2012/02/10(金) - 10:54
国内を代表する総合自転車メーカーであるブリヂストン。そのスポーツバイクブランドであるアンカーは、サポートするブリヂストンアンカーチームに機材を供給し、実戦で得たノウハウを活かして日本人に合った製品づくりを行っていることはご存知のとおりだ。
従来のトップレンジモデルであるRHM9は一般ライダーや選手たちから高い評価を受けてきたが、その性能に甘んじることなくクオリティの向上を目指し、アンカーでは常に開発を続けてきた。そうして全く新しく生まれ変わった新型トップレンジレーシングモデルが、今回のテストバイクであるRIS9(アールアイエスナイン)だ。
RIS9開発のコンセプトとなった"イノベートスティフネス"とは、剛性を求める部分としなやかさを必要とする部分を明確に分けたフレーム設計思想のこと。これによって今まで以上にシャープさを際立たせたライディングフィールを追い求めた。
フレーム下部のボトムラインは剛性アップを目指すため、下側のベアリング径を1-1/4インチ径に設定したテーパードヘッドチューブと、プレスフィットタイプのワイドハンガーシェルBBの採用により、パワーラインを構成するチューブとの接合面積を増大させた。この進化によって大幅に剛性アップを達成し、従来モデルのRHM9に対してはねじり方向の剛性向上を可能にしたという。
それに対してトップチューブからシートステーに至るアッパー部分は、チューブ自体の外径をダウンサイジングする設計を施している。特にトップチューブの細さは大径チューブ全盛の昨今においては目を見張るほど際立っている。シートステーについても細身ながら扁平を持たせたデザインとすることで、必要な剛性を確保しながら縦方向の振動吸収性、しなやかさを持たせている。
カーボン素材は、エッジがあるとカーボン繊維が折り曲げられ破断し易くなる。それを防ぐために積層を増やすと、重量増になってしまうのだ。RIS9ではそれを避けるため、各フレームや接合部は角ばりの無い非常にシンプルなラインで構成されている。
フレームは3ピース構造を採用する。カーボン素材にはハイモジュラスカーボンを使用し、弾性率の異なる素材を適材適所に使い分ける。積層においても細かくコントロールがなされた結果、剛性を維持しながらもフレーム重量は940gと軽量に仕上がっている。
シフトワイヤーは空力向上や泥汚れから保護するためダウンチューブに内蔵される。唯一チェーンステー側は外に出されるが、これは組み付けした際にワイヤーの初期伸びを取り易くするため。プロレーサーのためだけでは無く、一般サイクリストの目線に立った設計思想がなされているのだ。
また、ワイヤー出入り口の角度を徹底的に追及することで最適なケーブルルーティングを確立し、コンポーネントの性能を損なわない設計がされている。ヘッド側のワイヤー入口のパーツを外せばそのまま電動変速用のケーブルを挿入でき、チェーンステー下部にはバッテリー取付台座を装備することで完全にDi2にも対応している。
そうして開発がされたRIS9のプライスは、フレーム単体基準価格で295,000円(税込)。またシマノ・デュラエース完成車もカタログにラインナップされ、ホイールはマヴィック・キシリウムSL、ハンドル、ステム、シートポストなどをデダ・ZERO100でアッセンブルした仕様で715,000円(税込)となっている。
アンカー・RIS9は新たな発想で剛性を見直した、レディメイドの最高峰モデル。絶妙のバランシングによって剛性、乗り心地、ダンシングの軽さを実現したアンカーの自信作だ。さて、この純国産リアルレーシングモデルをテストライダー両氏はどのように評価するのだろうか。早速インプレッションをお届けしよう。
―インプレッション
「軽快に上りをこなせるピュアレーサー」 吉田秀夫(盆栽自転車店)
テストライドを終えての第一印象は、ペダルを踏んですぐに反応してくれる、軽快なバイクというものでした。テストバイクのサイズが若干私には小さかったので、軽さを若干強めに感じたかもしれません。しかしそれを差し引いて余りあるほどの、軽快なフィーリングを楽しむことができました。実際に手に持ってみた感じも軽いですしね。
軽量性のみを追い求めたようなバイクだと、重いギアでトルクを掛けて踏んだ時にたわんでしまったり、入力に対して加速がモタつくような点がしばしばあります。
しかしこのRIS9に関してはそんなイメージが全くありませんでした。軽いギアでケイデンスを上げてペダルを回しても、重たいギアに掛けて踏み込んでいった場合でも、どちらも素早く反応してくれる懐の深さが好印象でした。
アッセンブルされるフォークにもとても良い印象を持ちました。見た目こそ細く映りますが、フォークのブレードがしっかりとしているので十分な剛性が確保されているようです。強めにブレーキングした際にも、たわんで不安を感じてしまうようなことがありませんでした。
フレーム自体、そしてフォークとの相性もあって上り性能が非常に良いバイクに仕上がっていると思います。チームブリヂストン・アンカーもオーダー製のRMZと、このRIS9をレースの用途に応じて使い分けるそうですが、回しても踏んでも応えてくれるこの軽快さは、レースにおいて有効な強みとなってくれるでしょう。
ハンドリングに関しても、その軽いフィーリングと相性の良い非常に軽い味付けになっています。かといってフラつきがあるような感じも無く、しっかりとしたフロントフォークと相まって、下りでも安定してコーナーを曲がっていくことができました。
レースで使用することに主眼が置かれているモデルですので、路面の状態をダイレクトにライダーへと伝えてくれます。ただし、ロングライド用バイクのように、高級クルーザーに乗っているようなリラックスできる感覚ではありません。ビギナーの方が乗るとなるとそのあたりがマイナスに感じられるかもしれませんが、ある程度ロードバイクに慣れている方ですと気にならないと思います。ロードインフォメーションを確実に感じたいレーサー指向の方にしてみれば、ダイレクト感として良い意味で捉えることができますからね。
ターゲット層は完全にレースへ出場する方、目指す方となりますね。剛性の高い軽やかな味付けがされているので、カテゴリーで言うならば、エンデューロのような長時間を楽に走り続ける種目ではなく、ロードレースとヒルクライムでしょうか。
フレーム価格は約30万円とのことで、コストパフォーマンスは値段相応だと思います。もちろん上級者のリクエストにも答えることのできる高いポテンシャルを持っていますので、中・上級者向けバイクとしてはお買い得の部類に属するバイクと言えるでしょう。
「しっかりとした硬いフレームを求める方には最高の選択」 諏訪孝浩(BIKESHOP SNEL)
まず乗ってみて感じたのは、非常に高い剛性感ですね。ペダルに伝えた力をガンガン推進力に活かしてくれる、かっちりとしたダイレクトさを感じました。その高い剛性感は、ノービスレーサーの私の脚力だと、長距離を走った時に脚にきてしまうだろうなと思うほどです。RIS9はロングライドやグランフォンド用ではなく、完全にレース向けのピュアレーサーだと感じました。
私はRIS9の前作モデルであるRMH9を所有していますが、それと比べて剛性面においてかなり進化しているのを感じることができました。RMH9はある程度の柔軟性があって、レースに出始めた方から上級者まで幅広く対応できるバイクです。
それに対して今回インプレッションを行ったRIS9は、かっちりとした感じが確実に増しています。ターゲットをもっと中・上級者にフォーカスしたバイクだと感じました。パワーのあるライダーで、しっかりとした硬いフレームを求めていた方には実にピッタリと言えるでしょう。
ハンドリングに関しては軽快感がありますね。ピーキー過ぎずちょうど良い味付けだと感じました。RMH9は下りでの安定感が高いバイクでしたが、このRIS9もそのフィーリングをしっかりと引き継いでいます。
高速コーナーでの安定感も高く、狙ったラインからブレません。ロードレースでは密集した集団の中で走るので、ハンドリングの軽すぎるバイクだと怖い感じを受けますが、RIS9はそんな不安も起きないでしょう。
しっかりとした剛性感は、平地の短距離レースではとてもプラスに働いてくれると思いました。上り性能もかなり良いですね。良く進むバイクなので、元気なうちは踏み過ぎちゃうかも、という心配も感じました。長い距離のレースやエンデューロでは、疲れがたまってしまった時に一気に踏めなくなってしまうかと思います。がっつり走りたい時にそこは要注意ですね。
重量は同クラスのバイクを比較して飛びぬけて軽量ではありませんが、乗った時に重量は感じません。むしろとても軽いフィーリングを味わうことができました。アンカーのデザインも年を追うごとにスタイリッシュになっているので、良い傾向だと思います。このホワイトベースのカラーリングは個人的にとてもカッコイイと思います。
ワイヤー類は内蔵工作となっています。流石ジャパンブランドと言うべきか、ワイヤーの出し入れ口も綺麗に仕上げられています。ケーブルの取り回しについても無駄が無く、スマートにできるような設計ですので好感が持てます。Di2化も視野に入れ、最初からチェーンステー下部にバッテリー取付台座が設けられています。フレームの性能を考えれば電動コンポの使用は当然と言えるので、このあたりの配慮はありがたいですね。
アンカー・RIS9
<フレーム単体>
素 材:3ピースハイモジュラスカーボン
サイズ:430、460、490、520、550mm
フォーク:ハイモジュラスカーボン製モノコック スーパーオーバーサイズ
ヘッド:TANGE IS47LT ダイレクトインタイプ 上1-1/8 下1-1/4
カラー:基本カラー4色、カラーオーダーシステムも別途選択可能
重 量:940g(460mmサイズ)
価 格:295,000円(税込)
<シマノ・デュラエース7900仕様完成車>
サイズ:430、460、490、520、550mm
コンポーネント:シマノ・デュラエース7900
ハンドル:DEDA ZERO100 φ31.8 BLACK
ステム:DEDA ZERO100CORSE31 BLACK
ポスト:DEDA ZERO100 φ31.6×310L
サドル:フィジーク・アリオネ K:ium
ホイール:マヴィック・キシリウムSL(他ラインナップから選択可能)
カラー:基本カラー4色、カラーオーダーシステムも別途選択可能
重 量:6.8kg(460mm、ペダル無し)
価 格:715,000円(税込)
インプレライダーのプロフィール
吉田秀夫(盆栽自転車店)
東京・千駄ヶ谷にある「自転車屋カフェ盆栽自転車店」のプレジデント。かつては実業団トップカテゴリーを走り、ツアー・オブ・ジャパンやツール・ド・熊野など国際レースも多数出場。2011年の独立開業後に自身のクラブも立ち上げてロードレースからシクロクロスまで鋭意参戦中。ファッションサイクリストをレペゼン。自転車における速さだけではない分野においても同時に深く追求し続けている。
盆栽自転車店
諏訪 孝浩(BIKESHOP SNEL)
バイクショップスネル代表。自転車歴26年、過去にオランダのアマチュアチームに3シーズン在籍しクリテリウムに多数参戦。オランダクラブ内クリテリウム選手権3位など。
2008年3月に東京都大田区にショップをオープン。オランダで色々なショップを見てきた経験を元に、独自のセンスでショップを経営中。主にシクロクロスをメインに参戦し、クラブ員の約半数がシクロクロスに出場している。
BIKESHOP SNEL
ウェア協力:スゴイ(SUGOi)
text:So.Isobe
photo:Makoto.Ayano
edit:Kenji.Degawa
従来のトップレンジモデルであるRHM9は一般ライダーや選手たちから高い評価を受けてきたが、その性能に甘んじることなくクオリティの向上を目指し、アンカーでは常に開発を続けてきた。そうして全く新しく生まれ変わった新型トップレンジレーシングモデルが、今回のテストバイクであるRIS9(アールアイエスナイン)だ。
RIS9開発のコンセプトとなった"イノベートスティフネス"とは、剛性を求める部分としなやかさを必要とする部分を明確に分けたフレーム設計思想のこと。これによって今まで以上にシャープさを際立たせたライディングフィールを追い求めた。
フレーム下部のボトムラインは剛性アップを目指すため、下側のベアリング径を1-1/4インチ径に設定したテーパードヘッドチューブと、プレスフィットタイプのワイドハンガーシェルBBの採用により、パワーラインを構成するチューブとの接合面積を増大させた。この進化によって大幅に剛性アップを達成し、従来モデルのRHM9に対してはねじり方向の剛性向上を可能にしたという。
それに対してトップチューブからシートステーに至るアッパー部分は、チューブ自体の外径をダウンサイジングする設計を施している。特にトップチューブの細さは大径チューブ全盛の昨今においては目を見張るほど際立っている。シートステーについても細身ながら扁平を持たせたデザインとすることで、必要な剛性を確保しながら縦方向の振動吸収性、しなやかさを持たせている。
カーボン素材は、エッジがあるとカーボン繊維が折り曲げられ破断し易くなる。それを防ぐために積層を増やすと、重量増になってしまうのだ。RIS9ではそれを避けるため、各フレームや接合部は角ばりの無い非常にシンプルなラインで構成されている。
フレームは3ピース構造を採用する。カーボン素材にはハイモジュラスカーボンを使用し、弾性率の異なる素材を適材適所に使い分ける。積層においても細かくコントロールがなされた結果、剛性を維持しながらもフレーム重量は940gと軽量に仕上がっている。
シフトワイヤーは空力向上や泥汚れから保護するためダウンチューブに内蔵される。唯一チェーンステー側は外に出されるが、これは組み付けした際にワイヤーの初期伸びを取り易くするため。プロレーサーのためだけでは無く、一般サイクリストの目線に立った設計思想がなされているのだ。
また、ワイヤー出入り口の角度を徹底的に追及することで最適なケーブルルーティングを確立し、コンポーネントの性能を損なわない設計がされている。ヘッド側のワイヤー入口のパーツを外せばそのまま電動変速用のケーブルを挿入でき、チェーンステー下部にはバッテリー取付台座を装備することで完全にDi2にも対応している。
そうして開発がされたRIS9のプライスは、フレーム単体基準価格で295,000円(税込)。またシマノ・デュラエース完成車もカタログにラインナップされ、ホイールはマヴィック・キシリウムSL、ハンドル、ステム、シートポストなどをデダ・ZERO100でアッセンブルした仕様で715,000円(税込)となっている。
アンカー・RIS9は新たな発想で剛性を見直した、レディメイドの最高峰モデル。絶妙のバランシングによって剛性、乗り心地、ダンシングの軽さを実現したアンカーの自信作だ。さて、この純国産リアルレーシングモデルをテストライダー両氏はどのように評価するのだろうか。早速インプレッションをお届けしよう。
―インプレッション
「軽快に上りをこなせるピュアレーサー」 吉田秀夫(盆栽自転車店)
テストライドを終えての第一印象は、ペダルを踏んですぐに反応してくれる、軽快なバイクというものでした。テストバイクのサイズが若干私には小さかったので、軽さを若干強めに感じたかもしれません。しかしそれを差し引いて余りあるほどの、軽快なフィーリングを楽しむことができました。実際に手に持ってみた感じも軽いですしね。
軽量性のみを追い求めたようなバイクだと、重いギアでトルクを掛けて踏んだ時にたわんでしまったり、入力に対して加速がモタつくような点がしばしばあります。
しかしこのRIS9に関してはそんなイメージが全くありませんでした。軽いギアでケイデンスを上げてペダルを回しても、重たいギアに掛けて踏み込んでいった場合でも、どちらも素早く反応してくれる懐の深さが好印象でした。
アッセンブルされるフォークにもとても良い印象を持ちました。見た目こそ細く映りますが、フォークのブレードがしっかりとしているので十分な剛性が確保されているようです。強めにブレーキングした際にも、たわんで不安を感じてしまうようなことがありませんでした。
フレーム自体、そしてフォークとの相性もあって上り性能が非常に良いバイクに仕上がっていると思います。チームブリヂストン・アンカーもオーダー製のRMZと、このRIS9をレースの用途に応じて使い分けるそうですが、回しても踏んでも応えてくれるこの軽快さは、レースにおいて有効な強みとなってくれるでしょう。
ハンドリングに関しても、その軽いフィーリングと相性の良い非常に軽い味付けになっています。かといってフラつきがあるような感じも無く、しっかりとしたフロントフォークと相まって、下りでも安定してコーナーを曲がっていくことができました。
レースで使用することに主眼が置かれているモデルですので、路面の状態をダイレクトにライダーへと伝えてくれます。ただし、ロングライド用バイクのように、高級クルーザーに乗っているようなリラックスできる感覚ではありません。ビギナーの方が乗るとなるとそのあたりがマイナスに感じられるかもしれませんが、ある程度ロードバイクに慣れている方ですと気にならないと思います。ロードインフォメーションを確実に感じたいレーサー指向の方にしてみれば、ダイレクト感として良い意味で捉えることができますからね。
ターゲット層は完全にレースへ出場する方、目指す方となりますね。剛性の高い軽やかな味付けがされているので、カテゴリーで言うならば、エンデューロのような長時間を楽に走り続ける種目ではなく、ロードレースとヒルクライムでしょうか。
フレーム価格は約30万円とのことで、コストパフォーマンスは値段相応だと思います。もちろん上級者のリクエストにも答えることのできる高いポテンシャルを持っていますので、中・上級者向けバイクとしてはお買い得の部類に属するバイクと言えるでしょう。
「しっかりとした硬いフレームを求める方には最高の選択」 諏訪孝浩(BIKESHOP SNEL)
まず乗ってみて感じたのは、非常に高い剛性感ですね。ペダルに伝えた力をガンガン推進力に活かしてくれる、かっちりとしたダイレクトさを感じました。その高い剛性感は、ノービスレーサーの私の脚力だと、長距離を走った時に脚にきてしまうだろうなと思うほどです。RIS9はロングライドやグランフォンド用ではなく、完全にレース向けのピュアレーサーだと感じました。
私はRIS9の前作モデルであるRMH9を所有していますが、それと比べて剛性面においてかなり進化しているのを感じることができました。RMH9はある程度の柔軟性があって、レースに出始めた方から上級者まで幅広く対応できるバイクです。
それに対して今回インプレッションを行ったRIS9は、かっちりとした感じが確実に増しています。ターゲットをもっと中・上級者にフォーカスしたバイクだと感じました。パワーのあるライダーで、しっかりとした硬いフレームを求めていた方には実にピッタリと言えるでしょう。
ハンドリングに関しては軽快感がありますね。ピーキー過ぎずちょうど良い味付けだと感じました。RMH9は下りでの安定感が高いバイクでしたが、このRIS9もそのフィーリングをしっかりと引き継いでいます。
高速コーナーでの安定感も高く、狙ったラインからブレません。ロードレースでは密集した集団の中で走るので、ハンドリングの軽すぎるバイクだと怖い感じを受けますが、RIS9はそんな不安も起きないでしょう。
しっかりとした剛性感は、平地の短距離レースではとてもプラスに働いてくれると思いました。上り性能もかなり良いですね。良く進むバイクなので、元気なうちは踏み過ぎちゃうかも、という心配も感じました。長い距離のレースやエンデューロでは、疲れがたまってしまった時に一気に踏めなくなってしまうかと思います。がっつり走りたい時にそこは要注意ですね。
重量は同クラスのバイクを比較して飛びぬけて軽量ではありませんが、乗った時に重量は感じません。むしろとても軽いフィーリングを味わうことができました。アンカーのデザインも年を追うごとにスタイリッシュになっているので、良い傾向だと思います。このホワイトベースのカラーリングは個人的にとてもカッコイイと思います。
ワイヤー類は内蔵工作となっています。流石ジャパンブランドと言うべきか、ワイヤーの出し入れ口も綺麗に仕上げられています。ケーブルの取り回しについても無駄が無く、スマートにできるような設計ですので好感が持てます。Di2化も視野に入れ、最初からチェーンステー下部にバッテリー取付台座が設けられています。フレームの性能を考えれば電動コンポの使用は当然と言えるので、このあたりの配慮はありがたいですね。
アンカー・RIS9
<フレーム単体>
素 材:3ピースハイモジュラスカーボン
サイズ:430、460、490、520、550mm
フォーク:ハイモジュラスカーボン製モノコック スーパーオーバーサイズ
ヘッド:TANGE IS47LT ダイレクトインタイプ 上1-1/8 下1-1/4
カラー:基本カラー4色、カラーオーダーシステムも別途選択可能
重 量:940g(460mmサイズ)
価 格:295,000円(税込)
<シマノ・デュラエース7900仕様完成車>
サイズ:430、460、490、520、550mm
コンポーネント:シマノ・デュラエース7900
ハンドル:DEDA ZERO100 φ31.8 BLACK
ステム:DEDA ZERO100CORSE31 BLACK
ポスト:DEDA ZERO100 φ31.6×310L
サドル:フィジーク・アリオネ K:ium
ホイール:マヴィック・キシリウムSL(他ラインナップから選択可能)
カラー:基本カラー4色、カラーオーダーシステムも別途選択可能
重 量:6.8kg(460mm、ペダル無し)
価 格:715,000円(税込)
インプレライダーのプロフィール
吉田秀夫(盆栽自転車店)
東京・千駄ヶ谷にある「自転車屋カフェ盆栽自転車店」のプレジデント。かつては実業団トップカテゴリーを走り、ツアー・オブ・ジャパンやツール・ド・熊野など国際レースも多数出場。2011年の独立開業後に自身のクラブも立ち上げてロードレースからシクロクロスまで鋭意参戦中。ファッションサイクリストをレペゼン。自転車における速さだけではない分野においても同時に深く追求し続けている。
盆栽自転車店
諏訪 孝浩(BIKESHOP SNEL)
バイクショップスネル代表。自転車歴26年、過去にオランダのアマチュアチームに3シーズン在籍しクリテリウムに多数参戦。オランダクラブ内クリテリウム選手権3位など。
2008年3月に東京都大田区にショップをオープン。オランダで色々なショップを見てきた経験を元に、独自のセンスでショップを経営中。主にシクロクロスをメインに参戦し、クラブ員の約半数がシクロクロスに出場している。
BIKESHOP SNEL
ウェア協力:スゴイ(SUGOi)
text:So.Isobe
photo:Makoto.Ayano
edit:Kenji.Degawa
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