2017/02/14(火) - 09:05
愛知県の湾岸地域に構えられたポートメッセなごやにて、深谷産業が取り扱うブランドを集結させた展示会「FUKAYA CYCLE FAIR」を開催。数多くのブランドが揃った展示会をレポート。
エディメルクスやセラ・イタリア、ミシュラン、シディ……。自転車に乗る人であれば一度は耳にしたことがあるだろうビッグブランドを取り扱う輸入販売代理店の深谷産業。創業は明治44年、西暦では1911年。小村寿太郎が関税自主権を回復する日米通商航海条約(改定)を結び、日本が西欧列強と肩を並べた年に、日本で有数の自転車販売代理店が誕生した。
昨年は創業105周年という年を迎え「感謝」という言葉とともに、深谷産業が扱うブランドを一挙に集めた販売店向け展示会を開催。今年は雪が舞う1月24日にポートメッセなごやにて販売店を招待して開催された。
ポートメッセなごやのワンフロアを貸し切って行われる同社の展示会には、各ブランドそれぞれの世界観を押し出したブースがいくつも立ち並ぶ。さらには屋内試乗コースもあり、訪れたショップスタッフたちはエディメルクスのバイクにまたがり性能を試す。さながらプチ・サイクルモード状態だ。
大規模なショーのような展示会となるのは取り扱うブランドの多さにあり、その数約60社。先述のビッグブランドに加えて、デダエレメンティやゼファール、ホワイトインダストリー、ユースウィー、ベロトーゼなどなど世界各国から大小様々なブランドを日本に紹介し続けている。
日本のブランドも数多く取り扱っており、深谷産業と共同で開発を進めているミノウラを筆頭に、日本発世界のコンポーネントメーカーであるシマノ、OGKカブト、キャットアイ、MKS(三ヶ島製作所)、IRC、パナレーサーなどなど。有力ブランドを挙げ始めるとキリがないほど、多種多様なラインアップが揃っているのだ。
エディメルクスのブースでは、メルクス氏が走っていた当時の写真や彼の功績を称えるバナーが輝き、重厚な雰囲気のディスプレイにバイクが納められる。2017年モデルの注目は新型フラッグシップEM-525とシクロクロスバイクEEKLO70。どちらもトレンドに沿った仕様とされており、これからのレーシングシーンで活躍してくれるだろう。
2017年からブランドアンバサダーに就任した三船雅彦さんが深谷産業の展示会に来場した。三船さんと言えばロンド・ファン・フラーンデレンやリエージュ~バストーニュ~リエージュなど世界中が注目するクラシックレースに日本人で初めて出場したレジェンド。ベルギーにゆかりのある三船さんがエディメルクスとタッグを組むのは自然なことなのかもしれない。
「僕がヨーロッパへ渡ったときには既にメルクス氏が引退してから10年ほど経っていましたが、テレビでは現役時代の映像が沢山放送されていて、彼の影響や残像をビシバシ感じてきました。その経験もあって灰色の空の下を走ると『メルクスもこういう天気なか頑張っていたのかなあ』とメルクスと自分がオーバーラップします。エディメルクスのバイクに乗っていると更にそういう気になりますね」と三船さん。
パリ~ブレスト~パリに代表されるブルベやシクロクロスに積極的に参加する三船さんが乗るバイクはエンデュランスロードMOURENX69とシクロクロスバイクEEKLO70のアルミ/カンチブレーキ仕様という2車種。
既に2台とも乗っておりどちらのバイクもフィーリングが良いという。MOURENX69の三船さん評は「まさに長距離乗るためのバイク」。あえてアルミモデルを選んだというEEKLO70は意外にも重量が軽いとのことだ。これからはエディメルクスのバイクに乗ってブルベやシクロクロスに参戦する三船さんの活動から目が離せない。
セレーブからは脱着可能なエアロシェルが装備されたヘルメットMODA、ホワイトインダストリーは最新のBOOST規格を採用したMTB用ハブ、ユースウィーはタウンユースや普段着で遊ぶMTBライドにピッタリなカジュアルデザインのバックパックをラインアップに追加。シディのSHOTなども所狭しと並べられている。
様々なプロサイクリングチームをサポートするアパレルブランド「フェルマルク」では、プロ選手が着用するモデルと同仕様、同デザインのジャージを受注生産で受け付けるという。ラインアップはクイックステップフロアーズをはじめ、ロット・ソウダル、シクロクロスファン向けにテレネット・フィデアなどなど。
さらに今回の展示会ではイスラエルから「ファンキアー」というライダーギアブランドが来日。バックパックを背負えるようにマチが設けられたレインウェアなど独創的なアイデアが光る製品を用意しているという。
これだけでも深谷産業が取り扱う海外ブランドの多さを感じ取れるだろう。先述したように数多くの国内ブランドの販売代理も行っているのが深谷産業である。フカヤオリジナルとして幾つものプロダクトをつくるほどの協力関係にある同社のブースには、昨年秋発表されたハイブリッドローラーFG220や、自重/固定式ローラーLR961、LR541など最新型トレーナーの試乗機が立ち並ぶ。
シマノブースでは、いよいよ発売開始されるというR9150系DURA-ACE Di2を中心に、新型ホイールなど注目のプロダクトを展示。注目度はかなり高い様子だ。キャットアイはRAPID MICRO AUTOという自動点灯モードを備えたリアライトと、バックライト機能のブラッシュアップとスリム化を実現したサイクルコンピューターPADRONE+を発表。
カブトではサイクルモード2016で発表され、今春発売予定のエアロヘルメットAERO R1が注目の的となった。また、カブトの2017年ラインアップは、アウターシェルの耐久性を高めた普段着モデルBC-Viaの登場など、カジュアルなエントリーグレードが充実している。
オーストリッチも深谷産業が取り扱うブランドの1つだ。今回は欧米で流行り、日本でも注目を集め始めた大型サドルバックを展示会に投入していた。代表の伊美さん自らがテストしながら開発したというスマートイジーバッグは、シートポストの出代が小さい日本人でも欧米ブランドよりも容量は少なめ、サイズは小さめの設定だ。使い勝手も考慮しショルダーバッグとしても使えるインナーバッグが付属する。
国内外のブランドを数多く取り扱う輸入販売代理店の深谷産業。三船雅彦さんをアンバサダーとして迎えたエディメルクスのバイクは今後目にする機会が増えることだろう。
text&photo:Gakuto.Fujiwara
photo:Makoto.AYANO
エディメルクスやセラ・イタリア、ミシュラン、シディ……。自転車に乗る人であれば一度は耳にしたことがあるだろうビッグブランドを取り扱う輸入販売代理店の深谷産業。創業は明治44年、西暦では1911年。小村寿太郎が関税自主権を回復する日米通商航海条約(改定)を結び、日本が西欧列強と肩を並べた年に、日本で有数の自転車販売代理店が誕生した。
昨年は創業105周年という年を迎え「感謝」という言葉とともに、深谷産業が扱うブランドを一挙に集めた販売店向け展示会を開催。今年は雪が舞う1月24日にポートメッセなごやにて販売店を招待して開催された。
ポートメッセなごやのワンフロアを貸し切って行われる同社の展示会には、各ブランドそれぞれの世界観を押し出したブースがいくつも立ち並ぶ。さらには屋内試乗コースもあり、訪れたショップスタッフたちはエディメルクスのバイクにまたがり性能を試す。さながらプチ・サイクルモード状態だ。
大規模なショーのような展示会となるのは取り扱うブランドの多さにあり、その数約60社。先述のビッグブランドに加えて、デダエレメンティやゼファール、ホワイトインダストリー、ユースウィー、ベロトーゼなどなど世界各国から大小様々なブランドを日本に紹介し続けている。
日本のブランドも数多く取り扱っており、深谷産業と共同で開発を進めているミノウラを筆頭に、日本発世界のコンポーネントメーカーであるシマノ、OGKカブト、キャットアイ、MKS(三ヶ島製作所)、IRC、パナレーサーなどなど。有力ブランドを挙げ始めるとキリがないほど、多種多様なラインアップが揃っているのだ。
エディメルクスのブースでは、メルクス氏が走っていた当時の写真や彼の功績を称えるバナーが輝き、重厚な雰囲気のディスプレイにバイクが納められる。2017年モデルの注目は新型フラッグシップEM-525とシクロクロスバイクEEKLO70。どちらもトレンドに沿った仕様とされており、これからのレーシングシーンで活躍してくれるだろう。
2017年からブランドアンバサダーに就任した三船雅彦さんが深谷産業の展示会に来場した。三船さんと言えばロンド・ファン・フラーンデレンやリエージュ~バストーニュ~リエージュなど世界中が注目するクラシックレースに日本人で初めて出場したレジェンド。ベルギーにゆかりのある三船さんがエディメルクスとタッグを組むのは自然なことなのかもしれない。
「僕がヨーロッパへ渡ったときには既にメルクス氏が引退してから10年ほど経っていましたが、テレビでは現役時代の映像が沢山放送されていて、彼の影響や残像をビシバシ感じてきました。その経験もあって灰色の空の下を走ると『メルクスもこういう天気なか頑張っていたのかなあ』とメルクスと自分がオーバーラップします。エディメルクスのバイクに乗っていると更にそういう気になりますね」と三船さん。
パリ~ブレスト~パリに代表されるブルベやシクロクロスに積極的に参加する三船さんが乗るバイクはエンデュランスロードMOURENX69とシクロクロスバイクEEKLO70のアルミ/カンチブレーキ仕様という2車種。
既に2台とも乗っておりどちらのバイクもフィーリングが良いという。MOURENX69の三船さん評は「まさに長距離乗るためのバイク」。あえてアルミモデルを選んだというEEKLO70は意外にも重量が軽いとのことだ。これからはエディメルクスのバイクに乗ってブルベやシクロクロスに参戦する三船さんの活動から目が離せない。
セレーブからは脱着可能なエアロシェルが装備されたヘルメットMODA、ホワイトインダストリーは最新のBOOST規格を採用したMTB用ハブ、ユースウィーはタウンユースや普段着で遊ぶMTBライドにピッタリなカジュアルデザインのバックパックをラインアップに追加。シディのSHOTなども所狭しと並べられている。
様々なプロサイクリングチームをサポートするアパレルブランド「フェルマルク」では、プロ選手が着用するモデルと同仕様、同デザインのジャージを受注生産で受け付けるという。ラインアップはクイックステップフロアーズをはじめ、ロット・ソウダル、シクロクロスファン向けにテレネット・フィデアなどなど。
さらに今回の展示会ではイスラエルから「ファンキアー」というライダーギアブランドが来日。バックパックを背負えるようにマチが設けられたレインウェアなど独創的なアイデアが光る製品を用意しているという。
これだけでも深谷産業が取り扱う海外ブランドの多さを感じ取れるだろう。先述したように数多くの国内ブランドの販売代理も行っているのが深谷産業である。フカヤオリジナルとして幾つものプロダクトをつくるほどの協力関係にある同社のブースには、昨年秋発表されたハイブリッドローラーFG220や、自重/固定式ローラーLR961、LR541など最新型トレーナーの試乗機が立ち並ぶ。
シマノブースでは、いよいよ発売開始されるというR9150系DURA-ACE Di2を中心に、新型ホイールなど注目のプロダクトを展示。注目度はかなり高い様子だ。キャットアイはRAPID MICRO AUTOという自動点灯モードを備えたリアライトと、バックライト機能のブラッシュアップとスリム化を実現したサイクルコンピューターPADRONE+を発表。
カブトではサイクルモード2016で発表され、今春発売予定のエアロヘルメットAERO R1が注目の的となった。また、カブトの2017年ラインアップは、アウターシェルの耐久性を高めた普段着モデルBC-Viaの登場など、カジュアルなエントリーグレードが充実している。
オーストリッチも深谷産業が取り扱うブランドの1つだ。今回は欧米で流行り、日本でも注目を集め始めた大型サドルバックを展示会に投入していた。代表の伊美さん自らがテストしながら開発したというスマートイジーバッグは、シートポストの出代が小さい日本人でも欧米ブランドよりも容量は少なめ、サイズは小さめの設定だ。使い勝手も考慮しショルダーバッグとしても使えるインナーバッグが付属する。
国内外のブランドを数多く取り扱う輸入販売代理店の深谷産業。三船雅彦さんをアンバサダーとして迎えたエディメルクスのバイクは今後目にする機会が増えることだろう。
text&photo:Gakuto.Fujiwara
photo:Makoto.AYANO
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