2018/02/23(金) - 09:20
バレンタインも過ぎ去った2月中旬。埼玉県さいたま市にある、さいたまスーパーアリーナにて「埼玉サイクルエキスポ」が開催された。今年初めてとなった主要バイクメーカー合同のバイク展示&試乗会となり、多くの人で賑わった。その様子をブースに焦点を当ててレポートしよう。
東京駅から電車で30分のところにある、さいたま新都心駅。神奈川県横浜市の”みなとみらい21”や千葉県千葉市にある”幕張新都心”と共に、東京都心に集中した企業を分散させるべく企図された再開発地区である。その中心地にある、さいたまスーパーアリーナで自転車の大規模展示会「埼玉サイクルエキスポ」が開催された。
さいたまスーパーアリーナのコミュニティアリーナを使用して行われた埼玉サイクルエキスポ。90ほどの自転車とサイクルアイテムのブランドが出展しており、最新バイクの展示や2018ニューモデルの試乗が楽しめるイベントである。2018年最初の大型自転車展示会ということもあり、開場前には入場を待つ長蛇の列も形成され、会場は多くの自転車ファンで賑わっていた。
本イベント目玉の1つである試乗コースはさいたまスーパーアリーナ前の公道を使用したコース。施設内の滑りやすいコンクリートではなく、実際の道路となるアスファルト路面であるため、グリップ感などを確認しやすく、長い直線も用意されているためでバイクの加速性能を確かめやすいコース設定となった。途中にはスロープも用意され、E-バイクの登坂性能をチェックするにも最適であった。
会場脇に設営されたメインステージでは埼玉サイクリングのススメや、スポーツバイクをこれから始める人向けの初心者講座やメンテナンス講座、もしもに備える自転車保険の講座など、様々なコンテンツを実施。その他には東京オリンピックから新たに追加される自転車競技、BMXフリースタイル・パークの紹介や、ブリヂストンサイクルに所属するオリンピアン達によるクイズショーなど、2020年の東京オリンピックに向けたステージイベントも展開された。
オリンピアン達によるクイズショーには1988年ソウル五輪出場、鈴木光広さん、1992年バルセロナ五輪出場、藤田晃三さん、2000年のシドニー五輪から2008年の北京五輪まで3大会に出場した飯島誠さん、2016年リオ五輪出場、窪木一茂といった錚々たるメンバーが登場。五輪にまつわる裏話をクイズショー形式で紹介していた。窪木によると選手村の寿司屋は非常に人気だという。そんな話を皆熱心に聞いていた。
会場の中心部分にブースを構えるのは埼玉県上尾市に本社を持つブリヂストンサイクル。ブースでは昨年末に発表された東京オリンピック・パラリンピックに向けた選手育成体制「チームブリヂストン」の展示をメインに展開。2日前に納車されたばかりというシックなブラックカラーを纏った新チームカーを初お披露目し、過去のオリンピックに出場したブリヂストンのロードバイクの展示など2020年東京オリンピック・パラリンピックに向け選手を強化していくというビジョンが明確に感じ取れるブースとなっていた。
ブース前方には小さなイベントスペースも用意。バーチャルサイクリングのズイフトに接続されたローラー台が用意され、子供向けのロードバイク体験会が行われる一幕も。更にはソウル五輪出場の鈴木光広さんと、バルセロナ五輪出場の藤田晃三さんによるズイフトレースも開催された。
この企画がブリヂストンサイクル社内で決定されてから、お昼休みなどに”コソ練”をしていたというレジェンド鈴木。対して現在も国内ヒルクライムレースやロードバイク講習会などに出向いているレジェンド藤田。一見不利かと思われたレジェンド鈴木だったが、バトルが始まると400ワット近い数値で先行しレジェンド藤田を突き放す戦法を取り、一時先行する。しかしスタミナが持たなかったのか残り100mで急激に失速するも脅威の粘りを見せ、先着。
グローブライドは自社の取り扱うブランドの中でも質実剛健なジャーマンブランド、コラテックをピックアップ。他のブランドに隠れがちなブランドであるが、技術立国ドイツの確かな技術で堅実なバイクを作っているブランドである。中でも今回の目玉は欧米では普及の一途を辿るE-バイク、X-VERT。フロントサスペンションを搭載したMTB然としたスタイルだが、スリックタイヤを履かせ、シティライドに適したモデルとしている。試乗も出来るということで、注目度は高いと言えるだろう。
もう一つコラテックブースで注目を集めたのが、参考出品された重量4.74kgという超軽量バイク。コンポーネントはスラムe-Tap、パーツ類は軽量で知られる同郷のAXライトネスをセレクトした至高の逸品と言えるだろう。フレームはフルカーボンフルオーダーフレームのマウロサニーノ。通常ラインアップに隠れがちなプロダクトではあるが、コラテックの技術力の高さを垣間見ることが出来るアイテムである。
NBSブースでは先日発表されたばかりのコルナゴの最新旗艦「C64」(シクロワイアードの登場時レビューはこちら)を出展していた。外ラグ式カーボンフレームというアイデンティティーはそのままに、先代のC60に比べて186gもの軽量化を実現。シートラグと一体化したシートチューブが剛性強化と軽量化に貢献する設計だ。
最新バイクでありながら創業者エルネスト・コルナゴ邸の地下工房で生まれたというC64。細部のディテールには目を見張るものがあり、眺めているだけで様々な発見があるバイクだ。発表当初から都内の大型プロショップには展示されていた同バイクだが、こういった展示会では初めての展示ということもあり、多くの人が足を止めて食い入るように細部をチェックしたり、写真撮影をしたりしていた。
他にもNBSブースではコルナゴのエアロロード、CONCEPT DISCやオールラウンドロードV2-Rの試乗車も用意。またリンタマンのロードシューズADJUST ROADも試し履きすることが出来るよう、各サイズが揃えられていた。
サイクルウェアのウエイブワンでは人気キャラクターや作品とコラボしたサイクルウェアシリーズ「WAVE ONE CAST」の製品を中心にラインアップ。ソーシャルゲームのFate Grand Orderジャージや、国民的とも言える炭酸飲料ファンタのジャージ、世界で最も有名なハリネズミ、ソニック・ザ・ヘッジホッグのサイクルウェアなど多彩なキャラクターウェアを展示していた。
3月には誕生から30周年を迎えるというロックマンのサイクルウェアシリーズが登場する予定。ロックマンレーシングと称した架空のチームをキーワードにデザイン。バイクブランド、コーダブルームとコラボレーションし、オリジナルデザインのバイクも用意することで、ロックマンの世界観を表現するプロジェクトとなっている。ロックマンサイクルウェアはウエイブワンウェブショップにて3月4日(日)23時まで予約注文受付中。受注生産となるため、気になる方は要チェックだ。
自転車保険を展開するau損保では加入相談が出来るブースを設置。埼玉県では今年の4月から自転車損害保険への加入が義務化されることもあり、気にかけるサイクリストは足を止め説明を受けていた。自転車による重大な損害事故も起きている昨今、相手の車を傷つけたり、相手に怪我を負わせてしまい高額な賠償請求をされるといったケースも少なくない。そんなもしもの時に自転車保険は頼もしい存在となってくれる。
au損保では月々360円から始められる自転車保険、Bycleを中心に各種保険商品を展開。最近では盗難被害に備える「すぽくる」も日本少額短期保険の代理店として扱っており、一層のラインアップ拡充が図られている。まだまだ馴染みが薄い自転車保険について担当者から詳しい話を聞くことで、より理解を深める事が出来るブースとなっていた。
text&photo:Kosuke Kamata
photo:Gakuto Fujiwara
東京駅から電車で30分のところにある、さいたま新都心駅。神奈川県横浜市の”みなとみらい21”や千葉県千葉市にある”幕張新都心”と共に、東京都心に集中した企業を分散させるべく企図された再開発地区である。その中心地にある、さいたまスーパーアリーナで自転車の大規模展示会「埼玉サイクルエキスポ」が開催された。
さいたまスーパーアリーナのコミュニティアリーナを使用して行われた埼玉サイクルエキスポ。90ほどの自転車とサイクルアイテムのブランドが出展しており、最新バイクの展示や2018ニューモデルの試乗が楽しめるイベントである。2018年最初の大型自転車展示会ということもあり、開場前には入場を待つ長蛇の列も形成され、会場は多くの自転車ファンで賑わっていた。
本イベント目玉の1つである試乗コースはさいたまスーパーアリーナ前の公道を使用したコース。施設内の滑りやすいコンクリートではなく、実際の道路となるアスファルト路面であるため、グリップ感などを確認しやすく、長い直線も用意されているためでバイクの加速性能を確かめやすいコース設定となった。途中にはスロープも用意され、E-バイクの登坂性能をチェックするにも最適であった。
会場脇に設営されたメインステージでは埼玉サイクリングのススメや、スポーツバイクをこれから始める人向けの初心者講座やメンテナンス講座、もしもに備える自転車保険の講座など、様々なコンテンツを実施。その他には東京オリンピックから新たに追加される自転車競技、BMXフリースタイル・パークの紹介や、ブリヂストンサイクルに所属するオリンピアン達によるクイズショーなど、2020年の東京オリンピックに向けたステージイベントも展開された。
オリンピアン達によるクイズショーには1988年ソウル五輪出場、鈴木光広さん、1992年バルセロナ五輪出場、藤田晃三さん、2000年のシドニー五輪から2008年の北京五輪まで3大会に出場した飯島誠さん、2016年リオ五輪出場、窪木一茂といった錚々たるメンバーが登場。五輪にまつわる裏話をクイズショー形式で紹介していた。窪木によると選手村の寿司屋は非常に人気だという。そんな話を皆熱心に聞いていた。
会場の中心部分にブースを構えるのは埼玉県上尾市に本社を持つブリヂストンサイクル。ブースでは昨年末に発表された東京オリンピック・パラリンピックに向けた選手育成体制「チームブリヂストン」の展示をメインに展開。2日前に納車されたばかりというシックなブラックカラーを纏った新チームカーを初お披露目し、過去のオリンピックに出場したブリヂストンのロードバイクの展示など2020年東京オリンピック・パラリンピックに向け選手を強化していくというビジョンが明確に感じ取れるブースとなっていた。
ブース前方には小さなイベントスペースも用意。バーチャルサイクリングのズイフトに接続されたローラー台が用意され、子供向けのロードバイク体験会が行われる一幕も。更にはソウル五輪出場の鈴木光広さんと、バルセロナ五輪出場の藤田晃三さんによるズイフトレースも開催された。
この企画がブリヂストンサイクル社内で決定されてから、お昼休みなどに”コソ練”をしていたというレジェンド鈴木。対して現在も国内ヒルクライムレースやロードバイク講習会などに出向いているレジェンド藤田。一見不利かと思われたレジェンド鈴木だったが、バトルが始まると400ワット近い数値で先行しレジェンド藤田を突き放す戦法を取り、一時先行する。しかしスタミナが持たなかったのか残り100mで急激に失速するも脅威の粘りを見せ、先着。
グローブライドは自社の取り扱うブランドの中でも質実剛健なジャーマンブランド、コラテックをピックアップ。他のブランドに隠れがちなブランドであるが、技術立国ドイツの確かな技術で堅実なバイクを作っているブランドである。中でも今回の目玉は欧米では普及の一途を辿るE-バイク、X-VERT。フロントサスペンションを搭載したMTB然としたスタイルだが、スリックタイヤを履かせ、シティライドに適したモデルとしている。試乗も出来るということで、注目度は高いと言えるだろう。
もう一つコラテックブースで注目を集めたのが、参考出品された重量4.74kgという超軽量バイク。コンポーネントはスラムe-Tap、パーツ類は軽量で知られる同郷のAXライトネスをセレクトした至高の逸品と言えるだろう。フレームはフルカーボンフルオーダーフレームのマウロサニーノ。通常ラインアップに隠れがちなプロダクトではあるが、コラテックの技術力の高さを垣間見ることが出来るアイテムである。
NBSブースでは先日発表されたばかりのコルナゴの最新旗艦「C64」(シクロワイアードの登場時レビューはこちら)を出展していた。外ラグ式カーボンフレームというアイデンティティーはそのままに、先代のC60に比べて186gもの軽量化を実現。シートラグと一体化したシートチューブが剛性強化と軽量化に貢献する設計だ。
最新バイクでありながら創業者エルネスト・コルナゴ邸の地下工房で生まれたというC64。細部のディテールには目を見張るものがあり、眺めているだけで様々な発見があるバイクだ。発表当初から都内の大型プロショップには展示されていた同バイクだが、こういった展示会では初めての展示ということもあり、多くの人が足を止めて食い入るように細部をチェックしたり、写真撮影をしたりしていた。
他にもNBSブースではコルナゴのエアロロード、CONCEPT DISCやオールラウンドロードV2-Rの試乗車も用意。またリンタマンのロードシューズADJUST ROADも試し履きすることが出来るよう、各サイズが揃えられていた。
サイクルウェアのウエイブワンでは人気キャラクターや作品とコラボしたサイクルウェアシリーズ「WAVE ONE CAST」の製品を中心にラインアップ。ソーシャルゲームのFate Grand Orderジャージや、国民的とも言える炭酸飲料ファンタのジャージ、世界で最も有名なハリネズミ、ソニック・ザ・ヘッジホッグのサイクルウェアなど多彩なキャラクターウェアを展示していた。
3月には誕生から30周年を迎えるというロックマンのサイクルウェアシリーズが登場する予定。ロックマンレーシングと称した架空のチームをキーワードにデザイン。バイクブランド、コーダブルームとコラボレーションし、オリジナルデザインのバイクも用意することで、ロックマンの世界観を表現するプロジェクトとなっている。ロックマンサイクルウェアはウエイブワンウェブショップにて3月4日(日)23時まで予約注文受付中。受注生産となるため、気になる方は要チェックだ。
自転車保険を展開するau損保では加入相談が出来るブースを設置。埼玉県では今年の4月から自転車損害保険への加入が義務化されることもあり、気にかけるサイクリストは足を止め説明を受けていた。自転車による重大な損害事故も起きている昨今、相手の車を傷つけたり、相手に怪我を負わせてしまい高額な賠償請求をされるといったケースも少なくない。そんなもしもの時に自転車保険は頼もしい存在となってくれる。
au損保では月々360円から始められる自転車保険、Bycleを中心に各種保険商品を展開。最近では盗難被害に備える「すぽくる」も日本少額短期保険の代理店として扱っており、一層のラインアップ拡充が図られている。まだまだ馴染みが薄い自転車保険について担当者から詳しい話を聞くことで、より理解を深める事が出来るブースとなっていた。
text&photo:Kosuke Kamata
photo:Gakuto Fujiwara
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