アマンダ・スプラット(オーストラリア、リドル・トレック)が2026年限りでの引退を発表した。2006年からエリートカテゴリーを走ってきた38歳のスプラットは、ツアー・ダウンアンダーで3度の総合優勝を誇るクライマーだ。



2026年限りでの引退を発表したアマンダ・スプラット(オーストラリア) photo:CorVos

「正直、『辞めたい』と思った特定の瞬間があったわけではない。むしろその逆で、今でもレースも練習も、チームメイトと一緒に走り、時間を共にすることが大好きだ。ただ、海外でプロとして20年以上活動してきた今、自分自身の条件で、自分でフィニッシュラインを決めて幕を引きたいという考えに惹かれた」と、スプラットは引退理由を説明した。

スプラットはBMXで自転車を始め、トラック競技で頭角を現すと、18歳だった2006年から本格的にヨーロッパでエリートカテゴリーのレースを転戦。同年、当時唯一のグランツールであったジロ・デ・イタリア・ウィメンに初出場を果たした。そして2012年に創設されたオーストラリア籍チームのオリカAIS(現リブ・アルウラー・ジェイコ)に加入し、2022年までの11年間を同じチームで走り抜いた。

ジロ・デ・イタリアで勝利したアマンダ・スプラット(オーストラリア、当時ミッチェルトン・スコット) (c)CorVos

マリアローザに袖を通したアマンダ・スプラット(オーストラリア、当時ミッチェルトン・スコット) (c)CorVos

キャリアハイのシーズンとなったのは2018年。ツアー・ダウンアンダーで2度目の総合優勝を飾ると、アムステルゴールドレース・レディースで3位、リエージュ〜バストーニュ〜リエージュ・ファムで2位と好成績をマークした。そして臨んだジロでは、クイーンステージであった山頂フィニッシュで独走。総合優勝は叶わなかったものの、マリア・ローザを着用し、プレスリリースではスプラットも「思い出深いこと」と振り返っている。

そして35歳だった2023年にリドル・トレックへ移籍したスプラットは、「リドルに移籍して、かつてのライバルたち(ダイグナン、ファンダイク、ブラント)と共に走れるようになったことは、大きな転機となった」と語っている。現役ラストイヤーとなる2026年の目標について、「長い間遠ざかっている『勝利』を手にできれば最高だが、何よりもこの1年、チームの貴重な一員としてチームメイトたちが大きな結果を残せるよう貢献したい」と言葉を添えた。

「活動を始めた最初の数年間は、お金なんて全く稼げなかった。ただ純粋にこのスポーツへの愛だけで走っていた。その『純粋な愛』があったからこそ、これほど長く続けてこれたのだと思う。レース、戦術、トレーニング、そしてここにいる人々も、すべてが大好きだ」と、スプラットは締めくくった。

text:Sotaro.Arakawa
photo:Kei Tsuji

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