ツール・ド・フランス2011第3ステージは全長198kmの平坦ステージ。スプリント勝負を制したのは勢いに乗るガーミン・サーヴェロのタイラー・ファラー。マイヨジョーヌが発射台になる珍しいゴールシーンだった。

ステージ優勝したタイラー・ファラー(アメリカ、ガーミン・サーヴェロ)

Wサインでゴールするタイラー・ファラー(アメリカ、ガーミン・サーヴェロ)Wサインでゴールするタイラー・ファラー(アメリカ、ガーミン・サーヴェロ) photo:Makoto Ayanoこの勝利をこの数年のあいだ追い求めてきた。あとわずかということが何度もあって、やっと勝てたので安心している。昨日(チームTTで)勝ったのは信じられないことだった。もう夢がひとつ叶った。それはツールの表彰台に立つことだった。そして、今日もまた表彰台に立った……うまく事態を把握できないよ。

ぼくたちも強いトレインを組めるということを示せたと思う。先頭にデイヴ・ミラー、次にトル(フースホフト)、それからジュリアン(ディーン)、最後にぼく。2009年から改良に改良を重ね、だんだんうまく機能するようになってきた。

レース後の記者会見に臨むタイラー・ファラー(アメリカ、ガーミン・サーヴェロ)レース後の記者会見に臨むタイラー・ファラー(アメリカ、ガーミン・サーヴェロ) photo:Makoto Ayanoチームタイムトライアルは特別だった。あの勝利はチーム全体のものだから。でも、スプリントで勝つのは……あぁ、子どもの頃からの夢だったんだ。やっとかなった。信じられないことに、マイヨジョーヌを着た世界チャンピオンがぼくのために牽いてくれた。普通の光景じゃないよね。でも、そんなことになったら、スプリントを頑張らないわけにはいかない。それに7月4日(アメリカ独立記念日)に勝てたのも、今日すべてがうまくいった証だ。

この勝利はワウテル(ジロ・デ・イタリア第3ステージで事故死したワウテル・ウェイラント)に捧げる。大きな喪失感が続いている。あれ以来、苦しい日々を送ってきたよ……でもこのツールでいい働きを見せたかったし、彼の追悼になることをしたかった。それを叶えることができてうれしい。

引き続きマイヨジョーヌのトル・フースホフト(ノルウェー、ガーミン・サーヴェロ)

今日の目的はタイラー(ファラー)を勝たせて、マイヨジョーヌをキープすることだった。昨日勝ってマイヨジョーヌを手にして、今日もチームが勝った。完璧だよ。この幸運が続くかどうかは明日わかることだけれどね。

ステージ3位でポイント賞を獲得したホセホアキン・ロハス(スペイン、モビスター)

ステージ3位のホセホアキン・ロハス(スペイン、モビスター)がマイヨヴェールを獲得ステージ3位のホセホアキン・ロハス(スペイン、モビスター)がマイヨヴェールを獲得 photo:Makoto Ayanoこのマイヨヴェールは支払ってきた多くの犠牲の代償だよ。これを着ることができて、ほんとうにうれしい。目標のひとつだったからね。あと、ステージ優勝も目標だ。今日はふたつの目標が達成できる可能性を示せた。

(最後のスプリントは)危険だった。最後のコーナーを曲がってから、少し遅れてしまったので、前に出るのが難しくなった。長いスプリントしたのは、さらに身動きが取れなくなるのが怖かったんだ。残念ながら少し力が足りなかった。隊列から飛び出して追い抜くだけの余力がなかったんだ。勝てなかったけど、スプリントしていなければ、このジャージを着ることもなかっただろう。今はとても自信が満ち溢れている。この先も挑戦し続けるつもりだよ。

明日もやってみるつもりだ。厳しいゴールだし、ジルベールは無敵に見える。でも、がんばるよ。マイヨヴェールをパリまで着続けること? もちろん。それができないと思っていたら勝負しないさ。自分のレベルが最高なのを示せたし、最後の最後まで戦うつもりだ。

マイヨアポワを着るフィリップ・ジルベール(ベルギー、オメガファーマ・ロット)

フィリップ・ジルベール(ベルギー、オメガファーマ・ロット)がマイヨアポワをキープフィリップ・ジルベール(ベルギー、オメガファーマ・ロット)がマイヨアポワをキープ photo:Makoto Ayano今回のツールがスタートしてから、ほとんどすべてのジャージに袖を通した。明日は山岳賞の水玉ジャージだ。集めてみると壮観だよ。ミュール・ド・ブルターニュに向かうステージをずっと待っていた。ぼくに最適のステージだからね。また勝利を目指すよ。

モン・デザルエットのステージ(第1ステージ)とは違う展開になりそうだ。あのときとは状況が異なる……たとえば、アルベルト・コンタドールはタイムを失っている。彼は第4ステージで取り戻そうとするかもしれない。彼とぼくが協調体制をとってもいいし、少しの間、彼に牽いてもらうこともあるかも知れない。

マイヨブランを着るジェレイント・トーマス(イギリス、チームスカイ)

マイヨブランはジェレイント・トーマス(イギリス、チームスカイ)がキープマイヨブランはジェレイント・トーマス(イギリス、チームスカイ)がキープ photo:Makoto Ayanoあそこは大虐殺の現場みたいだったよ。ツールの序盤のスプリントにはよくあることだ。序盤は落ち着いてたから、元気な選手が大勢いた。あちこちで肘なんかで小競り合いがあったよ。

エドヴァルド(ボアッソン)が後ろに付いていると思ったけれど、誰かに落とされていた。アタックみたいなことはしなかった。アタックが決まらないことがわかるくらいの利口さはあるんだ。

スウィフティ(ベン・スウィフト)もエドヴァルドに付いていた。ふたりとも抜け出せていたら、完璧な状況に持ち込めたんだけど、不運なことに、ふたりともラインから落とされてしまったんだ。

ガーミンの選手が何人か残っていた。振り返ってそれがトル(フースホフト)とタイラー(ファラー)とジュリアン(ディーン)だとわかった。いい走りができるわけだよ。

スプリントに残れなかったベン・スウィフト(イギリス、チームスカイ)

えーっと、あれはちょっと頭に血が上っていただけだ。今日はG(ジェレイント・トーマス)とエディ(ボアッソン)がよく働いてくれた。あの混乱の中で互いを見失ったのは恥ずかしいよ。また次の機会にやってみるさ。

トレインを維持できなかったマーク・レンショー(オーストラリア、HTC・ハイロード)

みんなでいい走りをしたけれど、人数が足りなくて捕まってしまった。カヴがその場でなんとかしようとしたけれど、うまくいかなかった。カミカゼアタックが続出してやりにくくなったんだ。

中間スプリントの小競り合いで降格されたマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、HTC・ハイロード)

いま知ったんだけど、トル(フースホフト)とぼくの今日の中間スプリントのポイントが無くなってる。まじでわからないんだけど、なんで? がっかりだよ。聞いたところによると、トルがペナルティを単独で引き受けると申し出たらしい。まさに紳士。それで事態が変わるとは思わない。でも、ありがとう。

ソースは現地取材、記者会見、チーム公式ウェブサイト、選手個人のウェブサイトおよびTwitter、Facebookなど。

translation&text:Taiko YAMASAKI + Seiya YAMASAKI

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