2011/12/06(火) - 15:10
MAXXIS太魯閣国際ヒルクライムは、昨年から開催されたヒルクライムレース。最高カテゴリーの「インターナショナル」は約90.5kmで標高3275mの武嶺まで登るダイナミックなコース設定で、世界でも最高の難易度を誇るヒルクライム大会だ。日本選手団一行は、台北からレースの拠点となる東海岸の街・花蓮に向かった。
日本側のスペシャルゲストとして、宮澤崇史(ファルネーゼヴィーニ・ネーリソットリ)、福島晋一、(トレンガヌプロアジア/ボンシャンス飯田)、山本和弘(キャノンデール)らが参加。昨年参加した新城幸也や相澤康司が都合がつかず不参加だったのは残念だが、才田直人(ボンシャンス飯田)、MTB女子エリート選手の広瀬由紀(キリンレーシング)や、昨年も完走した75歳の田口重喜さん(スワコレーシング)たちも参加。そのメンバーを含む日本からのツアーと、現地在住参加の日本人グループ合計約20数人の台湾の旅に同行した。
前日は試走を兼ねて太魯閣渓谷観光ライド
渡航前日の台湾の天気は大荒れ。東海岸の街花蓮は台北から鉄道やバスなどで3時間ほどかかる道のりだ。ツアーは高速鉄道で、ゲスト選手団やスタッフはバスで花蓮へ。断崖絶壁の道を行く東海岸の道はがけ崩れが多く、バスは慎重に向かう。ホテル到着は夜遅く。しかし台湾の夜の街へと美味しいものを求めて繰り出す一行。あひる料理をはじめ、台湾ならではの味に舌鼓を打った。
大会を翌日に控えた土曜日は試走する時間がたっぷりある。自転車を組み立て、招待選手と一般参加の皆さんで太魯閣渓谷へと向かった。
花蓮の海沿いにできた新しいサイクリングロードを走り、幹線道路へ。自転車産業において世界の中心地にあたる台湾では、近年バイクレーンが盛んに設置されているとのことで、ここ花蓮でも自転車2台が並走するに十分な広さを確保したバイクレーンが一般車道につけられていた。
太魯閣渓谷までは小一時間。15人ほどの集団は、宮澤、福島両選手に率いられ、快調にペダルを回して幹線道路を進む。エキゾチックなアジアを感じさせる街の風景と、のどかな農村風景を楽しみつつ、台湾の東海岸と西海岸をつなぐ「東西横貫公路」の入り口に到着。ここからがレースコースにもなっているのだ。
太魯閣渓谷は、台湾有数の観光地だ。大理石の岩盤を侵食して形成された壮大な大渓谷で、奇岩・怪石と流れる川の豪快な美しさで、台湾の中でも特に人気がある自然観光地。
地形的には九州とほぼ同じ大きさで、タバコの葉っぱのようなカタチをした島国の台湾。しかし自然の地形は険しく、中央部には標高3000mを越える山脈が連なっている。花蓮から台中へと抜ける東西横貫公路は、その背骨の山脈を横に貫く壮大な山岳道路なのだ。それがレースコースになっている。
険しい大理石の岩肌を、クネクネと掘るようにつけられた道路。曲がりくねった素掘りトンネルの続く九曲洞は、観光バスも通るが、慎重に運転しないと屋根の角を削り取られそうだ。
道路のすぐ脇にできた滝が、容赦無く水しぶきをふりかけてくる。がけ崩れに注意しながら、「うぉー、この景色は凄い!」と、渓谷美に感嘆の声を上げながら皆で走った。
道路際と歩道を歩いて見物する観光客も、必ずヘルメットを被らなければいけないという決まりに納得。上から下まで360度、凄い渓谷の風景に圧倒されっぱなしだった。
がけ崩れでしばしば通行止めになるこの東西横貫公路。レース実行委員会はこの日、頂上までのコースを念入りに下見していた。まだ、レースを行うかどうかの決定はされておらず、明日も天候が崩れるという天気予報のため、開催・中止の判断はレース直前になるだろうとのことだ。これにはかなり心配した。
名所・九曲洞まで走り、試走は折り返し地点とした。レースコースとしてはまだまだ序盤。むしろ上りはこれから、という地点。でも、福島晋一は笑って話す。
「レース中は集団走行で速く通りすぎるから、回りを見ている余裕はないんだよね。昨年も走ったけど、今日初めてこの渓谷の迫力と美しさを実感しました!」。
ホテルまで帰着して往復約80kmほど。楽しい観光兼試走ができた。一行はお昼に庶民の食堂に立ち寄って、牛肉麺を食べて大満足。とにかく、台湾はどこで食べてもご飯が美味しい!。美味しい様子は、フォトギャラリーでもたっぷり紹介しています。
熱烈歓迎の記者会見 日本チームも感謝の気持ちを伝える
午後は、レースの記者会見が宿泊しているホテルで開催された。台湾の熱烈歓迎を受ける顔見世の記者会見だ。ご存知のとおり、台湾は東北関東大震災のあと、被災者支援として日本円で200億円以上にのぼる義援金を寄せてくれた、大の親日家だ。この額は世界中でもトップのもので、台湾は、日本人が考えている以上に日本への親近感を抱いていてくれるのだ。
福島晋一が若手育成の面倒を見る長野県・飯田のチーム「ボンシャンス飯田」のジャージには、御存知の通り台湾政府観光局がスポンサーにつき、Taiwanのロゴがもっとも大きな文字で胸に入っている。アジアで活躍するチームに、台湾が期待を寄せてくれている証拠だ。
今回日本からの参加した選手団は「謝謝(ありがとう)台湾」のTシャツをお揃いでつくり、これを着て記者会見に臨んだ。台湾の記者たちの前で、皆で揃ってポーズを決め、カメラに収まった。とにかく、日本に対する台湾の方々の暖かな気持ちに対し、感謝の意を表したいと思って用意したのだ。
この大会の台湾での注目度は非常に高く、多くのTV局や新聞社が取材に訪れた。とくに台湾の記者や選手たちの熱い視線は、日本が世界に誇るスター選手、宮澤崇史と福島晋一に注がれていた。ふたりはアジアの大スターなのだ。
そして、75歳の田口重喜さん(スワコレーシング)は「スーパーおじいちゃん」として大人気。自転車産業が世界一だが、スポーツとしてのサイクリングはまだ歴史の浅い台湾で、高齢の田口さんがこの難コースに挑むのは、にわかに信じられないようで、質問攻めに。
そして夕方からは再び歓迎会を兼ねた前夜祭。高校の体育館で、出場ライダー一堂が集まっての国際交流と、ライダーズミーティング。そして、壇上では歓迎の台湾の阿美族のダンスが始まるのだった。
現地の小学校を訪問 自転車教室に子供たち大喜び
今回の旅では、招待選手たちの一行はあらゆる会にご招待がかかった。ここではレース後の台中での様子ではあるが、台中日本人学校を訪問した時の様子を紹介しよう。
首都・台北と違って中部にある台中などでは有名人が来ることは稀らしく、熱烈なリクエストがあって学校訪問が実現した。「日本から有名アスリートがやってくる」と、全校生徒総出での講演会と、自転車教室が開催された。
自転車の魅力と、安全な走り方を小学生たちに教える選手たち。子供たちはレース用自転車に興味津々。サイン用に用意したカードはあっという間に売り切れ。約1時間の訪問は、子供たちの質問攻めで終了した。
台湾の味を楽しむ旅
台湾を旅していて楽しいのは、食事が美味しいことだ。「食は台湾にあり」とはよく言ったもの。台湾の台湾の代表的風物詩の屋台料理に、ラーメン的な存在の牛肉麺、から揚げや中華ちまき、小籠包、ビーフンなどなど、安くて美味しい食べ物に次々と巡りあう。食事でおなかがいっぱいになったら、デザートに様々なフルーツを盛り合わせた水果や泡泡氷(かき氷)、タピオカミルクなど、ネオンきらめく夜の街を歩きながら、美味しそうな店を見つけては立ち寄って食べるのがほんとうに楽しい。
もしあなたがこのレースに参加するなら、それは食のツアーにもなるということ。そして、レースで疲れた身体をほぐしてくれるマッサージ(按摩)も、安く、いたるところで可能。濃密なアジアの旅を満喫できるところも、このレースの魅力だ。
さて、次のレポートではいよいよレースの模様をお伝え。世界最高難易度のレースがどういったものか、お伝えできればと思う。
EVA航空が協力してくれる参加ツアー
MAXXIS太魯閣国際ヒルクライム2011参加ツアーには、台湾の航空会社であるEVA航空が全面的にサポートしてくれる。特典は以下のような内容だ。なかでも手荷物重量制限が十分な余裕を持って設定されていることと、扱いには最新の注意を払ってくれることが安心だ。
・EVA航空使用の参加者は、ツアー料金を安く設定できるよう、一般より安く航空券が提供されるため、ツアー料金は安価に設定される。
・自転車を持っていくために手荷物重量の10kgを追加でサポート(通常は20kgまでだが、30kgの手荷物預けが超過料金なしで可能)
・自転車の飛行機輸送には最大の注意で運んでもらえる。
EVA航空
フォトギャラリー(picasa)
日本側のスペシャルゲストとして、宮澤崇史(ファルネーゼヴィーニ・ネーリソットリ)、福島晋一、(トレンガヌプロアジア/ボンシャンス飯田)、山本和弘(キャノンデール)らが参加。昨年参加した新城幸也や相澤康司が都合がつかず不参加だったのは残念だが、才田直人(ボンシャンス飯田)、MTB女子エリート選手の広瀬由紀(キリンレーシング)や、昨年も完走した75歳の田口重喜さん(スワコレーシング)たちも参加。そのメンバーを含む日本からのツアーと、現地在住参加の日本人グループ合計約20数人の台湾の旅に同行した。
前日は試走を兼ねて太魯閣渓谷観光ライド
渡航前日の台湾の天気は大荒れ。東海岸の街花蓮は台北から鉄道やバスなどで3時間ほどかかる道のりだ。ツアーは高速鉄道で、ゲスト選手団やスタッフはバスで花蓮へ。断崖絶壁の道を行く東海岸の道はがけ崩れが多く、バスは慎重に向かう。ホテル到着は夜遅く。しかし台湾の夜の街へと美味しいものを求めて繰り出す一行。あひる料理をはじめ、台湾ならではの味に舌鼓を打った。
大会を翌日に控えた土曜日は試走する時間がたっぷりある。自転車を組み立て、招待選手と一般参加の皆さんで太魯閣渓谷へと向かった。
花蓮の海沿いにできた新しいサイクリングロードを走り、幹線道路へ。自転車産業において世界の中心地にあたる台湾では、近年バイクレーンが盛んに設置されているとのことで、ここ花蓮でも自転車2台が並走するに十分な広さを確保したバイクレーンが一般車道につけられていた。
太魯閣渓谷までは小一時間。15人ほどの集団は、宮澤、福島両選手に率いられ、快調にペダルを回して幹線道路を進む。エキゾチックなアジアを感じさせる街の風景と、のどかな農村風景を楽しみつつ、台湾の東海岸と西海岸をつなぐ「東西横貫公路」の入り口に到着。ここからがレースコースにもなっているのだ。
太魯閣渓谷は、台湾有数の観光地だ。大理石の岩盤を侵食して形成された壮大な大渓谷で、奇岩・怪石と流れる川の豪快な美しさで、台湾の中でも特に人気がある自然観光地。
地形的には九州とほぼ同じ大きさで、タバコの葉っぱのようなカタチをした島国の台湾。しかし自然の地形は険しく、中央部には標高3000mを越える山脈が連なっている。花蓮から台中へと抜ける東西横貫公路は、その背骨の山脈を横に貫く壮大な山岳道路なのだ。それがレースコースになっている。
険しい大理石の岩肌を、クネクネと掘るようにつけられた道路。曲がりくねった素掘りトンネルの続く九曲洞は、観光バスも通るが、慎重に運転しないと屋根の角を削り取られそうだ。
道路のすぐ脇にできた滝が、容赦無く水しぶきをふりかけてくる。がけ崩れに注意しながら、「うぉー、この景色は凄い!」と、渓谷美に感嘆の声を上げながら皆で走った。
道路際と歩道を歩いて見物する観光客も、必ずヘルメットを被らなければいけないという決まりに納得。上から下まで360度、凄い渓谷の風景に圧倒されっぱなしだった。
がけ崩れでしばしば通行止めになるこの東西横貫公路。レース実行委員会はこの日、頂上までのコースを念入りに下見していた。まだ、レースを行うかどうかの決定はされておらず、明日も天候が崩れるという天気予報のため、開催・中止の判断はレース直前になるだろうとのことだ。これにはかなり心配した。
名所・九曲洞まで走り、試走は折り返し地点とした。レースコースとしてはまだまだ序盤。むしろ上りはこれから、という地点。でも、福島晋一は笑って話す。
「レース中は集団走行で速く通りすぎるから、回りを見ている余裕はないんだよね。昨年も走ったけど、今日初めてこの渓谷の迫力と美しさを実感しました!」。
ホテルまで帰着して往復約80kmほど。楽しい観光兼試走ができた。一行はお昼に庶民の食堂に立ち寄って、牛肉麺を食べて大満足。とにかく、台湾はどこで食べてもご飯が美味しい!。美味しい様子は、フォトギャラリーでもたっぷり紹介しています。
熱烈歓迎の記者会見 日本チームも感謝の気持ちを伝える
午後は、レースの記者会見が宿泊しているホテルで開催された。台湾の熱烈歓迎を受ける顔見世の記者会見だ。ご存知のとおり、台湾は東北関東大震災のあと、被災者支援として日本円で200億円以上にのぼる義援金を寄せてくれた、大の親日家だ。この額は世界中でもトップのもので、台湾は、日本人が考えている以上に日本への親近感を抱いていてくれるのだ。
福島晋一が若手育成の面倒を見る長野県・飯田のチーム「ボンシャンス飯田」のジャージには、御存知の通り台湾政府観光局がスポンサーにつき、Taiwanのロゴがもっとも大きな文字で胸に入っている。アジアで活躍するチームに、台湾が期待を寄せてくれている証拠だ。
今回日本からの参加した選手団は「謝謝(ありがとう)台湾」のTシャツをお揃いでつくり、これを着て記者会見に臨んだ。台湾の記者たちの前で、皆で揃ってポーズを決め、カメラに収まった。とにかく、日本に対する台湾の方々の暖かな気持ちに対し、感謝の意を表したいと思って用意したのだ。
この大会の台湾での注目度は非常に高く、多くのTV局や新聞社が取材に訪れた。とくに台湾の記者や選手たちの熱い視線は、日本が世界に誇るスター選手、宮澤崇史と福島晋一に注がれていた。ふたりはアジアの大スターなのだ。
そして、75歳の田口重喜さん(スワコレーシング)は「スーパーおじいちゃん」として大人気。自転車産業が世界一だが、スポーツとしてのサイクリングはまだ歴史の浅い台湾で、高齢の田口さんがこの難コースに挑むのは、にわかに信じられないようで、質問攻めに。
そして夕方からは再び歓迎会を兼ねた前夜祭。高校の体育館で、出場ライダー一堂が集まっての国際交流と、ライダーズミーティング。そして、壇上では歓迎の台湾の阿美族のダンスが始まるのだった。
現地の小学校を訪問 自転車教室に子供たち大喜び
今回の旅では、招待選手たちの一行はあらゆる会にご招待がかかった。ここではレース後の台中での様子ではあるが、台中日本人学校を訪問した時の様子を紹介しよう。
首都・台北と違って中部にある台中などでは有名人が来ることは稀らしく、熱烈なリクエストがあって学校訪問が実現した。「日本から有名アスリートがやってくる」と、全校生徒総出での講演会と、自転車教室が開催された。
自転車の魅力と、安全な走り方を小学生たちに教える選手たち。子供たちはレース用自転車に興味津々。サイン用に用意したカードはあっという間に売り切れ。約1時間の訪問は、子供たちの質問攻めで終了した。
台湾の味を楽しむ旅
台湾を旅していて楽しいのは、食事が美味しいことだ。「食は台湾にあり」とはよく言ったもの。台湾の台湾の代表的風物詩の屋台料理に、ラーメン的な存在の牛肉麺、から揚げや中華ちまき、小籠包、ビーフンなどなど、安くて美味しい食べ物に次々と巡りあう。食事でおなかがいっぱいになったら、デザートに様々なフルーツを盛り合わせた水果や泡泡氷(かき氷)、タピオカミルクなど、ネオンきらめく夜の街を歩きながら、美味しそうな店を見つけては立ち寄って食べるのがほんとうに楽しい。
もしあなたがこのレースに参加するなら、それは食のツアーにもなるということ。そして、レースで疲れた身体をほぐしてくれるマッサージ(按摩)も、安く、いたるところで可能。濃密なアジアの旅を満喫できるところも、このレースの魅力だ。
さて、次のレポートではいよいよレースの模様をお伝え。世界最高難易度のレースがどういったものか、お伝えできればと思う。
EVA航空が協力してくれる参加ツアー
MAXXIS太魯閣国際ヒルクライム2011参加ツアーには、台湾の航空会社であるEVA航空が全面的にサポートしてくれる。特典は以下のような内容だ。なかでも手荷物重量制限が十分な余裕を持って設定されていることと、扱いには最新の注意を払ってくれることが安心だ。
・EVA航空使用の参加者は、ツアー料金を安く設定できるよう、一般より安く航空券が提供されるため、ツアー料金は安価に設定される。
・自転車を持っていくために手荷物重量の10kgを追加でサポート(通常は20kgまでだが、30kgの手荷物預けが超過料金なしで可能)
・自転車の飛行機輸送には最大の注意で運んでもらえる。
EVA航空
フォトギャラリー(picasa)
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