2013/01/14(月) - 12:37
1月13日(日)にオーストラリア南部ビクトリア州にて開催されたナショナルロード選手権男子エリートで、序盤形成された逃げグループから独走したルーク・ダーブリッジ(オリカ・グリーンエッジ)が勝利。TTとのダブルタイトルを獲得した。
1月9日~13日に掛けて開催されたオーストラリアナショナル選手権の最後を飾ったロードレース男子エリート。タイムトライアル選手権が開催されたビクトリア州バララットから程近いバニンヨンがその舞台だ。
コースは郊外に設けられた27.8kmの大周回を3周、10.2kmの小周回を11周する195.6kmで、どちらの周回コースにも共に連続する登坂距離1.4kmと1.1km、平均勾配6.4%の上りが設定される。アップダウンで構成されるコースの難易度は高めで、クラシックレーサーや上りをこなせるスプリンターに有利と見られていた。
スタート後すぐの上りで発生したアタックにより、レースは開始5kmにしてダーブリッジやバーナード・サルツバーガー(ドラパック・プロフェッショナルサイクリング)、ブレア・ウィンザー(バジェットフォークリフツ)を含む7名の逃げグループが形成される。協調して逃げる7名は集団との差をおよそ5分程度にまで拡大した。
距離を重ねるごとに人数を減らしていく逃げグループだが、TTチャンピオンを獲得したばかりのダーブリッジがハイペースを保ったこと、そしてオリカ・グリーンエッジ勢がメイン集団のペースをコントロールしたことでタイム差は思うように詰まらない。
ダーブリッジとサルツバーガーの2名となっていた先頭からは、残り20km地点の上りからダーブリッジがペースアップ。たまらずサルツバーガーが千切れると、ここからダーブリッジの独走が始まった。この時点でメイン集団とのタイム差はおよそ3分ほどと、オリカ・グリーンエッジの戦略が着々とはまっていく。
メイン集団では人数を残すチームスカイや、スティール・ヴォンホフでのスプリントに持ち込みたいガーミン・シャープ勢がペースアップを行なったものの、新ナショナルTTチャンピオンの走りは衰えない。ダーブリッジは後方とおよそ2分のタイム差をキープしたまま最終周回の鐘を聞く。
ダーブリッジは最後の上りでも力強いペダリングは失わず、後方におよそ1分を付けたまま歓喜の表情でゴールへ。190kmに渡る逃げ切りを成功させ、TTとの2冠を達成。スプリントとなった後方集団の先頭は、同じくオリカ・グリーンエッジのマイケル・マシューズが抑えた。
TTとの2冠を達成したルーク・ダーブリッジ(オリカ・グリーンエッジ)のコメント
これまでの生涯で最高の気持ちだよ。TTとロード両方でナショナルチャンピオンジャージを着て、ヨーロッパのレースを走ることになるとは全く思っていなかったんだ。信じられないよ。
終盤に向かうに連れて、どんどんナーバスになっていた。ベルニー(バーナード・サルツバーガー)のスプリントは僕よりずっと速い。だから上りでペースアップすることで独走に持ち込んで、もう一度TTをやろうと思ったんだ。
最終ラップでは特にひどく苦しかったけれど、上りでは観客の応援が僕の走りを助けてくれた。カウベルを鳴らしてくれたり走りながら応援してくれたり、さながらツール・ド・フランスのようだった。とてもその瞬間は楽しかったんだ。
この勝利は、ここ3年間のロードレースで初めてのことなんだ。集団の動きを完璧にコントロールしてくれたチームメイトがいなければ、とても勝利することはできなかった。僕にとって、チームにとって特別な勝利だよ。
レース展開と選手コメントはオーストラリア自転車競技連盟公式サイト(Cycling Australia)より
オーストラリアナショナル選手権 フォトギャラリー
オーストラリアナショナル選手権
エリート男子ロードレース
1位 ルーク・ダーブリッジ(オリカ・グリーンエッジ) 5h00′46″
2位 マイケル・マシューズ(オリカ・グリーンエッジ) +1′04″
3位 スティール・ヴォンホフ(ガーミン・シャープ)
4位 ニール・ヴァンデルプルーフ
5位 クリストファー・サットン(チームスカイ)
6位 ジャイ・マッカーシー(チームサクソ・ティンコフ)
7位 ウィリアム・ウォーカー(ドラパック・プロフェッショナルサイクリング)
8位 ザッカリ・デンプスター(チームネットアップ・エンデューラ)
9位 サイモン・ジェランス(オリカ・グリーンエッジ)
10位 バーナード・サルツバーガー(ドラパック・プロフェッショナルサイクリング)
U23男子ロードレース
1位 ジョーダン・カービー
2位 ダミアン・ハウソン
3位 ジャック・ハイグ
エリート女子ロードレース
1位 グレイシー・エルヴィン
2位 ジョアン・ホーガン
3位 カルラ・ライアン
text:So.Isobe
photo:Cycling Australia
1月9日~13日に掛けて開催されたオーストラリアナショナル選手権の最後を飾ったロードレース男子エリート。タイムトライアル選手権が開催されたビクトリア州バララットから程近いバニンヨンがその舞台だ。
コースは郊外に設けられた27.8kmの大周回を3周、10.2kmの小周回を11周する195.6kmで、どちらの周回コースにも共に連続する登坂距離1.4kmと1.1km、平均勾配6.4%の上りが設定される。アップダウンで構成されるコースの難易度は高めで、クラシックレーサーや上りをこなせるスプリンターに有利と見られていた。
スタート後すぐの上りで発生したアタックにより、レースは開始5kmにしてダーブリッジやバーナード・サルツバーガー(ドラパック・プロフェッショナルサイクリング)、ブレア・ウィンザー(バジェットフォークリフツ)を含む7名の逃げグループが形成される。協調して逃げる7名は集団との差をおよそ5分程度にまで拡大した。
距離を重ねるごとに人数を減らしていく逃げグループだが、TTチャンピオンを獲得したばかりのダーブリッジがハイペースを保ったこと、そしてオリカ・グリーンエッジ勢がメイン集団のペースをコントロールしたことでタイム差は思うように詰まらない。
ダーブリッジとサルツバーガーの2名となっていた先頭からは、残り20km地点の上りからダーブリッジがペースアップ。たまらずサルツバーガーが千切れると、ここからダーブリッジの独走が始まった。この時点でメイン集団とのタイム差はおよそ3分ほどと、オリカ・グリーンエッジの戦略が着々とはまっていく。
メイン集団では人数を残すチームスカイや、スティール・ヴォンホフでのスプリントに持ち込みたいガーミン・シャープ勢がペースアップを行なったものの、新ナショナルTTチャンピオンの走りは衰えない。ダーブリッジは後方とおよそ2分のタイム差をキープしたまま最終周回の鐘を聞く。
ダーブリッジは最後の上りでも力強いペダリングは失わず、後方におよそ1分を付けたまま歓喜の表情でゴールへ。190kmに渡る逃げ切りを成功させ、TTとの2冠を達成。スプリントとなった後方集団の先頭は、同じくオリカ・グリーンエッジのマイケル・マシューズが抑えた。
TTとの2冠を達成したルーク・ダーブリッジ(オリカ・グリーンエッジ)のコメント
これまでの生涯で最高の気持ちだよ。TTとロード両方でナショナルチャンピオンジャージを着て、ヨーロッパのレースを走ることになるとは全く思っていなかったんだ。信じられないよ。
終盤に向かうに連れて、どんどんナーバスになっていた。ベルニー(バーナード・サルツバーガー)のスプリントは僕よりずっと速い。だから上りでペースアップすることで独走に持ち込んで、もう一度TTをやろうと思ったんだ。
最終ラップでは特にひどく苦しかったけれど、上りでは観客の応援が僕の走りを助けてくれた。カウベルを鳴らしてくれたり走りながら応援してくれたり、さながらツール・ド・フランスのようだった。とてもその瞬間は楽しかったんだ。
この勝利は、ここ3年間のロードレースで初めてのことなんだ。集団の動きを完璧にコントロールしてくれたチームメイトがいなければ、とても勝利することはできなかった。僕にとって、チームにとって特別な勝利だよ。
レース展開と選手コメントはオーストラリア自転車競技連盟公式サイト(Cycling Australia)より
オーストラリアナショナル選手権 フォトギャラリー
オーストラリアナショナル選手権
エリート男子ロードレース
1位 ルーク・ダーブリッジ(オリカ・グリーンエッジ) 5h00′46″
2位 マイケル・マシューズ(オリカ・グリーンエッジ) +1′04″
3位 スティール・ヴォンホフ(ガーミン・シャープ)
4位 ニール・ヴァンデルプルーフ
5位 クリストファー・サットン(チームスカイ)
6位 ジャイ・マッカーシー(チームサクソ・ティンコフ)
7位 ウィリアム・ウォーカー(ドラパック・プロフェッショナルサイクリング)
8位 ザッカリ・デンプスター(チームネットアップ・エンデューラ)
9位 サイモン・ジェランス(オリカ・グリーンエッジ)
10位 バーナード・サルツバーガー(ドラパック・プロフェッショナルサイクリング)
U23男子ロードレース
1位 ジョーダン・カービー
2位 ダミアン・ハウソン
3位 ジャック・ハイグ
エリート女子ロードレース
1位 グレイシー・エルヴィン
2位 ジョアン・ホーガン
3位 カルラ・ライアン
text:So.Isobe
photo:Cycling Australia
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