競輪特集記事の人気コーナー「あなたの自転車見せて下さい」をプレイバック!太田海也や山崎賢人の世界基準セッティングから、レジェンド神山雄一郎の自転車論、ガールズトップ選手の久米詩まで、総勢7名の勝負機材を凝縮しました。



NJS認証を受けた数少ない選択肢の機材で戦う競輪。しかしそれだけに、セッティングの深さは海よりも深く緻密。シクロワイアードではレース取材ごとにそのこだわりを選手本人に直接取材してきた photo: Yuichiro Hosoda

強靭な肉体と精神が激突するコンマ数秒の世界、競輪。選手がその命を預け、勝利を掴み取るために跨る相棒には、外観からは想像もつかないほど緻密でマニアックなこだわりが凝縮されている。

本記事では、過去の競輪特集に登場したトップレーサーたちのバイクを再構成。自他共に認める機材マニアから、数々の金字塔を打ち立てたレジェンド選手、人気ガールズ選手、そしてトラックの舞台で頂点に上り詰めた世界チャンピオンまで。取材当時の「秘蔵のセットアップ」を一挙に振り返ります。



福元啓太(大阪)〜競輪場へ行こう!Vol.1 桜花賞・海老澤清杯編〜

S級2班・福元啓太選手(大阪) Photo: Yuichiro Hosoda

記念すべき第一弾として登場頂いたのは、自らを「自転車オタク」と称する福元啓太選手。取材時に使用していたのは、ポジションテストを兼ねて東川製作所でオーダーした「レバン」だった。深い前傾姿勢を出すための前下がりトップチューブや、もがいた際の力のベクトルを一直線にする独創的なセッティング、さらには「オクタリンクかスクエアテーパーかで乗り味が激変する」というBB規格への言及など、その探究心は研究者レベル。ホイールのスポーク結線や、当時生産終了を惜しんでいたダイアコンペ製ハブの選択に至るまで、NJS機材の限界に挑むマニアックなセットアップが特徴だった。

掲載記事:日本で最も身近な自転車レース「競輪」 春の川崎、桜花賞・海老澤清杯でその魅力を堪能する



豊岡英子(大阪)〜競輪場へ行こう!Vol.2 オールガールズクラシック編〜

元シクロクロスの女王・豊岡英子選手が駆るピストバイクは、ブリヂストンアンカーのTS9 photo: Yuichiro Hosoda

競輪特集第2弾で紹介したのは、ガールズケイリン初の自転車紹介となった豊岡英子選手だ。かつてシクロクロス全日本選手権を7連覇したレジェンドが取材時に相棒に選んでいたのは、ナショナルチームへの憧れから導入し、初日に自己ベストを更新したというブリヂストンのカーボンフレーム「TS9」だった。ホイールは、かつて使用していたディスクホイールの剛性感に近づけるべく、エアロスポークとグランコンペのハブを組み合わせてカスタマイズ。サドルはフラットなセッティングを好んでセッレイタリアの「フライト」を愛用し、ハンドルには「一番しっかり握れる」という理由でテニスラケット用のグリップをチョイスしていた。

掲載記事:世界の中野を生んだ久留米で、女子選手達の決戦「オールガールズクラシック」を見る



久米詩(静岡) 〜競輪場へ行こう!Vol.6 サマーナイトフェスティバル編〜

久米詩選手(静岡)のバイクはブリヂストンのTS9 photo: Yuichiro Hosoda

ガールズケイリン界のトップランナーとして注目される久米詩選手が駆っていたのもまた、ブリヂストンのカーボンフレーム「TS9」だ。「特に機材のこだわりは全然無いんですよね。ただ速く走ればいい、というくらいで。」と言う久米選手だが、磨き上げられた車体は先行・捲りともに強力で様々な展開に対応できる持ち味を引き出す味方。競争後に見せてくれた笑顔にも注目です。

掲載記事:真夏の夜のお祭りレース 松戸33バンク「サマーナイトフェスティバル」



太田海也(岡山)〜競輪場へ行こう!Vol.8 男子オールスター競輪編〜

太田海也選手(岡山)が駆るのは、今野製作所のケルビム photo: Yuichiro Hosoda

ここで登場頂いたのは、パリ五輪から帰国したばかりのオリンピアン太田海也選手。世界と戦うパワーを支えるのは、ケルビムとしてお馴染みの今野製作所による「Triplecrown Aero」だ。トラック競技のカーボンバイクに乗り味を寄せるため、あえて大きいジオメトリを採用し、詳細なパイプ選定はビルダーの今野真一氏に全幅の信頼を置いて一任した。剛性と安全性を追求したスポーク結線仕様のホイールや、ミリ単位で調整を重ねるハンドル周りなど、五輪帰りのスピードスターに相応しい「世界基準」のセッティングが貫かれていた。

掲載記事:ファンが選んだトップレーサー集う「オールスター競輪」 1位選出の古性優作が戴冠 オリンピアン太田海也のバイクも紹介



神山雄一郎(栃木)〜競輪場へ行こう! Vol.9 共同通信社杯競輪編〜

レジェンド・神山雄一郎選手(栃木)のフレームは、地元のビルダー・リンセイラボによるもの photo: Yuichiro Hosoda

「競輪場へ行こう! Vol.9 共同通信社杯競輪」で登場してもらったのは、GI最多優勝記録を持つ競輪界のレジェンドにして、2024年の引退後に日本競輪選手養成所所長に就任した神山雄一郎さんだ。取材させてもらったバイクは地元栃木のビルダー・井田倫正氏が生み出す「RINSEI LAB」。取材時に3年以上使い込まれていたサドルや、二重に巻かれたグリップなど、細部まで徹底的に馴染みを出したセッティングが印象的だった。大ベテランらしいセットアップに対する考え方も話してくれました。その内容はロードファンも必見です。

掲載記事:ジャパンカップの街・宇都宮 共同通信社杯競輪で地元・眞杉匠がGII連勝 レジェンド神山雄一郎のバイク登場



吉川美穂(栃木)〜競輪場へ行こう! Vol.10 朝日新聞社杯競輪祭・競輪祭女子王座戦〜

ロードレースでも活躍した吉川美穂選手(和歌山)のピストはブリヂストン・アンカーのTR9 photo: Yuichiro Hosoda

競輪発祥の地、小倉競輪場で開催された「朝日新聞社杯競輪祭・競輪祭女子王座戦」で取材したのは元トップロードレーサーの吉川美穂選手。「乗り味が自分に合っているから」と、あえてブリヂストンの旧型モデルTR9を選び、120mmステムや、あえてスタンダードではない170mmクランクを選ぶなど、こだわりは満点。その一方サドルに関しては「よく分からないけれど、一番安いやつじゃなかったかな」と、あまり気にしない部分も。スプリンターらしい機材選びのこだわりにぜひ注目を。

掲載記事:世界女王・佐藤水菜が、競輪発祥の地・小倉の競輪祭女子王座戦を制覇 バイク紹介は、元女子ロードトップ選手・吉川美穂



山崎賢人(長崎)〜競輪場へ行こう! Vol.11 競輪祭編〜

2024男子ケイリン世界王者・山崎賢人選手(長崎)は、ケルビムを駆る photo: Yuichiro Hosoda

女子選手編に続くVol.11「競輪祭」に登場頂いたのは、取材時の2ヶ月前にケイリン世界王者に輝いた山崎賢人選手。相棒は真紅のケルビム。カーボン製の競技用バイクと鉄の競輪用バイクの特性差を熟知しており、鉄特有の「たわみ」を考慮してステム長を125mmに抑えるなど、素材に合わせた緻密なセッティングを構築。駆動系では「踏み込む位置が自分に合う」という理由で55Tチェーンリングを選択し、あえて少し柔らかい「スギノ・禅」を組み合わせる。鉄のフレームを「綺麗に回して進ませる」ための究極のフィーリングを追求した、世界王者ならではの解答だ。

掲載記事:伝統の一戦「競輪祭」 脇本雄太が近畿勢に59年ぶりの優勝をもたらす ケイリン世界王者・山崎賢人のピストをチェック


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