2011年4月13日、スペインで第26回ブエルタ・ア・カスティーリャ・イ・レオン(UCI2.1)が開幕した。注目は何と言っても4度目の総合優勝を狙うアルベルト・コンタドール(スペイン、サクソバンク・サンガード)。初日の集団スプリントでフランシスコホセ・ベントソ(スペイン、モビスター)が勝利した。

ブエルタ・ア・カスティーリャ・イ・レオン第1ステージ・コースプロフィールブエルタ・ア・カスティーリャ・イ・レオン第1ステージ・コースプロフィール photo:www.vueltacastillayleon.comブエルタ・ア・カスティーリャ・イ・レオンは、その名の通り、スペイン北部のカスティーリャ・イ・レオン州を舞台にしたステージレース。1985年に初開催され、今年で開催26回目を迎える。5日間の短いステージレースだが、1級山岳にゴールする本格的な山岳ステージや、11.2kmの個人タイムトライアルが登場する。

逃げるラウル・アラルコン(スペイン、バルボット・エファペル)ら7名逃げるラウル・アラルコン(スペイン、バルボット・エファペル)ら7名 photo:www.vueltacastillayleon.comレースにはモビスター、エウスカルテル、チームスカイ、ラボバンク、サクソバンク・サンガードというプロチームの他、スペインを代表するプロコンチネンタル/コンチネンタルチームが出場。

何と言っても注目は、2007年、2008年、2010年大会で総合優勝しているアルベルト・コンタドール(スペイン、サクソバンク・サンガード)だ。コンタドールは今シーズンすでにブエルタ・ア・ムルシアボルタ・シクリスタ・ア・カタルーニャで総合優勝。ジロ・デ・イタリアへの調整も兼ねて、4度目の総合優勝、ならびに今シーズン3つ目のスペインレース制覇を狙う。

ゴールスプリントで先着するフランシスコホセ・ベントソ(スペイン、モビスター)ゴールスプリントで先着するフランシスコホセ・ベントソ(スペイン、モビスター) photo:www.vueltacastillayleon.com初日はメディナ・デ・リオセコからパレンシアまでの174.4km。終盤にかけて3級山岳を含む周回コースを3周する。レースは序盤からハビエル・ラミレス(スペイン、アンダルシア・カハグラナダ)やラウル・アラルコン(スペイン、バルボット・エファペル)ら7名が逃げ、45km地点で12分のリードを築き上げる。

スペインの格下チームの逃げに対し、メイン集団はエウスカルテルやサクソバンク・サンガードと言った強豪チームが牽引。レース後半に入るとチームスカイやモビスター、ラボバンクが集団牽引を担い、ラスト50km地点で6分40秒、ラスト30km地点で3分30秒、ラスト20km地点で1分と、着実にタイム差を削り取る。

今シーズン3勝目を飾ったフランシスコホセ・ベントソ(スペイン、モビスター)今シーズン3勝目を飾ったフランシスコホセ・ベントソ(スペイン、モビスター) photo:www.vueltacastillayleon.com結局逃げはラスト10kmを切ってから吸収。周回コースの3級山岳では、スプリンターのテオ・ボス(オランダ、ラボバンク)、グレーム・ブラウン(オーストラリア、ラボバンク)、ベン・スウィフト(イギリス、チームスカイ)らが脱落した。

90名弱に絞られたメイン集団はハイスピードを維持したままパレンシアへ。メイン集団はトレインを形成するチームスカイを先頭にラスト1kmに突入。チームスカイは予定通りクリス・フルーム(イギリス)、アレックス・ダウセット(イギリス)、ピーター・ケノー(イギリス)の順でリードアウト役を切り離し、ラスト200mでラッセル・ダウニング(イギリス)を発射した。

しかしダウニングは伸びず、ベントソやマヌエル・ベレッティ(イタリア、コルナゴ・CSFイノックス)が勢い良く先頭に。ハイスピードなスプリントでベントソが勝利した。

ベントソは今シーズン3勝目。このカスティーリャ・イ・レオンではステージ通算5勝目だ。リーダージャージに袖を通したベントソは「チームスカイの選手(ダウニング)は早いタイミングでリード役がいなくなったので、距離を残してスプリントを開始した。向かい風が強くて、しかもロングスプリントだったのでタフだったよ。明日もステージ優勝を狙いたい」とコメントしている。

レース展開はレース公式サイト、選手コメントはモビスターチーム公式サイトより。

ブエルタ・ア・カスティーリャ・イ・レオン2011第1ステージ結果
1位 フランシスコホセ・ベントソ(スペイン、モビスター)          4h12'57"
2位 マヌエル・ベレッティ(イタリア、コルナゴ・CSFイノックス)
3位 マルコ・クンプ(スロベニア、ジェオックス・TMC)
4位 ルーク・ロバーツ(オーストラリア、サクソバンク・サンガード)
5位 ラッセル・ダウニング(イギリス、チームスカイ)
6位 フアンホセ・ロバト(スペイン、アンダルシア・カハグラナダ)
7位 ジョナタン・イヴェール(フランス、ソール・ソジャサン)
8位 リカルド・ガルシア(スペイン、オルベア・コンチネンタル)
9位 ホアキン・ソブリノ(スペイン、カハルーラル)
10位 ルーベン・ペレス(スペイン、エウスカルテル)

個人総合成績
1位 フランシスコホセ・ベントソ(スペイン、モビスター)          4h12'57"
2位 マヌエル・ベレッティ(イタリア、コルナゴ・CSFイノックス)
3位 マルコ・クンプ(スロベニア、ジェオックス・TMC)
4位 ルーク・ロバーツ(オーストラリア、サクソバンク・サンガード)
5位 ラッセル・ダウニング(イギリス、チームスカイ)
6位 フアンホセ・ロバト(スペイン、アンダルシア・カハグラナダ)
7位 ジョナタン・イヴェール(フランス、ソール・ソジャサン)
8位 リカルド・ガルシア(スペイン、オルベア・コンチネンタル)
9位 ホアキン・ソブリノ(スペイン、カハルーラル)
10位 ルーベン・ペレス(スペイン、エウスカルテル)

ポイント賞
フランシスコホセ・ベントソ(スペイン、モビスター)

山岳賞
ラウル・アラルコン(スペイン、バルボット・エファペル)

チーム総合成績
バルボット・エファペル

text:Kei Tsuji
photo:www.vueltacastillayleon.com