2014/10/22(水) - 08:56
チネリやタイムといった、バイクブランドからサドルやアパレルなどヨーロッパブランドの高品質なサイクルアイテムを輸入する代理店、ダイナソアの展示会をレポート。
港区にある東京プリンスホテルのビアガーデンを会場に開かれたダイナソアの展示会。多くのブランドを取り扱うダイナソアらしく、広々とした会場にぎっしりと詰め込まれた新製品の数々は自転車マニアであれば、だれしもが訪れてみたいと思う様な充実度。
その声を反映してか、代理店の展示会としては極めて珍しいことに一般入場日が設けられている。今回取材したのは、メディア向けの公開日であったので、実際の様子は伝えられないが、100名の定員は募集開始早々に埋まってしまったとのことで、その注目度の高さが推し量れるだろう。
多くのブランドを取り扱うダイナソアだけに、たくさんの注目の新モデルが登場していた。それでは、バイクメーカーの新モデルから紹介していこう。ダイナソアが扱うバイクブランドは、タイム、チネリ、カレラ、オルベアの4社。どれも名だたる一流ブランドだけに、どんな新製品が出てくるか興味を持たれている読者も多いだろう。
2015年モデルでがらっとラインナップを変えてきたのは、フランスのタイム。トップモデルであるSKYLONや、セカンドモデルIZONがデビュー。とくに新たなフラッグシップとなったSKYLONはBB386を採用することや、フレーム製造方法を見直すことで、前作「ZXRS」に比べてBB周りの剛性を45%高めることに成功している。
また、デザイン的にはシートステー接合部が下げられていたり、フォーククラウンとダウンチューブが滑らかにつながるようにされていたりと、エアロロードらしい設計が更に推し進められたことが特徴だ。さらに、2015年モデルのタイムはフォーク内部にダンピングシステムを組み込んだ「AKTIV」フォークを採用するモデルを全車種に用意したことが注目ポイントだ。
また、往年の名車「VXRS」が復刻したことも大きな注目を集めていた。何度も世界選手権を制した当時のモデルの金型をよみがえらせて制作されるフレームは全世界で300本の限定モデルだ。ラグで接合される細身のカーボンフレームはいかにもロードレーサーという佇まいで、当時を知りつつも手が出せなかったサイクリストから細身の高性能カーボンフレームを探す人まで、引く手数多になりそうな一台。
VXRSの復刻に関しては、日本のファンの声が大きく数年前からダイナソアが本国に要望を出し続けてきた結果が反映された部分も大きいとのことで、心待ちにしていたファンにとっては垂涎の一本。コアなファンの声を大切にするダイナソアが実現した復刻と言える。
もうひとつ、大きく変化があったのはスペインブランドのオルベアだ。フラッグシップモデルであるORCAがフルモデルチェンジ。よりコンパクトな形状となり、軽量なクライミングバイクとして生まれ変わった。余計な要素を排除することで、新しいORCAは850gという軽量フレームとしてデビューした。
また、長年同社のエントリーグレードを支えてきたAQUAがついに退役し、新たなアルミバイクとしてAVANT HYDROが追加された。カラーバリエーションも豊富なことに加え、女性でも扱いやすい小さなサイズが用意されるため、最初の1台にぴったりのバイクとなるだろう。
また、イタリアブランドのチネリは大幅なモデルチェンジは無かったもののカラーバリエーションが変更となり、より鮮やかなグラフィックのバイクがラインナップされることとなった。
特に目を引いたのが、STRATO FASTER。アルミフレームかと見まごうばかりの無骨なフレームワークを鮮やかに彩るチネリならではのカラーリングセンスが光る1台。見た目通りの剛性感でクリテリウムなどの短いレースにはぴったりのレーシングモデルだ。
同じくイタリアンブランドのカレラからは、エンデュランスモデルのSL950がデビュー。ハイエンドモデルのSL730の兄弟モデルとして、より扱いやすくなったミドルグレードとして新登場した。また、斬新なデザインで根強い人気を持つPHIBRA EVOに日本特注カラーであるイタリアントリコロールカラーが登場。独創的なフレームワークとカラーリングが合わさり、独特の存在感を放っていた。
さて、バイクブランド以外にもたくさんのアイテムを取り扱うダイナソア。その中から注目の製品をピックアップして紹介しよう。
もっとも目立っていたのは今年から取り扱い開始となった室内トレーニングシステム「BKOOL」。自重式のローラー台と、専用PCアプリを組み合わせることで、トラックからグランツールに出てくる山岳コースまで様々なコースをシミュレーションできる。動画が撮影されているコースもあり、リアルに風景が変わっていく様子を見ながらトレーニングができるシステムだ。
そして、もうひとつの目玉がソーシャル機能。専用アプリを利用することで、世界中のユーザーと同時にトレーニングすることができるのだ。いうなればバーチャルレースがいつでもできるということで、退屈になりがちなインドアトレーニングにゲーム要素をもたらしてくれる非常に目新しいシステム。ローラー台が嫌いな人でも、思わず毎日乗りたくなるような、ゲーム感覚のシステムだ。
タイヤメーカーのハッチンソンからは新モデルとして「インテンシブ2 デビルズグリップ」が登場。ハッチンソンのMTBタイヤのコンパウンドを応用することで同社のトップモデル、フュージョン3をしのぐグリップ力を持つタイヤだ。3,900円とリーズナブルな価格ながら、雨天のレースなどで力を発揮するだろう。
多くのサドルをリリースするサンマルコからは、新たなフィッティングシステム「DiMA」が登場。「年齢」、「痛みにたいしての敏感度」、「体型」、「サドルとハンドルの落差」、「サドルの上でポジション移動の多寡」の5つの要素を選ぶことで、自動的に自分にぴったりのモデルを数あるサンマルコサドルの中から教えてくれるというシステム。テストサドルが、取り扱い店には備えられる予定で、サドル選びに悩んだ人は一度DiMAを試してみてはいかがだろうか。
他にも、コンポーネントのカンパニョーロや補給食の3ACTION、アイウエア・ヘルメットのルディプロジェクト、アパレルのデマルキといった多くのブランドが魅力的な新製品を発表していたダイナソア2015年展示会。レポートに記した注目製品は今後インプレッションやレビュー記事にて掲載する予定。是非期待しておいて頂きたい。
text&photo:Naoki.YASUOKA
港区にある東京プリンスホテルのビアガーデンを会場に開かれたダイナソアの展示会。多くのブランドを取り扱うダイナソアらしく、広々とした会場にぎっしりと詰め込まれた新製品の数々は自転車マニアであれば、だれしもが訪れてみたいと思う様な充実度。
その声を反映してか、代理店の展示会としては極めて珍しいことに一般入場日が設けられている。今回取材したのは、メディア向けの公開日であったので、実際の様子は伝えられないが、100名の定員は募集開始早々に埋まってしまったとのことで、その注目度の高さが推し量れるだろう。
多くのブランドを取り扱うダイナソアだけに、たくさんの注目の新モデルが登場していた。それでは、バイクメーカーの新モデルから紹介していこう。ダイナソアが扱うバイクブランドは、タイム、チネリ、カレラ、オルベアの4社。どれも名だたる一流ブランドだけに、どんな新製品が出てくるか興味を持たれている読者も多いだろう。
2015年モデルでがらっとラインナップを変えてきたのは、フランスのタイム。トップモデルであるSKYLONや、セカンドモデルIZONがデビュー。とくに新たなフラッグシップとなったSKYLONはBB386を採用することや、フレーム製造方法を見直すことで、前作「ZXRS」に比べてBB周りの剛性を45%高めることに成功している。
また、デザイン的にはシートステー接合部が下げられていたり、フォーククラウンとダウンチューブが滑らかにつながるようにされていたりと、エアロロードらしい設計が更に推し進められたことが特徴だ。さらに、2015年モデルのタイムはフォーク内部にダンピングシステムを組み込んだ「AKTIV」フォークを採用するモデルを全車種に用意したことが注目ポイントだ。
また、往年の名車「VXRS」が復刻したことも大きな注目を集めていた。何度も世界選手権を制した当時のモデルの金型をよみがえらせて制作されるフレームは全世界で300本の限定モデルだ。ラグで接合される細身のカーボンフレームはいかにもロードレーサーという佇まいで、当時を知りつつも手が出せなかったサイクリストから細身の高性能カーボンフレームを探す人まで、引く手数多になりそうな一台。
VXRSの復刻に関しては、日本のファンの声が大きく数年前からダイナソアが本国に要望を出し続けてきた結果が反映された部分も大きいとのことで、心待ちにしていたファンにとっては垂涎の一本。コアなファンの声を大切にするダイナソアが実現した復刻と言える。
もうひとつ、大きく変化があったのはスペインブランドのオルベアだ。フラッグシップモデルであるORCAがフルモデルチェンジ。よりコンパクトな形状となり、軽量なクライミングバイクとして生まれ変わった。余計な要素を排除することで、新しいORCAは850gという軽量フレームとしてデビューした。
また、長年同社のエントリーグレードを支えてきたAQUAがついに退役し、新たなアルミバイクとしてAVANT HYDROが追加された。カラーバリエーションも豊富なことに加え、女性でも扱いやすい小さなサイズが用意されるため、最初の1台にぴったりのバイクとなるだろう。
また、イタリアブランドのチネリは大幅なモデルチェンジは無かったもののカラーバリエーションが変更となり、より鮮やかなグラフィックのバイクがラインナップされることとなった。
特に目を引いたのが、STRATO FASTER。アルミフレームかと見まごうばかりの無骨なフレームワークを鮮やかに彩るチネリならではのカラーリングセンスが光る1台。見た目通りの剛性感でクリテリウムなどの短いレースにはぴったりのレーシングモデルだ。
同じくイタリアンブランドのカレラからは、エンデュランスモデルのSL950がデビュー。ハイエンドモデルのSL730の兄弟モデルとして、より扱いやすくなったミドルグレードとして新登場した。また、斬新なデザインで根強い人気を持つPHIBRA EVOに日本特注カラーであるイタリアントリコロールカラーが登場。独創的なフレームワークとカラーリングが合わさり、独特の存在感を放っていた。
さて、バイクブランド以外にもたくさんのアイテムを取り扱うダイナソア。その中から注目の製品をピックアップして紹介しよう。
もっとも目立っていたのは今年から取り扱い開始となった室内トレーニングシステム「BKOOL」。自重式のローラー台と、専用PCアプリを組み合わせることで、トラックからグランツールに出てくる山岳コースまで様々なコースをシミュレーションできる。動画が撮影されているコースもあり、リアルに風景が変わっていく様子を見ながらトレーニングができるシステムだ。
そして、もうひとつの目玉がソーシャル機能。専用アプリを利用することで、世界中のユーザーと同時にトレーニングすることができるのだ。いうなればバーチャルレースがいつでもできるということで、退屈になりがちなインドアトレーニングにゲーム要素をもたらしてくれる非常に目新しいシステム。ローラー台が嫌いな人でも、思わず毎日乗りたくなるような、ゲーム感覚のシステムだ。
タイヤメーカーのハッチンソンからは新モデルとして「インテンシブ2 デビルズグリップ」が登場。ハッチンソンのMTBタイヤのコンパウンドを応用することで同社のトップモデル、フュージョン3をしのぐグリップ力を持つタイヤだ。3,900円とリーズナブルな価格ながら、雨天のレースなどで力を発揮するだろう。
多くのサドルをリリースするサンマルコからは、新たなフィッティングシステム「DiMA」が登場。「年齢」、「痛みにたいしての敏感度」、「体型」、「サドルとハンドルの落差」、「サドルの上でポジション移動の多寡」の5つの要素を選ぶことで、自動的に自分にぴったりのモデルを数あるサンマルコサドルの中から教えてくれるというシステム。テストサドルが、取り扱い店には備えられる予定で、サドル選びに悩んだ人は一度DiMAを試してみてはいかがだろうか。
他にも、コンポーネントのカンパニョーロや補給食の3ACTION、アイウエア・ヘルメットのルディプロジェクト、アパレルのデマルキといった多くのブランドが魅力的な新製品を発表していたダイナソア2015年展示会。レポートに記した注目製品は今後インプレッションやレビュー記事にて掲載する予定。是非期待しておいて頂きたい。
text&photo:Naoki.YASUOKA
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