2011/07/03(日) - 22:23
いよいよツール・ド・フランスが開幕。第1ステージは登りゴールが得意なジルベールが下馬評通りに制覇。一方で、ゴール手前の落車でメイン集団が分裂。初日から総合優勝候補へ大きな影響を及ぼした。
ステージ優勝と3賞を獲得したフィリップ・ジルベール(ベルギー、オメガファーマ・ロット)
今シーズンは信じられない出来だ。ここまで、難しくて大きなレースにたくさん勝利できるなんて。フレーシュ・ワロンヌでの優勝以来、出場したレースで立て続けに勝っているんだ。ある意味記録だと思う。
重要なのは、いまのチームだ。ひとりでは絶対に勝てないからね。チームのみんなに感謝するのは大事だよ。彼らがいなかったら、いま手にしているものは得られなかったからね。
リエージュ〜バストーニュ〜リエージュで勝つのは、生まれてからずっと夢だった。もうひとつの夢が、ツール・ド・フランスでステージ優勝して、マイヨ・ジョーヌを着ることだったんだ。これは若手のころから夢みていたことだ。同じように、どんな若い選手も、マイヨ・ジョーヌを身にまとう夢を持ってると思うよ。
いますぐには今日の出来事の実感は沸きにくい。実感するのはホテルに戻るころだと思うよ。
ステージ2位 カデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシングチーム)
ジョージ(ヒンカピー)のアシストがよかったんで、登りに入るところで位置取りが完璧にできたんだ。慎重に走るつもりだったけど、カチューシャやアスタナの選手がアタックして差が縮んできた。だから、ジルベールを抜こうとしてみたけど、タイミングが少し遅かったね。
(明日のチームタイムトライアルは)また別の重要な試練になるだろう。できれば今日と同じように秒数を稼げればいいんだけど。そうできれば最高だね。
ステージ3位のトル・フースホフト(ノルウェー、ガーミン・サーヴェロ)
少しがっかりしている。今日はチーム一丸となって勝つつもりだったからね。
ハードな一日だった。チームの全員が懸命に逃げを追走した。向かい風もあったし、落車もあって、問題がややこしくなった。ジルベールがアタックしたときは、ついていくのが大変だった。でも、このチームは強くて、しっかり走れた。だからこの結果は幸先がいいよ。
新人賞のジェレイント・トーマス(イギリス、チームスカイ)
ベルギーのクラシックレースみたいに小競り合いがあった。トラック競技のように、ひじでやり合ったりね。
あの落車があって、多くの選手が遅れた。ちょっと巻き込まれたけれど、その場にいた誰にとっても同じことだった。脚はあったから、ちょっと前に出ようとしたら、巻き込まれたんだ。調子はよかったし、明日も充分いけるよ。明日はほんとうの意味で勝負するチャンスがある。
(新人賞ジャージには)身体が馴染んでるよ。これを着るのはいつだっていい気分だ。新人賞はうれしい驚きだ。考えてもなかったからね。
1分20秒の差がついたアルベルト・コンタドール(スペイン、サクソバンク・サンガード)
難しい一日だった。緊張する場面がたくさんあって、ずっと前に位置取りしていた。あのときも位置取りを間違えたわけじゃない。でも道幅が広くて、選手が多かった。
集団の先頭に近いところにいたけれど、すぐ前の選手たちが落車した。なんとか止まることはできたけれど、落車した自転車を越えていかなければならなかった。
再スタートしたときは、集団ははるか先に行ってしまっていた。そのときチームメイトのひとりが一緒にいたし、前方にもうひとりいた。でも、かなりのタイムを失ってしまった。自転車競技とはこういうものだ。レースは高速で動き、自分はなにもできない。そういうときは、前を向いて進むだけだ。
実際、レースはこういうものだ。今日はぼくに起こったことだけど、明日は他の誰かかもしれない。今日は運がよかったとは言えないけれど、ツールは長い。楽観的になって、やる気を持ち続けることだね。これが重要だ。
(明日のチームTTは)このチームよりいい結果を出すチームもあるだろうし、しっかりと準備してるチームもあるだろう。だから、差が大きくならないことを願うよ。差がついてしまうと、今日のタイム差と合わせて、とてもやっかいなことになってしまう。
(このタイム差で)かえって気力が湧いてきた。調子はいい。初日にこんなに時間を失なってしまうと、ちょっとは悩ましいよ。今日のレースでは、1分15秒差で負けてしまった。このタイム差は、総合優勝候補が相手となると、取り戻すのに苦労しそうだ。
サクソバンク・サンガードのリース監督
ツール・ド・フランスの序盤によく起こりがちな、不運なできごとのひとつだ。今日、アルベルトは今回は運がなかっただけで、総合優勝のライバルたちと差がついてしまった。でも、ツールは始まったばかり。運がいいことに、パリまでは長いんだ。
残り9km地点で観客と接触したマキシム・イグリンスキー(カザフスタン、アスタナ)
ぼくがちょうど横に来たときに向きを変えたファンに押された。集団は密集していて、ほかにどうしようもなかったんだ。
観客にお願いするローレンス・テンダム(オランダ、ラボバンク)
みんな! 頼むからコースには立ち入らないで!
観客との接触を警戒するマーク・レンショー(オーストラリア、HTC・ハイロード)
今日コース上に出なかった観客のみんな、ありがとう。コースに出たやつ、やりすぎだろ! 頼むから下がってくれよ……まったくもう。
序盤に逃げたリエーベ・ヴェストラ(オランダ、ヴァカンソレイユ・DCM)
いつもは勝とうと思ってアタックするんだ。でも今回は3人しかいなかったし、それは無理だとすぐにわかった。これはツール・ド・フランスであって、アマチュアレースじゃないんだ。
勝つことを夢見たのは一度や二度じゃなかった。でもとにかく、自分の仕事は果たした。この3週間で、自分の価値を示せない選手もいるかも知れない。でもそれは、ぼくらのチームの役目じゃない。こんなふうに落車に巻き込まれる形でステージが終わったのはほんとうに残念だけど、近いうちにまた次の成功を目指して挑戦してみようと思う。
ソースは現地取材、記者会見、チーム公式ウェブサイト、選手個人のウェブサイトおよびTwitter、Facebookなど。
translation & text : Taiko.YAMASAKI + Seiya.YAMASAKI
ステージ優勝と3賞を獲得したフィリップ・ジルベール(ベルギー、オメガファーマ・ロット)
今シーズンは信じられない出来だ。ここまで、難しくて大きなレースにたくさん勝利できるなんて。フレーシュ・ワロンヌでの優勝以来、出場したレースで立て続けに勝っているんだ。ある意味記録だと思う。
重要なのは、いまのチームだ。ひとりでは絶対に勝てないからね。チームのみんなに感謝するのは大事だよ。彼らがいなかったら、いま手にしているものは得られなかったからね。
リエージュ〜バストーニュ〜リエージュで勝つのは、生まれてからずっと夢だった。もうひとつの夢が、ツール・ド・フランスでステージ優勝して、マイヨ・ジョーヌを着ることだったんだ。これは若手のころから夢みていたことだ。同じように、どんな若い選手も、マイヨ・ジョーヌを身にまとう夢を持ってると思うよ。
いますぐには今日の出来事の実感は沸きにくい。実感するのはホテルに戻るころだと思うよ。
ステージ2位 カデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシングチーム)
ジョージ(ヒンカピー)のアシストがよかったんで、登りに入るところで位置取りが完璧にできたんだ。慎重に走るつもりだったけど、カチューシャやアスタナの選手がアタックして差が縮んできた。だから、ジルベールを抜こうとしてみたけど、タイミングが少し遅かったね。
(明日のチームタイムトライアルは)また別の重要な試練になるだろう。できれば今日と同じように秒数を稼げればいいんだけど。そうできれば最高だね。
ステージ3位のトル・フースホフト(ノルウェー、ガーミン・サーヴェロ)
少しがっかりしている。今日はチーム一丸となって勝つつもりだったからね。
ハードな一日だった。チームの全員が懸命に逃げを追走した。向かい風もあったし、落車もあって、問題がややこしくなった。ジルベールがアタックしたときは、ついていくのが大変だった。でも、このチームは強くて、しっかり走れた。だからこの結果は幸先がいいよ。
新人賞のジェレイント・トーマス(イギリス、チームスカイ)
ベルギーのクラシックレースみたいに小競り合いがあった。トラック競技のように、ひじでやり合ったりね。
あの落車があって、多くの選手が遅れた。ちょっと巻き込まれたけれど、その場にいた誰にとっても同じことだった。脚はあったから、ちょっと前に出ようとしたら、巻き込まれたんだ。調子はよかったし、明日も充分いけるよ。明日はほんとうの意味で勝負するチャンスがある。
(新人賞ジャージには)身体が馴染んでるよ。これを着るのはいつだっていい気分だ。新人賞はうれしい驚きだ。考えてもなかったからね。
1分20秒の差がついたアルベルト・コンタドール(スペイン、サクソバンク・サンガード)
難しい一日だった。緊張する場面がたくさんあって、ずっと前に位置取りしていた。あのときも位置取りを間違えたわけじゃない。でも道幅が広くて、選手が多かった。
集団の先頭に近いところにいたけれど、すぐ前の選手たちが落車した。なんとか止まることはできたけれど、落車した自転車を越えていかなければならなかった。
再スタートしたときは、集団ははるか先に行ってしまっていた。そのときチームメイトのひとりが一緒にいたし、前方にもうひとりいた。でも、かなりのタイムを失ってしまった。自転車競技とはこういうものだ。レースは高速で動き、自分はなにもできない。そういうときは、前を向いて進むだけだ。
実際、レースはこういうものだ。今日はぼくに起こったことだけど、明日は他の誰かかもしれない。今日は運がよかったとは言えないけれど、ツールは長い。楽観的になって、やる気を持ち続けることだね。これが重要だ。
(明日のチームTTは)このチームよりいい結果を出すチームもあるだろうし、しっかりと準備してるチームもあるだろう。だから、差が大きくならないことを願うよ。差がついてしまうと、今日のタイム差と合わせて、とてもやっかいなことになってしまう。
(このタイム差で)かえって気力が湧いてきた。調子はいい。初日にこんなに時間を失なってしまうと、ちょっとは悩ましいよ。今日のレースでは、1分15秒差で負けてしまった。このタイム差は、総合優勝候補が相手となると、取り戻すのに苦労しそうだ。
サクソバンク・サンガードのリース監督
ツール・ド・フランスの序盤によく起こりがちな、不運なできごとのひとつだ。今日、アルベルトは今回は運がなかっただけで、総合優勝のライバルたちと差がついてしまった。でも、ツールは始まったばかり。運がいいことに、パリまでは長いんだ。
残り9km地点で観客と接触したマキシム・イグリンスキー(カザフスタン、アスタナ)
ぼくがちょうど横に来たときに向きを変えたファンに押された。集団は密集していて、ほかにどうしようもなかったんだ。
観客にお願いするローレンス・テンダム(オランダ、ラボバンク)
みんな! 頼むからコースには立ち入らないで!
観客との接触を警戒するマーク・レンショー(オーストラリア、HTC・ハイロード)
今日コース上に出なかった観客のみんな、ありがとう。コースに出たやつ、やりすぎだろ! 頼むから下がってくれよ……まったくもう。
序盤に逃げたリエーベ・ヴェストラ(オランダ、ヴァカンソレイユ・DCM)
いつもは勝とうと思ってアタックするんだ。でも今回は3人しかいなかったし、それは無理だとすぐにわかった。これはツール・ド・フランスであって、アマチュアレースじゃないんだ。
勝つことを夢見たのは一度や二度じゃなかった。でもとにかく、自分の仕事は果たした。この3週間で、自分の価値を示せない選手もいるかも知れない。でもそれは、ぼくらのチームの役目じゃない。こんなふうに落車に巻き込まれる形でステージが終わったのはほんとうに残念だけど、近いうちにまた次の成功を目指して挑戦してみようと思う。
ソースは現地取材、記者会見、チーム公式ウェブサイト、選手個人のウェブサイトおよびTwitter、Facebookなど。
translation & text : Taiko.YAMASAKI + Seiya.YAMASAKI
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