スペインのバレンシア州で行なわれているBMCレーシングチームのトレーニングキャンプで走行中、アレッサンドロ・バッラン(イタリア)が落車。大腿骨と肋骨を骨折し、脾臓を損傷するなど重傷を負った。2013年春のクラシックシーズンへの影響必至だ。

アレッサンドロ・バッラン(イタリア、BMCレーシングチーム)アレッサンドロ・バッラン(イタリア、BMCレーシングチーム) photo:Makoto AYANOトレーニングキャンプ最終日を翌日に控えた12月20日、4時間のトレーニングライドの終わり間近にあるラテス峠の下りでバッランは落車した。BMCレーシングチームの公式リリースによると、ハイスピードで落車したバッランはすぐさま地元病院へ搬送。左脚の大腿骨と第6肋骨の骨折、肋骨骨折による肺の損傷、そして脾臓損傷という診断を受けた。

チームドクターのマックス・テスタ氏によると「脾臓損傷が最も深刻で、応急処置が必要だった」という。「バッランは木曜日の夜に脾臓摘出の手術を受けた。その経過を見て、今後いつどこで大腿骨の手術を行なうかを決める」。

イタリア・ヴェネト出身の33歳バッランは、2008年にロード世界選手権で優勝。クラシックスペシャリストとして知られ、2007年にはロンド・ファン・フラーンデレンとヴァッテンフォール・サイクラシックスで優勝している。今年のロンド・ファン・フラーンデレンとパリ〜ルーベではともに3位という成績を残しており、「北のクラシック」では名実共にBMCレーシングチームのエースを担っている。

BMCレーシングチームのジョン・ルランゲGMは「クラシックレースで鍵を握るアレッサンドロを失う意味は非常に大きい。でも今は彼が順調に回復することがより重要。彼のカムバックに向けて、今は治療の経過を見守りたい」とのコメントを残している。

バッランは2013年1月のツアー・ダウンアンダーに出場する予定だったが、今回の落車によってシーズンインは大きく遅れる。クラシックシーズンを棒に振る可能性は高い。

text:Kei Tsuji