2013/01/22(火) - 12:31
雪の自転車競技場を利用したテクニカルなコースで行われた東北シクロクロス第4戦は、序盤から先行した小坂光(宇都宮ブリッツエン・シクロクロス)がGPミストラル、清里に続く優勝を飾り、世界選へ向けた好調な仕上がりを見せた。
昨シーズンからスタートしたばかりの東北シクロクロスプロジェクトが今回用意したのは、シーズンオフの自転車競技場を利用した、日本初のバンク&スノークロス。レース前日は膝までの雪に埋もれていたバンクや階段を、スタッフとボランティアがスコップで除雪、競技場外は機械で圧雪し「乗れる」2.4kmのコースを完成させた。
午後からは東北クロス恒例のシクロクロススクールが開催され、世界選エリート出場にする竹之内悠(COLBA Superano-HAM)、小坂光の両選手に加え、小坂正則(スワコレーシングチーム)、お馴染みの池本真也(和光機器-AUTHOR)、急遽エントリーが決まったU23代表の中井路雅(岩井商会 RACING)という豪華講師陣が、20名ほどのライダーと共に、レイアウトを確認しながら出来立てのコースを走行した。
雪の攻略法が伝授された他、質問コーナーでは、選手ごとに異なる乗り降りの方法や普段の練習内容など、一般ライダーにも参考になる話が聞かれ、参加者は熱心に耳を傾けていた。
レース当日は朝から雪がちらつき、路面が凍結するほど冷えていたが、受付や招集は競技場の屋内施設が利用できたため、ライダー達は適度に暖を取りながらレースに望むことが出来た。また、東北クロス名物である「玉こん」と豚汁も振舞われた。
会場の分かりやすさからか一般観客も多く訪れ、参加者と玉こんの熱気に包まれながら、Master/Femme、C3/Youth のレースが進行していった。
カテゴリー1(カテゴリー2と混走)は雪が舞う中でのスタートとなった。若手の中井路雅が元気よく飛び出すと、池本真也、小坂光、小坂正則、合田正之(cycleclub3UP)と続く形で競技場を1周し、バンクを駆け上がって場外コースへと飛び出した。
運動場の外周の圧雪区間をループし、競技場の外周へと戻ってくると、バックスタンドを通過、25段の階段セクションへ。バンク上の通路を約3/4周して、先頭でバンクを降ってきたのは小坂光。そのまま内周の芝に作られたスラロームとシケイン区間をクリアして、先頭で2週目へ。少し離れて、中井、合田、小坂正則、池本と続いた。
2番手につけていた中井が、2周回目でチェーントラブルに見舞われて5位まで順位を落とすと、後続は合田と小坂正則の争いに。独走体勢の小坂光は2週目で35秒の差をつけると、そのままじわじわとギャップを広げ、7周目には1分差に。
レース中盤には日が出てきて雪が解け出し、シャーベット状態になった路面がライダー達のミスを誘う展開となった。テクニカルコースを得意とする小坂正則にも珍しくミスが続き、数秒前を走る合田を交わすことができない。
後半、タイムギャップを少しずつ失いながらも44秒のリードを守った小坂光が、ゴール手前から手を挙げる余裕の勝利。月曜日に行われた信州クロスに続き、スノークロスとの相性の良さを見せた。
2位争いは最終周回の競技場内まで繰り広げられたが、そのまま合田が逃げ切って喜びのガッツポーズ、小坂正則は惜しくも3位、トラブルの後に立て直した中井は、追い上げて池本を交わし4位に入った。
世界選が行われるルイビルは雪も予想されるので、そうなった場合は、このコースを走った経験が有利に働くかもしれない。
竹之内悠は膝の大事をとってDNSとなったが、代わりにスターターやC1の解説を務めるなど、レースとは違った形で参加者を楽しませてくれた。
小坂光 「難しかった雪の路面。テクニックと度胸で差が出る」
ーレースを振り返って
先週の清里に続いて結構特殊なコースで、バンクを使ったすごく面白いレイアウトでした。とにかく雪の路面が難しく、そこのテクニックと度胸で差が出るコースだったと思います。終盤は少し集中をかいてミスを連発してしまい、最後は慎重になってしまったかもしれないです。
途中から雪が溶けてきてシャーベット状になってすごく滑りやすくなってきてたので、段々難易度が増してきたような感じでした。
ー仮想ルイビル対策としては?
ルイビルのコースで雪が降ったらこういう路面もありうると思うし、気温も温度差が激しいようなので、そういった路面状況が変わっていく感じなど、良いトレーニングになったと思います。
2位の合田正之
ーレースを振り返って
初めて2位に食い込みました。今日はとにかくいつもの通り積極的に行くことを心がけていたら、みんなミスして先頭集団がバラけたので、結構自分のペースで走れました。小坂さんが追いついてパックになりましたが、お互いミスしあって、後にミスした小坂さんが遅れたので、そのままその差を保ってゴールできたのがよかったです。
ー難しかったところは?
途中から轍が溶けて深くなってきていたので、そこで乗れるか乗れないかで結構差がついて、スピードを乗せられる人が前に行ける状態になっていました。危ないところがなくなってきたので、どんどんペースを上げていけて、楽しいレースでした。
先週のミストラルでの悔しい思いをここでぶつけて、なんとか走りきりました。次も頑張ります!
3位の小坂正則
ーレースを振り返って
序盤は離され気味だったのですが、そのうち身体もあったまってきて雪の上を走っているのが楽しかったです。最初はすごく寒くてきついレースになりそうな感じでしたが、最後は合田くんとバトルすることができて、気の抜けない一進一退の楽しいレースでした。
途中から路面が荒れてきたので、そこで乗れるかミスするかで合田くんとも順位が入れ替わったりしたので、かなり集中力が必要でした。東北クロスは予想より参加者も多くて盛り上がっているので、もっと出場者が増えてくれるといいですね。
4位の中井路雅
ー最初飛び出して行きましたが、その後なにがありましたか?
奥の雪の道の所で、チェーンが何回か連続で落ちてしまい、それをなかなか元に戻せなくて、はじめ先頭から離されていったのですが、その後も細かいミスが沢山続いてずるずると落ちていった感じです。試走とは全然コンディションが違ったのですごく難しかったです。
世界選はこういうミスなくスムーズに走れたら良い位置にいけるのではないかと思います。カテゴリーもあがるのですが、去年より良い順位を目指して頑張ります!
ルイビル支援カンパを募る
また、レース終了後には「ルイビル支援カンパ」として、竹之内悠、小坂光のサイン会が開かれ、集まった支援は表彰式の後、両選手に手渡された。同時に、世界選出場メンバー3名と、澤田雄一監督、東北クロスのオーガナイザーでもあり、メカニックとして同行する菅田純也氏が揃ってあいさつを行い、参加者一同がエールを送った。東北シクロクロスの次戦は2月24日、宮城県村田町・スポーツランドSUGOにて開催される。
リザルト
C1 10周回
1位 小坂光(宇都宮ブリッツエンシクロクロス)
2位 合田正之(cycleclub3UP) +0:44
3位 小坂正則(スワコレーシングチーム) +0:49
4位 中井路雅(岩井商会 RACING) +2:25
5位 池本真也(和光機器-AUTHOR) +3:28
6位 佐復真人(WildBoars加波一族) +4:38
7位 中曽佑一(W.V.OTAtwin) +4:44
8位 佐藤利英(エルドラード) +5:18
9位 伊藤敦弘(チバポンズ川口農園) -1Lap
10位 高倉剛(Team12So) -1Lap
DNS 竹之内悠(COLBA Superano-HAM)
C2 6周回
1位 JamesMachin(Champion System)
2位 三浦孝司(VLAAMS)
3位 伊井賢一(臼杵レーシング)
C3 4周回
1位 柴田航(showa racing factory)
2位 小原俊一(ナカガワA.S.K'デザイン)
3位 根本丈司(BIORACER OFFROAD TEAM)
Youth 4周回
1位 織田聖(mistral)
2位 齋藤拓真(仙台ロードマンクラブJr)
Master 5周回
1位 森大輔(TeamBIG)
2位 富田道夫(シロクマCAFERACING)
3位 江川嘉宏(ぺだる小僧)
Femme 5周回
1位 武田和佳(ARAIMURACA)
2位 綿貫通穂(臼杵レーシング)
3位 林口ゆきえ(ぺだる小僧)
text:Alisa.Okazaki
photo:Abema & Zenichi Aoki & Yuko Oyama、東北CXプロジェクト
昨シーズンからスタートしたばかりの東北シクロクロスプロジェクトが今回用意したのは、シーズンオフの自転車競技場を利用した、日本初のバンク&スノークロス。レース前日は膝までの雪に埋もれていたバンクや階段を、スタッフとボランティアがスコップで除雪、競技場外は機械で圧雪し「乗れる」2.4kmのコースを完成させた。
午後からは東北クロス恒例のシクロクロススクールが開催され、世界選エリート出場にする竹之内悠(COLBA Superano-HAM)、小坂光の両選手に加え、小坂正則(スワコレーシングチーム)、お馴染みの池本真也(和光機器-AUTHOR)、急遽エントリーが決まったU23代表の中井路雅(岩井商会 RACING)という豪華講師陣が、20名ほどのライダーと共に、レイアウトを確認しながら出来立てのコースを走行した。
雪の攻略法が伝授された他、質問コーナーでは、選手ごとに異なる乗り降りの方法や普段の練習内容など、一般ライダーにも参考になる話が聞かれ、参加者は熱心に耳を傾けていた。
レース当日は朝から雪がちらつき、路面が凍結するほど冷えていたが、受付や招集は競技場の屋内施設が利用できたため、ライダー達は適度に暖を取りながらレースに望むことが出来た。また、東北クロス名物である「玉こん」と豚汁も振舞われた。
会場の分かりやすさからか一般観客も多く訪れ、参加者と玉こんの熱気に包まれながら、Master/Femme、C3/Youth のレースが進行していった。
カテゴリー1(カテゴリー2と混走)は雪が舞う中でのスタートとなった。若手の中井路雅が元気よく飛び出すと、池本真也、小坂光、小坂正則、合田正之(cycleclub3UP)と続く形で競技場を1周し、バンクを駆け上がって場外コースへと飛び出した。
運動場の外周の圧雪区間をループし、競技場の外周へと戻ってくると、バックスタンドを通過、25段の階段セクションへ。バンク上の通路を約3/4周して、先頭でバンクを降ってきたのは小坂光。そのまま内周の芝に作られたスラロームとシケイン区間をクリアして、先頭で2週目へ。少し離れて、中井、合田、小坂正則、池本と続いた。
2番手につけていた中井が、2周回目でチェーントラブルに見舞われて5位まで順位を落とすと、後続は合田と小坂正則の争いに。独走体勢の小坂光は2週目で35秒の差をつけると、そのままじわじわとギャップを広げ、7周目には1分差に。
レース中盤には日が出てきて雪が解け出し、シャーベット状態になった路面がライダー達のミスを誘う展開となった。テクニカルコースを得意とする小坂正則にも珍しくミスが続き、数秒前を走る合田を交わすことができない。
後半、タイムギャップを少しずつ失いながらも44秒のリードを守った小坂光が、ゴール手前から手を挙げる余裕の勝利。月曜日に行われた信州クロスに続き、スノークロスとの相性の良さを見せた。
2位争いは最終周回の競技場内まで繰り広げられたが、そのまま合田が逃げ切って喜びのガッツポーズ、小坂正則は惜しくも3位、トラブルの後に立て直した中井は、追い上げて池本を交わし4位に入った。
世界選が行われるルイビルは雪も予想されるので、そうなった場合は、このコースを走った経験が有利に働くかもしれない。
竹之内悠は膝の大事をとってDNSとなったが、代わりにスターターやC1の解説を務めるなど、レースとは違った形で参加者を楽しませてくれた。
小坂光 「難しかった雪の路面。テクニックと度胸で差が出る」
ーレースを振り返って
先週の清里に続いて結構特殊なコースで、バンクを使ったすごく面白いレイアウトでした。とにかく雪の路面が難しく、そこのテクニックと度胸で差が出るコースだったと思います。終盤は少し集中をかいてミスを連発してしまい、最後は慎重になってしまったかもしれないです。
途中から雪が溶けてきてシャーベット状になってすごく滑りやすくなってきてたので、段々難易度が増してきたような感じでした。
ー仮想ルイビル対策としては?
ルイビルのコースで雪が降ったらこういう路面もありうると思うし、気温も温度差が激しいようなので、そういった路面状況が変わっていく感じなど、良いトレーニングになったと思います。
2位の合田正之
ーレースを振り返って
初めて2位に食い込みました。今日はとにかくいつもの通り積極的に行くことを心がけていたら、みんなミスして先頭集団がバラけたので、結構自分のペースで走れました。小坂さんが追いついてパックになりましたが、お互いミスしあって、後にミスした小坂さんが遅れたので、そのままその差を保ってゴールできたのがよかったです。
ー難しかったところは?
途中から轍が溶けて深くなってきていたので、そこで乗れるか乗れないかで結構差がついて、スピードを乗せられる人が前に行ける状態になっていました。危ないところがなくなってきたので、どんどんペースを上げていけて、楽しいレースでした。
先週のミストラルでの悔しい思いをここでぶつけて、なんとか走りきりました。次も頑張ります!
3位の小坂正則
ーレースを振り返って
序盤は離され気味だったのですが、そのうち身体もあったまってきて雪の上を走っているのが楽しかったです。最初はすごく寒くてきついレースになりそうな感じでしたが、最後は合田くんとバトルすることができて、気の抜けない一進一退の楽しいレースでした。
途中から路面が荒れてきたので、そこで乗れるかミスするかで合田くんとも順位が入れ替わったりしたので、かなり集中力が必要でした。東北クロスは予想より参加者も多くて盛り上がっているので、もっと出場者が増えてくれるといいですね。
4位の中井路雅
ー最初飛び出して行きましたが、その後なにがありましたか?
奥の雪の道の所で、チェーンが何回か連続で落ちてしまい、それをなかなか元に戻せなくて、はじめ先頭から離されていったのですが、その後も細かいミスが沢山続いてずるずると落ちていった感じです。試走とは全然コンディションが違ったのですごく難しかったです。
世界選はこういうミスなくスムーズに走れたら良い位置にいけるのではないかと思います。カテゴリーもあがるのですが、去年より良い順位を目指して頑張ります!
ルイビル支援カンパを募る
また、レース終了後には「ルイビル支援カンパ」として、竹之内悠、小坂光のサイン会が開かれ、集まった支援は表彰式の後、両選手に手渡された。同時に、世界選出場メンバー3名と、澤田雄一監督、東北クロスのオーガナイザーでもあり、メカニックとして同行する菅田純也氏が揃ってあいさつを行い、参加者一同がエールを送った。東北シクロクロスの次戦は2月24日、宮城県村田町・スポーツランドSUGOにて開催される。
リザルト
C1 10周回
1位 小坂光(宇都宮ブリッツエンシクロクロス)
2位 合田正之(cycleclub3UP) +0:44
3位 小坂正則(スワコレーシングチーム) +0:49
4位 中井路雅(岩井商会 RACING) +2:25
5位 池本真也(和光機器-AUTHOR) +3:28
6位 佐復真人(WildBoars加波一族) +4:38
7位 中曽佑一(W.V.OTAtwin) +4:44
8位 佐藤利英(エルドラード) +5:18
9位 伊藤敦弘(チバポンズ川口農園) -1Lap
10位 高倉剛(Team12So) -1Lap
DNS 竹之内悠(COLBA Superano-HAM)
C2 6周回
1位 JamesMachin(Champion System)
2位 三浦孝司(VLAAMS)
3位 伊井賢一(臼杵レーシング)
C3 4周回
1位 柴田航(showa racing factory)
2位 小原俊一(ナカガワA.S.K'デザイン)
3位 根本丈司(BIORACER OFFROAD TEAM)
Youth 4周回
1位 織田聖(mistral)
2位 齋藤拓真(仙台ロードマンクラブJr)
Master 5周回
1位 森大輔(TeamBIG)
2位 富田道夫(シロクマCAFERACING)
3位 江川嘉宏(ぺだる小僧)
Femme 5周回
1位 武田和佳(ARAIMURACA)
2位 綿貫通穂(臼杵レーシング)
3位 林口ゆきえ(ぺだる小僧)
text:Alisa.Okazaki
photo:Abema & Zenichi Aoki & Yuko Oyama、東北CXプロジェクト
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