2018/03/31(土) - 09:16
いよいよ春が到来し、サイクリングが盛り上がる季節がやってきた。シーズンインにピッタリなのが桜を堪能するお花見サイクリングだろう。編集部員フジワラは、思い入れのある桜並木を満喫しに湘南へと向かった。
出会いと別れの季節”春”を象徴する国民的植物「桜」。我々日本人に馴染みが深く、誰しもがマイ・ベスト・オブ・桜並木を心の中に秘めているはずだ。私、フジワラは小学生の頃は校庭に咲く桜が美しい学校に通い、桜とともに健やかに育んできた。そんな私にもベスト桜並木はある。
その桜並木との出会いはロードバイクに乗り始めた大学生の時。それまでは住んでいた桜という文字が入る地名にふさわしい1.5kmにも及ぼうかという長い桜並木と、通学していた小学校の桜をこよなく愛していた。
しかしロードバイクを手に入れることで行動範囲が広がったフジワラは、少年期に出会った桜並木以上のものを見つけたのだ。伊豆半島の河津桜のように広いエリアに広がっているわけではないが、道を覆う桜のトンネルが200m続く桜並木である。
小田急江ノ島線と相模鉄道いずみ野線が交差する湘南台の駅から少し東に進んだところでぶつかる、境川サイクリングロードにある桜並木が、マイ・ベスト・オブ〜だ。地元の人にも愛され、桜の季節にはお花見する方もいて心が落ち着くのだ。人手がありすぎて自転車で颯爽と駆け抜けることは難しいため、この場所だけは歩きながら桜をたっぷりと堪能するのがベスト。
この桜並木を目指すツーリング記事というのがベーシックな展開であるが、今回は実家からも非常に近いこともあり、ここから足を進めていこうと考えている。どこで何をするのかを決めておらずフラフラと桜を満喫するサイクリングにしてみよう。境川サイクリングロードで目指す先は1つ。江ノ島に取り敢えず向かおう。
境川サイクリングロードは、ロードバイクを購入以前より軽快車などで走り続けた非常に愛着のある道だ。春夏秋冬それぞれの顔を見ることができ、春は桜と暖かい南風、夏は強い日差し、秋は黄金色に輝く稲穂、冬は地獄の北風がサイクリストを迎えてくれる。往路は追い風、復路は向かい風となるのは仕様。
追い抜く人、すれ違う人も様々で、可愛らしいワンコを連れている方や、部活動の一環でランニングしている方などなど。人口密度が高いため、ロードバイクだからといってぶっ飛ばすと危険だし、風を感じる程度が1番気持ちよく走ることができるのだ。流れに乗りたければ並行して走る藤沢街道へ。
ベスト・オブ・桜並木の近くでは、国内では初採用となった片面吊橋構造の「鷺舞橋」もオススメだ。今から10年前の平成20年に竣工したこの橋は遊水地公園となっており、休日はスポーツ少年たちがハツラツと動き回っている姿を見ることができる。自転車ラックとトイレもあるため、ここで足を止めるサイクリストも多い。
正式名称、大和藤沢自転車道の欠点は気軽に立ち寄りやすいコンビニが少ないことだろう。確か、超有名立ち寄りスポットである飯田牧場近くのローソンか、大和市と藤沢市の境にあるいちょう団地内のスーパーマーケットぐらいが唯一の選択肢となる。前もって頭に入れて置かなければ通り過ぎてしまうため、不安がある方は予習もしくはサイクリングロードに差し掛かる前に補給をしておいた方が良い。
話が鷺舞橋から飛んでしまったが、そんな事情もあることに加え、自宅が近いこともあり、私はこの休憩所で休んだことはないのだ。今回、記事の写真のために足を止めてみたら、鷺の翼が広がるように見えるこの橋の美しさに気がつかされてしまった。灯台もと暗しである。20代前半のフジワラはシャカリキに走ることで頭がいっぱいだったようだ。アラサーに突入したこれからは大人の余裕があるサイクリングを楽しみたい。
気を取り直して鷺舞橋から再び南下を始めるが、この周辺は思い出の土地でもある。横浜ドリームランドをご存知の方はいるだろうか。2002年に閉園となってしまった遊園地だ。私も小さい頃、親に連れて行ってもらったことがあり、学園天国という楽曲の一節「ヘーイヘイヘーイヘイ!」の掛け声とともにグルグルと回るアトラクションの事を未だに覚えている。
今は跡地が横浜薬科大学と野球場に利用されており、その雰囲気を感じることはできない。ただ、ホテルエンパイアと名付けられた高層ビルディングは残されている。一度でも境川サイクリングロードを走行したことがある方ならば見たことがあるはずの謎の高層ビルだ。当時は、五重塔を模した和風な装いで親しんでいた。
そして、超有名なスポット飯田牧場だ。日本一小さな牧場というここではジェラートを頂くことがお約束。サイクリングロードから少し外れることになるが、それほど難しい場所には無いため迷う心配は少ないだろう。土日であれば車の列ができていると思われるので、見たらわかるはず。
ライド当日は店休日だったのでスルーして海を目指すことに。藤沢市的に言うなれば湘南台や六会エリア、横浜市的に表すならば俣野エリアをすぎると、田畑が広がるのどかな光景を楽しみながらのサイクリングとなる。といっても数kmしかなく、ロードで快調に進めば一瞬で終わってしまう。周りに建物も森林も無いため、風が一番強く感じるのはこのあたり。向かい風にあたってしまったら、ほぼ全区間で辛い思いをするのだが。
程なく見えてくるアーチ形状の水路橋は、気持ちよく走れる境川サイクリングロードとのお別れがもうすぐの合図。藤沢清流高校が見えるとサイクリングロードは途切れ一般道を走行することに。路地を進むと箱根駅伝でお馴染みの遊行寺が現れ、県道467号線に当たる。ここまで到達できれば、江ノ島はもうすぐそこだ。
と、ここでマイ・ベスト・オブ桜並木サイクリングの記事前編はここまで。自転車を始めた頃に走り込んだり、少年期の思い出が詰まった場所だっただけに文章のボリュームが膨らんでしまった。後半は江ノ島を中心にサイクリング。大好きなジェラテリアに立ち寄ろうと思ったものの…。続く
text&photo:Gakuto Fujiwara
出会いと別れの季節”春”を象徴する国民的植物「桜」。我々日本人に馴染みが深く、誰しもがマイ・ベスト・オブ・桜並木を心の中に秘めているはずだ。私、フジワラは小学生の頃は校庭に咲く桜が美しい学校に通い、桜とともに健やかに育んできた。そんな私にもベスト桜並木はある。
その桜並木との出会いはロードバイクに乗り始めた大学生の時。それまでは住んでいた桜という文字が入る地名にふさわしい1.5kmにも及ぼうかという長い桜並木と、通学していた小学校の桜をこよなく愛していた。
しかしロードバイクを手に入れることで行動範囲が広がったフジワラは、少年期に出会った桜並木以上のものを見つけたのだ。伊豆半島の河津桜のように広いエリアに広がっているわけではないが、道を覆う桜のトンネルが200m続く桜並木である。
小田急江ノ島線と相模鉄道いずみ野線が交差する湘南台の駅から少し東に進んだところでぶつかる、境川サイクリングロードにある桜並木が、マイ・ベスト・オブ〜だ。地元の人にも愛され、桜の季節にはお花見する方もいて心が落ち着くのだ。人手がありすぎて自転車で颯爽と駆け抜けることは難しいため、この場所だけは歩きながら桜をたっぷりと堪能するのがベスト。
この桜並木を目指すツーリング記事というのがベーシックな展開であるが、今回は実家からも非常に近いこともあり、ここから足を進めていこうと考えている。どこで何をするのかを決めておらずフラフラと桜を満喫するサイクリングにしてみよう。境川サイクリングロードで目指す先は1つ。江ノ島に取り敢えず向かおう。
境川サイクリングロードは、ロードバイクを購入以前より軽快車などで走り続けた非常に愛着のある道だ。春夏秋冬それぞれの顔を見ることができ、春は桜と暖かい南風、夏は強い日差し、秋は黄金色に輝く稲穂、冬は地獄の北風がサイクリストを迎えてくれる。往路は追い風、復路は向かい風となるのは仕様。
追い抜く人、すれ違う人も様々で、可愛らしいワンコを連れている方や、部活動の一環でランニングしている方などなど。人口密度が高いため、ロードバイクだからといってぶっ飛ばすと危険だし、風を感じる程度が1番気持ちよく走ることができるのだ。流れに乗りたければ並行して走る藤沢街道へ。
ベスト・オブ・桜並木の近くでは、国内では初採用となった片面吊橋構造の「鷺舞橋」もオススメだ。今から10年前の平成20年に竣工したこの橋は遊水地公園となっており、休日はスポーツ少年たちがハツラツと動き回っている姿を見ることができる。自転車ラックとトイレもあるため、ここで足を止めるサイクリストも多い。
正式名称、大和藤沢自転車道の欠点は気軽に立ち寄りやすいコンビニが少ないことだろう。確か、超有名立ち寄りスポットである飯田牧場近くのローソンか、大和市と藤沢市の境にあるいちょう団地内のスーパーマーケットぐらいが唯一の選択肢となる。前もって頭に入れて置かなければ通り過ぎてしまうため、不安がある方は予習もしくはサイクリングロードに差し掛かる前に補給をしておいた方が良い。
話が鷺舞橋から飛んでしまったが、そんな事情もあることに加え、自宅が近いこともあり、私はこの休憩所で休んだことはないのだ。今回、記事の写真のために足を止めてみたら、鷺の翼が広がるように見えるこの橋の美しさに気がつかされてしまった。灯台もと暗しである。20代前半のフジワラはシャカリキに走ることで頭がいっぱいだったようだ。アラサーに突入したこれからは大人の余裕があるサイクリングを楽しみたい。
気を取り直して鷺舞橋から再び南下を始めるが、この周辺は思い出の土地でもある。横浜ドリームランドをご存知の方はいるだろうか。2002年に閉園となってしまった遊園地だ。私も小さい頃、親に連れて行ってもらったことがあり、学園天国という楽曲の一節「ヘーイヘイヘーイヘイ!」の掛け声とともにグルグルと回るアトラクションの事を未だに覚えている。
今は跡地が横浜薬科大学と野球場に利用されており、その雰囲気を感じることはできない。ただ、ホテルエンパイアと名付けられた高層ビルディングは残されている。一度でも境川サイクリングロードを走行したことがある方ならば見たことがあるはずの謎の高層ビルだ。当時は、五重塔を模した和風な装いで親しんでいた。
そして、超有名なスポット飯田牧場だ。日本一小さな牧場というここではジェラートを頂くことがお約束。サイクリングロードから少し外れることになるが、それほど難しい場所には無いため迷う心配は少ないだろう。土日であれば車の列ができていると思われるので、見たらわかるはず。
ライド当日は店休日だったのでスルーして海を目指すことに。藤沢市的に言うなれば湘南台や六会エリア、横浜市的に表すならば俣野エリアをすぎると、田畑が広がるのどかな光景を楽しみながらのサイクリングとなる。といっても数kmしかなく、ロードで快調に進めば一瞬で終わってしまう。周りに建物も森林も無いため、風が一番強く感じるのはこのあたり。向かい風にあたってしまったら、ほぼ全区間で辛い思いをするのだが。
程なく見えてくるアーチ形状の水路橋は、気持ちよく走れる境川サイクリングロードとのお別れがもうすぐの合図。藤沢清流高校が見えるとサイクリングロードは途切れ一般道を走行することに。路地を進むと箱根駅伝でお馴染みの遊行寺が現れ、県道467号線に当たる。ここまで到達できれば、江ノ島はもうすぐそこだ。
と、ここでマイ・ベスト・オブ桜並木サイクリングの記事前編はここまで。自転車を始めた頃に走り込んだり、少年期の思い出が詰まった場所だっただけに文章のボリュームが膨らんでしまった。後半は江ノ島を中心にサイクリング。大好きなジェラテリアに立ち寄ろうと思ったものの…。続く
text&photo:Gakuto Fujiwara
Amazon.co.jp