1級山岳ラグーナ・デ・ロス・ペセスの頂上ゴールが設定されたブエルタ・ア・カスティーリャ・イ・レオン(UCI2.1)第3ステージ。王者アルベルト・コンタドール(スペイン、サクソバンク・サンガード)が相次ぐトラブルで遅れる中、フィリッポ・サヴィーニ(イタリア、コルナゴ・CSFイノックス)が金星を飾った。

ブエルタ・ア・カスティーリャ・イ・レオン第3ステージ・コースプロフィールブエルタ・ア・カスティーリャ・イ・レオン第3ステージ・コースプロフィール photo:www.vueltacastillayleon.com2011年4月15日、ベナベンテをスタートし、標高184mの1級山岳ペニョン峠を越えて1級山岳ラグーナ・デ・ロス・ペセスにゴールする157kmで行なわれた第3ステージ。今大会最初で最後の頂上ゴールであり、重要な総合争いの場となる。ジロ・デ・イタリア出場を控える2010年大会覇者コンタドールの走りに注目が集まった。

メイン集団をコントロールするサクソバンク・サンガードメイン集団をコントロールするサクソバンク・サンガード photo:www.vueltacastillayleon.comレースは開始直後から落車が多発する荒れた展開で、ミゲル・ミンゲス(スペイン、エウスカルテル)やイバンラミロ・パッラ(コロンビア、EPM・UNE)らが病院へと搬送。22km地点で7名の逃げが決まるとレースは落ち着きを取り戻した。

ゴールに向かって独走するフィリッポ・サヴィーニ(イタリア、コルナゴ・CSFイノックス)ゴールに向かって独走するフィリッポ・サヴィーニ(イタリア、コルナゴ・CSFイノックス) photo:www.vueltacastillayleon.com逃げたのはハビエル・アラメンディア(スペイン、エウスカルテル)やマルコ・クンプ(スロベニア、ジェオックス・TMC)ら。しかしタイム差は4分で頭打ち。結局逃げグループは最初の1級山岳ペニョン峠の登りで捕らえられた。

その後もアタックが繰り返され、最後の1級山岳ラグーナ・デ・ロス・ペセスを前にダリオダヴィデ・チオーニ(イタリア、チームスカイ)、トムイェルテ・スラグテル(オランダ、ラボバンク)、ラファエル・インファンティーノ(コロンビア、EPM・UNE)の3名が抜け出した。

やがてラグーナ・デ・ロス・ペセスの本格的な登りが始まると先頭からインファンティーノが脱落。先行したチオーニとスラグテルを、コンタドール、ローレンス・テンダム(オランダ、ラボバンク)、ダルウィン・アタプマ(コロンビア、コロンビア・エス・パシオン)の3名が追った。

しかしコンタドールは駆動系のトラブルによって失速。テンダムとアタプマも吸収され、代わってメイン集団から飛び出したサヴィーニが先頭のチオーニに合流する。ラスト1kmアーチを前にチオーニを振り切ったサヴィーニが、独走でラグーナ・デ・ロス・ペセスの頂上にゴールした。

サヴィーニはイタリア生まれの25歳クライマー。2008年のツール・ド・ランカウイでは頂上ゴールを制している。

後続はバウク・モレマ(オランダ、ラボバンク)とドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、コルナゴ・CSFイノックス)を先頭に7秒遅れでゴール。ステージ優勝したサヴィーニが前日までのステージで総合順位を落としていたため、ステージ2位のモレマが総合首位に立った。3秒差でシャビエル・トンド(スペイン、モビスター)とイゴール・アントン(スペイン、エウスカルテル)が続いており、翌日の個人タイムトライアルで総合争いは決する。

度重なるメカトラの影響でタイムを失ったコンタドールは2分50秒遅れでフィニッシュ。総合では26位にダウンし、実質的に大会連覇の夢は潰えた。

レース展開はレース公式サイト、選手コメントはモビスターチーム公式サイトより。

ブエルタ・ア・カスティーリャ・イ・レオン2011第3ステージ結果
1位 フィリッポ・サヴィーニ(イタリア、コルナゴ・CSFイノックス)      3h58'25"
2位 バウク・モレマ(オランダ、ラボバンク)                    +07"
3位 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、コルナゴ・CSFイノックス)
4位 イゴール・アントン(スペイン、エウスカルテル)                +10"
5位 シャビエル・トンド(スペイン、モビスター)
6位 ダリオダヴィデ・チオーニ(イタリア、チームスカイ)              +15"
7位 ロビンソンエドゥアルド・シャラプド(コロンビア、コロンビア・エス・パシオン) +24"
8位 フアンマヌエル・ガラーテ(スペイン、ラボバンク)               +28"
9位 サンティアゴ・フェルナンデス(スペイン、バルボット・エファペル)
10位 ダルウィン・アタプマ(コロンビア、コロンビア・エス・パシオン)

個人総合成績
1位 バウク・モレマ(オランダ、ラボバンク)                13h17'52"
2位 シャビエル・トンド(スペイン、モビスター)                 +03"
3位 イゴール・アントン(スペイン、エウスカルテル)
4位 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、コルナゴ・CSFイノックス)     +06"
5位 ダリオダヴィデ・チオーニ(イタリア、チームスカイ)             +14"
6位 ロビンソンエドゥアルド・シャラプド(コロンビア、コロンビア・エス・パシオン)+17"
7位 サンティアゴ・フェルナンデス(スペイン、バルボット・エファペル)      +21"
8位 ジェローム・コッペル(フランス、ソール・ソジャサン)
9位 リカルド・ガルシア(スペイン、オルベア・コンチネンタル)
10位 セルヒオ・パルディージャ(スペイン、モビスター)              +27"

ポイント賞
フランシスコホセ・ベントソ(スペイン、モビスター)

山岳賞
ラウル・アラルコン(スペイン、バルボット・エファペル)

チーム総合成績
ラボバンク

text:Kei Tsuji
photo:www.vueltacastillayleon.com