2011/10/04(火) - 12:35
日本の夏もそろそろ終わりを告げる頃、常夏のハワイで毎年開催されるロングライドイベントがホノルルセンチュリーライド。今年は9月25日にハワイ・オアフ島で開催された。約2,000人の参加者は快晴の空の下、伝統的なロングライドイベントを心ゆくまで堪能した。
30周年を迎えた記念大会
いくつかの島で構成されるハワイのなかでも、一番の観光地であるワイキキの街があるのがオアフ島。ホノルルセンチュリーライドは、そのオアフ島を舞台に開催されるロングライド。「センチュリーライド」というその名が示す通り、センチュリーマイル(100mile=160km)を走破するという大会だ。その歴史は古く、今年でなんと30周年を迎えるという長寿イベントでもある。
ハワイといえば世界的にも有名なリゾート地。そして日本人にも馴染み深いハワイでの開催とあって、毎回多くの日本人参加者で賑わう人気イベントでもある。今回は全体で約2,000人の参加者のうち、半数近くを日本からの参加者で占めることもあって、海外イベントといえども、われわれ日本人にはすごく親しみを感じることも人気のひとつ。
このイベントの親しみやすさのもうひとつのポイントは、自由にチョイスできる走行距離だ。“センチュリーライド”という名称の通り、最長距離は100マイル=160km。そのコース設定を簡単にいえば、いくつかのエイドステーションを経由して80km先の折返し点を目指す。あとは来た道とほぼ同じルートを辿って、スタート/ゴール地点まで戻るというもの。つまり往復がほぼ同じルートを進むというのも、このイベントの特徴でもある。
走り出してからでも自由に選べる走行距離
参加者はその日の体調や脚力に応じて、自由に20マイル(約32km)、 25マイル(約40km)、50マイル(約80km)、75マイル(約120km)、100マイル(160km)の5つの距離を選ぶことができる。しかも事前に選択や申告する必要などは特になく、現地に行って自分の体調と相談して、しかも本番当日に走り出してからでも自由に距離を変更することもできるのだ。この辺は折返しのルート設定となっているホノルルセンチュリーライドならでは。
例えば100マイルを目標に走り出してはみたものの、途中で体調や時間と相談して50マイルの折返し地点で引き返しゴールを目指したり。あるいは仲間と一緒にスタートし、走り優先グループは100マイルを目指してペースアップ。のんびりグループは75マイルで引き返す。その後に帰りのエイドステーションで落ち合って、最後は一緒にゴールを目指す。こんなことだって全然OKというわけ。この辺は折返しルートだから成せること。もし一筆書きのルートだったらこうはいきません。そんな自由なノリで行なわれるのも、ホノルルセンチュリーライドの魅力のひとつ。
ベテランでもビギナーでも、それぞれのペースで一日を楽しめる
そんな自由なロングライドだからこそ、ビギナーもベテランも一緒に楽しめるのがホノルルセンチュリーライドだ。今回参加した皆さんにお話を伺ってみても、100km以上は軽く走りきるエキスパートレベルの人や、まだまだ数える程度しか経験のないビギナーまで実に幅広い。もちろんハワイという素晴らしいロケーションも相まって、皆さんなんとも楽しそう。
スタート地点はワイキキの東側、ダイヤモンドヘッドにほど近いカピオラニ公園。今年のスタート時刻は、昨年より少しだけ早まって6時15分。まだ暗い朝の5時過ぎには、参加者が続々とスタート地点に集まってくる。皆さんにお話を伺いながら撮影を進めていくうちに、徐々に朝を迎え周囲も明るくなっていく。日本語を交えたセレモニーが終わると、いよいよ30回目のホノルルセンチュリーライドがスタートした。
カピオラニ公園をスタートすると、すぐに緩い登りに差し掛かる。ここは有名なダイヤモンドヘッドの脇を通る道。ちょうどこの辺りが朝焼けを綺麗に見えるスポットだ。海を見下ろす見晴らしのいい場所では、早くも多くの参加者が記念撮影をしている。天気予報によると今日の天気は快晴。強い日差しは心配だけど、その分南国らしい素晴らしい景色にも期待が持てる。まだまだハワイの長い1日は始まったばかり。
そこから続くハイウェイは、今日ばかりはこのイベントのために車線規制が行なわれ、なかなか走りやすい。朝のウォーミングアップ兼ねて順調に進むと、最初の難所「ハートブレイクヒル」の急勾配が待っている。とはいえ、勾配が続くのは見通せる範囲の短い距離。ここさえクリアすれば、その先には海沿いの絶景ルートが待ち構える。
オアフ島のダイナミックな景色に圧倒されながら進んでいく
海岸線に出ると最初のエイドステーション、サンディビーチパークへと到着。ここは25マイル(約40km)の折り返し地点でもある。ということは、まだ全体の1/8の20kmを進んだに過ぎない。これから続く長い道のりに備え、ここでしっかりと補給を済ませ先に進むとする。
ここからは海岸線をしばらく進むルート。右手にはエメラルドグリーンの海を見下ろし、正面と左にはダイナミックな岩山を視界に捉えながら進んでいく。序盤ながらこの景色は本当に素晴らしい。そしてここから100マイルを進む間には、周囲の景色はどんどんと変化していく。もの凄いスケールで眼前に現れる岩山や、周囲にジャングルのような森が広がるルート、あるいは走っている道路のすぐ脇に真っ白の砂浜が迫るルートなどなど。時に豪快に、時にため息をつくほどに、ハワイの自然は参加者たちを次々に楽しませてくれる。そんなハワイの景色を満喫できるのも、このホノルルセンチュリーライドの魅力だろう。
めくるめく景色に圧倒されていると次のチェックポイント、カイルア・インターミディエイト・スクールまではいつの間にやら到着した。50マイルの折り返し地点のここでは、かき氷のサービスまで用意されていた。そろそろ日差しも強くなってきた頃なので、とても嬉しいサービスに感謝してさらに先を目指す。
しばらくは住宅街を抜けて、幹線道路をひた走る。そういえばハワイでは、こういった幹線道路を走っていても、クルマが自転車の存在をとても尊重してくれているようで、すごく走りやすい。今回の取材では大会当日を含めて、都合3日間ほど自転車で一般道を走る機会があったが、クルマのプレッシャーを感じることは皆無だった。
さて、そうこうするうち到着したのは75マイルの折り返し地点、ヘエイア・ステート・パーク。ここまでくると、この先に残るのは100マイルの折返し地点スワンジー・ビーチ・パークのみ。ここで折り返すか?先に進むか?そろそろ迷い始めるポイントだ。でもこの先にじつは絶景のルートが広がっているのだ。
もちろん取材班は100マイルを目指す。なにせここから先のカメハメハ・ハイウェイは、道路のすぐ脇に白い砂浜とエメラルドグリーンの海が迫る、コース中一番の絶景ルート。このルートを走りたくて100マイルを目指してしまうという参加者もいるらしいが、それも納得するような景色が広がるポイントが待っている。
絶景ルートに感動しながら進めば、100マイルの折り返し地点スワンジー・ビーチ・パークに到着。そこは周囲に広がるエメラルドグリーンの海を一望できる、さらに素晴らしいロケーション!これだからホノルルセンチュリーライドはやめられない!
帰りはまた違う表情を見せるハワイの大自然
さあ、あとはほぼ来た道を戻ってゴールを目指す。しかしこれがまた素晴らしい!たった数時間前に走った道なのに、向きが変わっただけで全く違うロケーションに見えるから不思議。ハワイという場所は本当に懐の深い自然が広がっていると感じる瞬間だ。
そろそろ疲れも見え始める時間帯、復路もエイドステーションで補給と回復を行ないながら今朝スタートした最終目的地、カピオラニ公園を目指す。疲れの溜まったカラダには、ちょっとした登りも応えるが、マイペースで先に進む。そして少しずつ進んだ先に、ようやくゴールを迎える。
ゴールは早朝にスタートしたカピオラニ公園。そこに帰ってくると、いつもの仲間たちや途中で励まし合った参加者など、みんなが笑顔で出迎えてくれる。そして今日の走りを振り返り、共に健闘を称え合いながら、たくさんの笑顔が溢れる。これがロングライドの醍醐味だ。こうして30周年を迎えた今年も無事に幕を閉じていった。
素晴らしいロケーションのホノルルセンチュリーライド。このイベントに参加したくて自転車を始めた参加者もいるという。そんなエピソードも納得できるほど、素晴らしいロケーションのなかで充実した一日を過ごせるのがホノルルセンチュリーライドというロングライドだ。
シクロワイアードはホノルルセンチュリーライドを徹底レポート!
シクロワイアード編集部では、お馴染みトップツアーのホノルルセンチュリーライド参加ツアーに同行。今年も密着取材を行ないました。
シクロワイアードも後援し、トップツアーが企画するホノルルセンチュリーライドツアーは、今中大介さん、絹代さんが今年もホストとして参加者を完全サポート。そして例年通り、俳優の鶴見辰吾さんご夫婦もスペシャルゲストで参加。
大会前日の講習会からプラクティスライド、それに大会翌日のモーニングライドまで、充実のツアーの模様をお届けします。参加した人はもちろん、これから参加を考えている人にも必見のコンテンツ。ぜひご期待ください!
photo:Makoto.AYANO Takashi.KAYABA
text&edit :Takashi.KAYABA
30周年を迎えた記念大会
いくつかの島で構成されるハワイのなかでも、一番の観光地であるワイキキの街があるのがオアフ島。ホノルルセンチュリーライドは、そのオアフ島を舞台に開催されるロングライド。「センチュリーライド」というその名が示す通り、センチュリーマイル(100mile=160km)を走破するという大会だ。その歴史は古く、今年でなんと30周年を迎えるという長寿イベントでもある。
ハワイといえば世界的にも有名なリゾート地。そして日本人にも馴染み深いハワイでの開催とあって、毎回多くの日本人参加者で賑わう人気イベントでもある。今回は全体で約2,000人の参加者のうち、半数近くを日本からの参加者で占めることもあって、海外イベントといえども、われわれ日本人にはすごく親しみを感じることも人気のひとつ。
このイベントの親しみやすさのもうひとつのポイントは、自由にチョイスできる走行距離だ。“センチュリーライド”という名称の通り、最長距離は100マイル=160km。そのコース設定を簡単にいえば、いくつかのエイドステーションを経由して80km先の折返し点を目指す。あとは来た道とほぼ同じルートを辿って、スタート/ゴール地点まで戻るというもの。つまり往復がほぼ同じルートを進むというのも、このイベントの特徴でもある。
走り出してからでも自由に選べる走行距離
参加者はその日の体調や脚力に応じて、自由に20マイル(約32km)、 25マイル(約40km)、50マイル(約80km)、75マイル(約120km)、100マイル(160km)の5つの距離を選ぶことができる。しかも事前に選択や申告する必要などは特になく、現地に行って自分の体調と相談して、しかも本番当日に走り出してからでも自由に距離を変更することもできるのだ。この辺は折返しのルート設定となっているホノルルセンチュリーライドならでは。
例えば100マイルを目標に走り出してはみたものの、途中で体調や時間と相談して50マイルの折返し地点で引き返しゴールを目指したり。あるいは仲間と一緒にスタートし、走り優先グループは100マイルを目指してペースアップ。のんびりグループは75マイルで引き返す。その後に帰りのエイドステーションで落ち合って、最後は一緒にゴールを目指す。こんなことだって全然OKというわけ。この辺は折返しルートだから成せること。もし一筆書きのルートだったらこうはいきません。そんな自由なノリで行なわれるのも、ホノルルセンチュリーライドの魅力のひとつ。
ベテランでもビギナーでも、それぞれのペースで一日を楽しめる
そんな自由なロングライドだからこそ、ビギナーもベテランも一緒に楽しめるのがホノルルセンチュリーライドだ。今回参加した皆さんにお話を伺ってみても、100km以上は軽く走りきるエキスパートレベルの人や、まだまだ数える程度しか経験のないビギナーまで実に幅広い。もちろんハワイという素晴らしいロケーションも相まって、皆さんなんとも楽しそう。
スタート地点はワイキキの東側、ダイヤモンドヘッドにほど近いカピオラニ公園。今年のスタート時刻は、昨年より少しだけ早まって6時15分。まだ暗い朝の5時過ぎには、参加者が続々とスタート地点に集まってくる。皆さんにお話を伺いながら撮影を進めていくうちに、徐々に朝を迎え周囲も明るくなっていく。日本語を交えたセレモニーが終わると、いよいよ30回目のホノルルセンチュリーライドがスタートした。
カピオラニ公園をスタートすると、すぐに緩い登りに差し掛かる。ここは有名なダイヤモンドヘッドの脇を通る道。ちょうどこの辺りが朝焼けを綺麗に見えるスポットだ。海を見下ろす見晴らしのいい場所では、早くも多くの参加者が記念撮影をしている。天気予報によると今日の天気は快晴。強い日差しは心配だけど、その分南国らしい素晴らしい景色にも期待が持てる。まだまだハワイの長い1日は始まったばかり。
そこから続くハイウェイは、今日ばかりはこのイベントのために車線規制が行なわれ、なかなか走りやすい。朝のウォーミングアップ兼ねて順調に進むと、最初の難所「ハートブレイクヒル」の急勾配が待っている。とはいえ、勾配が続くのは見通せる範囲の短い距離。ここさえクリアすれば、その先には海沿いの絶景ルートが待ち構える。
オアフ島のダイナミックな景色に圧倒されながら進んでいく
海岸線に出ると最初のエイドステーション、サンディビーチパークへと到着。ここは25マイル(約40km)の折り返し地点でもある。ということは、まだ全体の1/8の20kmを進んだに過ぎない。これから続く長い道のりに備え、ここでしっかりと補給を済ませ先に進むとする。
ここからは海岸線をしばらく進むルート。右手にはエメラルドグリーンの海を見下ろし、正面と左にはダイナミックな岩山を視界に捉えながら進んでいく。序盤ながらこの景色は本当に素晴らしい。そしてここから100マイルを進む間には、周囲の景色はどんどんと変化していく。もの凄いスケールで眼前に現れる岩山や、周囲にジャングルのような森が広がるルート、あるいは走っている道路のすぐ脇に真っ白の砂浜が迫るルートなどなど。時に豪快に、時にため息をつくほどに、ハワイの自然は参加者たちを次々に楽しませてくれる。そんなハワイの景色を満喫できるのも、このホノルルセンチュリーライドの魅力だろう。
めくるめく景色に圧倒されていると次のチェックポイント、カイルア・インターミディエイト・スクールまではいつの間にやら到着した。50マイルの折り返し地点のここでは、かき氷のサービスまで用意されていた。そろそろ日差しも強くなってきた頃なので、とても嬉しいサービスに感謝してさらに先を目指す。
しばらくは住宅街を抜けて、幹線道路をひた走る。そういえばハワイでは、こういった幹線道路を走っていても、クルマが自転車の存在をとても尊重してくれているようで、すごく走りやすい。今回の取材では大会当日を含めて、都合3日間ほど自転車で一般道を走る機会があったが、クルマのプレッシャーを感じることは皆無だった。
さて、そうこうするうち到着したのは75マイルの折り返し地点、ヘエイア・ステート・パーク。ここまでくると、この先に残るのは100マイルの折返し地点スワンジー・ビーチ・パークのみ。ここで折り返すか?先に進むか?そろそろ迷い始めるポイントだ。でもこの先にじつは絶景のルートが広がっているのだ。
もちろん取材班は100マイルを目指す。なにせここから先のカメハメハ・ハイウェイは、道路のすぐ脇に白い砂浜とエメラルドグリーンの海が迫る、コース中一番の絶景ルート。このルートを走りたくて100マイルを目指してしまうという参加者もいるらしいが、それも納得するような景色が広がるポイントが待っている。
絶景ルートに感動しながら進めば、100マイルの折り返し地点スワンジー・ビーチ・パークに到着。そこは周囲に広がるエメラルドグリーンの海を一望できる、さらに素晴らしいロケーション!これだからホノルルセンチュリーライドはやめられない!
帰りはまた違う表情を見せるハワイの大自然
さあ、あとはほぼ来た道を戻ってゴールを目指す。しかしこれがまた素晴らしい!たった数時間前に走った道なのに、向きが変わっただけで全く違うロケーションに見えるから不思議。ハワイという場所は本当に懐の深い自然が広がっていると感じる瞬間だ。
そろそろ疲れも見え始める時間帯、復路もエイドステーションで補給と回復を行ないながら今朝スタートした最終目的地、カピオラニ公園を目指す。疲れの溜まったカラダには、ちょっとした登りも応えるが、マイペースで先に進む。そして少しずつ進んだ先に、ようやくゴールを迎える。
ゴールは早朝にスタートしたカピオラニ公園。そこに帰ってくると、いつもの仲間たちや途中で励まし合った参加者など、みんなが笑顔で出迎えてくれる。そして今日の走りを振り返り、共に健闘を称え合いながら、たくさんの笑顔が溢れる。これがロングライドの醍醐味だ。こうして30周年を迎えた今年も無事に幕を閉じていった。
素晴らしいロケーションのホノルルセンチュリーライド。このイベントに参加したくて自転車を始めた参加者もいるという。そんなエピソードも納得できるほど、素晴らしいロケーションのなかで充実した一日を過ごせるのがホノルルセンチュリーライドというロングライドだ。
シクロワイアードはホノルルセンチュリーライドを徹底レポート!
シクロワイアード編集部では、お馴染みトップツアーのホノルルセンチュリーライド参加ツアーに同行。今年も密着取材を行ないました。
シクロワイアードも後援し、トップツアーが企画するホノルルセンチュリーライドツアーは、今中大介さん、絹代さんが今年もホストとして参加者を完全サポート。そして例年通り、俳優の鶴見辰吾さんご夫婦もスペシャルゲストで参加。
大会前日の講習会からプラクティスライド、それに大会翌日のモーニングライドまで、充実のツアーの模様をお届けします。参加した人はもちろん、これから参加を考えている人にも必見のコンテンツ。ぜひご期待ください!
photo:Makoto.AYANO Takashi.KAYABA
text&edit :Takashi.KAYABA
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