2013/01/18(金) - 11:04
アルゴス・シマノの冬季キャンプでジョン・デゲンコルブにインタビューした。すでに2012年ブエルタでステージ5勝とポイント賞獲得。今季はクラシックでも更にブレイクが期待できる24歳のドイツ人。憶測を呼ぶキッテルとの関係は?
Profile ジョン・デゲンコルブ (アルゴス・シマノ)
1989年1月7日生まれの24歳のドイツ人。2010年世界選手権U23で2位になり、2011年にHTCハイロードに加入。クリテリウム・ドゥ・ドーフィネでステージ2勝を挙げる。2012年にアルゴス・シマノに加入。
2012年シーズンはブエルタ・ア・エスパーニャステージ5勝&ポイント賞獲得、ツール・ド・ピカルディステージ2勝ほかを挙げる大活躍をみせる。
タイプはクラシック系スプリンター。今年、グランツールだけでなくクラシックで大暴れすることが大いに期待されている。
昨年はブエルタでグリーンジャージを手にしたけれど、今年もそれは大きな目標になりますか?
もちろん狙いたいけれど、ステージごとのプロフィール次第になるかな。どんなステージ構成なのか、それ次第でグリーンジャージは狙えるかどうかは変わってくるし、毎日のレースを走ってから決めることになる。ブエルタのコースが発表されてから考えるよ。ポイント賞はもちろんブエルタだけじゃないから。
昨年はツール・ド・フランスには出なかったけれど、今年はキッテルと二人で出ることはありうる?
もちろん。キッテルと一緒に出場したいね。僕にとってツール出場は今年の大きなゴールの一つ。昨年と違ってチームがプロツアーチームになってツール出場は約束された。僕も9人の一人に選ばれたい。
2012年はキッテルがツール、僕がオリンピックとブエルタ、とくにオリンピックにフォーカスしたから二人でツールに出ることはなかったんだ。今年は2人でツールに出れたらいい。昨年はできなかったから、今年は特にそれを楽しみにしているんだ。キッテルと3週間のツールを一緒に走りたい。
昨年のミラノ〜サンレモでは5位だったけれど、もちろん優勝を狙いますよね。サンレモへの調整を教えて下さい。
もちろん、サンレモに勝てれば言うことはないね。僕のシーズン前半の最大の目標だ。
ツアー・オブ・カタールとオマーン、ヘット・ニューズブラッドに出て、イタリアへ行きティレノ〜アドリアティコへ。そのまま翌週のサンレモだね。
ヨーロッパに帰った時にトレーニングのためには天気が良いことを願っているよ。それ次第で走りこみが左右されるから、仕上がりが変わってくる。
サンレモ後は昨年出たE3プライスに、今年も出場するだろうね。それも狙いたい。
キッテルとはスケジュールが違う?
今の時点ですでに大きく違っている。彼はツアー・ダウンアンダーに明日出発するからもう仕上がっている。僕はまだ調子を上げている段階でカタールに備えているんだ。彼はここアリカンテでもすでに負荷の高いトレーニングに集中しているけれど、僕はリラックスして距離を乗り込んだり、上りや長い時間のライドを取り入れたりしている。2人のトレーニングプログラムは全く違ったものだね。オマーンでは彼と合流して一緒に走ることになる。楽しみだよ。
僕が今集中しているのはクラシック。それが僕の今のパッションだ。正直いって考えているのはそのことだけ。ミラノ〜サンレモにピークを持ってきて、その後のことは一度休んでから組み立て直す。
時間があるから、高度トレーニングを積んでツールに備えることになる。たくさん話し合いを重ねて、コースプロフィールをチェックしていくうちにすべてのことがクリアになる。誰がツールに出るかも。
同じチームになったボーネンとカヴェンディッシュと同じ状況(チームにスプリンターが2人いる)だと言われますよね。それについてはどう思いますか?
もしキッテルとあなたがツールに出るとするなら、ふたりともスプリンターだからチーム内ライバル関係になってしまう?
いいや、それはない。なぜならキッテルはスピードマンだけど、僕は少し登りになった「アップヒルのスプリンター」だ。
彼が平坦でいったん60、70kmにスピードを上げると、もう破ることは難しい。信じられないパワーでスピードを維持できるんだ。僕は少し上りになっているときのスプリントで強さが発揮できるタイプ。
彼に向いたコースなら彼が狙うし、僕は彼を助ける。僕に向いているコースなら僕が狙う。彼が助けてくれる。今日は僕、明日は君、といったぐあいに助け合うことができるんだ。二人で分かち合うことができる。決してチーム内ライバルではないよ。
僕らはアマ時代同じチーム(ドイツのチューリンゲン・エナジー)に5年間一緒にいたんだ。競いあう以上に友人で、彼とはとてもいい関係だ。2人の間に問題はない。
でもグリーンジャージを狙うとなると、2人が別々のステージを狙うことがロスになりますね?
そうだね。ポイントが2人に散ることになる。それについてはいい解決案を探さないといけないね。でも僕はまだ24歳で、若い。マルセルもだ。今年がダメでも次の年以降がある。焦ってはいないよ。落ち着いている。
将来はピュアスプリンターになりたい?それともクラシックライダーになりたい?
僕はクラシックライダーだね。ピュアスプリンターじゃない。
クラシックでキーになるチームメイト、リードアウトしてくれる選手は誰ですか?
クン・デコルト(オランダ)だね。彼はクラシックでの経験が豊富で、僕のリードアウトをしてくれる選手。僕が狙うほとんどのレースは彼がレースの鍵をにぎる。
ドイツ人にとっての期待を背負っているということに対してはどうですか?
僕ら(キッテルと)ふたりはドイツの自転車人気を取り戻すチャンスだと思っている。それが僕らの「チャレンジ」だ。実際、僕らを含めた選手の活躍によって人気は高まってきている。ドイツの一般市民はまだ自転車のことをとても愛しているんだ。問題はメディアが自転車を嫌っていること。彼らはとても厳しくて、過去に囚われている。
僕がクリーンなレースをして勝ちたいという思いは、チームが目指していることと同じ。だからこのチームを選んだ。チームも若い選手を獲得して、選手の成長とともに伸びていこうとするスタンスがある。だからこのチームを選んだんだ。
ステップを踏んで強くなって、かつてのウルリッヒ人気のような自転車熱をドイツに、ドイツだけじゃなく、取り戻したい。
interview&photo:Makoto.AYANO
Profile ジョン・デゲンコルブ (アルゴス・シマノ)
1989年1月7日生まれの24歳のドイツ人。2010年世界選手権U23で2位になり、2011年にHTCハイロードに加入。クリテリウム・ドゥ・ドーフィネでステージ2勝を挙げる。2012年にアルゴス・シマノに加入。
2012年シーズンはブエルタ・ア・エスパーニャステージ5勝&ポイント賞獲得、ツール・ド・ピカルディステージ2勝ほかを挙げる大活躍をみせる。
タイプはクラシック系スプリンター。今年、グランツールだけでなくクラシックで大暴れすることが大いに期待されている。
昨年はブエルタでグリーンジャージを手にしたけれど、今年もそれは大きな目標になりますか?
もちろん狙いたいけれど、ステージごとのプロフィール次第になるかな。どんなステージ構成なのか、それ次第でグリーンジャージは狙えるかどうかは変わってくるし、毎日のレースを走ってから決めることになる。ブエルタのコースが発表されてから考えるよ。ポイント賞はもちろんブエルタだけじゃないから。
昨年はツール・ド・フランスには出なかったけれど、今年はキッテルと二人で出ることはありうる?
もちろん。キッテルと一緒に出場したいね。僕にとってツール出場は今年の大きなゴールの一つ。昨年と違ってチームがプロツアーチームになってツール出場は約束された。僕も9人の一人に選ばれたい。
2012年はキッテルがツール、僕がオリンピックとブエルタ、とくにオリンピックにフォーカスしたから二人でツールに出ることはなかったんだ。今年は2人でツールに出れたらいい。昨年はできなかったから、今年は特にそれを楽しみにしているんだ。キッテルと3週間のツールを一緒に走りたい。
昨年のミラノ〜サンレモでは5位だったけれど、もちろん優勝を狙いますよね。サンレモへの調整を教えて下さい。
もちろん、サンレモに勝てれば言うことはないね。僕のシーズン前半の最大の目標だ。
ツアー・オブ・カタールとオマーン、ヘット・ニューズブラッドに出て、イタリアへ行きティレノ〜アドリアティコへ。そのまま翌週のサンレモだね。
ヨーロッパに帰った時にトレーニングのためには天気が良いことを願っているよ。それ次第で走りこみが左右されるから、仕上がりが変わってくる。
サンレモ後は昨年出たE3プライスに、今年も出場するだろうね。それも狙いたい。
キッテルとはスケジュールが違う?
今の時点ですでに大きく違っている。彼はツアー・ダウンアンダーに明日出発するからもう仕上がっている。僕はまだ調子を上げている段階でカタールに備えているんだ。彼はここアリカンテでもすでに負荷の高いトレーニングに集中しているけれど、僕はリラックスして距離を乗り込んだり、上りや長い時間のライドを取り入れたりしている。2人のトレーニングプログラムは全く違ったものだね。オマーンでは彼と合流して一緒に走ることになる。楽しみだよ。
僕が今集中しているのはクラシック。それが僕の今のパッションだ。正直いって考えているのはそのことだけ。ミラノ〜サンレモにピークを持ってきて、その後のことは一度休んでから組み立て直す。
時間があるから、高度トレーニングを積んでツールに備えることになる。たくさん話し合いを重ねて、コースプロフィールをチェックしていくうちにすべてのことがクリアになる。誰がツールに出るかも。
同じチームになったボーネンとカヴェンディッシュと同じ状況(チームにスプリンターが2人いる)だと言われますよね。それについてはどう思いますか?
もしキッテルとあなたがツールに出るとするなら、ふたりともスプリンターだからチーム内ライバル関係になってしまう?
いいや、それはない。なぜならキッテルはスピードマンだけど、僕は少し登りになった「アップヒルのスプリンター」だ。
彼が平坦でいったん60、70kmにスピードを上げると、もう破ることは難しい。信じられないパワーでスピードを維持できるんだ。僕は少し上りになっているときのスプリントで強さが発揮できるタイプ。
彼に向いたコースなら彼が狙うし、僕は彼を助ける。僕に向いているコースなら僕が狙う。彼が助けてくれる。今日は僕、明日は君、といったぐあいに助け合うことができるんだ。二人で分かち合うことができる。決してチーム内ライバルではないよ。
僕らはアマ時代同じチーム(ドイツのチューリンゲン・エナジー)に5年間一緒にいたんだ。競いあう以上に友人で、彼とはとてもいい関係だ。2人の間に問題はない。
でもグリーンジャージを狙うとなると、2人が別々のステージを狙うことがロスになりますね?
そうだね。ポイントが2人に散ることになる。それについてはいい解決案を探さないといけないね。でも僕はまだ24歳で、若い。マルセルもだ。今年がダメでも次の年以降がある。焦ってはいないよ。落ち着いている。
将来はピュアスプリンターになりたい?それともクラシックライダーになりたい?
僕はクラシックライダーだね。ピュアスプリンターじゃない。
クラシックでキーになるチームメイト、リードアウトしてくれる選手は誰ですか?
クン・デコルト(オランダ)だね。彼はクラシックでの経験が豊富で、僕のリードアウトをしてくれる選手。僕が狙うほとんどのレースは彼がレースの鍵をにぎる。
ドイツ人にとっての期待を背負っているということに対してはどうですか?
僕ら(キッテルと)ふたりはドイツの自転車人気を取り戻すチャンスだと思っている。それが僕らの「チャレンジ」だ。実際、僕らを含めた選手の活躍によって人気は高まってきている。ドイツの一般市民はまだ自転車のことをとても愛しているんだ。問題はメディアが自転車を嫌っていること。彼らはとても厳しくて、過去に囚われている。
僕がクリーンなレースをして勝ちたいという思いは、チームが目指していることと同じ。だからこのチームを選んだ。チームも若い選手を獲得して、選手の成長とともに伸びていこうとするスタンスがある。だからこのチームを選んだんだ。
ステップを踏んで強くなって、かつてのウルリッヒ人気のような自転車熱をドイツに、ドイツだけじゃなく、取り戻したい。
interview&photo:Makoto.AYANO
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