2012/09/01(土) - 15:11
平坦ステージとなったブエルタ・ア・エスパーニャ2012第13ステージ。デゲンコルブの5勝目を目指し、アルゴス・シマノが集団をコントロール。しかし、フレチャらの強力な逃げ集団は差を詰めさせることなく、逃げ切りを成功。ゴール3km前でタイミングよく飛び出したクミングスがステージを制した。
ステージ優勝のスティーブ・クミングス(イギリス、BMCレーシングチーム)
(残り3kmの戦略について)今日はずっとハードな一日だった。フレチャのアタックには、向かい風のせいで対応しにくかった。コースのアップダウンも激しかった。だから、グリーンエッジの2名の選手の後ろに付くことにした。先頭集団には、とても強い選手が揃っていた。勝利するにはアタックする必要もあったけど、同時にできるだけ粘ってチャンスをうかがう必要もあった。
(逃げが成功した理由について)ぼくらのチームは(今大会では)ステージ優勝を目標にしている。数日前にフィリップ・ジルベールがステージ1勝したので(第9ステージでステージ優勝)、そのプレッシャーもなくなった。チームの士気も高い。今日はスタートから積極的に行くべきというのがわかっていた。脚もしっかり回っていたし、逃げのメンバーを確認すると、ちょうどいい人数だったし、連携もしっかりできそうだった。彼らと一緒なら勝つのは難しいけど、逃げには最適だった。
(グランツールでのステージ優勝について)子供のころは、いつもツール・ド・フランスやジロやブエルタを見ていて、こんなレースでステージ優勝するのが夢だった。でも、チームでの自分の仕事を考えると、ステージ優勝を狙う機会はとても限られていた。これはぼくの(アシストとしての)キャリアがもたらした勝利したといえる。とてもうれしい。この1年はずっと大変だった。ツール・ド・フランスではスタートは好調だったけど、とてもひどい落車をしてしまい、ツールからブエルタまでに、まったく何もできなかった。ブエルタの第1週を切り抜けたからこそ、調子が上がったのだと思う。
(チームスカイから移籍した理由について)チームスカイは素晴らしいよ!
あのトラック競技用プログラムを使うシステムを何年も体験していたから、単純に変わりたかった。ちょっとリフレッシュしたかった。今日のようなステージ優勝は、チームスカイに在籍していたら巡ってこなかったチャンスだ。クリス・フルームやブラドレー・ウィギンズのために走る必要があったからね。自分の将来は、まさに今日のような感じだと理解している。つまり、チームのために自分の仕事をしながら、チャンスを掴むことだ。これまでに自分のことをたくさん改善してきた。でも、まだ最良のコンディションには達していない。できれば、このブエルタのような大きなレースで、もう2~3ステージは勝ちたいと思う。
敢闘賞・ステージ3位のフアンアントニオ・フレチャ(スペイン、チームスカイ)
このステージに勝つことができなくて、とても恥ずかしい。勝利のために一日中ずっとハードに働いたのに。クミングスがアタックしたときは、ちょうど(逃げ集団を)牽引しているときで、ぼくにトラップを仕掛けるには最適なタイミングを彼は選んだ。とても残念だ。とはいえ、ぼくは逃げのメンバーを試したり、試練を与えてはいたんだけど。
総合1位・ポイント賞・複合賞のホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)
ずっとハードなステージだった。少なくとも50kmまでは逃げが決まらずにハードだった。今日は強力な選手が目立った。アルゴス・シマノも一日中先頭で走っていた。カシェチキン(カザフスタン、アスタナ)とステーグマン(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ)がアタックしたときは、ダニエル・モレーノに追走するように言った。集団を分裂させるつもりだった。
(クリス・フルームなどの)選手や(オスカル・ペレイロなどの)元選手にブエルタの優勝候補だと見なされていることは、あまりプレッシャーになっていない。明日はすべてが変わる可能性が高い。ぼくに有利な可能性があれば、それは別の誰かにも有利なことになる。現状は、登りでは絶好調だし、タイムトライアルも終わっている。2回目の休養日以降に、まだブエルタの総合リーダーだったなら、自分の優勝候補者としての役割を考え始めるつもりだ。
総合2位のアルベルト・コンタドール(スペイン、サクソバンク・ティンコフバンク)
今日は必死で走った。単に誰の後ろにも付けなかった。ちょっとした罰ゲームのような日だった。明日は自分向きのコースに戻れる。調子も良いし、明日のコースにはチャンスもあると思う。自分の調子が上がっているのもわかるので、明日の登りが楽しみだ。明日のコースは試走済だ。
タイムトライアルの前に、山岳ステージでの戦略はタイムトライアルの結果次第だと言った。つまり、明日の夕方の段階でのぼくの順位や、脚の調子で決まることになる。明日はハードになるだろうし、脱落する選手もいるだろう。それが自分ではないことを願いたい。
総合3位のクリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)
今日は平坦ステージだったけど、これからの3日間は超級山岳のステージが控えている。昨日のミラドールでの残忍な試練の後だけど、両脚の調子は良い。でも、ぼくが疲れている。みんな疲れていると思う。というか、みんな疲れていて欲しい!
ぼくは誰も敵視していないし、ぼくにとって今回のブエルタはスペイン人たちのレースというだけじゃない。(ホアキン・)ロドリゲスのコンディションが素晴らしく、彼が最強であることは周知の事実だ。彼に勝つのが難しくなってきた。
逃げに乗ったキャメロン・マイヤー(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)
勝とうと頑張った。しっかり走れたけど、スティーブ・クミングスが強力で、彼が突き放した僅かな差を詰めることができなかった。少し焦りも感じている。今大会では何度も逃げを成功させているけど、勝利には繋がっていない。ポジティブに見れば、自分がこれまで参加したグランツールのなかで、最良のコンディションにあることになるのだけど。
ステージ7位・ポイント賞2位のジョン・デゲンコルブ(ドイツ、アルゴス・シマノ)
チームは今日も素晴らしい仕事をした。でも、今日の結果にはガッカリしている。ロット・ベリソルが手伝ってくれたけど、今日の逃げに入ったルーラーたちの強さを考慮すれば、それでも不十分だった。それから、この緑のポイント賞ジャージを取り戻せていないことにも、さらにガッカリしている。
ステージ10位のロイド・モンドリー(フランス、アージェードゥーゼル)
今朝のチームミーティングでは、逃げを追走する集団に入りたいと言ったけど、プラン通りにはならなかった。集団では4着でゴールできた。唯一の慰めになる材料は、自分の脚の調子がよく、マドリードまでにあと2~3回はチャンスを作れそうなことがわかったことだ
自分の限界を突破して牽き続けた土井雪広(アルゴス・シマノ)
まさに廃人。。人生で経験したリミットを超えましたね。レースは前半高速で進み、結局モーターバイクのように走る6人が先行した。そのメンバーを見た時点で今日は厳しい一日になると確信した。世界のトップ選手相手の追いかけっこは厳しさを増すばかり。コントロールできれば彼は必ずやってくれるという気持ち一心で引き続けたよ。
コントロール最中は他のチームもテレビのバイクが近いとか、幼稚園児のようないちゃもんをつけてきたが、反発するチームメイトに対し、「just go」と叫ぶ場面も沢山あった。ハイスピードで引き続けた結果、タイム差は1分40秒まで詰めることに成功。そこから力を温存していた他のチームメイトに託し、見送った。
結局130キロの距離をコントロールし、結果的に3時間先頭に位置し引き続けた。ラスト15キロでSRMのデータを見てみると、3時間50分の平均ワット数は314w。ノーマライズパワーは326w。ずっと踏み続けていた計算だ。自分のレコード更新。リミッター解除だった。
見てほしいのは前を引いているからどうとか、テレビに映っているからどうとかじゃなくて、すべての場面に駆け引きが隠れていて、そこにはドラマがある。そういった観点からロードレースに対して疑問を抱き、ロードレースファン一人一人が謎解きのようにロードレースを楽しんでほしいと想います(^_-)
明日からはコンタドール、ロドリゲス、フルームがドラマを作ってくれることでしょう。廃人は明日も走り続けます。笑 引き続き応援宜しくお願いします。
コメントはプレスリリース、チーム公式サイト、選手個人サイト、TVインタビュー、twitterなどより抜粋。
text: Seiya.YAMASAKI
ステージ優勝のスティーブ・クミングス(イギリス、BMCレーシングチーム)
(残り3kmの戦略について)今日はずっとハードな一日だった。フレチャのアタックには、向かい風のせいで対応しにくかった。コースのアップダウンも激しかった。だから、グリーンエッジの2名の選手の後ろに付くことにした。先頭集団には、とても強い選手が揃っていた。勝利するにはアタックする必要もあったけど、同時にできるだけ粘ってチャンスをうかがう必要もあった。
(逃げが成功した理由について)ぼくらのチームは(今大会では)ステージ優勝を目標にしている。数日前にフィリップ・ジルベールがステージ1勝したので(第9ステージでステージ優勝)、そのプレッシャーもなくなった。チームの士気も高い。今日はスタートから積極的に行くべきというのがわかっていた。脚もしっかり回っていたし、逃げのメンバーを確認すると、ちょうどいい人数だったし、連携もしっかりできそうだった。彼らと一緒なら勝つのは難しいけど、逃げには最適だった。
(グランツールでのステージ優勝について)子供のころは、いつもツール・ド・フランスやジロやブエルタを見ていて、こんなレースでステージ優勝するのが夢だった。でも、チームでの自分の仕事を考えると、ステージ優勝を狙う機会はとても限られていた。これはぼくの(アシストとしての)キャリアがもたらした勝利したといえる。とてもうれしい。この1年はずっと大変だった。ツール・ド・フランスではスタートは好調だったけど、とてもひどい落車をしてしまい、ツールからブエルタまでに、まったく何もできなかった。ブエルタの第1週を切り抜けたからこそ、調子が上がったのだと思う。
(チームスカイから移籍した理由について)チームスカイは素晴らしいよ!
あのトラック競技用プログラムを使うシステムを何年も体験していたから、単純に変わりたかった。ちょっとリフレッシュしたかった。今日のようなステージ優勝は、チームスカイに在籍していたら巡ってこなかったチャンスだ。クリス・フルームやブラドレー・ウィギンズのために走る必要があったからね。自分の将来は、まさに今日のような感じだと理解している。つまり、チームのために自分の仕事をしながら、チャンスを掴むことだ。これまでに自分のことをたくさん改善してきた。でも、まだ最良のコンディションには達していない。できれば、このブエルタのような大きなレースで、もう2~3ステージは勝ちたいと思う。
敢闘賞・ステージ3位のフアンアントニオ・フレチャ(スペイン、チームスカイ)
このステージに勝つことができなくて、とても恥ずかしい。勝利のために一日中ずっとハードに働いたのに。クミングスがアタックしたときは、ちょうど(逃げ集団を)牽引しているときで、ぼくにトラップを仕掛けるには最適なタイミングを彼は選んだ。とても残念だ。とはいえ、ぼくは逃げのメンバーを試したり、試練を与えてはいたんだけど。
総合1位・ポイント賞・複合賞のホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)
ずっとハードなステージだった。少なくとも50kmまでは逃げが決まらずにハードだった。今日は強力な選手が目立った。アルゴス・シマノも一日中先頭で走っていた。カシェチキン(カザフスタン、アスタナ)とステーグマン(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ)がアタックしたときは、ダニエル・モレーノに追走するように言った。集団を分裂させるつもりだった。
(クリス・フルームなどの)選手や(オスカル・ペレイロなどの)元選手にブエルタの優勝候補だと見なされていることは、あまりプレッシャーになっていない。明日はすべてが変わる可能性が高い。ぼくに有利な可能性があれば、それは別の誰かにも有利なことになる。現状は、登りでは絶好調だし、タイムトライアルも終わっている。2回目の休養日以降に、まだブエルタの総合リーダーだったなら、自分の優勝候補者としての役割を考え始めるつもりだ。
総合2位のアルベルト・コンタドール(スペイン、サクソバンク・ティンコフバンク)
今日は必死で走った。単に誰の後ろにも付けなかった。ちょっとした罰ゲームのような日だった。明日は自分向きのコースに戻れる。調子も良いし、明日のコースにはチャンスもあると思う。自分の調子が上がっているのもわかるので、明日の登りが楽しみだ。明日のコースは試走済だ。
タイムトライアルの前に、山岳ステージでの戦略はタイムトライアルの結果次第だと言った。つまり、明日の夕方の段階でのぼくの順位や、脚の調子で決まることになる。明日はハードになるだろうし、脱落する選手もいるだろう。それが自分ではないことを願いたい。
総合3位のクリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)
今日は平坦ステージだったけど、これからの3日間は超級山岳のステージが控えている。昨日のミラドールでの残忍な試練の後だけど、両脚の調子は良い。でも、ぼくが疲れている。みんな疲れていると思う。というか、みんな疲れていて欲しい!
ぼくは誰も敵視していないし、ぼくにとって今回のブエルタはスペイン人たちのレースというだけじゃない。(ホアキン・)ロドリゲスのコンディションが素晴らしく、彼が最強であることは周知の事実だ。彼に勝つのが難しくなってきた。
逃げに乗ったキャメロン・マイヤー(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)
勝とうと頑張った。しっかり走れたけど、スティーブ・クミングスが強力で、彼が突き放した僅かな差を詰めることができなかった。少し焦りも感じている。今大会では何度も逃げを成功させているけど、勝利には繋がっていない。ポジティブに見れば、自分がこれまで参加したグランツールのなかで、最良のコンディションにあることになるのだけど。
ステージ7位・ポイント賞2位のジョン・デゲンコルブ(ドイツ、アルゴス・シマノ)
チームは今日も素晴らしい仕事をした。でも、今日の結果にはガッカリしている。ロット・ベリソルが手伝ってくれたけど、今日の逃げに入ったルーラーたちの強さを考慮すれば、それでも不十分だった。それから、この緑のポイント賞ジャージを取り戻せていないことにも、さらにガッカリしている。
ステージ10位のロイド・モンドリー(フランス、アージェードゥーゼル)
今朝のチームミーティングでは、逃げを追走する集団に入りたいと言ったけど、プラン通りにはならなかった。集団では4着でゴールできた。唯一の慰めになる材料は、自分の脚の調子がよく、マドリードまでにあと2~3回はチャンスを作れそうなことがわかったことだ
自分の限界を突破して牽き続けた土井雪広(アルゴス・シマノ)
まさに廃人。。人生で経験したリミットを超えましたね。レースは前半高速で進み、結局モーターバイクのように走る6人が先行した。そのメンバーを見た時点で今日は厳しい一日になると確信した。世界のトップ選手相手の追いかけっこは厳しさを増すばかり。コントロールできれば彼は必ずやってくれるという気持ち一心で引き続けたよ。
コントロール最中は他のチームもテレビのバイクが近いとか、幼稚園児のようないちゃもんをつけてきたが、反発するチームメイトに対し、「just go」と叫ぶ場面も沢山あった。ハイスピードで引き続けた結果、タイム差は1分40秒まで詰めることに成功。そこから力を温存していた他のチームメイトに託し、見送った。
結局130キロの距離をコントロールし、結果的に3時間先頭に位置し引き続けた。ラスト15キロでSRMのデータを見てみると、3時間50分の平均ワット数は314w。ノーマライズパワーは326w。ずっと踏み続けていた計算だ。自分のレコード更新。リミッター解除だった。
見てほしいのは前を引いているからどうとか、テレビに映っているからどうとかじゃなくて、すべての場面に駆け引きが隠れていて、そこにはドラマがある。そういった観点からロードレースに対して疑問を抱き、ロードレースファン一人一人が謎解きのようにロードレースを楽しんでほしいと想います(^_-)
明日からはコンタドール、ロドリゲス、フルームがドラマを作ってくれることでしょう。廃人は明日も走り続けます。笑 引き続き応援宜しくお願いします。
コメントはプレスリリース、チーム公式サイト、選手個人サイト、TVインタビュー、twitterなどより抜粋。
text: Seiya.YAMASAKI
Amazon.co.jp