2009/05/24(日) - 07:35
平均勾配9.7%、最大勾配16%という急坂「サンルーカの丘」頂上ゴールを制したのは序盤から逃げグループに入ったサイモン・ジェランス。2008ツールでのイタリア領プラトーネヴォソでの頂上ゴールに続く、イタリアでのグランツール2勝目だ。
今日のチームの戦略は僕とフィル(フィリップ・ダイグナン)が逃げに乗ること、サストレが最終局面でアシストが必要なときに備えて前で待機することだったんだ。
このジロではステージ優勝を狙って来ていたが、自分の意欲は置いてサストレのアシストに徹することが第一の役割だ。
LPRが先頭を引いていると聞いて、僕らにはいい状況じゃないなと思っていたんだ。ラスト25kmになってまだ2分差があったから、そこで初めて僕ら逃げ集団にゴールまで逃げ切るチャンスが生まれたと思った。そしてフィルが僕のステージ優勝のために走ってくれた。おかげで最後まで脚を温存できた。逃げの中にチームメイトがいるというのは重要だよ。
前に勝ったのもイタリアで。だから逃げながら僕は逃げ集団の中でどう走ったかを思い出しながら走っていた。2度も坂で勝ったのは驚きだね。
この最後の上りは今まで走ったことが無かった。ジロ・デル・エミーリアを走ったチームメイトには「ユイの壁(フレーシュ・ワロンヌで登場する急勾配の坂)のようだよ」と聞いていた。
逃げグループではとにかく少しでも差を開くように走っていた。
2つの急坂には本当に驚かされた。二つ目で完全にやられた。最後には僕はかなり遅くなってしまった。かなりくたびれていたからね。誰かに抜かれると思ったけど、皆もがっくりとスローになっていた。皆も疲れ切っていたんだ。
ツールのときみたいだった。素晴らしいよ。ジロで勝ったんだ。ジロでの勝利は初めての経験だよ。
勝利に向かって走る逃げ集団がいたのは僕らにとっては理想的な状況だった。ライプハイマーにつけている3秒差は大きくないが、僕らにとってはいいサインだ。でもそれは十分と言うにはまだ早すぎるよ。
サンルーカが爆発的な力を持つディルーカにとって完璧に向いたステージだということは知っていた。ディルーカがタイム差を詰めにくることも。でも彼にボーナスタイムをとるチャンスを与えないことが重要だった。
この先もっとも重要なステージはモンテ・ペトラノ(第16ステージ)とブロックハウス(第17ステージ)だと思う。そこで誰が総合優勝できるコンディションにあるかはっきりするだろう。明日の第15ステージもかなりハードで重要だろう。でも戦術的にはその2ステージに比べたらそれ以下だろうと思う。
ラスト50kmまで僕らは全開で追い続けた。でもそこで僕はチームメイトにスピードを緩めるように言ったんだ。なぜならエネルギーを使いすぎていたし、逃げ集団を捕らえることはできないことが分かったから。
明日も厳しいステージだけど、今日と同じようなものじゃない。月曜に取り返すよ。ジロの大部分は月曜に決まるだろうね。
見てのとおり多くの選手が逃げに乗った。峠のふもとまでは良く協力し合って逃げた。短くて、タフな上りまではね。ステージ優勝を狙うのはこのジロで2回目だったけど、うまくいかなかった。ジェランスがアタックしたとき、彼はとても強かった。ついていけなかったよ。
勝てはしなかったけど、いい感じで走れていることには満足している。まだ終わっちゃいない。続く何ステージかでまだ僕にチャンスがあるよ。このジロで僕には2つのゴールがある。アロヨをローマでトップ10でゴールさせること。そして僕が昨年やったようにステージ優勝を挙げることだ。
LPRがミスをするのをはじめて見た。逃げができたのは良かった。それが逃げ切ったのも。ただベストを尽くしたよ。大きなタイムを失うことを恐れていたけど、それは抑えた。そのためにディルーカたちは全力をかけてきたけど、なんとか防いだ。それは僕のウィークポイントだからね。
ともかくチームは強いよ。他のチームに比べたらフレッシュだ。それが僕らの強さだね。決してスーパーじゃないけど、僕もここ数日落車の影響で少し疲れているけどね。
今我々ができることは多くない。メンショフに対して40秒差はかなり大きい。メンショフに「悪い時」、そしてリーヴァイにとって「いい時」が来るのを本当に待たなければいけない。最後のローマでのタイムトライアルでは彼らはイーブンだろう。メンショフとチームがこれからどう走るかを見てゆかなければならない。
我々チームは強いが、今まで見てきたとおりビッグレースでリーダージャージを着た者のモチベーションは上がる。そして最終週はどう追い込みたいと思っても疲れのせいで身体が言うことを聞かなくなるものだ。
メンショフとラボバンクはOKだ、悪くない。モチベーションもたっぷりだろう。でもベストなチームじゃない。(スタート前に語る)
このジロはとても速くて、多くの選手が疲れ切っている。ペトラーノ峠ではクラックする(急に調子を落とす)選手がいるだろうね。他にも上りはあるけど、ペトラーノ峠が総合争いをある程度決めるだろうね。ジロで誰が勝つ力を残しているかが判ると思う。
text:綾野 真、辻 啓
photo:辻 啓,CorVos
サイモン・ジェランス(オーストラリア、サーヴェロ・テストチーム)
今日のチームの戦略は僕とフィル(フィリップ・ダイグナン)が逃げに乗ること、サストレが最終局面でアシストが必要なときに備えて前で待機することだったんだ。
このジロではステージ優勝を狙って来ていたが、自分の意欲は置いてサストレのアシストに徹することが第一の役割だ。
LPRが先頭を引いていると聞いて、僕らにはいい状況じゃないなと思っていたんだ。ラスト25kmになってまだ2分差があったから、そこで初めて僕ら逃げ集団にゴールまで逃げ切るチャンスが生まれたと思った。そしてフィルが僕のステージ優勝のために走ってくれた。おかげで最後まで脚を温存できた。逃げの中にチームメイトがいるというのは重要だよ。
前に勝ったのもイタリアで。だから逃げながら僕は逃げ集団の中でどう走ったかを思い出しながら走っていた。2度も坂で勝ったのは驚きだね。
この最後の上りは今まで走ったことが無かった。ジロ・デル・エミーリアを走ったチームメイトには「ユイの壁(フレーシュ・ワロンヌで登場する急勾配の坂)のようだよ」と聞いていた。
逃げグループではとにかく少しでも差を開くように走っていた。
2つの急坂には本当に驚かされた。二つ目で完全にやられた。最後には僕はかなり遅くなってしまった。かなりくたびれていたからね。誰かに抜かれると思ったけど、皆もがっくりとスローになっていた。皆も疲れ切っていたんだ。
ツールのときみたいだった。素晴らしいよ。ジロで勝ったんだ。ジロでの勝利は初めての経験だよ。
デニス・メンショフ(ロシア、ラボバンク)
勝利に向かって走る逃げ集団がいたのは僕らにとっては理想的な状況だった。ライプハイマーにつけている3秒差は大きくないが、僕らにとってはいいサインだ。でもそれは十分と言うにはまだ早すぎるよ。
サンルーカが爆発的な力を持つディルーカにとって完璧に向いたステージだということは知っていた。ディルーカがタイム差を詰めにくることも。でも彼にボーナスタイムをとるチャンスを与えないことが重要だった。
この先もっとも重要なステージはモンテ・ペトラノ(第16ステージ)とブロックハウス(第17ステージ)だと思う。そこで誰が総合優勝できるコンディションにあるかはっきりするだろう。明日の第15ステージもかなりハードで重要だろう。でも戦術的にはその2ステージに比べたらそれ以下だろうと思う。
ダニーロ・ディルーカ(イタリア、LPRブレークス)
ラスト50kmまで僕らは全開で追い続けた。でもそこで僕はチームメイトにスピードを緩めるように言ったんだ。なぜならエネルギーを使いすぎていたし、逃げ集団を捕らえることはできないことが分かったから。
明日も厳しいステージだけど、今日と同じようなものじゃない。月曜に取り返すよ。ジロの大部分は月曜に決まるだろうね。
ヴァシル・キリエンカ(ベラルーシ、ケースデパーニュ)
見てのとおり多くの選手が逃げに乗った。峠のふもとまでは良く協力し合って逃げた。短くて、タフな上りまではね。ステージ優勝を狙うのはこのジロで2回目だったけど、うまくいかなかった。ジェランスがアタックしたとき、彼はとても強かった。ついていけなかったよ。
勝てはしなかったけど、いい感じで走れていることには満足している。まだ終わっちゃいない。続く何ステージかでまだ僕にチャンスがあるよ。このジロで僕には2つのゴールがある。アロヨをローマでトップ10でゴールさせること。そして僕が昨年やったようにステージ優勝を挙げることだ。
リーヴァイ・ライプハイマー(アメリカ、アスタナ)
LPRがミスをするのをはじめて見た。逃げができたのは良かった。それが逃げ切ったのも。ただベストを尽くしたよ。大きなタイムを失うことを恐れていたけど、それは抑えた。そのためにディルーカたちは全力をかけてきたけど、なんとか防いだ。それは僕のウィークポイントだからね。
ともかくチームは強いよ。他のチームに比べたらフレッシュだ。それが僕らの強さだね。決してスーパーじゃないけど、僕もここ数日落車の影響で少し疲れているけどね。
ヨハン・ブリュイネール監督(アスタナ)
今我々ができることは多くない。メンショフに対して40秒差はかなり大きい。メンショフに「悪い時」、そしてリーヴァイにとって「いい時」が来るのを本当に待たなければいけない。最後のローマでのタイムトライアルでは彼らはイーブンだろう。メンショフとチームがこれからどう走るかを見てゆかなければならない。
我々チームは強いが、今まで見てきたとおりビッグレースでリーダージャージを着た者のモチベーションは上がる。そして最終週はどう追い込みたいと思っても疲れのせいで身体が言うことを聞かなくなるものだ。
メンショフとラボバンクはOKだ、悪くない。モチベーションもたっぷりだろう。でもベストなチームじゃない。(スタート前に語る)
カルロス・サストレ(スペイン、サーヴェロ・テストチーム)
このジロはとても速くて、多くの選手が疲れ切っている。ペトラーノ峠ではクラックする(急に調子を落とす)選手がいるだろうね。他にも上りはあるけど、ペトラーノ峠が総合争いをある程度決めるだろうね。ジロで誰が勝つ力を残しているかが判ると思う。
text:綾野 真、辻 啓
photo:辻 啓,CorVos