1月9日(土)、都内に2店舗を展開する「なるしまフレンド」で開催された初心者向けのカフェライドにシクロワイアード編集部がお邪魔しました。なるしまフレンド神宮店を出発し、東京のベイエリアを巡るサイクリングの様子をレポートします。



東京のベイエリアを巡ったなるしまカフェライド東京のベイエリアを巡ったなるしまカフェライド
関東圏のロードバイクシーンを語る上で外せないショップが「なるしまフレンド」である。創業者である鳴嶋英雄会長が「JCRCシリーズ」を支え続けてきたことや、クラブチームである「なるしまフレンドレーシングチーム」の残してきた成績など、関東、そして日本のスポーツバイクシーンに与えてきた影響は非常に大きい。

そんな老舗ショップであるなるしまフレンドのことを、レーシーで硬派なイメージで捉えている人は多いのではないだろうか。たしかに、走り屋が多く集まるショップであり、スタッフも数々のレースで成績を上げている人が多く揃っているのは事実であるが、決して閉鎖的で初心者にとって敷居が高いショップではない。

むしろ、初心者をこそ大切にし、育てていきたいという考えを持っているお店であり、その考えが全面的に表れているのが今回お邪魔したカフェライドだ。毎月第一土曜日に開かれるカフェライドは、初心者ライダーが走る楽しみを感じられるようにとの考えで、1年ほど前から開かれているという。

カフェライドの企画者は店長の藤野智一さん。そう、バルセロナ五輪ロードで21位という日本人最高位をマークし、2度の日本チャンピオンに輝いた人。そんなレジェンドが引率してくれるのだ。(でもまったくそれをウリにしていない!)

出発前にはかんたんなミーティング出発前にはかんたんなミーティング 中庭においた自転車を引っ張りだしていく中庭においた自転車を引っ張りだしていく


出発前に集合写真を一枚出発前に集合写真を一枚 神宮外苑前を左手に見る神宮外苑前を左手に見る


今回のルートは、なるしまフレンド神宮店を出発し、皇居をかすめて荒川まで東進、葛西臨海公園まで行くというもの。約50kmほどのコースで、ほぼすべてが平坦ということもあり初心者や女子でも全く問題なく楽しむことが出来る優しいルート設定になっている。

朝8時、なるしまフレンド神宮店に集合したのは約20名ほど。新年最初のカフェライドということもあって、多くの方が集まった。普段からなるしまフレンドで走る方もいれば、今回はじめて参加する方、1か月前に納車されたばかりだという方まで、さまざまな人が集まったものの、最初から砕けた雰囲気。店長の藤野さんによる簡単な挨拶とレクチャーを済ませたら、いざ出発だ!

皇居を左にみながら走っていきます皇居を左にみながら走っていきます 有楽町の高架下で。有楽町の高架下で。

スカイツリーを遠くに望む石川島公園パリ広場スカイツリーを遠くに望む石川島公園パリ広場 機材トークはサイクリストなら食いつかざるを得ない機材トークはサイクリストなら食いつかざるを得ない


お店を出たら、青山通りを西へと向かっていく。まだ朝と言うこともあり、都内にしては交通量が少ない中を走っていく。神宮外苑や赤坂御用地を左手にしながら赤坂見附をすぎ、三宅坂で皇居の外周へと合流。朝陽に照らされた皇居の周りにはランニングを愉しむ人もいれば観光客も多い。そのまま山手線を越えると、そこは銀座である。休日の銀座といえば人でごった返すイメージであるが、9時前ではここも人はまばら。なんとなくさわやかな気分になりながら勝どき橋を渡っていく。

左折レーンなどが多く、自転車で走るのには少しコツがいる都内の道路であるが、そこは経験豊かななるしまフレンドのクラブ員が初心者や初参加の方をしっかりとエスコートしてくれているので、安心して走ることができる。駐車車両の回避なども、しっかりと他の車両とコミュニケートをとりながら円滑に行われ、クラクションを鳴らされるようなことはゼロ。そういった、スマートな走り方を見ることが出来るのも、初心者の方にとっては非常に有益なひと時であろう。

さて、最初の休憩ポイントは、石川島公園。パリ広場と名付けられた北側の突端からはスカイツリーも眺めることができる。ちなみに、夜は夜景がきれいだそうで、人気のスポットなんだとか。そして、パリ公園までの道は、プチ石畳でなんとなく気分はシャンゼリゼである笑。

荒川サイクリングロードを葛西臨海公園へむけて進む荒川サイクリングロードを葛西臨海公園へむけて進む 葛西臨海公園で記念写真を撮る方も葛西臨海公園で記念写真を撮る方も


観覧車の下をくぐって、次の目的地へ!観覧車の下をくぐって、次の目的地へ!
緑の壁に包まれた若洲のサイクリングロード緑の壁に包まれた若洲のサイクリングロード 海を見ながら走る海を見ながら走る


その後は門前仲町を経由し荒川へ。荒川を対岸へとわたり、サイクリングロードへと入れば目的地である葛西臨海公園まではあと少し。河口まで走り、葛西臨海公園へと到着したら、2度目の休憩だ。休憩中には、やはり自転車談義に花が咲く。走り方や普段走るコース、もちろんパーツ談義も欠かせない。自転車という共通項があれば、初対面でもすぐに打ち解けられるものだ。

シンボルマークである観覧車の下を通過して、葛西臨海公園を離脱した後は、若洲海浜公園へ。園内にはサイクリングロードが整備されており、潮風を感じながらサイクリングを楽しむことが出来るのだ。南端の東京ゲートブリッジを望む広場で小休止を取ったら、次に目指すはお台場である。

1週間前には多くの人でにぎわった東京ビッグサイトの前を通り抜けた1週間前には多くの人でにぎわった東京ビッグサイトの前を通り抜けた 本日のランチは石窯パン工房「グーテ・ルブレ」にて本日のランチは石窯パン工房「グーテ・ルブレ」にて

ずらりと並んだパンはよりどりみどりで逆に困ってしまうほどずらりと並んだパンはよりどりみどりで逆に困ってしまうほど パンにかぶりつくみなさんパンにかぶりつくみなさん


カフェライドということで、お台場にあるカフェを目指して走る私達。お目当てのカフェは「踊る大捜査線」のモデルとなった湾岸署の隣にあるthe SOHO一階にあるカフェ「ザ キャンティーン」。お洒落で贅沢なインテリアのカフェということで、みんなも期待しながら訪れたのですが、なぜかお休み……。土曜日の10時から開いているということだったのですが、現実に閉まっているものは仕方がない、ということで諦めをつけ築地方面へ!

予定が少し狂っても、保険が用意されているところなども、サイクリングプランを立てるにあたって大切なポイント。特にご飯に関することは重要である。そんなわけで、お邪魔することになったのは、勝どきにあるパン屋さん「グーテ・ルブレ」。スペイン製の石釜で焼き上げたパンが店内にはところ狭しと並べられ、どれを選ぶか悩んでしまう。

このお店は地元でもかなり人気があるようで、お客さんもひっきりなしに訪れており、レジは長い列が出来るほど。3つほどパンとサンドイッチを買ったら、隅田川沿いの公園へ移動してランチタイムだ。お目当てのお店は入れなかったものの、暖かい日差しの下で自転車仲間とパンをぱくつくというのもなかなか乙なものである。

女性比率が高いのもこのライドの特徴女性比率が高いのもこのライドの特徴
法務省前を走りぬけていく。もうすぐでゴールです。法務省前を走りぬけていく。もうすぐでゴールです。 交通量が多い都内ですが、走り慣れれば怖くない交通量が多い都内ですが、走り慣れれば怖くない


お腹も膨れれば、後は帰るだけ。お昼時とあって、築地や銀座は人が一杯。朝の静謐さからは想像できない活気に満ちた街並みを感じながら、なるしまフレンド神宮店へと帰ってきた。

短いながらも、沢山の絶景スポットが現れて飽きることのないなるしまカフェライド。今回初めて参加された方も「コースも走りやすかったですし、何よりもメンバーのみなさんがあれこれと仲良く話しかけてくれて助かりました。走り方のコツなどもいろいろ教えてもらえて、また参加していきたいです!」と大満足。

ゴールしてからも、自転車トークに花が咲くゴールしてからも、自転車トークに花が咲く カフェライドの企画者である藤野店長カフェライドの企画者である藤野店長 カフェライドの企画者である藤野店長も「できるだけ初心者が自転車のことを好きになれるようなサイクリングを一緒にしたいんです。なので、クラブライドとは違って、このカフェライドはクラブ員でなくても参加してもらえます。どこを走ったらいいか、どう走ったらいいかと悩んでいる方はぜひ一度お越しください。」とのこと。また、今後は本当にスポーツバイクが初めてという方たちへと向けた講習ライドのような企画も考えられているとのことだった。

初心者でも非常に楽しいひと時を過ごすことができる、なるしまカフェライド。個人的な感想となるが、湾岸エリアを走ることも少ないため新鮮な気分にもなるし、やはり海が見えるところまで走ってきた!というのは達成感があるもの。そして美味しいランチをいただいて、話のあう仲間ができれば自転車の楽しみかたとしては最高である。

参加されている方も皆さん気さくで、すぐに打ち解けられること間違いなし。自転車を手に入れたばかりの人、最近一人で走るのにも飽きてきた方など、ぜひ一度門を叩いてみてはいかがだろうか?

text&photo:Naoki.Yasuoka