2011/02/21(月) - 18:40
東京都心で行われた第5回明治神宮外苑クリテリウム。ゴール前でガッツポーズをするほどの圧倒的力で制したのは吉田隼人(鹿屋体育大学)。窪木一茂(日本大学)をゴールポイントで逆転して優勝。シリーズ戦年間王座は西薗良太(東京大学)が守りきった。
2月20日、第5回明治神宮外苑大学クリテリウムが行われた。東京・神宮外苑で行われる大学クリテリウムはすっかり2月の行事として定着。大学生だけでなくJCF登録マスターズ・クリテリウムやオープンライドもあり、観戦だけでなく走る楽しみもあるイベントになっている。
この神宮クリテは、全11戦ある大学生のロードレースカップシリーズの最終戦でもあり、この成績で年間最終順位が決定する。ここまでのリーダーは西薗だが、2位3位とは最終戦の結果如何で入れ替わる可能性のある範囲だ。
大会に先立ち、前日に大学自転車競技フォーラムが行われた。東京都自転車競技連盟会長でもある橋本聖子参議院議員らを迎えて、学業などと競技の両立、日本・韓国・オランダの自転車競技環境などについて意見交換した。
クリテリウムの会場は神宮外苑内の公道等を使う1周1.5kmのコース。180度ターンが1箇所、コーナーやカーブが組み合わされたもので、ホームストレート部分は路面が荒れており、短いが変化に富むものだ。天候は終日曇りで肌寒く、風がややあるコンディションだ。
クラス分けは、男子大学生は学連ロードカテゴリ別に、カテゴリ3のグループ3が2組、カテゴリ1および2のグループ2、そして各大学3名まで出場できるグループ1がある。女子は大学生を含むすべてのJCF登録女子、マスターズは30歳以上のJCF登録男女にて行われた。
レースはポイント方式で、2周に1回、通過順に5、3、2、1点が、さらにゴールポイントが加算されるものだ。
マスターズは8周12kmにて行われ、上位陣は1点差の攻防となり、ポイントでリードしていた小畑郁(なるしまフレンド)が、ゴールは4着だったがそれまでのポイントが生きて逃げ切った。
女子は短距離界の女王、ガールズ競輪でもトップの石井寛子(スーパーKアスリートラボ)が貫録勝ち。前年覇者、近藤美子(鹿屋体育大学)はゴールで1着だったが及ばなかった。
グループ2は山本元喜が逆転優勝
グループ2は12周18km、強豪校のカテゴリ1の選手が多く参加、白熱した戦いに。ゴールを残した最終ポイントでは、野中竜馬(鹿屋体育大学)10点、住吉宏太(日本大学)9点、大中巧基(早稲田大学)8点、山本元喜(鹿屋体育大学)7点。ゴールは12点、10点、8点と続く。ラスト2周で野中が逃げる。しかし後続が追い上げラスト200mで吸収。ここで山本が一気に加速、トップでゴールを駆け抜けた。山本と住吉は19点の同点、中間も各1勝で、ゴール着順によって順位がつけられた。
優勝した山本は現U23ロードチャンピオン。ツール・ド・北海道2010でステージ優勝するなどアタッカーだが、ゴールスプリントでもその才能を見せた。
グループ1は吉田隼人が窪木一茂を逆転で下す
グループ1は20周30kmで行われた。まさに学生2強、吉田隼人(鹿屋体育大学)と窪木一茂(日本大学)の戦いに。
1周目に落車が発生、西薗はニュートラル適用で代車にて復帰する。序盤から窪木と吉田がポイント争いを繰り広げる。これにオランダ学生チームも3人で列車を組んで対抗する。
3回目のポイントでは復帰した西薗が1位通過するがその後も窪木と吉田は上位通過する。
中盤過ぎ、中根英登(中京大学)が単独逃げて1位通過、佐々木龍(早稲田大学)も1位通過するがチームメイトの入部正太朗を欠いて不利に。
窪木と吉田は互いにトップを奪い合い、ゴールポイントを残したタイミングで窪木が1位通過、吉田は4位通過。窪木23点、吉田18点で窪木がリードして有利に。吉田が勝つためには1着ゴールしないといけない。
そして最終ゴール、吉田が鋭く加速してゴール手前からガッツポーズするほどの差で1着ゴール。窪木は4着に、これで吉田の優勝が決まった。両者ともアシスト2名ずつが力を使い切ってポイントを得たが、勝敗の分かれ目はゴール前の9回目のポイントだった。
ここで窪木が1位通過したが、吉田はあえて力をセーブして4位通過。「ゴールポイントに賭けていた」と語る作戦通りの展開で優勝した。
鹿屋体育大学は一昨年の内間康平、昨年の野口正則に続いて3年連続の優勝だ。
西薗良太が年間王者に
ロードレースカップシリーズ全11戦の最終戦、神宮クリテを6位で終えた西薗は、ポイントを加算して大差でシリーズチャンピオンになった。一昨年2位、昨年1位で2年連続のチャンピオンだ。西薗は既報のとおりシマノレーシングへ加入した。今年の戦い方が注目されるが、いっぽうで吉田、窪木らも次代のリーダーとして成長している。
4月からは早川朋宏(法政大学)も加わって頂上に挑む。今年の大学生の大会も注目だ。
結果
グループ1(学校対抗)
1位 吉田隼人(鹿屋体育大学) 38 P
2位 窪木一茂(日本大学) 32 P
3位 Lars van de Val(Student Team Amsterdam) 25 P
4位 佐々木龍(早稲田大学) 22 P
5位 飯野智行(中央大学) 12 P
6位 西薗良太(東京大学) 10 P
7位 中根英登(中京大学) 6 P
8位 堀内俊介(中央大学) 6 P
女子
1位 石井寛子(スーパーKアスリートラボ) 28 P
2位 近藤美子(鹿屋体育大学) 24 P
3位 田中まい(日本体育大学) 17 P
グループ2
1位 山本元喜(鹿屋体育大学) 19 P
2位 住吉宏太(日本大学) 19 P
3位 大中巧基(早稲田大学) 11 P
4位 野中竜馬(鹿屋体育大学) 10 P
5位 清水一弘(中央大学) 8 P
6位 石田輝(順天堂大学) 8 P
グループ3A
1位 安原寿人(山梨学院大学) 17 P
2位 大庭尚也(日本大学) 10 P
3位 村田拓也(環太平洋大学) 10 P
グループ3B
1位 福沢涼太(日本体育大学) 17 P
2位 高橋知生(東北学院大学) 12 P
3位 澤田隼(東京工業大学) 12 P
学校対抗成績
1位 Student Team Amsterdam 13 P
2位 中央大学 13 P
3位 日本大学 14 P
マスターズ
1位 小畑郁(なるしまフレンド) 16 P
2位 ポール・ソールズベリー(synerzy)15 P
3位 増田輝之(Fast Lane Racing) 13 P
4位 浜頭恭(GRUPPO ACQUA TAMA) 11 P
5位 大村慶二(TeamJAMIS) 10 P
6位 善波昭(TeamJAMIS) 8 P
シリーズ総合成績(門田杯)
1位 西薗良太 (東京大学) 218p
2位 笠原恭輔 (中央大学) 156p
3位 入部正太朗(早稲田大学) 138p
4位 堀内俊介 (中央大学) 130p
5位 大中巧基 (早稲田大学) 112p
6位 窪木一茂 (日本大学) 92p
7位 郡司昌紀 (中央大学) 88p
8位 中根英登 (中京大学) 84p
photo&text:高木秀彰
2月20日、第5回明治神宮外苑大学クリテリウムが行われた。東京・神宮外苑で行われる大学クリテリウムはすっかり2月の行事として定着。大学生だけでなくJCF登録マスターズ・クリテリウムやオープンライドもあり、観戦だけでなく走る楽しみもあるイベントになっている。
この神宮クリテは、全11戦ある大学生のロードレースカップシリーズの最終戦でもあり、この成績で年間最終順位が決定する。ここまでのリーダーは西薗だが、2位3位とは最終戦の結果如何で入れ替わる可能性のある範囲だ。
大会に先立ち、前日に大学自転車競技フォーラムが行われた。東京都自転車競技連盟会長でもある橋本聖子参議院議員らを迎えて、学業などと競技の両立、日本・韓国・オランダの自転車競技環境などについて意見交換した。
クリテリウムの会場は神宮外苑内の公道等を使う1周1.5kmのコース。180度ターンが1箇所、コーナーやカーブが組み合わされたもので、ホームストレート部分は路面が荒れており、短いが変化に富むものだ。天候は終日曇りで肌寒く、風がややあるコンディションだ。
クラス分けは、男子大学生は学連ロードカテゴリ別に、カテゴリ3のグループ3が2組、カテゴリ1および2のグループ2、そして各大学3名まで出場できるグループ1がある。女子は大学生を含むすべてのJCF登録女子、マスターズは30歳以上のJCF登録男女にて行われた。
レースはポイント方式で、2周に1回、通過順に5、3、2、1点が、さらにゴールポイントが加算されるものだ。
マスターズは8周12kmにて行われ、上位陣は1点差の攻防となり、ポイントでリードしていた小畑郁(なるしまフレンド)が、ゴールは4着だったがそれまでのポイントが生きて逃げ切った。
女子は短距離界の女王、ガールズ競輪でもトップの石井寛子(スーパーKアスリートラボ)が貫録勝ち。前年覇者、近藤美子(鹿屋体育大学)はゴールで1着だったが及ばなかった。
グループ2は山本元喜が逆転優勝
グループ2は12周18km、強豪校のカテゴリ1の選手が多く参加、白熱した戦いに。ゴールを残した最終ポイントでは、野中竜馬(鹿屋体育大学)10点、住吉宏太(日本大学)9点、大中巧基(早稲田大学)8点、山本元喜(鹿屋体育大学)7点。ゴールは12点、10点、8点と続く。ラスト2周で野中が逃げる。しかし後続が追い上げラスト200mで吸収。ここで山本が一気に加速、トップでゴールを駆け抜けた。山本と住吉は19点の同点、中間も各1勝で、ゴール着順によって順位がつけられた。
優勝した山本は現U23ロードチャンピオン。ツール・ド・北海道2010でステージ優勝するなどアタッカーだが、ゴールスプリントでもその才能を見せた。
グループ1は吉田隼人が窪木一茂を逆転で下す
グループ1は20周30kmで行われた。まさに学生2強、吉田隼人(鹿屋体育大学)と窪木一茂(日本大学)の戦いに。
1周目に落車が発生、西薗はニュートラル適用で代車にて復帰する。序盤から窪木と吉田がポイント争いを繰り広げる。これにオランダ学生チームも3人で列車を組んで対抗する。
3回目のポイントでは復帰した西薗が1位通過するがその後も窪木と吉田は上位通過する。
中盤過ぎ、中根英登(中京大学)が単独逃げて1位通過、佐々木龍(早稲田大学)も1位通過するがチームメイトの入部正太朗を欠いて不利に。
窪木と吉田は互いにトップを奪い合い、ゴールポイントを残したタイミングで窪木が1位通過、吉田は4位通過。窪木23点、吉田18点で窪木がリードして有利に。吉田が勝つためには1着ゴールしないといけない。
そして最終ゴール、吉田が鋭く加速してゴール手前からガッツポーズするほどの差で1着ゴール。窪木は4着に、これで吉田の優勝が決まった。両者ともアシスト2名ずつが力を使い切ってポイントを得たが、勝敗の分かれ目はゴール前の9回目のポイントだった。
ここで窪木が1位通過したが、吉田はあえて力をセーブして4位通過。「ゴールポイントに賭けていた」と語る作戦通りの展開で優勝した。
鹿屋体育大学は一昨年の内間康平、昨年の野口正則に続いて3年連続の優勝だ。
西薗良太が年間王者に
ロードレースカップシリーズ全11戦の最終戦、神宮クリテを6位で終えた西薗は、ポイントを加算して大差でシリーズチャンピオンになった。一昨年2位、昨年1位で2年連続のチャンピオンだ。西薗は既報のとおりシマノレーシングへ加入した。今年の戦い方が注目されるが、いっぽうで吉田、窪木らも次代のリーダーとして成長している。
4月からは早川朋宏(法政大学)も加わって頂上に挑む。今年の大学生の大会も注目だ。
結果
グループ1(学校対抗)
1位 吉田隼人(鹿屋体育大学) 38 P
2位 窪木一茂(日本大学) 32 P
3位 Lars van de Val(Student Team Amsterdam) 25 P
4位 佐々木龍(早稲田大学) 22 P
5位 飯野智行(中央大学) 12 P
6位 西薗良太(東京大学) 10 P
7位 中根英登(中京大学) 6 P
8位 堀内俊介(中央大学) 6 P
女子
1位 石井寛子(スーパーKアスリートラボ) 28 P
2位 近藤美子(鹿屋体育大学) 24 P
3位 田中まい(日本体育大学) 17 P
グループ2
1位 山本元喜(鹿屋体育大学) 19 P
2位 住吉宏太(日本大学) 19 P
3位 大中巧基(早稲田大学) 11 P
4位 野中竜馬(鹿屋体育大学) 10 P
5位 清水一弘(中央大学) 8 P
6位 石田輝(順天堂大学) 8 P
グループ3A
1位 安原寿人(山梨学院大学) 17 P
2位 大庭尚也(日本大学) 10 P
3位 村田拓也(環太平洋大学) 10 P
グループ3B
1位 福沢涼太(日本体育大学) 17 P
2位 高橋知生(東北学院大学) 12 P
3位 澤田隼(東京工業大学) 12 P
学校対抗成績
1位 Student Team Amsterdam 13 P
2位 中央大学 13 P
3位 日本大学 14 P
マスターズ
1位 小畑郁(なるしまフレンド) 16 P
2位 ポール・ソールズベリー(synerzy)15 P
3位 増田輝之(Fast Lane Racing) 13 P
4位 浜頭恭(GRUPPO ACQUA TAMA) 11 P
5位 大村慶二(TeamJAMIS) 10 P
6位 善波昭(TeamJAMIS) 8 P
シリーズ総合成績(門田杯)
1位 西薗良太 (東京大学) 218p
2位 笠原恭輔 (中央大学) 156p
3位 入部正太朗(早稲田大学) 138p
4位 堀内俊介 (中央大学) 130p
5位 大中巧基 (早稲田大学) 112p
6位 窪木一茂 (日本大学) 92p
7位 郡司昌紀 (中央大学) 88p
8位 中根英登 (中京大学) 84p
photo&text:高木秀彰
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