ドーピングスキャンダルがまだまだ尾を引いている。レディオシャック・ニッサンのタイトルスポンサーである自動車メーカー日産(アメリカ法人)が、スポンサーから撤退することを発表した。チーム名から同社の社名は消えるが、契約に沿って2013年も継続的に資金提供を行なう。

レディオシャック・ニッサンレディオシャック・ニッサン photo:Makoto AYANO2011年からレディオシャックチームのスポンサーに加わった日産。2013年末まで3年間のスポンサー契約が結ばれていたが、度重なるドーピングスキャンダルによって、1年前倒しでスポンサーを撤退することが発表された。

チームの実質的な創設者であるランス・アームストロング(アメリカ)がUSADA(アメリカアンチドーピング機関)によってドーピング違反による永久追放処分を受けたことに加え、ドーピングスキャンダルの渦中にあるUSポスタルチームを長年指揮したヨハン・ブリュイネール氏がチームのゼネラルマネージャーの職を解任。さらにツール・ド・フランス期間中のドーピング検査でエースのフランク・シュレク(ルクセンブルク)の尿サンプルから利尿促進剤キシパミドが検出されるなど、2012年は暗いニュースが続いた。Fシュレクは自身の潔白を主張しているが、Bサンプルの再検査も陽性。すでにFシュレクはALAD(ルクセンブルク・アンチドーピング機関)のヒアリングに3回出席しており、2013年1月30日に処分が下される。

日産の判断は、スポンサー活動からの即時撤退。しかし従来の契約通り、2013年シーズンの資金提供の責任は全うする。今シーズン限りでスポンサーを撤退しながらも、ブランコプロサイクリングチームの資金的サポートを継続するラボバンク社と同じシチュエーションだ。

これによりチーム名から日産の文字が消え、「レディオシャック」もしくは「レディオシャック・トレック」になる可能性が高い。

text:Kei Tsuji