2011年2月19日、イタリア北部のリグーリア海岸を舞台に第48回トロフェオ・ライグエリア(UCI1.1)が開催され、先頭10名によるゴールスプリントを制したダニエーレ・ピエトロポッリ(イタリア、ランプレ・ISD)が優勝。イヴァン・バッソ(イタリア、リクイガス・キャノンデール)は積極的な走りを見せた。

美しいリグーリア海岸を東に進む美しいリグーリア海岸を東に進む photo:Riccardo Scanferla今年で開催48回目を迎えるトロフェオ・ライグエリアは、1964年にスタートした伝統のクラシックレース。過去の優勝者リストにはエディ・メルクス(ベルギー)やジュゼッペ・サロンニ(イタリア)、ランス・アームストロング(アメリカ)らの名前が並ぶ。

このライグエリアを皮切りに、イタリア国内は3月19日のミラノ〜サンレモに向けて盛り上がっていく。レースにはリクイガス・キャノンデール、カチューシャ、アージェードゥーゼル、ランプレ・ISD、BMCレーシングチームを含む20チームが出場した。

序盤から逃げたパヴェル・ブラット(ロシア、カチューシャ)やカイエタノ・サルミエント(コロンビア、アックア・エ・サポーネ)序盤から逃げたパヴェル・ブラット(ロシア、カチューシャ)やカイエタノ・サルミエント(コロンビア、アックア・エ・サポーネ) photo:Riccardo Scanferlaレースの舞台はミラノ〜サンレモでも通過するリグーリア海岸。海沿いの田舎町ライグエリアをスタートし、カテゴリー山岳を含む大小の周回コースを駆け回る。コース全長は183.8kmで、標高500mクラスのカテゴリー山岳が合計3つ設定されている。中でも序盤のバレストリーノ峠とパラヴェンナ峠は最大勾配が16%に達する急勾配の登り。ラスト15kmは海沿いの平坦路だ。

レースは序盤からパヴェル・ブラット(ロシア、カチューシャ)やカイエタノ・サルミエント(コロンビア、アックア・エ・サポーネ)ら6名が逃げ、メイン集団から6分30秒のリードを奪う。しかし山岳コースでリードを守り切ることができず、ラスト40kmで吸収された。

山岳でチームメイトのためにペースを上げるイヴァン・バッソ(イタリア、リクイガス・キャノンデール)山岳でチームメイトのためにペースを上げるイヴァン・バッソ(イタリア、リクイガス・キャノンデール) photo:Riccardo Scanferlaゴール32km手前のパラヴェンナ峠で積極的に動いたのは、昨年のジロ・デ・イタリア覇者イヴァン・バッソ(イタリア、リクイガス・キャノンデール)。これにダミアーノ・クネゴ(イタリア、ランプレ・ISD)やエマヌエーレ・セッラ(イタリア、アンドローニ・ジョカトリ)らが反応し、峠通過時点でメイン集団は34名に。

下りでもアタックは繰り返され、平地に入るとバッソやアレッサンドロ・バッラン(イタリア、BMCレーシングチーム)のアタックによって先頭は10名に絞り込まれる。バッソはチームメイトのポンツィのために献身的に先頭グループを牽き続けた。

23位に入ったダニーロ・ディルーカ(イタリア、カチューシャ)23位に入ったダニーロ・ディルーカ(イタリア、カチューシャ) photo:Riccardo Scanferla最終ストレートに差し掛かると、バッソに発射されたポンツィがスプリントを開始。しかし加速力で勝ったピエトロポッリが先頭に立ち、そのままリードを守ってゴール。2位にポンツィ、3位にアンヘル・ビシオソ(スペイン、アンドローニ・ジョカトリ)が入った。

ピエトロポッリは1月28日から30日までの3日間、南イタリアで開催されたジロ・ディ・レッジョカラブリア(UCI2.1)で総合優勝を飾っており、これが今シーズン3勝目だ。

10名によるスプリント勝負を制したダニエーレ・ピエトロポッリ(イタリア、ランプレ・ISD)10名によるスプリント勝負を制したダニエーレ・ピエトロポッリ(イタリア、ランプレ・ISD) photo:Riccardo Scanferla最高のシーズンスタートを切ったピエトロポッリはレースをこう締めくくる。「ランプレ・ISDはガヴァッツィのための作戦を組んでいた。でも終盤はアタックが連続してハードな展開になり、彼は脱落してしまったんだ。ラスト200mでスプリントが始まったとき、ビシオソに前を塞がれたのでブレーキして減速。何とかそこから挽回して勝てて良かったよ。」

昨年は新城幸也らが出場して注目を集めたが、今年は日本人選手の出場は無し。ダンジェロアンテヌッチ・ニッポのフォルトゥナート・バリアーニ(イタリア)が6位に入っている。

レース展開、選手コメントはレース公式サイトより。


トロフェオ・ライグエリア2011
1位 ダニエーレ・ピエトロポッリ(イタリア、ランプレ・ISD)         4h42'20"
2位 シモーネ・ポンツィ(イタリア、リクイガス・キャノンデール)
3位 アンヘル・ビシオソ(スペイン、アンドローニ・ジョカトリ)
4位 ファビオ・タボーレ(イタリア、アックア・エ・サポーネ)
5位 パヴェル・ブラット(ロシア、カチューシャ)
6位 フォルトゥナート・バリアーニ(イタリア、ダンジェロアンテヌッチ・ニッポ)
7位 アレッサンドロ・バッラン(イタリア、BMCレーシングチーム)
8位 フレデリック・アモリソン(ベルギー、ランドバウクレジット)
9位 パオロ・チャヴァッタ(イタリア、アックア・エ・サポーネ)
10位 イヴァン・バッソ(イタリア、リクイガス・キャノンデール)

text:Kei Tsuji
photo:Riccardo Scanferla