2018/08/16(木) - 12:54
日本列島を灼熱の猛暑が襲う7月22日(日)に長野県の大町・白馬地区で開催された北アルプス山麓グランフォンド。昨年の雨天開催を返上するかのように晴れ渡った天気の中、昨年よりも獲得標高を500mプラスし、3,300mを登る超級山岳150kmコースの模様をレポートしよう。
7回目を迎えた北アルプス山麓グランフォンド
日本の天井とも例えられる日本アルプスを有する長野県。東京から車で3時間ほどというアクセスでありながら、日本の古き良き原風景のような田んぼや畑などの里山と、その名の通り、ヨーロッパのアルプス山脈のようなダイナミックな山岳風景が楽しめる大自然である。そんな風光明媚な後立山連峰から戸隠連峰にかけての山岳エリア(大町市・白馬村・小谷村・長野市鬼無里・長野市戸隠・小川村)を舞台にしたサイクリングイベントが「北アルプス⼭麓グランフォンド」である。
今年で7回目の開催を迎える北アルプス山麓グランフォンド。長野県では他にも多くのサイクリングイベントが開催されているが、3,000m近い獲得標高や150kmという距離は他の追随を許さないボリュームとなっており、多くのコアなサイクリストに支持されている。その上、今年は昨年に比べ獲得標高が500m増え3,300mとなったことで更にパワーアップ。脚の満足度向上に打って出ている。
スタート/フィニッシュ地点となるのは鹿島槍スポーツヴィレッジ。仁科三湖の一つである中綱湖から峠道を登った所にあるスポーツ施設で、冬はウインタースポーツ、夏は各種アウトドアを楽しむことが出来る。もちろんサイクリングの拠点として使用することもでき、施設内にはマヴィックのホイールレンタルステーションも完備しているのである。
大会の公式Youtube動画作成のための取材を受ける
仲間と一緒に完走を目指すぞ
スタート前に参加者全員で気合を鼓舞
大会当日となる7月22日(日)。まだ夜が明けきらない午前4時頃から続々と鹿島槍スポーツヴィレッジに参加者が集まってくる。スタート時間は5時過ぎとなっており、早朝に出発して涼しい午前中に距離を稼いでしまおうというスケジュール感となっているのだ。今年は日本列島を今までにない酷暑が襲っていることもあり、こういった暑さ対策は嬉しいところ。朝起きるのは大変だが、早朝は久しぶりに涼しい外の空気を感じられた。
徐々に夜が明けると澄み渡った青空が広がっていく。昨年は雨天に見舞われてしまい、北アルプスの風景も見れずじまいだったということだが、今年はくっきりと爺ヶ岳の雄々しい姿を目にすることが出来た。山肌に朝日が降りかかり、少し雲が掛かった姿は神々しい雰囲気を醸し出していた。
大会実行委員長の西沢さんが挨拶する
チームごとに4名ほどに分かれてスタートしていく
150kmクラスから順に120kmクラス、100kmクラス、70kmクラスとコースに並ぶ。大会実行委員長である西沢さんと大町市長の挨拶が終わると、いざスタートだ。まずはマヴィックカーを先頭に進み、前列からエントリーしたチームごと、4名ずつ走り出していく。サイクルイベントでお馴染みのMCアケさんと西沢さんの愉快なトークに押し出され、気持ちも晴れやかだ。
150kmコースはスタートしてからすぐに登り道。朝日に照らされ荘厳とした林道を走る。気温は寒くもなく暑くもない最高な温度感。これから始まる本格的な登坂に備え、仲間たちとおしゃべりしながら、ウォーミングアップするかのように登っていく。3kmほど登れば最初の絶景ポイント「小熊山」へ到着である。
朝日に照らされながら林道を行く
まだまだ序盤なので、チームメンバーと一緒にゆっくり登る
美しい景色と清々しい空気に気分も高まるというもの
小熊山からは木崎湖を一望できる
この小熊山ビューポイントからは仁科三湖の一つである木崎湖が見渡せる。1,302mという標高は今回のコースの中でも最も高いということもあり、南北に2.6kmという大きさを持つ木崎湖の全景を眺める事が出来る。近くで見ると大きな木崎湖がかなり小さく見えるとあって、地上を天から見下ろす神様の気分になれるスポットである。
記念撮影を終え、少し湿り気味でなおかつ細く狭いテクニカルな下りを行くと、さっきは上から眺めた木崎湖の西岸に出る。そこからは木崎湖、中綱湖、青木湖の順番に仁科三湖を北上。平坦路が続く快適なサイクリングで皆一様に笑顔で駆けていく。しばらく走り続ければダイナミックな白馬連峰が見える白馬村へ入る。
木崎湖の西岸を軽快に飛ばす
みんな一列になりマナーよく走る
白馬のジャンプ台を眺めながら前に進む
白馬の市街地にある白馬駅の前を通過
雄大な白馬連峰を背に進路を東に取る
今回は晴れていたものの、北アルプスの周りに雲がモクモクと覆いかぶさり、その全景を見ることはなかなか難しい天気。タイミングによって雲の合間から見えるダイナミックな山肌が神々しい姿を想像させていた。そんな白馬連峰を眺めながら白馬の中心街まで進んだあと、進路を東に取る。
本格的な登りが始まる前に白馬エイドステーションで小休止。ここでは凍らせたブルーベリーとバナナが提供される。ブルーベリーは甘酸っぱい風味とシャリシャリとした食感の一口アイス感覚で登る前のビタミン補給に最適な一品。バナナもサイクリストにとって定番の補給食ということでここでカロリー補給だ。また連日の酷暑を鑑みて水被りエリアが設置され、スタッフのお姉さんに水を頭からかけてもらえるというご褒美も。
冷凍したブルーベリーは冷たく甘酸っぱくて美味しい
お姉さんから水をかけてもらえるご褒美コーナー
北アルプス一望出来る峰方峠の頂上
頭から水を被れば極上の気持ちよさ
しっかりと補給をしたら、ここから7kmに及ぶヒルクライムスポット、峰方峠を登っていく。ここはカーブが少なく、緩めの勾配が淡々と続く峠。頂上には白沢洞門と呼ばれるトンネルが待ち受けており、その手前は北アルプスや白馬の街が見下ろせる見晴らしの良いビューポイントとなっているのだ。遅れたチームメンバーを待つにも最適な場所となっており、ここで暫し休憩する人も多い。気温も少しずつ上がってきたので、ボトルの水でクールダウンする人の姿も見えた。
メンバーが揃ったら白沢洞門を通り、次のステージとなる鬼無里エリアまでダウンヒル。序盤はテクニカル。その後は直線基調の長い下りである。8kmほど下れば鬼無里給水所に到着。ここでは地場産のきゅうりに味噌をつけて豪快に頂く事が出来る。丸々1本のきゅうりは氷水で冷やしてあり、キンキンに冷えている。その上に味噌を乗せてかじると、塩っぱさとみずみずしさが口いっぱいに広がる。
多くの人で賑わう鬼無里給水所
氷水で冷やされた冷やしきゅうりを一本まるごと頂く
ジューシーなきゅうりに笑顔もこぼれる
こういった暑い季節のロングライドは塩分をいくらとっても撮り過ぎということになりづらいのが嬉しいところ。しっかり水分とミネラルを補給する。さらにはここにも水被りゾーンが設置されており、自由に水をかぶる事ができた。熱中症は水分、ミネラルの補給に加え体温を下げる必要があるため、こういった用意は有り難い。
鬼無里給水所から再スタートしても暫くは下り基調の道が続く。途中にはトンネルやごつごつした岩場、田舎感あふれる小川や田園などが次々と現れるため、走っていて飽きない。日が昇ってきて気温がどんどん上昇しているが、日陰も多めとなっており、炎天下を永遠と走るような状況にならないのが山岳ライドのいいところである。
清らかな流れの脇を走る
後半へ続く
text&photo:Kosuke.Kamata
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日本の天井とも例えられる日本アルプスを有する長野県。東京から車で3時間ほどというアクセスでありながら、日本の古き良き原風景のような田んぼや畑などの里山と、その名の通り、ヨーロッパのアルプス山脈のようなダイナミックな山岳風景が楽しめる大自然である。そんな風光明媚な後立山連峰から戸隠連峰にかけての山岳エリア(大町市・白馬村・小谷村・長野市鬼無里・長野市戸隠・小川村)を舞台にしたサイクリングイベントが「北アルプス⼭麓グランフォンド」である。
今年で7回目の開催を迎える北アルプス山麓グランフォンド。長野県では他にも多くのサイクリングイベントが開催されているが、3,000m近い獲得標高や150kmという距離は他の追随を許さないボリュームとなっており、多くのコアなサイクリストに支持されている。その上、今年は昨年に比べ獲得標高が500m増え3,300mとなったことで更にパワーアップ。脚の満足度向上に打って出ている。
スタート/フィニッシュ地点となるのは鹿島槍スポーツヴィレッジ。仁科三湖の一つである中綱湖から峠道を登った所にあるスポーツ施設で、冬はウインタースポーツ、夏は各種アウトドアを楽しむことが出来る。もちろんサイクリングの拠点として使用することもでき、施設内にはマヴィックのホイールレンタルステーションも完備しているのである。
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徐々に夜が明けると澄み渡った青空が広がっていく。昨年は雨天に見舞われてしまい、北アルプスの風景も見れずじまいだったということだが、今年はくっきりと爺ヶ岳の雄々しい姿を目にすることが出来た。山肌に朝日が降りかかり、少し雲が掛かった姿は神々しい雰囲気を醸し出していた。
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150kmコースはスタートしてからすぐに登り道。朝日に照らされ荘厳とした林道を走る。気温は寒くもなく暑くもない最高な温度感。これから始まる本格的な登坂に備え、仲間たちとおしゃべりしながら、ウォーミングアップするかのように登っていく。3kmほど登れば最初の絶景ポイント「小熊山」へ到着である。
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記念撮影を終え、少し湿り気味でなおかつ細く狭いテクニカルな下りを行くと、さっきは上から眺めた木崎湖の西岸に出る。そこからは木崎湖、中綱湖、青木湖の順番に仁科三湖を北上。平坦路が続く快適なサイクリングで皆一様に笑顔で駆けていく。しばらく走り続ければダイナミックな白馬連峰が見える白馬村へ入る。
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本格的な登りが始まる前に白馬エイドステーションで小休止。ここでは凍らせたブルーベリーとバナナが提供される。ブルーベリーは甘酸っぱい風味とシャリシャリとした食感の一口アイス感覚で登る前のビタミン補給に最適な一品。バナナもサイクリストにとって定番の補給食ということでここでカロリー補給だ。また連日の酷暑を鑑みて水被りエリアが設置され、スタッフのお姉さんに水を頭からかけてもらえるというご褒美も。
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メンバーが揃ったら白沢洞門を通り、次のステージとなる鬼無里エリアまでダウンヒル。序盤はテクニカル。その後は直線基調の長い下りである。8kmほど下れば鬼無里給水所に到着。ここでは地場産のきゅうりに味噌をつけて豪快に頂く事が出来る。丸々1本のきゅうりは氷水で冷やしてあり、キンキンに冷えている。その上に味噌を乗せてかじると、塩っぱさとみずみずしさが口いっぱいに広がる。
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鬼無里給水所から再スタートしても暫くは下り基調の道が続く。途中にはトンネルやごつごつした岩場、田舎感あふれる小川や田園などが次々と現れるため、走っていて飽きない。日が昇ってきて気温がどんどん上昇しているが、日陰も多めとなっており、炎天下を永遠と走るような状況にならないのが山岳ライドのいいところである。
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後半へ続く
text&photo:Kosuke.Kamata