2012/09/03(月) - 11:58
山岳ステージ2日目となった第15ステージ。大きく差を広げた逃げ集団からピエドラが抜け出してステージを制した。最後の登りではコンタドールが執拗に揺さぶりをかけ、ホアキン、ベルベルデはうまく対応したが、フルームが脱落。総合3位の座が入れ替わった。
ステージ優勝・敢闘賞のアントニオ・ピエドラ(スペイン、カハルーラル)
(勝利の印象について)なんとか実感しようとしている。すごくうれしいけど、本当なのか信じられない。まったく実感が沸かない。逃げ集団にいたライバルたちとの差を広げるのにとても時間がかかった。落車があったおかげで差を広げられたのかもしれない。メイン集団との差が15分になったときに、逃げグループの中からステージ優勝が出ることがわかった。
ダビ(デラフエンテ)とぼくの両方とも好調だった。自分たちのどちらかがステージ優勝することは確信していた。それで、どの選手が行く気があるのかを様子を見ようと言った。疲れ切った選手と、余力のある選手を見極めたかったからだ。逃げグループが再編成されたときに自分の運を試した。ダビは(逃げ内の)ライバルたち全員のアタックを見事に防いでいたから、差を付けるのは大変だった。彼は逃げの選手全員をチェックして、あらゆるアタックに追走した。彼はすごかった。
(優勝を確信した時期について)少しややこしい。ウエセラの下り(ラゴス・デ・コバドンガに向う急峻な下り区間)が少し恐かった。だから、他の選手たちに捉まる可能性もあったけど、実際にはリードを維持できた。それで本当に勝利できると確信した。
今日の勝利は家族に捧げたい。それから、フランシス・カベロ[ピエドラを見いだしたアンダルシアの監督]や、ぼくを支援して信じてくれた人にも。彼らは今日の勝利を喜んでくれると思う。今はこの成果を楽しみたい。そして、自分の自転車選手としての将来について考える時間を取りたいと思う。ぼく自身の学業がまだ残っている。5年コースの経営工学を専攻していて、今は4年半まで終えたところだ。
総合1位・ポイント賞・複合賞のホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)
コンタドールのアタック回数はわかる? 数えてないけど32~33回くらいだよね? とても苦しかったけど、運のいいことに今日は好調日だった。彼の執拗なアタックに対応するのは辛かったけど、しっかり対抗できた。彼は終盤で少し先行したけど、あのときは大した問題じゃないと認識していた。加速して追いつけるだけの余力があったからね。
明日のクイトゥ・ネグルのゴールはとてもハードだ。でも、明日がブエルタのクイーンステージではない。クイーンステージは、ボラ・デル・ムンド(第20ステージ)になるだろう。
22秒差で総合2位のアルベルト・コンタドール(スペイン、サクソバンク・ティンコフバンク)
今日はうまく走れなかった。だから、チームメイトたちにアタックしてもらった。ぼく自身は5、6回アタックした。ブエルタでの総合優勝を目指しているからね。プリト(ホアキン・ロドリゲス)は、これまでになく強い。この6ヶ月の出場停止のあいだに、ぼくは以前持っていたような特別な強さを少し失ったようだ。観客たちも、この壮大なショーを楽しんでいると思う。ともかく、明日はもっと良くなると思う。最後の1メートルまで戦うつもりだ。
山岳賞のサイモン・クラーク(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)
ぼくにとっては良いステージだった。逃げ集団に山岳賞のポイントを競う選手がまったくいなかった。山岳賞争いの筆頭であるホアキン・ロドリゲスは逃げを捉まえなかったから、ポイントは獲得しなかった。理想的な一日だった。このジャージを明日も守るように頑張ってみたいと思う。
1分41秒差で総合3位のアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)
アルベルト(コンタドール)とプリト(ホアキン・ロドリゲス)がアタックしたけど、自分のリズムを守った。フルームが苦しんでいるのがわかったので、加速して彼に差を付けた。だけど、彼が最終日の表彰台争いの候補者から脱落したとは言えない。まだ総合1位に肉薄している。今のところ、ぼくがマドリードのポディウムを予約したことになっている。でも、何が起こるか誰もわからない。これから先は、かなりハードなステージが控えている。
2分16秒差で総合4位のクリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)
今日は本当にタフな登りだった。レース中はずっと苦しかった。今は山岳に強いスペイン人選手たちの猛攻に耐えている状況だ。だけど成績をキープするために、できるだけ努力している。自分がどこまでやれるかはわからない。でも、最大限の努力を続けていくつもりだし、それができれば満足だ。
あと、ツールのときよりもブエルタの雰囲気を味わっている。スペインの文化も楽しんでいる。明日は3連続のハードなステージの最終日だ。赤い総合ジャージ争いの観点からは、見応えのあるレースになるだろう。プリト(ホアキン・ロドリゲス)が窮地に立つかもしれないしね。ぼくは今日失ったタイム差を少しでも取り戻すつもりだ。
ステージ3位のロイド・モンドリー(フランス、アージェードゥーゼル)
まだ自分がグランツールでステージ優勝できるチャンスがあることを信じている。最後が集団スプリントか逃げ切りかはかまわない。今日の結果は最終週の始まりとしては上出来だ。自分がしっかりと回復していることを示せた。これ以上、自分がスプリンターとしてだけ注目されないことを願う。でも、まだスプリントステージが3つあるから、ステージ優勝を狙って行く。自信はある。
逃げに乗ったステージ7位のケヴィン・シールドライヤース(ベルギー、アスタナ)
ステージ優勝するには有利な状況だったけど、セルゲイ・ラグティン(ヴァカンソレイユ・DCM)を警戒していた。アントニオ・ピエドラのアタックに対応しようとしたけど、カハルーラルのもうひとりの選手(ダビ・デラフエンテ)がぼくに付いて、ずっとブロックしていた。それにピエドラもとても強かった。彼が勝ってもおかしくはない。
カハルーラルのミケル・アスパレン監督
これはブエルタ初参加のチームがステージ優勝したということだけではない。とても素晴らしいことだ。今、話しているのが、あのラゴス・デ・コバドンガのことだ! ブエルタの伝説的な場所だ。うれしくてたまらない。
ステージ57位と余裕で走りきった土井雪広(アルゴス・シマノ)
チームのヘットラインはここに来てまさかの逃げに乗っちゃうプラン発令。笑 が、僕に関しては、レース70キロ地点ぐらいにある3級山岳でまだ逃げが決まっていなかった場合のみそこにフォーカスして力を使ってほしいということでした。
レースは最初から高速にレースが進み、集団は逃げたい選手と後半に備えたい選手、または疲れ切っている選手、最後の坂を恐れている選手、様々。笑 最初は大きなグループが先行、アルゴスからはシモンが逃げグループに入った。
しかしBMCやラボバンク、ランプレ等のチームが逃げに入れなかったことで、追いかけっこ状態になり下りは最高時速100キロ越え。でも他のチームの追走で苦しむ姿を横目に気持ちよく下りのコーナーを楽しみ、鼻歌を歌うぐらいでした。笑
そして集団は先行した10人を容認。ロドリゲスのトイレ休憩を機に落ち着いた。そこからはレースはスローモーションのように進み、なんと逃げとは15分のタイム差!。
なんともイージーな一日でした。途中一級山岳では、皆さんへの顔見せも忘れないようにカメラの写る位置に移動。笑僕は元気ですよ?!!的な。
そして最後の坂は周りの観客の興奮する姿を見ながら、楽しんで登ってゴールを迎えました。体調はとっても良い。もっと追い込んで走りたいぐらいだけど、うちにはジョンの出番が控えている。そこまで体力温存なのでございます。明日も厳しいステージだけど楽しんじゃいます??!!
(土井雪広のブログより抜粋)
コメントはプレスリリース、チーム公式サイト、選手個人サイト、TVインタビュー、twitterなどより。
text: Seiya.YAMASAKI
photo:kei.Tsuji, CorVos, Unipblic
ステージ優勝・敢闘賞のアントニオ・ピエドラ(スペイン、カハルーラル)
(勝利の印象について)なんとか実感しようとしている。すごくうれしいけど、本当なのか信じられない。まったく実感が沸かない。逃げ集団にいたライバルたちとの差を広げるのにとても時間がかかった。落車があったおかげで差を広げられたのかもしれない。メイン集団との差が15分になったときに、逃げグループの中からステージ優勝が出ることがわかった。
ダビ(デラフエンテ)とぼくの両方とも好調だった。自分たちのどちらかがステージ優勝することは確信していた。それで、どの選手が行く気があるのかを様子を見ようと言った。疲れ切った選手と、余力のある選手を見極めたかったからだ。逃げグループが再編成されたときに自分の運を試した。ダビは(逃げ内の)ライバルたち全員のアタックを見事に防いでいたから、差を付けるのは大変だった。彼は逃げの選手全員をチェックして、あらゆるアタックに追走した。彼はすごかった。
(優勝を確信した時期について)少しややこしい。ウエセラの下り(ラゴス・デ・コバドンガに向う急峻な下り区間)が少し恐かった。だから、他の選手たちに捉まる可能性もあったけど、実際にはリードを維持できた。それで本当に勝利できると確信した。
今日の勝利は家族に捧げたい。それから、フランシス・カベロ[ピエドラを見いだしたアンダルシアの監督]や、ぼくを支援して信じてくれた人にも。彼らは今日の勝利を喜んでくれると思う。今はこの成果を楽しみたい。そして、自分の自転車選手としての将来について考える時間を取りたいと思う。ぼく自身の学業がまだ残っている。5年コースの経営工学を専攻していて、今は4年半まで終えたところだ。
総合1位・ポイント賞・複合賞のホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)
コンタドールのアタック回数はわかる? 数えてないけど32~33回くらいだよね? とても苦しかったけど、運のいいことに今日は好調日だった。彼の執拗なアタックに対応するのは辛かったけど、しっかり対抗できた。彼は終盤で少し先行したけど、あのときは大した問題じゃないと認識していた。加速して追いつけるだけの余力があったからね。
明日のクイトゥ・ネグルのゴールはとてもハードだ。でも、明日がブエルタのクイーンステージではない。クイーンステージは、ボラ・デル・ムンド(第20ステージ)になるだろう。
22秒差で総合2位のアルベルト・コンタドール(スペイン、サクソバンク・ティンコフバンク)
今日はうまく走れなかった。だから、チームメイトたちにアタックしてもらった。ぼく自身は5、6回アタックした。ブエルタでの総合優勝を目指しているからね。プリト(ホアキン・ロドリゲス)は、これまでになく強い。この6ヶ月の出場停止のあいだに、ぼくは以前持っていたような特別な強さを少し失ったようだ。観客たちも、この壮大なショーを楽しんでいると思う。ともかく、明日はもっと良くなると思う。最後の1メートルまで戦うつもりだ。
山岳賞のサイモン・クラーク(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)
ぼくにとっては良いステージだった。逃げ集団に山岳賞のポイントを競う選手がまったくいなかった。山岳賞争いの筆頭であるホアキン・ロドリゲスは逃げを捉まえなかったから、ポイントは獲得しなかった。理想的な一日だった。このジャージを明日も守るように頑張ってみたいと思う。
1分41秒差で総合3位のアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)
アルベルト(コンタドール)とプリト(ホアキン・ロドリゲス)がアタックしたけど、自分のリズムを守った。フルームが苦しんでいるのがわかったので、加速して彼に差を付けた。だけど、彼が最終日の表彰台争いの候補者から脱落したとは言えない。まだ総合1位に肉薄している。今のところ、ぼくがマドリードのポディウムを予約したことになっている。でも、何が起こるか誰もわからない。これから先は、かなりハードなステージが控えている。
2分16秒差で総合4位のクリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)
今日は本当にタフな登りだった。レース中はずっと苦しかった。今は山岳に強いスペイン人選手たちの猛攻に耐えている状況だ。だけど成績をキープするために、できるだけ努力している。自分がどこまでやれるかはわからない。でも、最大限の努力を続けていくつもりだし、それができれば満足だ。
あと、ツールのときよりもブエルタの雰囲気を味わっている。スペインの文化も楽しんでいる。明日は3連続のハードなステージの最終日だ。赤い総合ジャージ争いの観点からは、見応えのあるレースになるだろう。プリト(ホアキン・ロドリゲス)が窮地に立つかもしれないしね。ぼくは今日失ったタイム差を少しでも取り戻すつもりだ。
ステージ3位のロイド・モンドリー(フランス、アージェードゥーゼル)
まだ自分がグランツールでステージ優勝できるチャンスがあることを信じている。最後が集団スプリントか逃げ切りかはかまわない。今日の結果は最終週の始まりとしては上出来だ。自分がしっかりと回復していることを示せた。これ以上、自分がスプリンターとしてだけ注目されないことを願う。でも、まだスプリントステージが3つあるから、ステージ優勝を狙って行く。自信はある。
逃げに乗ったステージ7位のケヴィン・シールドライヤース(ベルギー、アスタナ)
ステージ優勝するには有利な状況だったけど、セルゲイ・ラグティン(ヴァカンソレイユ・DCM)を警戒していた。アントニオ・ピエドラのアタックに対応しようとしたけど、カハルーラルのもうひとりの選手(ダビ・デラフエンテ)がぼくに付いて、ずっとブロックしていた。それにピエドラもとても強かった。彼が勝ってもおかしくはない。
カハルーラルのミケル・アスパレン監督
これはブエルタ初参加のチームがステージ優勝したということだけではない。とても素晴らしいことだ。今、話しているのが、あのラゴス・デ・コバドンガのことだ! ブエルタの伝説的な場所だ。うれしくてたまらない。
ステージ57位と余裕で走りきった土井雪広(アルゴス・シマノ)
チームのヘットラインはここに来てまさかの逃げに乗っちゃうプラン発令。笑 が、僕に関しては、レース70キロ地点ぐらいにある3級山岳でまだ逃げが決まっていなかった場合のみそこにフォーカスして力を使ってほしいということでした。
レースは最初から高速にレースが進み、集団は逃げたい選手と後半に備えたい選手、または疲れ切っている選手、最後の坂を恐れている選手、様々。笑 最初は大きなグループが先行、アルゴスからはシモンが逃げグループに入った。
しかしBMCやラボバンク、ランプレ等のチームが逃げに入れなかったことで、追いかけっこ状態になり下りは最高時速100キロ越え。でも他のチームの追走で苦しむ姿を横目に気持ちよく下りのコーナーを楽しみ、鼻歌を歌うぐらいでした。笑
そして集団は先行した10人を容認。ロドリゲスのトイレ休憩を機に落ち着いた。そこからはレースはスローモーションのように進み、なんと逃げとは15分のタイム差!。
なんともイージーな一日でした。途中一級山岳では、皆さんへの顔見せも忘れないようにカメラの写る位置に移動。笑僕は元気ですよ?!!的な。
そして最後の坂は周りの観客の興奮する姿を見ながら、楽しんで登ってゴールを迎えました。体調はとっても良い。もっと追い込んで走りたいぐらいだけど、うちにはジョンの出番が控えている。そこまで体力温存なのでございます。明日も厳しいステージだけど楽しんじゃいます??!!
(土井雪広のブログより抜粋)
コメントはプレスリリース、チーム公式サイト、選手個人サイト、TVインタビュー、twitterなどより。
text: Seiya.YAMASAKI
photo:kei.Tsuji, CorVos, Unipblic
Amazon.co.jp