2016/02/03(水) - 09:23
ポートメッセなごやを貸し切って開催された、深谷産業の展示会「FUKAYA CYCLE FAIR」をレポート。60を超えるブランドから、注目の新製品がずらりと並んだ国内最大規模の展示会となりました。
国内最大規模を誇る自転車総合商社、深谷産業。その設立は1911年、明治44年にまで遡る。明治44年といえば日米通商航海条約が調印され、メキシコでは革命が起こった年だ。そんな中、名古屋市中区で「深谷商店」として自転車商社として創業し、戦前にはオリジナルの自転車を、戦後にはモペットバイクなどの製造も手がけつつ、エディメルクスをはじめとする海外ブランドの取り扱いを増やしてきた。
現在深谷産業が扱うブランドはおよそ60弱。ツーリング車のDAVOS、ロードレーサーのGHISALLOといったオリジナルバイクを筆頭に、専売として扱うミノウラのトレーニングマシン、パーツ、アクセサリー、グッズ、ウェア、サプリメントまでと非常に幅広く、多岐に渡る。
シマノやシディ、パナレーサーやIRCといったビッグブランドをはじめ、ホワイトインダストリーやマイクロシフトといったマニアックブランド、さらにはNITTO、ソーヨー、MKS、加島サドルという競輪選手御用達ブランドまで、様々なジャンルを網羅して余りあるラインナップが揃っているのだ。
そんな深谷産業の2016展示会が行われたのがポートメッセなごや(名古屋市国際展示場)。「名古屋サイクルトレンド」でも使われる巨大なイベントホールを丸々貸し切って開催され、一企業でのショップ向け展示会としては、過去に例を見ないほど大規模なものとなった。
それというもの、今回の「FUKAYA CYCLE FAIR」は50回目のという節目であったため。そのため会場のいたる場所には「感謝」という文字が躍る。「50年間もサイクルフェアーをやってこれたのは、やはりメーカー、ショップ、そしてユーザーの皆さんあってこそです。いつもより、もっとゆったりと商品を見て頂きたかったため、こうした形にしました」と言うのは、代表取締役の近藤正勝氏だ。
深谷産業が担うのは製品の取り扱いだけでなく、イベントの開催も。内灘サイクルロードレースや、渥美半島ぐる輪サイクリングといったロングライドも主催しており、「内灘ロード」は30年以上にも渡り、東海のホビーレーサーの定番イベントとして愛されている大会だ。
それも全て、自転車を楽しむ方の裾野を広げたいから、と近藤代表。「どちらの大会も長く続けていることは本当にありがたい。楽しいと思って頂けているからこそですし、製品の販売でも同じです。“深谷だったら面白いものがあるはず”そう思っていただけるような企業を目指していきたいですね」。
さて、今回の展示会で最も注目を集めていたのは、サイクルモード顔負けの規模で展示されたエディメルクス(2016モデルのダイジェストレポートはこちら)。以前よりもぐっと車種を増やしたことで、上級者向けのコアさをやや薄め、よりフレンドリーで魅力的なラインナップになった。
ブース中央に据えられ、圧倒的な気品を放つ限定チタンモデル「eddy70」を筆頭に、「mourenx69」や「sanremo76」など、ミドルグレードの新モデルは注目の存在。グラベルロードの「strasbourg71」やシクロクロスの「eeklo70」といったオフロード車はエディ・メルクス氏のイメージが薄いが、1970年当時、シクロクロスデビュー戦だったメルクス氏がCX世界選手権6連覇を飾るエリック・デフラミンクを破ったという逸話も残っている。
そしてLotto-Domo時代のアクセル・メルクスのバイクと、ヨハン・ムセーウが2002年のパリ〜ルーベで優勝した際に使った実車も展示があった。ムセーウのバイクには落車によるダメージがあったり、専用ゼッケンホルダーが装着されたりと、オールドファンにとっては涙モノだ。ちなみにこの2台は深谷産業が保管しているそう。
今回の展示会で新規発表となったのが、ラテックス製のシューズカバー「veloToze(ヴェロトーゼ)」と、バックパックを制作するブランド「USWE(ユースウィー)」という2ブランド。USWEのハイドレーションパックは胸バンドが「X」字になることで軽い装着感にこだわっているという。MTBレースをはじめ、トレイルランなど幅広く使えそうだ。
他にもIRCからは、NIPPOヴィーニファンティーニの意見を元にした、新型チューブレスタイヤ「フォーミュラプロ」が発表され、併せてチューブレス専用の瞬間パンク修理剤(Co2+シーラント)「ファストリボーン」もデビュー。チューブレスタイヤ導入の敷居がぐっと下げられたことが話題だ。
他にもミノウラからは便利なチェーンステー受け式スタンドや車載用のホルダーが、ホワイトインダストリーからは軽量ディスクブレーキ用ハブ「XMR」が、セレーブからは昨年のジロ・デ・イタリアでデビューし話題を振りまいたクラシックな装いのアイウェア「マスクHD」がそれぞれ新登場していた。今後、シクロワイアードでは、順次新製品を紹介していく予定。お楽しみに。
text&photo:So.Isobe
国内最大規模を誇る自転車総合商社、深谷産業。その設立は1911年、明治44年にまで遡る。明治44年といえば日米通商航海条約が調印され、メキシコでは革命が起こった年だ。そんな中、名古屋市中区で「深谷商店」として自転車商社として創業し、戦前にはオリジナルの自転車を、戦後にはモペットバイクなどの製造も手がけつつ、エディメルクスをはじめとする海外ブランドの取り扱いを増やしてきた。
現在深谷産業が扱うブランドはおよそ60弱。ツーリング車のDAVOS、ロードレーサーのGHISALLOといったオリジナルバイクを筆頭に、専売として扱うミノウラのトレーニングマシン、パーツ、アクセサリー、グッズ、ウェア、サプリメントまでと非常に幅広く、多岐に渡る。
シマノやシディ、パナレーサーやIRCといったビッグブランドをはじめ、ホワイトインダストリーやマイクロシフトといったマニアックブランド、さらにはNITTO、ソーヨー、MKS、加島サドルという競輪選手御用達ブランドまで、様々なジャンルを網羅して余りあるラインナップが揃っているのだ。
そんな深谷産業の2016展示会が行われたのがポートメッセなごや(名古屋市国際展示場)。「名古屋サイクルトレンド」でも使われる巨大なイベントホールを丸々貸し切って開催され、一企業でのショップ向け展示会としては、過去に例を見ないほど大規模なものとなった。
それというもの、今回の「FUKAYA CYCLE FAIR」は50回目のという節目であったため。そのため会場のいたる場所には「感謝」という文字が躍る。「50年間もサイクルフェアーをやってこれたのは、やはりメーカー、ショップ、そしてユーザーの皆さんあってこそです。いつもより、もっとゆったりと商品を見て頂きたかったため、こうした形にしました」と言うのは、代表取締役の近藤正勝氏だ。
深谷産業が担うのは製品の取り扱いだけでなく、イベントの開催も。内灘サイクルロードレースや、渥美半島ぐる輪サイクリングといったロングライドも主催しており、「内灘ロード」は30年以上にも渡り、東海のホビーレーサーの定番イベントとして愛されている大会だ。
それも全て、自転車を楽しむ方の裾野を広げたいから、と近藤代表。「どちらの大会も長く続けていることは本当にありがたい。楽しいと思って頂けているからこそですし、製品の販売でも同じです。“深谷だったら面白いものがあるはず”そう思っていただけるような企業を目指していきたいですね」。
さて、今回の展示会で最も注目を集めていたのは、サイクルモード顔負けの規模で展示されたエディメルクス(2016モデルのダイジェストレポートはこちら)。以前よりもぐっと車種を増やしたことで、上級者向けのコアさをやや薄め、よりフレンドリーで魅力的なラインナップになった。
ブース中央に据えられ、圧倒的な気品を放つ限定チタンモデル「eddy70」を筆頭に、「mourenx69」や「sanremo76」など、ミドルグレードの新モデルは注目の存在。グラベルロードの「strasbourg71」やシクロクロスの「eeklo70」といったオフロード車はエディ・メルクス氏のイメージが薄いが、1970年当時、シクロクロスデビュー戦だったメルクス氏がCX世界選手権6連覇を飾るエリック・デフラミンクを破ったという逸話も残っている。
そしてLotto-Domo時代のアクセル・メルクスのバイクと、ヨハン・ムセーウが2002年のパリ〜ルーベで優勝した際に使った実車も展示があった。ムセーウのバイクには落車によるダメージがあったり、専用ゼッケンホルダーが装着されたりと、オールドファンにとっては涙モノだ。ちなみにこの2台は深谷産業が保管しているそう。
今回の展示会で新規発表となったのが、ラテックス製のシューズカバー「veloToze(ヴェロトーゼ)」と、バックパックを制作するブランド「USWE(ユースウィー)」という2ブランド。USWEのハイドレーションパックは胸バンドが「X」字になることで軽い装着感にこだわっているという。MTBレースをはじめ、トレイルランなど幅広く使えそうだ。
他にもIRCからは、NIPPOヴィーニファンティーニの意見を元にした、新型チューブレスタイヤ「フォーミュラプロ」が発表され、併せてチューブレス専用の瞬間パンク修理剤(Co2+シーラント)「ファストリボーン」もデビュー。チューブレスタイヤ導入の敷居がぐっと下げられたことが話題だ。
他にもミノウラからは便利なチェーンステー受け式スタンドや車載用のホルダーが、ホワイトインダストリーからは軽量ディスクブレーキ用ハブ「XMR」が、セレーブからは昨年のジロ・デ・イタリアでデビューし話題を振りまいたクラシックな装いのアイウェア「マスクHD」がそれぞれ新登場していた。今後、シクロワイアードでは、順次新製品を紹介していく予定。お楽しみに。
text&photo:So.Isobe
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