2011/06/19(日) - 00:25
世界のダウンヒルレースを回る末政実緒(Team FUNFANCY/INTENSE)のワールドカップ参戦レポートをお届けする。今回はヨーロッパでの6月3-5日の第二戦スコットランド・フォートウィリアムと6月10-12日の第三戦オーストリア・レオガンの2連戦に参加した。
ワールドカップ第2,3戦を終えた末政。第2戦フォートウィリアム大会では他の選手の練習量の差を感じ、第3戦レオガン大会では雨による路面の変化に戸惑ったようだ。
結果はフォートウィリアム・レオガンとも11位とTOP10から落ちてしまった。次回は北米での2連戦で挽回を図る。
末政美緒からのコメント
「先日無事にヨーロッパ遠征より帰国しました。2週間ほど日本に滞在後、次は6月28日からワールドカップカナダ大会、アメリカ大会の北米遠征へ向かいます。北米遠征後すぐに7月16日には全日本選手権に出場します。体調には気を付けて次の3連戦に備えたいと思います」
MTBワールドカップDHI第2戦スコットランド
大会名:UCI Mountain Bike World Cup#2
開催地:スコットランド・フォートウィリアム
開催日:2011年6月3-5日
順位:11位
天気:くもり
バイク:INTENSE M9
ワールドカップ第2戦はイギリス北部スコットランドのフォートウィリアムで開催されました。ワールドカップではもうすっかりお馴染みのこのフォートウィリアム、今年で10年目の節目を迎えました。
2002年ワールドカップを本格的に参戦始めた年の第1戦目が、ちょうどここフォートウィリアムでの初開催で、その後毎年欠かさず出場しています。
毎年すごい数の観客がコースを埋め尽くし、ワールドカップの中で一番盛り上がるイベントで、毎年行くのを楽しみにしている会場でもあります。
今も昔も基本的にコースは変わらず、前半が拓けたハイスピードで縦の動きが激しいセクションが続き、後半につれて林の中のシングルトラックで傾斜も緩くな り、漕ぎが多くなってきます。終盤にはジャンプが続きゴールと、同じコースはなのに景色もコースの雰囲気もガラッと変わる2.8kmのロングコースです。
初開催のときは雨の対策がされていなかったので、フロントタイヤが泥に埋まるぐらい深くものすごく走りづらかったのですが、年々レイアウトが進化し走りやすくなり、コースもよりハイスピード化しています。
第1戦目南アフリカ大会以降大会がなく、日本でのダウンヒル練習のみで第2戦を迎えましたが、日本にはない縦の動き、バイクのセッティングと身体が噛み合わず苦戦しながらの試走でした。
それに加え上半身が痛くなるほどの路面からの衝撃、南アフリカが比較的スムーズな路面だったこともあり、試走ですでに腕も疲労が溜まっていました。
そんな中の予選。いまいちスピードの乗りが良くない感覚がありましたが、大きなミスや転倒はなく10位で予選を終えました。
予選の結果
1. Rachel Atherton
2. Tracy Moseley
3. Floriane Pugin
4. Myriam Nicole
5. Manon Carpenter
10. 末政実緒
予選を終え何かが違う、セッティングが違うのでは?と思い変えてみました。方向性は間違っていなかったようで、フィーリングはよくなりましたが、決勝まで残された時間はもうなく、あとは自分を信じて決勝を走るのみとなりました。
予選に比べると決勝をはだいぶ攻めて走れていました。ただ前に行かなければという気持ちが先行して、小さなミスが目立ち、決勝は11位でした。
決勝の結果
1. Tracy Moseley
2. Rachel Atherton
3. Floriane Pugin
4. Myriam Nicole
5. Sabrina Jonnier
11. 末政実緒
オフシーズン南半球でダウンヒル練習やレースに出ていた選手、今大会前にヨーロッパで何戦かレースに出ていた選手に比べ、少し遅れをとっている感じが今回のレースでは感じました。
しかしながらそれは言い訳にはならず、少しでも追いつけるように努力するのみです。
連戦で今週末にはワールドカップのオーストリア大会がありますが、少しでも差を詰められるように考えながら走りたいと思います。
MTBワールドカップDHI第3戦オーストリア大会
大会名:UCI MountainBike World Cup#3
開催地:オーストリア・レオガン
開催日:2011年6月10-12日
天気:くもり(マッドコンディション)
順位:Downhill Women 11位
使用バイク:INTENSE M9
スコットランド・フォートウィリアム大会が終わり、ワールドカップ第3戦の開催地オーストリア・ザルツブルグ地方にあるレオガンへと移動しました。
レオガンでのワールドカップは昨年に引き続き2回目、2012年の世界選手権大会の会場でもあります。
オーストリアにはスキー場が数多くあり、夏にはバイクパークとしてゴンドラを動かしている所が多く、会場となっているレオガンも夏場はバイクパークとして走ることが出来ます。
コースはバイクパークのコースを使いながら少しレイアウトを変えて作られていました。前週のスコットランドの長くハイスピードなコースから一転、レオガンのコースは全長と短くコーナーが多く、森の中のセクションがは木の根が張りめぐり、中盤 のバイクパークのセクションは平らで、コーナーリングのテクニック、滑りやすい木の根のこなし、平らなジャンプセクションでの漕ぎのパワーが求められる コースでした。
毎日のように降る雨で全体的に路面が柔らかく、森の中では水が流れ常に滑りやすい状態でした。
柔らかく滑りやすい路面でほとんどのライダーがマッドタイヤを履いていたので、コースはみるみるうちに荒れコースを走る度に状況が変わるほど荒れるスピードが早かったです。
こういう状況こそサスペンションのセッティングは重要で、前回上手く行かなかったポイントなので今回は重点をおいて試走を繰り返しました。
フォートウィリアムよりセッティングが落ち着きホッとしたのもつかの間、次はコースの攻略。
毎日夕方に雨が降ることが多く昼間は晴れ間も見える時があり、午前と午後のコンディションの変化、刻一刻と変わるコース状況等、色んな要素がありとても難しかったです。
それに加えジャンプセクションではスピードに乗せることが出来ず、クリアするのに手こずりました。
試走2日目、前夜雨が降った影響でコースはさらにコンディションが悪くなり、午前中の試走時間は攻略にいつもより多く本数をこなし、午後から予選を迎えました。
いつもより多めに走ったせいか、少し疲れが出てしまいペースがあまり上がらずにいましたが、転倒もなく大きなミスもなく予選は14位で通過しました。
予選の結果
1. Froliane Pugin
2. Rachel Atherton
3. Tracy Moseley
4. Jill Kintner
5. Sabrina Jonnier
14. 末政実緒
決勝当日、前日の夕方から朝方まで雨が降りコンディションは悪化。前半の柔らかい路面のセクションはぬかるみ、タイヤの溝がどんどん掘れていきとても走りにくい状態に。
前年も決勝の前半は同じようなコンディションで前転した記憶があるので、あまり気持ちが先攻し過ぎないよう注意走りました。
その後は徐々にペースを上げていきましたが、後半に行くにつれて少しずつ路面の荒れにバイクの抑えがきかなくなり、終盤でコントロールを失ってしまいラインを外して壁に当たりそうになりました。
幸い転倒は逃れましたが失速してしまい11位で決勝を終えました。
決勝の結果
1. Froliane Pugin
2. Rachel Atherton
3. Tracy Moseley
4. Myriam Nicole
5. Sabrina Jonnier
11. 末政実緒
トップ10入りが出来なかったこのヨーロッパ2戦、どうすれば?と深く考えがちですが、こういう時こそ初心に戻り楽しく、そして自信を持って走る事が大切だなと思います。失敗を恐れず上を目指して突き進みたいです。
次のレースは、ワールドカップ第4戦カナダ・モンサンタン大会です。ヨーロッパから北米へ、今回のレースで得た物を生かしつつ、気持ちを切り替えて頑張りたいと思います!
応援ありがとうございました。
text&photo:Mio Suemasa/末政実緒(Team FUNFANCY/INTENSE)
edit: Akihiro.Nakao
ワールドカップ第2,3戦を終えた末政。第2戦フォートウィリアム大会では他の選手の練習量の差を感じ、第3戦レオガン大会では雨による路面の変化に戸惑ったようだ。
結果はフォートウィリアム・レオガンとも11位とTOP10から落ちてしまった。次回は北米での2連戦で挽回を図る。
末政美緒からのコメント
「先日無事にヨーロッパ遠征より帰国しました。2週間ほど日本に滞在後、次は6月28日からワールドカップカナダ大会、アメリカ大会の北米遠征へ向かいます。北米遠征後すぐに7月16日には全日本選手権に出場します。体調には気を付けて次の3連戦に備えたいと思います」
MTBワールドカップDHI第2戦スコットランド
大会名:UCI Mountain Bike World Cup#2
開催地:スコットランド・フォートウィリアム
開催日:2011年6月3-5日
順位:11位
天気:くもり
バイク:INTENSE M9
ワールドカップ第2戦はイギリス北部スコットランドのフォートウィリアムで開催されました。ワールドカップではもうすっかりお馴染みのこのフォートウィリアム、今年で10年目の節目を迎えました。
2002年ワールドカップを本格的に参戦始めた年の第1戦目が、ちょうどここフォートウィリアムでの初開催で、その後毎年欠かさず出場しています。
毎年すごい数の観客がコースを埋め尽くし、ワールドカップの中で一番盛り上がるイベントで、毎年行くのを楽しみにしている会場でもあります。
今も昔も基本的にコースは変わらず、前半が拓けたハイスピードで縦の動きが激しいセクションが続き、後半につれて林の中のシングルトラックで傾斜も緩くな り、漕ぎが多くなってきます。終盤にはジャンプが続きゴールと、同じコースはなのに景色もコースの雰囲気もガラッと変わる2.8kmのロングコースです。
初開催のときは雨の対策がされていなかったので、フロントタイヤが泥に埋まるぐらい深くものすごく走りづらかったのですが、年々レイアウトが進化し走りやすくなり、コースもよりハイスピード化しています。
第1戦目南アフリカ大会以降大会がなく、日本でのダウンヒル練習のみで第2戦を迎えましたが、日本にはない縦の動き、バイクのセッティングと身体が噛み合わず苦戦しながらの試走でした。
それに加え上半身が痛くなるほどの路面からの衝撃、南アフリカが比較的スムーズな路面だったこともあり、試走ですでに腕も疲労が溜まっていました。
そんな中の予選。いまいちスピードの乗りが良くない感覚がありましたが、大きなミスや転倒はなく10位で予選を終えました。
予選の結果
1. Rachel Atherton
2. Tracy Moseley
3. Floriane Pugin
4. Myriam Nicole
5. Manon Carpenter
10. 末政実緒
予選を終え何かが違う、セッティングが違うのでは?と思い変えてみました。方向性は間違っていなかったようで、フィーリングはよくなりましたが、決勝まで残された時間はもうなく、あとは自分を信じて決勝を走るのみとなりました。
予選に比べると決勝をはだいぶ攻めて走れていました。ただ前に行かなければという気持ちが先行して、小さなミスが目立ち、決勝は11位でした。
決勝の結果
1. Tracy Moseley
2. Rachel Atherton
3. Floriane Pugin
4. Myriam Nicole
5. Sabrina Jonnier
11. 末政実緒
オフシーズン南半球でダウンヒル練習やレースに出ていた選手、今大会前にヨーロッパで何戦かレースに出ていた選手に比べ、少し遅れをとっている感じが今回のレースでは感じました。
しかしながらそれは言い訳にはならず、少しでも追いつけるように努力するのみです。
連戦で今週末にはワールドカップのオーストリア大会がありますが、少しでも差を詰められるように考えながら走りたいと思います。
MTBワールドカップDHI第3戦オーストリア大会
大会名:UCI MountainBike World Cup#3
開催地:オーストリア・レオガン
開催日:2011年6月10-12日
天気:くもり(マッドコンディション)
順位:Downhill Women 11位
使用バイク:INTENSE M9
スコットランド・フォートウィリアム大会が終わり、ワールドカップ第3戦の開催地オーストリア・ザルツブルグ地方にあるレオガンへと移動しました。
レオガンでのワールドカップは昨年に引き続き2回目、2012年の世界選手権大会の会場でもあります。
オーストリアにはスキー場が数多くあり、夏にはバイクパークとしてゴンドラを動かしている所が多く、会場となっているレオガンも夏場はバイクパークとして走ることが出来ます。
コースはバイクパークのコースを使いながら少しレイアウトを変えて作られていました。前週のスコットランドの長くハイスピードなコースから一転、レオガンのコースは全長と短くコーナーが多く、森の中のセクションがは木の根が張りめぐり、中盤 のバイクパークのセクションは平らで、コーナーリングのテクニック、滑りやすい木の根のこなし、平らなジャンプセクションでの漕ぎのパワーが求められる コースでした。
毎日のように降る雨で全体的に路面が柔らかく、森の中では水が流れ常に滑りやすい状態でした。
柔らかく滑りやすい路面でほとんどのライダーがマッドタイヤを履いていたので、コースはみるみるうちに荒れコースを走る度に状況が変わるほど荒れるスピードが早かったです。
こういう状況こそサスペンションのセッティングは重要で、前回上手く行かなかったポイントなので今回は重点をおいて試走を繰り返しました。
フォートウィリアムよりセッティングが落ち着きホッとしたのもつかの間、次はコースの攻略。
毎日夕方に雨が降ることが多く昼間は晴れ間も見える時があり、午前と午後のコンディションの変化、刻一刻と変わるコース状況等、色んな要素がありとても難しかったです。
それに加えジャンプセクションではスピードに乗せることが出来ず、クリアするのに手こずりました。
試走2日目、前夜雨が降った影響でコースはさらにコンディションが悪くなり、午前中の試走時間は攻略にいつもより多く本数をこなし、午後から予選を迎えました。
いつもより多めに走ったせいか、少し疲れが出てしまいペースがあまり上がらずにいましたが、転倒もなく大きなミスもなく予選は14位で通過しました。
予選の結果
1. Froliane Pugin
2. Rachel Atherton
3. Tracy Moseley
4. Jill Kintner
5. Sabrina Jonnier
14. 末政実緒
決勝当日、前日の夕方から朝方まで雨が降りコンディションは悪化。前半の柔らかい路面のセクションはぬかるみ、タイヤの溝がどんどん掘れていきとても走りにくい状態に。
前年も決勝の前半は同じようなコンディションで前転した記憶があるので、あまり気持ちが先攻し過ぎないよう注意走りました。
その後は徐々にペースを上げていきましたが、後半に行くにつれて少しずつ路面の荒れにバイクの抑えがきかなくなり、終盤でコントロールを失ってしまいラインを外して壁に当たりそうになりました。
幸い転倒は逃れましたが失速してしまい11位で決勝を終えました。
決勝の結果
1. Froliane Pugin
2. Rachel Atherton
3. Tracy Moseley
4. Myriam Nicole
5. Sabrina Jonnier
11. 末政実緒
トップ10入りが出来なかったこのヨーロッパ2戦、どうすれば?と深く考えがちですが、こういう時こそ初心に戻り楽しく、そして自信を持って走る事が大切だなと思います。失敗を恐れず上を目指して突き進みたいです。
次のレースは、ワールドカップ第4戦カナダ・モンサンタン大会です。ヨーロッパから北米へ、今回のレースで得た物を生かしつつ、気持ちを切り替えて頑張りたいと思います!
応援ありがとうございました。
text&photo:Mio Suemasa/末政実緒(Team FUNFANCY/INTENSE)
edit: Akihiro.Nakao
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