2012/11/02(金) - 11:08
11月1日、ベルギーにて2012〜2013年シーズンのbpost bankトロフェー第2戦コッペンベルグクロスが開催され、泥のコースでスヴェン・ネイス(ベルギー、ランドバウクレジット)が勝利した。全日本チャンピオンの竹之内悠(チームユーラシア)は2周遅れの31位。
コッペンベルグの会場に雨雲が近づく photo:Riccardo Scanferlabpost bankトロフェーは、昨シーズンまでGvAトロフェー(ハゼット・ファン・アントウェルペン・トロフェー)として開催されていたベルギーのシクロクロスシリーズ戦。ハゼット・ファン・アントウェルペン紙からbpost銀行にメインスポンサーが変更され、同時にシリーズの名称も変更された。
UCIワールドカップとスーパープレスティージュと並ぶ歴史あるシリーズで、1987年に初開催、今年で開催25年目。2012年10月から2013年2月まで全8戦で行なわれ、このコッペンベルグクロスが第2戦にあたる。
一進一退の攻防を繰り広げるスヴェン・ネイス(ベルギー、ランドバウクレジット)とニールス・アルベルト(ベルギー、BKCPパワープラス) photo:Riccardo Scanferla特徴的なのは、今シーズンから変更された年間総合成績の制度だ。UCIワールドカップなどは順位によるポイントで年間総合成績が争われるが、bpost bankトロフェーはロードステージレース同様の総合タイム制。フィニッシュや中間スプリントでのボーナスタイムが導入され、1レースの最速ラップも争われるなど、様々な工夫が凝らされている。
第2戦のコッペンベルグクロスは、その名の通り、ロンド・ファン・フラーンデレンなどのクラシックレースで名を馳せるコッペンベルグで開催。厳しい登りとテクニカルな下りが組み合わされた過酷なコースであり、シリーズ戦の中でも特に権威あるレースとして知られる。
レースはフランスチャンピオンのオレリアン・デュヴァル(フランス、UVオーブ)がリードする形で動き出す。泥に覆われたコースで有力選手を含む先頭パックが形成され、3周目に入るとそこから本命が動いた。
泥に覆われたコースを走るスヴェン・ネイス(ベルギー、ランドバウクレジット) photo:Riccardo Scanferla
3番手を走行するクラース・ファントルノウト(ベルギー、サンウェブ・レヴォル) photo:Riccardo Scanferlaベルギーチャンピオンジャージを着るスヴェン・ネイス(ベルギー、ランドバウクレジット)と、世界チャンピオンジャージを着るニールス・アルベルト(ベルギー、BKCPパワープラス)の2人が先頭パックを形勢。一進一退の攻防を繰り広げながら、後続を引き離しにかかる。
アルベルトを14秒引き離してゴールするスヴェン・ネイス(ベルギー、ランドバウクレジット) photo:Riccardo Scanferla第1戦を制している昨シーズンの年間王者ケヴィン・パウエルス(ベルギー、サンウェブ・レヴォル)は後退。チームメイトのクラース・ファントルノウト(ベルギー、サンウェブ・レヴォル)が先頭2人を追うが、タイム差は広がるばかり。降り始めた雨の中、先頭ネイスとアルベルトのランデブー状態のまま最終周回を迎えた。
最終周回の中盤、斜度のある登りで仕掛けたのはベルギーチャンピオンのネイス。一瞬にしてアルベルトとの距離を広げたネイスは、その後のテクニカルな下りも難なくこなし、14秒のリードでゴールした。
コッペンベルグクロスを制したスヴェン・ネイス(ベルギー、ランドバウクレジット) photo:Riccardo Scanferla過去に8回優勝しているコッペンベルグのコースで力を見せつけた36歳のネイス。「今日は2つのシナリオを用意していた。1つ目はレース中盤にアタックして独走すること。でも今日は風が強かったので、最終周回まで力を温存して、最後に全てをぶつけることにした。これはキャリア最高のレースの一つだ」。ネイスはここまでのUCIワールドカップでも存在感を発揮していたが、チェーントラブルや落車によって勝機を失っていた。
一方、2位のアルベルトは敗因をこう語る。「最終周回まで良いフィーリングだったのに、タイヤ選択でミスを犯してしまった。雨が降るまでは問題なかったけど、雨に濡れた最後の登りでリアホイールがスリップ。そこで付いてしまった13秒が致命的になって、最後まで詰めることが出来なかった」。敗れたものの、アルベルトはbpost bankトロフェーのシリーズ総合首位に立っている。
また、1ヶ月間ヨーロッパ遠征中の全日本チャンピオン竹之内悠が、招待によりレースに初出場。しかし持ち味を発揮出来ないまま、2周遅れの31位に終わった。
竹之内は「日本での今回の遠征に向けての乗り込みで追い込み過ぎ、時差からくる疲れに対応出来ず、調整に失敗しました。来週末には修正します。落ち込んでられないのでとにかく立て直します」と話す。竹之内はヨーロッパで残り4レースを走って11月中旬に帰国。11月18日の野辺山と11月25日のマイアミ(ともにUCIレース)を走り、12月9日の全日本選手権に備える。
選手コメントはレース公式サイトより。
bpost bankトロフェー2012-2013第2戦コッペンベルグクロス結果
1位 スヴェン・ネイス(ベルギー、ランドバウクレジット) 1h00'31"
2位 ニールス・アルベルト(ベルギー、BKCPパワープラス) +14"
3位 クラース・ファントルノウト(ベルギー、サンウェブ・レヴォル) +1'04"
4位 オレリアン・デュヴァル(フランス、UVオーブ) +1'15"
5位 バルト・ウェレンス(ベルギー、テレネット・フィデア) +1'22"
6位 ロブ・ピータース(ベルギー、テレネット・フィデア) +1'25"
7位 タイス・ファンアメロンヘン(オランダ、AAドリンクシクロクロス) +1'29"
8位 ジュリアン・タラマルカス(スイス、BMCレーシングチーム) +1'31"
9位 バルト・アールノウト(ベルギー、AAドリンクシクロクロス) +1'49"
10位 トワン・ファンデンブランド(オランダ、オレンジベイビーズ) +2'10"
31位 竹之内悠(日本、チームユーラシア) -2Laps
text:Kei Tsuji
photo:Riccardo Scanferla
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UCIワールドカップとスーパープレスティージュと並ぶ歴史あるシリーズで、1987年に初開催、今年で開催25年目。2012年10月から2013年2月まで全8戦で行なわれ、このコッペンベルグクロスが第2戦にあたる。
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第2戦のコッペンベルグクロスは、その名の通り、ロンド・ファン・フラーンデレンなどのクラシックレースで名を馳せるコッペンベルグで開催。厳しい登りとテクニカルな下りが組み合わされた過酷なコースであり、シリーズ戦の中でも特に権威あるレースとして知られる。
レースはフランスチャンピオンのオレリアン・デュヴァル(フランス、UVオーブ)がリードする形で動き出す。泥に覆われたコースで有力選手を含む先頭パックが形成され、3周目に入るとそこから本命が動いた。
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最終周回の中盤、斜度のある登りで仕掛けたのはベルギーチャンピオンのネイス。一瞬にしてアルベルトとの距離を広げたネイスは、その後のテクニカルな下りも難なくこなし、14秒のリードでゴールした。
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一方、2位のアルベルトは敗因をこう語る。「最終周回まで良いフィーリングだったのに、タイヤ選択でミスを犯してしまった。雨が降るまでは問題なかったけど、雨に濡れた最後の登りでリアホイールがスリップ。そこで付いてしまった13秒が致命的になって、最後まで詰めることが出来なかった」。敗れたものの、アルベルトはbpost bankトロフェーのシリーズ総合首位に立っている。
また、1ヶ月間ヨーロッパ遠征中の全日本チャンピオン竹之内悠が、招待によりレースに初出場。しかし持ち味を発揮出来ないまま、2周遅れの31位に終わった。
竹之内は「日本での今回の遠征に向けての乗り込みで追い込み過ぎ、時差からくる疲れに対応出来ず、調整に失敗しました。来週末には修正します。落ち込んでられないのでとにかく立て直します」と話す。竹之内はヨーロッパで残り4レースを走って11月中旬に帰国。11月18日の野辺山と11月25日のマイアミ(ともにUCIレース)を走り、12月9日の全日本選手権に備える。
選手コメントはレース公式サイトより。
bpost bankトロフェー2012-2013第2戦コッペンベルグクロス結果
1位 スヴェン・ネイス(ベルギー、ランドバウクレジット) 1h00'31"
2位 ニールス・アルベルト(ベルギー、BKCPパワープラス) +14"
3位 クラース・ファントルノウト(ベルギー、サンウェブ・レヴォル) +1'04"
4位 オレリアン・デュヴァル(フランス、UVオーブ) +1'15"
5位 バルト・ウェレンス(ベルギー、テレネット・フィデア) +1'22"
6位 ロブ・ピータース(ベルギー、テレネット・フィデア) +1'25"
7位 タイス・ファンアメロンヘン(オランダ、AAドリンクシクロクロス) +1'29"
8位 ジュリアン・タラマルカス(スイス、BMCレーシングチーム) +1'31"
9位 バルト・アールノウト(ベルギー、AAドリンクシクロクロス) +1'49"
10位 トワン・ファンデンブランド(オランダ、オレンジベイビーズ) +2'10"
31位 竹之内悠(日本、チームユーラシア) -2Laps
text:Kei Tsuji
photo:Riccardo Scanferla