2012/01/21(土) - 18:22
2012年1月21日に行なわれたツアー・ダウンアンダー第5ステージで、宮澤崇史(チームサクソバンク)が逃げに乗った。最後はオールドウィランガヒルの頂上ゴールで総合を懸けたバトルが勃発。アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)が出場停止処分からの復帰後初勝利を飾った。
名物オールドウィランガヒルの頂上にゴールするツアー・ダウンアンダー最終日前日の第5ステージ。総合争いに注目が集まる中、宮澤崇史が逃げた。
コースはアデレード南部のマクラーレン・ヴェイルをスタートし、海沿いの大周回を3周、後半に内陸の丘陵地帯を含む小周回を2周する計151.4km。スタート直後のアタックに反応した宮澤は、タイミングよく飛び出した6名の逃げグループに入った。
ともに逃げたのは、ジャパンカップ覇者のネイサン・ハース(オーストラリア、ガーミン・バラクーダ)やスチュアート・オグレディ(オーストラリア、グリーンエッジ)、トーマス・デヘント(ベルギー、ヴァカンソレイユ・DCM)と言った面々。タイム差は8分まで広がりを見せる。
メイン集団はリーダージャージ擁するBMCレーシングチームを中心に、総合成績に興味を見せるモビスターやグリーンエッジがコントロール。横風が吹き付ける平坦区間で、逃げグループとのタイム差を詰めていく。
やがて1回目のオールドウィランガヒルの登坂が近づくとメイン集団はペースアップ。横風も手伝って、登りを前にメイン集団は早くも絞り込まれ、マシュー・ロイド(オーストラリア、ランプレ・ISD)やキャメロン・マイヤー(オーストラリア、グリーンエッジ)らが脱落。
7%ほどの勾配が3kmにわたって続く登りが始まると、それまで逃げていた6名の中からハースがアタック。宮澤らを置き去りにしたハースは、歓声に包まれたオールドウィランガヒルを先頭で登りきった。
モビスター勢がペースを上げたメイン集団はオールドウィランガヒルで更に数を減らし、頂上通過後に先頭のハースを捉える。トップクライマーを含む集団は、後続を引き離して最後のオールドウィランガヒルに突入した。
登りで動いたのは、オーストラリアU23ダブルチャンピオンのローハン・デニス(オーストラリア、UniSAオーストラリア)、ティアゴ・マシャド(ポルトガル、レディオシャック・ニッサン)、ダニー・ペイト(アメリカ、チームスカイ)ら。これにホセイバン・グティエレス(スペイン、モビスター)がチェックに入る。
やがて先頭はデニスとマシャドの2人に絞られたが、バルベルデやジェランスを含むメイングループがこれをキャッチする。
最後は10名に満たない有力選手による登りスプリント勝負に持ち込まれ、先に仕掛けたジェランスをゴール前で抜き去ったバルベルデが勝利した。
ドーピング疑惑による出場停止処分を受け、古巣モビスターでレースに復帰したばかりのバルベルデが今シーズン1勝目。表彰台で笑みを絶やさない。「スーパーハッピーだ。信じられない。天才的なチームの働きによって勝つことができた。僕にとってとてもエモーショナルな瞬間だ」。
バルベルデはステージ優勝に加えて10秒のボーナスタイムを獲得。ステージ2位で6秒のボーナスタイムを獲得したジェランスと総合タイムで並んだ。同タイムの場合はそれまでのステージ順位を優先するルールが適用。ジェランスがリーダージャージを獲得している。
ステージ優勝を逃したものの、栄光のリーダージャージを手にしたジェランスは「リーダージャージを着て最終ステージに挑むなんて最高だ。初のワールドツアーレースで総合優勝に王手をかけたなんて、グリーンエッジにとって大変なことだよ」と語っている。ジェランスを総合優勝に導くため、グリーンエッジは全力でバルベルデのボーナスタイム獲得を阻止しにかかるだろう。
1回目のオールドウィランガヒルでハースから遅れ、メイン集団からも脱落した宮澤は12分02秒遅れでゴール。大会最大の注目ステージで見せ場を作ったが、「集団から脱落したので、登りの後の横風区間でルーク(ロバーツ)をアシストできなかった」と悔やむ。この日の結果を受けてロバーツは総合31位に沈み、総合争いから脱落した。
レースの模様はフォトギャラリーにて!
ツアー・ダウンアンダー2012第5ステージ結果
1位 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター) 3h45'48"
2位 サイモン・ジェランス(オーストラリア、グリーンエッジ)
3位 ティアゴ・マシャド(ポルトガル、レディオシャック・ニッサン) +02"
4位 マイケル・ロジャース(オーストラリア、チームスカイ) +04"
5位 ローハン・デニス(オーストラリア、UniSAオーストラリア) +07"
6位 エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、チームスカイ) +12"
7位 ハビエル・モレーノ(スペイン、モビスター) +13"
8位 ヤン・バケランツ(ベルギー、レディオシャック・ニッサン)
9位 ジャック・バウアー(ニュージーランド、ガーミン・バラクーダ) +26"
10位 エドゥアルト・ヴォルガノフ(ロシア、カチューシャ)
90位 宮澤崇史(日本、チームサクソバンク) +12'02"
個人総合成績
1位 サイモン・ジェランス(オーストラリア、グリーンエッジ) 18h49'24"
2位 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)
3位 ティアゴ・マシャド(ポルトガル、レディオシャック・ニッサン) +08"
4位 マイケル・ロジャース(オーストラリア、チームスカイ) +14"
5位 ローハン・デニス(オーストラリア、UniSAオーストラリア)
6位 エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、チームスカイ) +18"
7位 ヤン・バケランツ(ベルギー、レディオシャック・ニッサン) +19"
8位 ハビエル・モレーノ(スペイン、モビスター) +23"
9位 マイケル・マシューズ(オーストラリア、ラボバンク) +29"
10位 エドゥアルト・ヴォルガノフ(ロシア、カチューシャ) +32"
118位 宮澤崇史(日本、チームサクソバンク) +38'53"
山岳賞
ローハン・デニス(オーストラリア、UniSAオーストラリア)
ポイント賞
エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、チームスカイ)
新人賞
ローハン・デニス(オーストラリア、UniSAオーストラリア)
チーム総合成績
レディオシャック・ニッサン
text&photo:Kei Tsuji in Adelaide, Australia
名物オールドウィランガヒルの頂上にゴールするツアー・ダウンアンダー最終日前日の第5ステージ。総合争いに注目が集まる中、宮澤崇史が逃げた。
コースはアデレード南部のマクラーレン・ヴェイルをスタートし、海沿いの大周回を3周、後半に内陸の丘陵地帯を含む小周回を2周する計151.4km。スタート直後のアタックに反応した宮澤は、タイミングよく飛び出した6名の逃げグループに入った。
ともに逃げたのは、ジャパンカップ覇者のネイサン・ハース(オーストラリア、ガーミン・バラクーダ)やスチュアート・オグレディ(オーストラリア、グリーンエッジ)、トーマス・デヘント(ベルギー、ヴァカンソレイユ・DCM)と言った面々。タイム差は8分まで広がりを見せる。
メイン集団はリーダージャージ擁するBMCレーシングチームを中心に、総合成績に興味を見せるモビスターやグリーンエッジがコントロール。横風が吹き付ける平坦区間で、逃げグループとのタイム差を詰めていく。
やがて1回目のオールドウィランガヒルの登坂が近づくとメイン集団はペースアップ。横風も手伝って、登りを前にメイン集団は早くも絞り込まれ、マシュー・ロイド(オーストラリア、ランプレ・ISD)やキャメロン・マイヤー(オーストラリア、グリーンエッジ)らが脱落。
7%ほどの勾配が3kmにわたって続く登りが始まると、それまで逃げていた6名の中からハースがアタック。宮澤らを置き去りにしたハースは、歓声に包まれたオールドウィランガヒルを先頭で登りきった。
モビスター勢がペースを上げたメイン集団はオールドウィランガヒルで更に数を減らし、頂上通過後に先頭のハースを捉える。トップクライマーを含む集団は、後続を引き離して最後のオールドウィランガヒルに突入した。
登りで動いたのは、オーストラリアU23ダブルチャンピオンのローハン・デニス(オーストラリア、UniSAオーストラリア)、ティアゴ・マシャド(ポルトガル、レディオシャック・ニッサン)、ダニー・ペイト(アメリカ、チームスカイ)ら。これにホセイバン・グティエレス(スペイン、モビスター)がチェックに入る。
やがて先頭はデニスとマシャドの2人に絞られたが、バルベルデやジェランスを含むメイングループがこれをキャッチする。
最後は10名に満たない有力選手による登りスプリント勝負に持ち込まれ、先に仕掛けたジェランスをゴール前で抜き去ったバルベルデが勝利した。
ドーピング疑惑による出場停止処分を受け、古巣モビスターでレースに復帰したばかりのバルベルデが今シーズン1勝目。表彰台で笑みを絶やさない。「スーパーハッピーだ。信じられない。天才的なチームの働きによって勝つことができた。僕にとってとてもエモーショナルな瞬間だ」。
バルベルデはステージ優勝に加えて10秒のボーナスタイムを獲得。ステージ2位で6秒のボーナスタイムを獲得したジェランスと総合タイムで並んだ。同タイムの場合はそれまでのステージ順位を優先するルールが適用。ジェランスがリーダージャージを獲得している。
ステージ優勝を逃したものの、栄光のリーダージャージを手にしたジェランスは「リーダージャージを着て最終ステージに挑むなんて最高だ。初のワールドツアーレースで総合優勝に王手をかけたなんて、グリーンエッジにとって大変なことだよ」と語っている。ジェランスを総合優勝に導くため、グリーンエッジは全力でバルベルデのボーナスタイム獲得を阻止しにかかるだろう。
1回目のオールドウィランガヒルでハースから遅れ、メイン集団からも脱落した宮澤は12分02秒遅れでゴール。大会最大の注目ステージで見せ場を作ったが、「集団から脱落したので、登りの後の横風区間でルーク(ロバーツ)をアシストできなかった」と悔やむ。この日の結果を受けてロバーツは総合31位に沈み、総合争いから脱落した。
レースの模様はフォトギャラリーにて!
ツアー・ダウンアンダー2012第5ステージ結果
1位 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター) 3h45'48"
2位 サイモン・ジェランス(オーストラリア、グリーンエッジ)
3位 ティアゴ・マシャド(ポルトガル、レディオシャック・ニッサン) +02"
4位 マイケル・ロジャース(オーストラリア、チームスカイ) +04"
5位 ローハン・デニス(オーストラリア、UniSAオーストラリア) +07"
6位 エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、チームスカイ) +12"
7位 ハビエル・モレーノ(スペイン、モビスター) +13"
8位 ヤン・バケランツ(ベルギー、レディオシャック・ニッサン)
9位 ジャック・バウアー(ニュージーランド、ガーミン・バラクーダ) +26"
10位 エドゥアルト・ヴォルガノフ(ロシア、カチューシャ)
90位 宮澤崇史(日本、チームサクソバンク) +12'02"
個人総合成績
1位 サイモン・ジェランス(オーストラリア、グリーンエッジ) 18h49'24"
2位 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)
3位 ティアゴ・マシャド(ポルトガル、レディオシャック・ニッサン) +08"
4位 マイケル・ロジャース(オーストラリア、チームスカイ) +14"
5位 ローハン・デニス(オーストラリア、UniSAオーストラリア)
6位 エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、チームスカイ) +18"
7位 ヤン・バケランツ(ベルギー、レディオシャック・ニッサン) +19"
8位 ハビエル・モレーノ(スペイン、モビスター) +23"
9位 マイケル・マシューズ(オーストラリア、ラボバンク) +29"
10位 エドゥアルト・ヴォルガノフ(ロシア、カチューシャ) +32"
118位 宮澤崇史(日本、チームサクソバンク) +38'53"
山岳賞
ローハン・デニス(オーストラリア、UniSAオーストラリア)
ポイント賞
エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、チームスカイ)
新人賞
ローハン・デニス(オーストラリア、UniSAオーストラリア)
チーム総合成績
レディオシャック・ニッサン
text&photo:Kei Tsuji in Adelaide, Australia
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