きました。ようやく無事に自転車を返却出来たので、これでブリュッセル空港から成田空港まで帰ることができます。
無事に成田空港までのはずでしたが、成田空港まであと数時間で到着というタイミングで『成田空港への着陸が1時間ほど遅れます!』というアナウンスがありました。到着してから成田空港に関するニュースを検索すると、成田空港に着陸したプライベートジェットが着陸に失敗し4時間ほど成田空港の滑走路が封鎖され離発着が出来なかったそうです。元々乗り継ぎ時間が短く1時間40分ぐらいしか無かったので、これはもう乗り継げない事が確定しました。成田空港上空で50分ほど着陸待ちのため旋回し、何とか無事に着陸は出来ました。

伊丹便がまさかの欠航、海外渡航30年で人生初の当日欠航経験 photo:Kitto Kitamura
スーツケースとバイクケースを受け取ると、乗り継ぎに失敗どころか伊丹行きの飛行機が欠航している事実を国内線カウンターで知らされました。キット北村、30年ほど海外を行ったり来たりしておりますが、飛行機の当日欠航に出くわしたのは人生初でした。全日空の対応として、『成田発→伊丹便』から『羽田発→関空便』への変更が可能だそうです。石のトロフィーやらお土産を満載した荷物を引きずって、成田空港から羽田空港へのバス移動は正直しんどかったです。

成田から羽田へバス移動、関空行き最終便にギリギリ間に合う photo:Kitto Kitamura
羽田空港から関空行きの最終便に何とか乗れました。本来であれば、もう家に着いて洗濯機を回している時間ですが、まだまだ羽田空港です。関空に着いたのが夜10時30分。荷物を引きずって移動しているので疲労困憊。結局、難波のホテルで就寝しました。タクシーを使えば帰れたのですが、海外旅行保険の適用範囲外だそうなのでホテル泊と相成りました。
最後にチームを率いてくれたキャプテン中村には大変感謝しております。引き続きミラノ~サンレモのアシストとサポートよろしくお願いいたします。『ミラノ〜サンレモは来年⾏けたら良いなぁ…。早く5大モニュメントを完全制覇して、ベルギー人の相棒クリス・ウィートンと南アフリカのケープエピックに出場したいからなぁ』。帰国後、クレジットカードの支払い明細を見たら青ざめました。1ユーロほぼ190円レートです。来年ミラノ〜サンレモに⾏くんであれば、身を粉にして資⾦を捻出せねばならなくなりそうです。今年のモニュメントを制する旅は金銭的に本当に辛かったね。おしまい。
『キット北村の⽯畳を制する旅・再び』終わり…。

チームを率いたキャプテン中村に感謝 photo:Kitto Kitamura
P.S. 皆さんお時間あれば、ぜひシクロワイアードの磯部編集員が執筆し、私が写真撮影をした“イタリア名門3社を訪問”の記事を是非ともお読みください。『キット北村の石畳を制する旅・再び』がより味わい深く感じるはずです。また、ミラノ~サンレモ市民レースの完走を手伝ってくれる心優しいウィリエール乗りの方がおられましたら、イベント出展時にでもキット北村に声を掛けてください。
イタリア訪問記 Vol.1|ウィリエール FILANTE SLR ID2インプレ編:https://www.cyclowired.jp/microsite/node/391846
イタリア訪問記 Vol.2|ウィリエール本社訪問編:https://www.cyclowired.jp/microsite/node/391913
イタリア訪問記 Vol.3|ミケ本社訪問編:https://www.cyclowired.jp/microsite/node/391957
イタリア訪問記 Vol.4|プロロゴ本社訪問編:https://www.cyclowired.jp/microsite/node/392043
Special Thanks to
Joaquin Restorepo
Team Groupama FDJ United U-23
Francesco Munaron (Selle Italia)
Remy Ooms (Erlo Sports)
Jef Ooms (Erlo Sports)
Sep Ooms (Erlo Sports)
Koji Nakamura
Dank U Wel to All Belgium Friends & Netherland Friends
Merci Beaucoup to All France Friends
Grazie di cuore to All Italian Friends
Report:Kitto Kitamura
石畳を制する旅・再び2026 Vol.5

2019年のパリ~ルーベの観戦では友人達とレースを車で追っかけ、最後はカルフール・ド・ラルブルのスクリーンでゴールシーンを視聴したが、今回はジャコさんと共にベロドロームの熱狂を体験。タデイ・ポガチャル選手がモニュメント完全制覇するのか?マチュー・ファンデルプールが連覇するのか?ワウト・ファンアールトがライバル2人に土を付けるのか?2026年のパリ~ルーベを生で見る事が出来たことを誇りに思っているキット北村の石畳を制する旅・再びの最終章です。
それでは、“石畳を制する旅Vol.5 パリ~ルーベ観戦記”のお話です。

前日にジャコさんは制限時間ギリギリでゴールしたらしく筋肉痛で動けないらしい。そんなジャコさんがアランベールまで自走して観戦するというのは無理そうなので、ベロドロームでゴールシーンを観戦するプランに変更と相成りました。午前中に予定していなかった空き時間が出来てしまったので、屋根付きの新しいベロドロームの見学へと向かいました。
残念ながら、レース当日は関係各社の詰所みたいになっており、新しいベロドローム内を見学する事は出来ませんでした。ベロドロームの見学が出来なかったので、お土産購入のためにパリ~ルーベファンでごった返しているビレッジにチェックインしました。まだプロが到着するまでかなり時間がありますが、大勢の人が催し物を楽しんでおられました。
パリ~ルーベ公式グッズショップで自分用のTシャツやら小物を購入します。ここでウエイブワン・カペルミュールの社長に『Tシャツ買ってきて!』と頼まれていたお土産も購入しました。




お土産を物色していると、聞き慣れた声で背中を叩かれました。元・ウィリエールのセールスで、現在セッレイタリアで働いている柴犬友達:フランチェスコ・ムナロンさんでした。パリ~ルーベが終わってから、ポーランドに行くらしいです。相変わらず転職してから、ヨーロッパ中を転々としているので大変そうです。

ビレッジからモーテルに戻り、ゴールする直前までテレビ観戦です。テレビ観戦はベッドでゴロゴロしながら見られるので楽ちんですね。
テレビを見ていると信じられない光景が、まさかのタデイ・ポガチャル選手がパンク、そして、大変困っている様子。周りにアシストやチームカーがいないんでしょうか?ポガチャル選手、まさかのシマノロゴの青い自転車でレース復帰です。シマノロゴの自転車は走行性能どうなんでしょうか?普通はチームカーが近くにいるはずですから、シマノロゴの自転車が走る機会なんて余程の状況じゃない限りありません。ポガチャル選手は乗り慣れていない自転車で猛追しますが、明らかに勢いがありません。


慣れない自転車で数km走った後、ようやくチームカーと合流しバイク交換です。この後、UAEエミレーツXRGのアシスト陣が鬼の形相で後続集団の先頭に立ち、ポガチャル選手を牽引し第一集団にポガチャル選手を引き上げます。精魂尽き果てたアシスト達は役目を終えると、後ろに下がって行きました。
テレビの画面が切り替わり第一集団に先行している逃げ集団には、永遠のライバルのワウト・ファンアールト選手とマチュー・ファンデルプール選手が走っています。このタイミングでジャコさんから電話です。ゴールが早まりそうだからベロドロームでの集合時間を30分早めたいとの話でした。



集合時間が早まったため、早めにベロドロームに向かいます。まだジャコさんとの合流時間まで小一時間あったので、ベロドロームの周りを散策しました。するとグルパマFDJユナイテッドのチームカーを発見!しかし、プロはまだ走っているのに、何故チームカーがプロトンの後ろについていないのか?謎でした。
グルパマFDJユナイテッドのチームバスも発見しましたが、チームバスが小さいんです。チームバスが小さすぎて違和感満載です。
グルパマチームのスタッフに話を聞くと、エリートカテゴリーではなくU23カテゴリーなんだそうです。バイクのコンポーネントが全てデュラエースではなくアルテグラだったのも納得です。(チェーンリングは56-44Tのデュラエースグレードでしたが…。)



U23とはいえ、エリートカテゴリーとバイク自体は同じですからカッコイイですね。通常、市販のスペックは0mmオフセットのシートポストですが、オプションの15mmオフセットのシートポストがもう出来上がっているようですね。またナンバープレートを取り付けるためのシートクランプも出来上がっていましたね。このスペシャルなシートクランプの市販はしないでしょうけど。コースマップを見ると距離は159kmでセクター25~セクター1までのようですね。
ゼッケンナンバーからU23のエース選手のようです。まだ名も知られていない若手選手ですが、デカトロンCMA CGMチームのポール・セクサス選手のように19歳なのにポガチャル選手に喰らいつくような選手も出てきているわけですから、将来を見越して記念撮影しておきます。


色々と機材やコースの話をしてくれる若手選手もいました。“早くトップカテゴリーに上がって、チームに勝利をもたらしてくれ!”と懇願しておきました。
ジャコさんから頻繁にメッセージが来ますが、ベロドローム周辺のどこにジャコさんがいるのか?位置の特定が出来ません。そろそろ男子のゴールが迫りコース規制が入ってくるので、ジャコさんとの合流は後にして、ベストな観戦場所を求めベロドロームの周りを探索します。



ざっくりと見回して、ベロドローム内のVIPの方々が見るスクリーンの真下がベストだと判断しました。周りの人に状況を聞くとマチュー選手がパンクし、ポガチャル選手とワウト選手の一騎打ちの様相らしいです。
スクリーンを見上げる観客達。一緒にずっと見上げていると首が痛くなってきました。ベロドロームの縁に上がれば、ベロドローム内も見ることが出来て良さそうです。ベロドロームの縁に上っているファンの人達に、『日本からわざわざパリ~ルーベのために来ているんです。ベロドロームの縁に上がらせて!』と強くアピールして何とかベロドロームの縁のスペースに入れてもらうべきだと思いました。

強くアピールした結果、優しいフランス人レースファンがベロドロームの縁に迎えてくれました。無料の観客席ゆえお尻は痛いですが特等席です。ポガチャルとワウトの一騎打ちを肌で感じることが出来て幸せでした。ワウトの勝利でベルギー中が深夜までドンチャン騒ぎで翌日えらい事になったらしいです。国民的ヒーローの勝利はやはり凄いですね。
プロ男⼦のレースが終わると、レースの感動を噛みしめながらファンの皆さんは家路につきました。皆、今日のレースを観戦出来た事に満足気でした。ここで上手く合流出来なかったジャコさんに晩御飯をどこにするか?連絡を取りました。ジャコさんからの返事は『美しい女性を見に行こう?』というものでした。治安の悪いルーベの街でキレイな女性のいるバーなんて危険です。“ジャコさん、そんな所に行って大丈夫なの?パリ~ルーベに何回も来ているジャコさんはルーベの街を何でも知っているだろうから、お供しますけど…。”するとジャコさんからの返事は『その女性達はバイクに乗っているんだよ。』
“はっ?”、最初ジャコさんが何を言っているのか?分かりませんでしたが、ベロドロームのスクリーンに再び火が灯り状況を理解しました。プロ女子のレースがこれからゴールするのです!


観客が半分以下になった事で、無事にジャコさんを見つける事が出来て合流出来ました。ジャコさんの重たいお尻を押して、ベロドロームの縁に再び上りプロ女子のレース観戦です。Vol.4で書いた通り、『プロ⼥⼦のレースのゴールが、市⺠レースのゴールの後の⼟曜⽇の⼣⽅である。』と勘違いしていた事がここで判明します。すなわち市⺠レースの制限時間は⼗分にあったという事なんです。市民レースの145kmコースを走らなかった事をここで激しく後悔します。
続々と後続の選手がゴールしています。女子のレースも男子に負けず劣らず感動のレースでした。女子のレースを見ずに家に帰ってしまったファンはもったいない事をしたのでは?と思いました。私の個人的な話としましては、大好きなポリーヌ・フェランプレヴォ選手の勝利を望んでいました。カルフール・ド・ラルブル辺りで、もう彼女が勝てる見込みは希薄でしたが感動したので良しとします。

キット北村はルーベの街中にあるレストランで地元のフランス料理が食べたかったのですが、ジャコさんはとてもお腹が減っているようで辛抱たまらずベロドロームの屋台での晩餐となりました。ジャコさんはベロドロームの縁に上がっての観戦に大満⾜したようで、晩御飯のソーセージとフライドポテトを奢ってくれました。(正直、人生⼀度は本場のフランス料理が⾷べてみたかったなぁ…。)
ジャコさんがビールをグイっと一気に飲み干して、突然『俺をキット北村のミラノ~サンレモに連れて行ってくれ!』と懇願されてしまいました。ジャコさんもミラノ~サンレモ市民レースのハードルが高過ぎて、どうしたら良いのか分からず、ずっと悩んでいたようです。私もジャコさんも今の体型ではミラノ~サンレモでゴールするなんて到底出来やしませんが、まさかの5大モニュメント制覇の新メンバー加入です。自転車はウィリエールにしてもらわなければなりませんが、ジャコさんは働き者なので問題無いでしょう。
2週に渡って私と戦ってくれたFILANTE SLR-ID2ともお別れが近づいてきました。ウィリエール本社のメカニック達への感謝の手紙をヘッドチューブに貼り付けて、レミーさんのオフィスからウィリエール本社に送り返してもらいます。

4日間という短期間ではありましたがフランスともお別れです。治安が悪そうな裏道ではなく表通りを通って駅へと向かいます。月曜日なのにルーベの駅の切符売り場が閉まっていたので、自動券売機で切符を買おうとするのですが購入出来ません。駅員さんもいないので、掃除のおじさんに助けてもらいますが、やはり購入出来ません。仕方なくベルギー行きの列車に無賃乗車し、すぐに車掌さんに事情を説明して車内でブリュッセル行きの切符を買えました。

アントワープのアミーチ・ディ・ビチから借りた8mmの六角レンチとレミーさんから借りたスラムの充電器ともおさらばです。スラムの充電器、同時に2個充電出来る物ってあるのでしょうか?ふと思いました。

レミーさんが忙しいので、息子のジェフさんと孫のセップ君が自転車を引き取りにブリュッセルのホテルまで来てくれました。7年前に小さかったセップ君が大きくなっていたので、大変驚きました。ようやく無事に自転車を返却出来たので、これでブリュッセル空港から成田空港まで帰ることができます。
無事に成田空港までのはずでしたが、成田空港まであと数時間で到着というタイミングで『成田空港への着陸が1時間ほど遅れます!』というアナウンスがありました。到着してから成田空港に関するニュースを検索すると、成田空港に着陸したプライベートジェットが着陸に失敗し4時間ほど成田空港の滑走路が封鎖され離発着が出来なかったそうです。元々乗り継ぎ時間が短く1時間40分ぐらいしか無かったので、これはもう乗り継げない事が確定しました。成田空港上空で50分ほど着陸待ちのため旋回し、何とか無事に着陸は出来ました。

スーツケースとバイクケースを受け取ると、乗り継ぎに失敗どころか伊丹行きの飛行機が欠航している事実を国内線カウンターで知らされました。キット北村、30年ほど海外を行ったり来たりしておりますが、飛行機の当日欠航に出くわしたのは人生初でした。全日空の対応として、『成田発→伊丹便』から『羽田発→関空便』への変更が可能だそうです。石のトロフィーやらお土産を満載した荷物を引きずって、成田空港から羽田空港へのバス移動は正直しんどかったです。

羽田空港から関空行きの最終便に何とか乗れました。本来であれば、もう家に着いて洗濯機を回している時間ですが、まだまだ羽田空港です。関空に着いたのが夜10時30分。荷物を引きずって移動しているので疲労困憊。結局、難波のホテルで就寝しました。タクシーを使えば帰れたのですが、海外旅行保険の適用範囲外だそうなのでホテル泊と相成りました。
最後にチームを率いてくれたキャプテン中村には大変感謝しております。引き続きミラノ~サンレモのアシストとサポートよろしくお願いいたします。『ミラノ〜サンレモは来年⾏けたら良いなぁ…。早く5大モニュメントを完全制覇して、ベルギー人の相棒クリス・ウィートンと南アフリカのケープエピックに出場したいからなぁ』。帰国後、クレジットカードの支払い明細を見たら青ざめました。1ユーロほぼ190円レートです。来年ミラノ〜サンレモに⾏くんであれば、身を粉にして資⾦を捻出せねばならなくなりそうです。今年のモニュメントを制する旅は金銭的に本当に辛かったね。おしまい。
『キット北村の⽯畳を制する旅・再び』終わり…。

P.S. 皆さんお時間あれば、ぜひシクロワイアードの磯部編集員が執筆し、私が写真撮影をした“イタリア名門3社を訪問”の記事を是非ともお読みください。『キット北村の石畳を制する旅・再び』がより味わい深く感じるはずです。また、ミラノ~サンレモ市民レースの完走を手伝ってくれる心優しいウィリエール乗りの方がおられましたら、イベント出展時にでもキット北村に声を掛けてください。
イタリア訪問記 Vol.1|ウィリエール FILANTE SLR ID2インプレ編:https://www.cyclowired.jp/microsite/node/391846
イタリア訪問記 Vol.2|ウィリエール本社訪問編:https://www.cyclowired.jp/microsite/node/391913
イタリア訪問記 Vol.3|ミケ本社訪問編:https://www.cyclowired.jp/microsite/node/391957
イタリア訪問記 Vol.4|プロロゴ本社訪問編:https://www.cyclowired.jp/microsite/node/392043
Special Thanks to
Joaquin Restorepo
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Francesco Munaron (Selle Italia)
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