2009/05/12(火) - 10:28
2009年5月11日に行われたジロ・デ・イタリア第3ステージ。残り10kmほどの地点で発生した落車がスプリンターの明暗を分けた。後続に取り残されたマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、チームコロンビア)に対して、集団前方に位置していたアレッサンドロ・ペタッキ(イタリア、LPRブレークス)は危機を回避。集団スプリントを制してペタッキが2勝目を挙げた。
スプリントポイントを過ぎ、プロセッコで有名なムッロ・デル・ポッジオと呼ばれる丘に差し掛かる。観客が鈴なりになった15%はあるだろう急坂を越えたところで落車が発生。
落車したのはクリスティアン・ヴァンデヴェルデ(アメリカ、ガーミン・スリップストリーム)。なかなか立ち上がれず、ドクターが覗き込む光景が怪我の深刻さを物語っていたが、この後ヴァンデヴェルデは病院へ搬送され、リタイヤを余儀なくされた。ガーミン・スリップストリームはエースのヴァンデヴェルデを失うこととなった。ヴァンデヴェルデはろっ骨を骨折。ツール・ド・フランス出場にも暗雲が垂れこめた。
序盤から逃げていた5名は、ヴァルドッビアーデネの周回コースに入る手前で集団に吸収された。
そしてゴールに向け集団の緊張は高まっていった。
ヴァルドッビアーデネの街の周回コースは細かなアップダウンの連続で、道幅が狭く、タイトなコーナーも多くある。こういったコースレイアウトでは集団内の位置取りが重要になる。前日のレースで集団が分断された際に後続に取り残されタイムを失ったイヴァン・バッソ(イタリア、リクイガス)を擁するリクイガスは、集団の先頭に上がり、危険を避けるべくレースコントロールを始めた。同じくタイムをロスしたリーヴァイ・ライプハイマー(アメリカ、アスタナ)も集団先頭付近に陣取っている。
残り15kmを切ったあたりで前日もアタックを試みたトマ・ヴォクレール(フランス、Bboxブイグテレコム)が集団から抜け出した。このアタックにはアンドレー・グリブコ(ウクライナ、ISD)、アレッサンドロ・スペツィアレッティ(イタリア、LPRブレークス)、ステファノ・ガルゼッリ(イタリア、アックア・エ・サポーネ)、イェンス・フォイクト(ドイツ、サクソバンク)ら、有力な選手が反応。なんとリーヴァイ・ライプハイマー(アメリカ、アスタナ)もこれを追い、ともに逃げるという光景も見られた。
そして残り10kmのバナーの下で落車が発生。大勢の選手を巻き込む大落車となった。この落車により集団が大きく分断された。難を逃れたのは逃げていた9名と集団前方に位置していた50名ほど。残りは足止めを食らう形となった。
この取り残された集団にはマリアローザを着たマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、チームコロンビア)が含まれていた。カヴェンディッシュは10名ほどの集団を形成し、懸命に前の集団を追うが、なかなか追いつけない。
後にこの際に前の集団が後続を待たなかったことが取り沙汰されることになる。「プロトンの不文律」を口にした記者に対し、ペタッキは「落車のことはレースが終わってから知った」とコメント。
トマ・ヴォクレール(フランス、Bboxブイグテレコム)らはその後集団に吸収され、先頭は60名ほどの集団となった。
残り3kmで地元出身のマルツィオ・ブルセギン(イタリア、ランプレ)がアタック。吸収されると今度はジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、ISD)がアタック。しかしゴール手前の直線であえなく集団に吸収。
そして勝負は昨ステージに次いで集団スプリントに持ち込まれる。ゴール手前200m付近でマリアチクラミーノを着たアレッサンドロ・ペタッキ(イタリア、LPRブレークス)が仕掛けた。力強いスプリントにタイラー・ファラー(アメリカ、ガーミン・スリップストリーム)、フランチェスコ・ガヴァッツィ(イタリア、ランプレ)らが追いすがるが、絶好調のペタッキには並ぶことさえできない。。ペタッキは威風堂々右手人差し指にキスし、その手を高々と挙げて連日の勝利をアピール。
他方、分断の餌食となったマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、チームコロンビア)は1分29秒遅れでゴールし、マリアローザ、マリアビアンカ(新人賞ジャージ)も失うこととなった。前日に記者会見で語った宣戦布告どおり、ペタッキはマリアチクラミーノに加え、マリアローザも獲得した。
パドヴァ~サンマルティーノ・ディ・カストロッツァの162kmで行われる第4ステージは、ジロ・デ・イタリア4日目にしていきなりの山岳ステージ。しかも難関の山頂ゴールだ。個人総合優勝を狙う選手のコンディションを見る絶好のチャンスとなるだろう。
ジロ・デ・イタリア2009第3ステージ結果
1位 アレッサンドロ・ペタッキ(イタリア、LPRブレークス) 4h45'27"
2位 タイラー・ファラー(アメリカ、ガーミン・スリップストリーム) +0"
3位 フランチェスコ・ガヴァッツィ(イタリア、ランプレ) +0"
4位 ダリオ・カタルド(イタリア、クイックステップ) +0"
5位 ダミアーノ・クネゴ(イタリア、ランプレ) +0"
6位 フィリップ・ジルベール(ベルギー、サイレンス・ロット) +0"
7位 オスカル・ガット(イタリア、ISD) +0"
8位 マイケル・ロジャース(オーストラリア、チームコロンビア) +0"
9位 アナス・ルンド(デンマーク、サクソバンク) +0"
10位 ステファノ・ガルゼッリ(イタリア、アックア・エ・サポーネ) +0"
個人総合成績
1位 アレッサンドロ・ペタッキ(イタリア、LPRブレークス) 8h50'06"
2位 タイラー・ファラー(アメリカ、ガーミン・スリップストリーム) +8"
3位 マイケル・ロジャース(オーストラリア、チームコロンビア) +18"
4位 トーマス・ロヴクヴィスト(チームコロンビア、スウェーデン) +18"
5位 ランス・アームストロング(アメリカ、アスタナ) +31"
6位 ダニーロ・ディルーカ(イタリア、LPRブレークス) +40"
7位 ヤロスラフ・ポポヴィッチ(ウクライナ、アスタナ) +44"
8位 リーヴァイ・ライプハイマー(アメリカ、アスタナ) +44"
9位 アンドレー・グリブコ(ウクライナ、ISD) +45"
10位 フランチェスコ・ガヴァッツィ(イタリア、ランプレ) +52"
ポイント賞 マリアチクラミーノ
アレッサンドロ・ペタッキ(LPRブレークス、イタリア)
山岳賞 マリアヴェルデ
マウロ・ファッチ(イタリア、クイックステップ)
新人賞 マリアビアンカ
タイラー・ファラー(アメリカ、ガーミン・スリップストリーム)
チーム総合成績
チームコロンビア
スプリントポイントを過ぎ、プロセッコで有名なムッロ・デル・ポッジオと呼ばれる丘に差し掛かる。観客が鈴なりになった15%はあるだろう急坂を越えたところで落車が発生。
落車したのはクリスティアン・ヴァンデヴェルデ(アメリカ、ガーミン・スリップストリーム)。なかなか立ち上がれず、ドクターが覗き込む光景が怪我の深刻さを物語っていたが、この後ヴァンデヴェルデは病院へ搬送され、リタイヤを余儀なくされた。ガーミン・スリップストリームはエースのヴァンデヴェルデを失うこととなった。ヴァンデヴェルデはろっ骨を骨折。ツール・ド・フランス出場にも暗雲が垂れこめた。
序盤から逃げていた5名は、ヴァルドッビアーデネの周回コースに入る手前で集団に吸収された。
そしてゴールに向け集団の緊張は高まっていった。
ヴァルドッビアーデネの街の周回コースは細かなアップダウンの連続で、道幅が狭く、タイトなコーナーも多くある。こういったコースレイアウトでは集団内の位置取りが重要になる。前日のレースで集団が分断された際に後続に取り残されタイムを失ったイヴァン・バッソ(イタリア、リクイガス)を擁するリクイガスは、集団の先頭に上がり、危険を避けるべくレースコントロールを始めた。同じくタイムをロスしたリーヴァイ・ライプハイマー(アメリカ、アスタナ)も集団先頭付近に陣取っている。
残り15kmを切ったあたりで前日もアタックを試みたトマ・ヴォクレール(フランス、Bboxブイグテレコム)が集団から抜け出した。このアタックにはアンドレー・グリブコ(ウクライナ、ISD)、アレッサンドロ・スペツィアレッティ(イタリア、LPRブレークス)、ステファノ・ガルゼッリ(イタリア、アックア・エ・サポーネ)、イェンス・フォイクト(ドイツ、サクソバンク)ら、有力な選手が反応。なんとリーヴァイ・ライプハイマー(アメリカ、アスタナ)もこれを追い、ともに逃げるという光景も見られた。
そして残り10kmのバナーの下で落車が発生。大勢の選手を巻き込む大落車となった。この落車により集団が大きく分断された。難を逃れたのは逃げていた9名と集団前方に位置していた50名ほど。残りは足止めを食らう形となった。
この取り残された集団にはマリアローザを着たマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、チームコロンビア)が含まれていた。カヴェンディッシュは10名ほどの集団を形成し、懸命に前の集団を追うが、なかなか追いつけない。
後にこの際に前の集団が後続を待たなかったことが取り沙汰されることになる。「プロトンの不文律」を口にした記者に対し、ペタッキは「落車のことはレースが終わってから知った」とコメント。
トマ・ヴォクレール(フランス、Bboxブイグテレコム)らはその後集団に吸収され、先頭は60名ほどの集団となった。
残り3kmで地元出身のマルツィオ・ブルセギン(イタリア、ランプレ)がアタック。吸収されると今度はジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、ISD)がアタック。しかしゴール手前の直線であえなく集団に吸収。
そして勝負は昨ステージに次いで集団スプリントに持ち込まれる。ゴール手前200m付近でマリアチクラミーノを着たアレッサンドロ・ペタッキ(イタリア、LPRブレークス)が仕掛けた。力強いスプリントにタイラー・ファラー(アメリカ、ガーミン・スリップストリーム)、フランチェスコ・ガヴァッツィ(イタリア、ランプレ)らが追いすがるが、絶好調のペタッキには並ぶことさえできない。。ペタッキは威風堂々右手人差し指にキスし、その手を高々と挙げて連日の勝利をアピール。
他方、分断の餌食となったマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、チームコロンビア)は1分29秒遅れでゴールし、マリアローザ、マリアビアンカ(新人賞ジャージ)も失うこととなった。前日に記者会見で語った宣戦布告どおり、ペタッキはマリアチクラミーノに加え、マリアローザも獲得した。
パドヴァ~サンマルティーノ・ディ・カストロッツァの162kmで行われる第4ステージは、ジロ・デ・イタリア4日目にしていきなりの山岳ステージ。しかも難関の山頂ゴールだ。個人総合優勝を狙う選手のコンディションを見る絶好のチャンスとなるだろう。
ジロ・デ・イタリア2009第3ステージ結果
1位 アレッサンドロ・ペタッキ(イタリア、LPRブレークス) 4h45'27"
2位 タイラー・ファラー(アメリカ、ガーミン・スリップストリーム) +0"
3位 フランチェスコ・ガヴァッツィ(イタリア、ランプレ) +0"
4位 ダリオ・カタルド(イタリア、クイックステップ) +0"
5位 ダミアーノ・クネゴ(イタリア、ランプレ) +0"
6位 フィリップ・ジルベール(ベルギー、サイレンス・ロット) +0"
7位 オスカル・ガット(イタリア、ISD) +0"
8位 マイケル・ロジャース(オーストラリア、チームコロンビア) +0"
9位 アナス・ルンド(デンマーク、サクソバンク) +0"
10位 ステファノ・ガルゼッリ(イタリア、アックア・エ・サポーネ) +0"
個人総合成績
1位 アレッサンドロ・ペタッキ(イタリア、LPRブレークス) 8h50'06"
2位 タイラー・ファラー(アメリカ、ガーミン・スリップストリーム) +8"
3位 マイケル・ロジャース(オーストラリア、チームコロンビア) +18"
4位 トーマス・ロヴクヴィスト(チームコロンビア、スウェーデン) +18"
5位 ランス・アームストロング(アメリカ、アスタナ) +31"
6位 ダニーロ・ディルーカ(イタリア、LPRブレークス) +40"
7位 ヤロスラフ・ポポヴィッチ(ウクライナ、アスタナ) +44"
8位 リーヴァイ・ライプハイマー(アメリカ、アスタナ) +44"
9位 アンドレー・グリブコ(ウクライナ、ISD) +45"
10位 フランチェスコ・ガヴァッツィ(イタリア、ランプレ) +52"
ポイント賞 マリアチクラミーノ
アレッサンドロ・ペタッキ(LPRブレークス、イタリア)
山岳賞 マリアヴェルデ
マウロ・ファッチ(イタリア、クイックステップ)
新人賞 マリアビアンカ
タイラー・ファラー(アメリカ、ガーミン・スリップストリーム)
チーム総合成績
チームコロンビア
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