ゾンホーフェンで開催されたUCIワールドカップの第9戦は超高難易度の砂/雪レースに。白熱した女子エリートレースでセイリン・アルバラード(オランダ、フェニックス・プレミアテック)が勝利し、男子エリートではマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・プレミアテック)が格の違いを見せつけた。

シクロクロスカレンダーの中でも随一の存在感を誇るゾンホーフェン。2万人ものファンが会場に駆けつけた photo:UCI
ヨーロッパのシクロクロスカレンダーの中においても、ナミュールやコクサイデに並んで別格の存在感を誇るレースが1月4日(日)に開催。シクロクロスの中心地とも言える、ベルギーのフランドル地方が誇る砂レース「ゾンホーフェン」が、最高峰シリーズであるUCIワールドカップの第9戦として開催された。
コースは海岸線から100km以上離れている内陸にもかかわらず深い砂に覆われ、ゾンホーフェンを象徴するダイナミックな砂下りと登り、そしてテクニカルなシングルトラックが組み合わせている。さらに今年は数日前からベルギーを襲っている寒波によって白銀のスノーレースに。レース中の降雪はなかったものの、試走とジュニア/U23カテゴリーで刻まれた雪と砂上の轍をトレースする難コンディションで男女エリートカテゴリーの戦いが繰り広げられた。
ブラントの連勝記録はミスで潰える アルバラードが氷結レースで連勝
ここまで13連勝中と絶好調のルシンダ・ブラント(オランダ、バロワーズ・フェルゼクリンゲン・ヘットプーツブーロー・ライオンズ)らを筆頭に、フルメンバーが揃った女子エリートレースは今季最も白熱したレースになった。

1周目の砂下り。先頭のプック・ピーテルセ(オランダ、フェニックス・プレミアテック)が転倒 photo:UCI

ピーテルスが落車した直後、今度はルシンダ・ブラント(オランダ、バロワーズ・フェルゼクリンゲン・ヘットプーツブーロー・ライオンズ)が激しく前転 photo:UCI
スタートを決めたプック・ピーテルセ(オランダ、フェニックス・プレミアテック)が猛烈な勢いでレースを引っ張ったものの、深い轍が刻まれた最初の砂下りで前転、ここで先頭に立ったブラントもスピードが乗ったまま大前転、さらに進路を塞がれた3番手セイリン・アルバラード(オランダ、フェニックス・プレミアテック)も落車と、かつてないほど激しい展開でレースの幕が切って落とされた。
落車からリズムを取り戻したピーテルセが変わらずレースを引っ張り、ブラントとアルバラードが追いついてレースは中盤戦。圧雪の下りコーナーでピーテルセが落車したことをきっかけにブラントが攻勢に転じ、時間を要さず10秒以上のリードを構築。ブラントが普段通りの勝ちパターンに持ち込むかと思われたが、シャーベット状の氷に覆われた舗装区間で激しくスリップダウンしてしまう。女王失速の間に追いついたのが諦めずに追走していたアルバラードだった。

ミスでチャンスを失ったルシンダ・ブラント(オランダ、バロワーズ・フェルゼクリンゲン・ヘットプーツブーロー・ライオンズ) photo:UCI

ブラントを追いかけるセイリン・アルバラード(オランダ、フェニックス・プレミアテック) photo:UCI
アルバラードは、ブラントがバイク交換を機に猛烈なアタックで先行したものの、13連勝中のブラントは最終周回に10秒ほどの差を埋めて追いつき、攻撃的な走りで先頭を奪還。再度優勝のチャンスをモノにしたかと思われたが、勢い余って下り区間でコントロールを失って失速してしまう。この間にアルバラードが決定的なリードを奪い取った。
何度も後ろを振り返り、ブラントがいないことを確認した元世界女王がフィニッシュラインに到達。クラッシュ多発、かつてないほど目まぐるしく状況が変わる劇的なレースで勝利した。「本当に嬉しいし、本当に素晴らしい戦いだった。今日はみんながたくさんミスする中、自分が一番ミスを少なくできたので嬉しい」と、満面の笑顔でインタビューに答えたアルバラード。「苦しい時期を乗り越えてトップレベルに戻ることができた。とても嬉しい」と加え、エクザクトクロス第6戦に続いて雪レースで2連勝をマークした。

今季W杯初勝利を収めたセイリン・アルバラード(オランダ、フェニックス・プレミアテック) photo:UCI

母と勝利を喜ぶセイリン・アルバラード(オランダ、フェニックス・プレミアテック) photo:UCI 
UCIシクロクロスワールドカップ2025-2026 第9戦 女子エリート表彰台 photo:UCI
一方、一度も優勝したことのないゾンホーフェンで連勝記録が途絶えたブラントは「最初の落車は本当に痛かった。レース復帰できただけで良かったと思うけど、その後はミスを重ねるばかり。最後のミスから挽回する時間が足りなかったので本当に残念」とインタビューに答えているものの、当初の目標であるW杯リーダーの座は確固たるものに。試走時から「得意で大好きなコース」と話していたピーテルスが3位に入っている。
男子エリート:ファンデルプールが格の違いを見せつける
出場するレースで連戦連勝。まさに世界王者たる風格を見せつけて連勝街道を突き進むマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・プレミアテック)は、これまで獲得してきたUCIポイントによって遂に1列目スタート権を獲得。テクニカルコースでは常に先頭で優位を奪う作戦を選んできたファンデルプールは、この日はホールショットを奪った勢いそのまま加速した。

圧倒的な走りで独走するマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・プレミアテック) photo:UCI
過去8年のゾンホーフェンで5回優勝しているファンデルプールが、過去2回優勝しているトーン・アールツ(ベルギー、シャルル・リエジョワ・デスハフト)を引き離して僅か2,3分で独走体制に。パワーとテクニック、並外れたバランスでで砂と凍結路面を飛ぶように走る世界王者に食い下がれる選手は誰もいなかった。
「最初から飛び出そうとは考えていなかったけど、良いスタートが切れたので加速することにしたんだ。スペインのチーム合宿に向かう前に1時間のトレーニングだと思って踏み続けたよ」と言うファンデルプールは2回パンクしたものの、その度にスペアバイクに交換してリズムを回復。無事に手術を終えたというワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク)や、 砂の名手ローレンス・スウェーク(ベルギー、クレラン・コレンドン)不在のレースでその走りは圧倒的だった。

マチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・プレミアテック)がフィニッシュ photo:UCI

UCIシクロクロスワールドカップ2025-2026 第9戦 男子エリート表彰台 photo:UCI
まさに圧勝。華麗な走りでファンデルプールが9戦9勝をマークした。激しい「マチュー以外の戦い」を制したのはチームメイトのティボール・デルフロッソ(オランダ、アルペシン・プレミアテック)で、3位は好調のエミル・フェルストリンヘ(ベルギー、クレラン・コレンドン)。落車に泣いたティボー・ネイス(ベルギー、バロワーズ・フェルゼクリンゲン・ヘットプーツブーロー・ライオンズ)は19位に沈んでいる。

ヨーロッパのシクロクロスカレンダーの中においても、ナミュールやコクサイデに並んで別格の存在感を誇るレースが1月4日(日)に開催。シクロクロスの中心地とも言える、ベルギーのフランドル地方が誇る砂レース「ゾンホーフェン」が、最高峰シリーズであるUCIワールドカップの第9戦として開催された。
コースは海岸線から100km以上離れている内陸にもかかわらず深い砂に覆われ、ゾンホーフェンを象徴するダイナミックな砂下りと登り、そしてテクニカルなシングルトラックが組み合わせている。さらに今年は数日前からベルギーを襲っている寒波によって白銀のスノーレースに。レース中の降雪はなかったものの、試走とジュニア/U23カテゴリーで刻まれた雪と砂上の轍をトレースする難コンディションで男女エリートカテゴリーの戦いが繰り広げられた。
ブラントの連勝記録はミスで潰える アルバラードが氷結レースで連勝
ここまで13連勝中と絶好調のルシンダ・ブラント(オランダ、バロワーズ・フェルゼクリンゲン・ヘットプーツブーロー・ライオンズ)らを筆頭に、フルメンバーが揃った女子エリートレースは今季最も白熱したレースになった。


スタートを決めたプック・ピーテルセ(オランダ、フェニックス・プレミアテック)が猛烈な勢いでレースを引っ張ったものの、深い轍が刻まれた最初の砂下りで前転、ここで先頭に立ったブラントもスピードが乗ったまま大前転、さらに進路を塞がれた3番手セイリン・アルバラード(オランダ、フェニックス・プレミアテック)も落車と、かつてないほど激しい展開でレースの幕が切って落とされた。
落車からリズムを取り戻したピーテルセが変わらずレースを引っ張り、ブラントとアルバラードが追いついてレースは中盤戦。圧雪の下りコーナーでピーテルセが落車したことをきっかけにブラントが攻勢に転じ、時間を要さず10秒以上のリードを構築。ブラントが普段通りの勝ちパターンに持ち込むかと思われたが、シャーベット状の氷に覆われた舗装区間で激しくスリップダウンしてしまう。女王失速の間に追いついたのが諦めずに追走していたアルバラードだった。


アルバラードは、ブラントがバイク交換を機に猛烈なアタックで先行したものの、13連勝中のブラントは最終周回に10秒ほどの差を埋めて追いつき、攻撃的な走りで先頭を奪還。再度優勝のチャンスをモノにしたかと思われたが、勢い余って下り区間でコントロールを失って失速してしまう。この間にアルバラードが決定的なリードを奪い取った。
何度も後ろを振り返り、ブラントがいないことを確認した元世界女王がフィニッシュラインに到達。クラッシュ多発、かつてないほど目まぐるしく状況が変わる劇的なレースで勝利した。「本当に嬉しいし、本当に素晴らしい戦いだった。今日はみんながたくさんミスする中、自分が一番ミスを少なくできたので嬉しい」と、満面の笑顔でインタビューに答えたアルバラード。「苦しい時期を乗り越えてトップレベルに戻ることができた。とても嬉しい」と加え、エクザクトクロス第6戦に続いて雪レースで2連勝をマークした。



一方、一度も優勝したことのないゾンホーフェンで連勝記録が途絶えたブラントは「最初の落車は本当に痛かった。レース復帰できただけで良かったと思うけど、その後はミスを重ねるばかり。最後のミスから挽回する時間が足りなかったので本当に残念」とインタビューに答えているものの、当初の目標であるW杯リーダーの座は確固たるものに。試走時から「得意で大好きなコース」と話していたピーテルスが3位に入っている。
男子エリート:ファンデルプールが格の違いを見せつける
出場するレースで連戦連勝。まさに世界王者たる風格を見せつけて連勝街道を突き進むマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・プレミアテック)は、これまで獲得してきたUCIポイントによって遂に1列目スタート権を獲得。テクニカルコースでは常に先頭で優位を奪う作戦を選んできたファンデルプールは、この日はホールショットを奪った勢いそのまま加速した。

過去8年のゾンホーフェンで5回優勝しているファンデルプールが、過去2回優勝しているトーン・アールツ(ベルギー、シャルル・リエジョワ・デスハフト)を引き離して僅か2,3分で独走体制に。パワーとテクニック、並外れたバランスでで砂と凍結路面を飛ぶように走る世界王者に食い下がれる選手は誰もいなかった。
「最初から飛び出そうとは考えていなかったけど、良いスタートが切れたので加速することにしたんだ。スペインのチーム合宿に向かう前に1時間のトレーニングだと思って踏み続けたよ」と言うファンデルプールは2回パンクしたものの、その度にスペアバイクに交換してリズムを回復。無事に手術を終えたというワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク)や、 砂の名手ローレンス・スウェーク(ベルギー、クレラン・コレンドン)不在のレースでその走りは圧倒的だった。


まさに圧勝。華麗な走りでファンデルプールが9戦9勝をマークした。激しい「マチュー以外の戦い」を制したのはチームメイトのティボール・デルフロッソ(オランダ、アルペシン・プレミアテック)で、3位は好調のエミル・フェルストリンヘ(ベルギー、クレラン・コレンドン)。落車に泣いたティボー・ネイス(ベルギー、バロワーズ・フェルゼクリンゲン・ヘットプーツブーロー・ライオンズ)は19位に沈んでいる。
UCIシクロクロスワールドカップ2025-2026 第9戦 女子エリート結果
| 1位 | セイリン・アルバラード(オランダ、フェニックス・プレミアテック) | 51:33 |
| 2位 | ルシンダ・ブラント(オランダ、バロワーズ・フェルゼクリンゲン・ヘットプーツブーロー・ライオンズ) | +0:23 |
| 3位 | プック・ピーテルセ(オランダ、フェニックス・プレミアテック) | +0:49 |
| 4位 | アマンディーヌ・フークネ(フランス、パウェルスサウゼン・アルテスインダストリーバウ) | +1:27 |
| 5位 | シリン・ニンクアンローイ(オランダ、バロワーズ・フェルゼクリンゲン・ヘットプーツブーロー・ライオンズ) | +1:39 |
| 6位 | アニック・ファンアルフェン(オランダ、セブンレーシング) | +1:46 |
| 7位 | レオニー・ベントフェルド(オランダ、パウェルスサウゼン・アルテスインダストリーバウ) | +2:21 |
| 8位 | クリスティナ・ゼマノバ(チェコ) | +2:28 |
| 9位 | マノン・バッカー(オランダ、クレラン・コレンドン) | +2:29 |
| 10位 | ゾーイ・バックステッド(イギリス、キャニオン・スラム・ゾンダクリプト&ジェネレーション) | +2:42 |
UCIシクロクロスワールドカップ2025-2026 第9戦 男子エリート結果
| 1位 | マチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・プレミアテック) | 59:36 |
| 2位 | ティボール・デルフロッソ(オランダ、アルペシン・プレミアテック) | +0:45 |
| 3位 | エミル・フェルストリンヘ(ベルギー、クレラン・コレンドン) | +1:03 |
| 4位 | マイケル・ファントーレンハウト(ベルギー、パウェルスサウゼン・アルテスインダストリーバウ) | +1:18 |
| 5位 | トーン・アールツ(ベルギー、シャルル・リエジョワ・ロースタリー) | |
| 6位 | ニルス・ファンデプッテ(ベルギー、アルペシン・プレミアテック) | +1:40 |
| 7位 | ヨリス・ニューウェンハイス(オランダ、リドレーレーシングチーム) | +1:45 |
| 8位 | フェリペ・オルツ(スペイン、リドレーレーシングチーム) | +1:56 |
| 9位 | ピム・ロンハール(オランダ、バロワーズ・フェルゼクリンゲン・ヘットプーツブーロー・ライオンズ) | +2:04 |
| 10位 | メース・ヘンドリクス(オランダ、ヘイゾマット・キューブ) | +2:15 |
| 59位 | 田島綾人(W.V.OTA) | LAP |
| 63位 | 岡山優太(オランダベース/ウォータスレイ) | LAP |
| 65位 | 遠藤紘介(オランダベース/ウォータスレイ) | LAP |
| DNF | 梶鉄輝(オランダベース/ウォータスレイ) |
photo:UCI
text:So Isobe
text:So Isobe
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