今年も何とか平穏に始まったホノルルセンチュリーライド取材。スクーターによるバイク取材構想から一変、実走することになったものの、そんなワタシの体力貯金はごく僅か。とにかく、笑顔をキャッチして進め!

辺りはまだ真っ暗のスタート地点で皆さんをキャッチ辺りはまだ真っ暗のスタート地点で皆さんをキャッチ 直前になって例年通り編集長とのタッグで取材に挑むことになったものの、不安が消えているわけではない今年のホノルルセンチュリーライド。それは自分自信の体力問題という当日ではどうしようもない大きな壁。やっぱりスクーターを借りるのが妥当かも?と思案する余裕もなく、大会当日を迎えるのでした。

すでに臨戦態勢バッチリ!すでに臨戦態勢バッチリ! 最長で100マイル=160kmを走破する、ホノルルセンチュリーライドの朝は早い。いや夜型人間のワタシには、もの凄く早い。スタート時刻は6時15分、ワイキキビーチの東側に位置するカピオラニ公園のスタート地点には、5時過ぎから多くの参加者が集合している。

まだ辺りは真っ暗、そんな暗闇のなか、やさしくライトの灯るテントブースを発見。暗いうちからサポートデスクを準備するトップツアーの皆さんだ。まずはここで大切な空気圧をチェックして、早くも石田メカから元気をもらいスタート地点に向かうのでした。そう、今日の任務は皆さんの笑顔をキャッチ。朝から元気に行きましょう!

今年も約2,000人もの参加者がスタート地点に集結。さすがにこの人数ともなると一斉スタートは無理というもの。各自のレベルに合わせて自己申告によりグループAからグループDまで、4つのグループに分けて時間差スタートが行なわれる。

カップルで参加される皆さんも多い大会ですカップルで参加される皆さんも多い大会です 天使も100マイル目指して走る!天使も100マイル目指して走る!


真っ白でバッチリコーディネート真っ白でバッチリコーディネート やっぱりここではアロハ〜やっぱりここではアロハ〜


ここで前日に行なわれた「トップツアーの走り方講座」を思い出す。絹代さんによると「自信のない人こそ前の方からスタートする方が、時間的にも安全面でも有利」だという。それは正にワタシのこと。気がついたらほぼ最後尾になっていた昨年の経験も頭をよぎり、今年はAグループから早めのスタートを切った。

ホノルルの長い一日がスタートホノルルの長い一日がスタート 皆さん頑張ってください皆さん頑張ってください


最初の絶景はすぐに訪れる。スタートして10分ほど、ダイヤモンドヘッドの脇を登る高台で朝焼けを迎える。東京では仕事しながらいつの間にやら朝を迎えることはあれど、こうして登る朝日を拝みながら走ることはいつ以来だろうか?そんなことを考えつつ、海に登る太陽と皆さんの笑顔をキャッチしてさらに先に進む。

交通規制が行なわれる広いハイウェイを気持ちよく進んでいると交差点で赤信号。すると何処からともなくバイクに乗ったポリスが現れて、クルマの流れをシャットアウト。われわれ参加者を優先的に通してくれた。地元警察もこの大イベントに協力していることが伺える。

朝日を受けてホノルルの街を進む朝日を受けてホノルルの街を進む 目標はもちろん100マイル目標はもちろん100マイル


朝焼けを受けて気持ちよさそうです朝焼けを受けて気持ちよさそうです 交通規制されたハイウェイを軽快に飛ばす交通規制されたハイウェイを軽快に飛ばす


続くは名物の心臓破りの丘「ハートブレイクヒル」。ここでは皆さん苦労されるかと思いきや、モリモリと登っていく参加者が目立つ。今年は早めのスタートをしたので、走れる参加者が多いグループなのかもしれません。ここから少し走れば早くも20km地点の最初のエイドステーション、サンディビーチパークへと到着。ここではしっかりと補給して、次に進みましょう。

ホノルル名物ハートブレイクヒル。今年は皆さんの乗車率が高いホノルル名物ハートブレイクヒル。今年は皆さんの乗車率が高い 難関を越えて思わずピース!難関を越えて思わずピース!


鶴見さん率いるチームレゴンの皆さんと、ハイポーズ!鶴見さん率いるチームレゴンの皆さんと、ハイポーズ!
エイドステーションでは、しっかりとした補給が大切エイドステーションでは、しっかりとした補給が大切 今年のホノルルセンチュリーライドは、朝からとにかく快晴。気温も高いが湿度が低いホノルルの日中は、すごく走りやすい。さらにこの心地よさに拍車を掛けるのが、参加者たちを終始楽しませてくれる、このオアフ島の雄大な自然の景色だ。

感動するのは、次々に変化する絶景のバリエーション。美しい海を見下ろす高台のポイントや、まるでそのまま海へと続いていきそうな、波打ち際を進む道路まで。

この道路のすぐ向こうは海、白い砂浜、青い空が何の隔たりもなく続いている。もし時間制限が無かったら、このまま泳いでいってしまいそうこの道路のすぐ向こうは海、白い砂浜、青い空が何の隔たりもなく続いている。もし時間制限が無かったら、このまま泳いでいってしまいそう そうかと思えば、ゴツゴツと荒々しい岩山が続くポイントは、まるで原始の地球を思わせるよう。さらに熱帯特有のジャングルを思わせるような森が現れたりと、オアフ島の自然は本当に懐が深い。

しかも50マイル先で折り返して、ほぼ同じルートを戻ってくる設定ながら、不思議なのは行きと帰りの景色がまるで違って見えること。100マイル(160km)の行程中、とにかく走っているわれわれを飽きさせない、雄大な自然の表情が繰り返されるコースとなっている。

初めてなら次々に変化するその雄大な自然に導かれ、経験者なら以前の美しい記憶を次々に辿りながら、先に進むことになる。

そうかと思うとこの原始を思わせる岩山。有名な恐竜映画のロケにも使われたそうそうかと思うとこの原始を思わせる岩山。有名な恐竜映画のロケにも使われたそう 他では味わうことのできないこのロケーションにすっかり魅了され、何度もこのイベントへ足を運ぶ皆さんも多いと聞いているが、それも納得。これも30回という歴史を重ねたホノルルセンチュリーライドならではの、巧みなルート設定のなせる技なのかもしれません。

とはいえ南国特有の強い日差しはとても強烈。日焼けは体力を消耗させ、対策を怠ると大変なことになるので十分な注意が必要ですよ!という前日の「走り方講座」で教えていただいた受け売りを、皆さんに披露するちょっとした余裕を抱きつつ、第2エイドステーションのカイルア・インターミディエイト・スクールに無事に到着。

ちょっと少なめだった第1エイドステーションと違い、そこには多くの参加者が休憩していて、かなり賑やか。思わず「そうそうこの感じ」って嬉しくなる。

地元の子供たちも参加者を応援してくれる地元の子供たちも参加者を応援してくれる 青い海をバックに走るホノルルセンチュリーライドの象徴的な風景青い海をバックに走るホノルルセンチュリーライドの象徴的な風景


こちらの2人は、お揃いのジャージにお揃いのビアンキのロードで参加こちらの2人は、お揃いのジャージにお揃いのビアンキのロードで参加 こちらのタンデム+ボクは、なんと親子3世代のトリオ。バイクも日本から持ち込んだものだそう。もちろん100マイルが目標こちらのタンデム+ボクは、なんと親子3世代のトリオ。バイクも日本から持ち込んだものだそう。もちろん100マイルが目標


ここまで40kmほど走ってきた皆さんも、ここでは少しノンビリしている様子がうかがえる。高い気温には嬉しいシェイプアイス(かき氷)のサービスをありがたくいただいて、つかの間のクールダウン。でも2年目のワタシは知っているんです。ここからは絶景とはしばしお別れして、交通量の多い町中を進むことを。そして信号のストップ&ゴーやちょっとしたアップダウンが意外とキツいことを。

早くも体力貯金が底を尽きそうなワタシに活力を与えてくれたのは、皆さんの楽しそうな笑顔、笑顔、笑顔。そんな笑顔に導かれ、無事に75マイル(120km)の折り返し地点、ヘエイア・ステート・パークに到着。

まだまだ余裕のポーズまだまだ余裕のポーズ クランクを手にした自由の女神。オシャレなオリジナルジャージですクランクを手にした自由の女神。オシャレなオリジナルジャージです


ここまでお2人で順調に走行。残りもマイペースで走りますここまでお2人で順調に走行。残りもマイペースで走ります まだまだ余裕の2人は揃ってアローハ〜まだまだ余裕の2人は揃ってアローハ〜


木陰が気持ちよいヘエイア・ステート・パーク木陰が気持ちよいヘエイア・ステート・パーク 最後尾からクルマで随行の石田店長。今年は大きなトラブルも無く少しリラックス最後尾からクルマで随行の石田店長。今年は大きなトラブルも無く少しリラックス


パンクもロングライドうち、慌てず確実に。と思ったら鶴見さんでしたパンクもロングライドうち、慌てず確実に。と思ったら鶴見さんでした さて75マイルの折返し地点まで来れば、あとこの先は最長100マイルの折返し地点スワンジー・ビーチ・パークのみ。ここで出会ったのは、今回のサポートライダーの湘南ベルマーレサイクルロードチームの3名。

どうやら今年の参加者は皆さん優秀で、ここまでさしてサポートが必要とされるような参加者に出会っていないらしい。仕事がしたくてたまらない様子の彼らの後ろに連なって、この先を目指すことに。ところが走り出した直後、ワタシの体力残高がすでに残っていないことに気がついた。

内山監督初め湘南ベルマーレの3名が代わる代わる下がって、何度も気にかけてくれたものの時すでに遅し。ワタシのペースの落ち込みが余りにも極端だったので、先に行ってもらいました。結局、何度か休憩を挟みながらようやく最果てのスワンジー・ビーチ・パークへと到着した次第。
こんなワタシのへロへロ自慢をしても仕方ないので、ここからは皆さんの笑顔をお伝えしましょう。

鶴見さんと並んで、なぜか右向け右鶴見さんと並んで、なぜか右向け右 全員でしっかりと列車を組んでみんなをサポート。じつはワタシもお世話になりました全員でしっかりと列車を組んでみんなをサポート。じつはワタシもお世話になりました


今中さんと一緒にはいポーズ今中さんと一緒にはいポーズ まだまだ後半も頑張るぞ!まだまだ後半も頑張るぞ!


犬が大好きな今中さん。思わずバイクを止めて犬が大好きな今中さん。思わずバイクを止めて 湘南ベルマーレチームは、地元の女の子にも大人気湘南ベルマーレチームは、地元の女の子にも大人気


やっぱりみんなが自然と笑顔になるやっぱりみんなが自然と笑顔になる ブリヂストンの藤野監督と今中さんが一騎打ち!?ブリヂストンの藤野監督と今中さんが一騎打ち!?


最後はみんな揃ってゴール!お疲れさまでした最後はみんな揃ってゴール!お疲れさまでした

終始素晴らしい快晴の空の下行なわれた、記念すべき30回目のホノルルセンチュリーライド。いや〜今年の参加者の皆さんは本当に優秀な方ばかり。なんせ湘南ベルマーレチームの鉄壁のサポートを必要としていたのは、参加者の皆さんではなくこの私。折り返しからしばらくの間、ガッチリと守られながら進み、おかげさまでなんとかゴールまで到着。今年もホノルルセンチュリーライドを無事に完走となった。

取材にご協力いただいた皆さんと、お世話になりました方々に、この場を借りて御礼申し上げます。


photo:Makoto.AYANO Takashi.KAYABA
text&edit :Takashi.KAYABA

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