2011/02/20(日) - 10:07
2011年2月19日、ツアー・オブ・オマーン(UCI2.1)の総合争いを決める第5ステージ個人タイムトライアルが行なわれ、前日の頂上ゴールを制してリーダージャージを獲得したロバート・ヘーシンク(オランダ、ラボバンク)が周囲を驚かすステージ優勝。総合優勝に王手をかけた。
オマーンの首都マスカット東部に位置するアル・ジサを舞台にした個人タイムトライアル。海に近い山岳地帯に敷かれた9kmを往復する18.5kmコースで、途中標高260mのカテゴリー山岳を2回通過する。前年度よりもアップダウンが厳しいコースはTTスペシャリストたちを手こずらせた。
この日はクーン・デコルト(オランダ、スキル・シマノ)とハインリッヒ・ハウッスラー(ドイツ、サーヴェロ・サーヴェロ)を除く124名が出場。どのチームもTTバイクを用意せず、ノーマルバイクでのスタートとなった。
前日の第4ステージを終えた時点で、赤いリーダージャージを着るヘーシンクと総合2位エドヴァルド・ボアッソン(ノルウェー、チームスカイ)のタイム差は44秒。TT能力に秀でたボアッソンは似たコースで行なわれた前年度の個人TTで優勝しており、総合逆転に注目が集まった。
しかし長い登りを含むアップダウンコースはヘーシンクに味方した。最終走者のヘーシンクは、暫定トップに君臨していたジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、ファルネーゼヴィーニ・ネーリ)のタイムを16秒上回る29分20秒でゴール。平均スピードは37.841km/h。総合リードを奪われるどころか、ステージ優勝で更にその優位を広げた。
「タイムトライアルでの勝利は本当に大きな驚きだ。スタート時点の目標は、このレッドジャージを守ることだった。でもコースは予想以上に厳しくて自分向きだったんだ。ノーマルバイクという条件で走ったことも自分に味方したのだと思う。昨日のスペシャルなステージ優勝を飾った、今日レッドジャージを守って、タイムトライアルで勝つなんてファンタスティックだ。あと一日ジャージを守ってみせるよ。」
ヘーシンクは2009年ブエルタ・ア・エスパーニャと2010年ツール・ド・フランスで総合6位に入っている今売り出し中のステージレーサー。登坂力に長けたステージレーサーとして着実に成長する24歳のヘーシンクがオマーン総合優勝に王手をかけた。
ボアッソンはステージ5位に終わり、総合首位ヘーシンクとのタイム差は1分13秒に。ステージ2位に食い込んだイタリアチャンピオンのヴィスコンティが総合3位に浮上している。
アルカンシェルを着て走った昨年の総合優勝者ファビアン・カンチェラーラ(スイス、レオパード・トレック)はステージ4位。カンチェラーラは自身のTwitterで「下りで108km/hが出た。警察がスピードの取り締まりをしていなくて良かったよ」とコメントしている。
レース展開と選手コメントはレース公式サイトより。
ツアー・オブ・オマーン2011第5ステージ結果
1位 ロバート・ヘーシンク(オランダ、ラボバンク) 29'20"
2位 ジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、ファルネーゼヴィーニ・ネーリ) +16"
3位 マルコ・ピノッティ(イタリア、HTC・ハイロード) +24"
4位 ファビアン・カンチェラーラ(スイス、レオパード・トレック) +27"
5位 エドヴァルド・ボアッソン(ノルウェー、チームスカイ) +29"
6位 アドリアーノ・マローリ(イタリア、ランプレ・ISD) +36"
7位 ミハエル・アルバジーニ(スイス、HTC・ハイロード) +37"
8位 ラース・ボーム(オランダ、ラボバンク) +43"
9位 アルノー・ジャネソン(フランス、FDJ) +59"
10位 クリスティアン・ヴァンデヴェルデ(アメリカ、ガーミン・サーヴェロ) +1'01"
個人総合成績
1位 ロバート・ヘーシンク(オランダ、ラボバンク) 16h44'38"
2位 エドヴァルド・ボアッソン(ノルウェー、チームスカイ) +1'13"
3位 ジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、ファルネーゼヴィーニ・ネーリ)+1'19"
4位 ミハエル・アルバジーニ(スイス、HTC・ハイロード) +1'52"
5位 クリスティアン・ヴァンデヴェルデ(アメリカ、ガーミン・サーヴェロ) +2'04"
6位 ファビアン・カンチェラーラ(スイス、レオパード・トレック) +2'11"
7位 ドリス・デヴェナインス(ベルギー、クイックステップ) +2'13"
8位 マキシム・モンフォール(ベルギー、レオパード・トレック) +2'19"
9位 パトリック・シンケウィッツ(ドイツ、ファルネーゼヴィーニ・ネーリ) +2'51"
10位 フレフ・ファンアフェルマート(ベルギー、BMCレーシングチーム) +3'02"
ポイント賞
エドヴァルド・ボアッソン(ノルウェー、チームスカイ)
新人賞
ロバート・ヘーシンク(オランダ、ラボバンク)
総合敢闘賞
マルコ・クンプ(スロベニア、ジェオックス・TMC)
チーム総合成績
レオパード・トレック
text:Kei Tsuji
photo:A.S.O.
オマーンの首都マスカット東部に位置するアル・ジサを舞台にした個人タイムトライアル。海に近い山岳地帯に敷かれた9kmを往復する18.5kmコースで、途中標高260mのカテゴリー山岳を2回通過する。前年度よりもアップダウンが厳しいコースはTTスペシャリストたちを手こずらせた。
この日はクーン・デコルト(オランダ、スキル・シマノ)とハインリッヒ・ハウッスラー(ドイツ、サーヴェロ・サーヴェロ)を除く124名が出場。どのチームもTTバイクを用意せず、ノーマルバイクでのスタートとなった。
前日の第4ステージを終えた時点で、赤いリーダージャージを着るヘーシンクと総合2位エドヴァルド・ボアッソン(ノルウェー、チームスカイ)のタイム差は44秒。TT能力に秀でたボアッソンは似たコースで行なわれた前年度の個人TTで優勝しており、総合逆転に注目が集まった。
しかし長い登りを含むアップダウンコースはヘーシンクに味方した。最終走者のヘーシンクは、暫定トップに君臨していたジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、ファルネーゼヴィーニ・ネーリ)のタイムを16秒上回る29分20秒でゴール。平均スピードは37.841km/h。総合リードを奪われるどころか、ステージ優勝で更にその優位を広げた。
「タイムトライアルでの勝利は本当に大きな驚きだ。スタート時点の目標は、このレッドジャージを守ることだった。でもコースは予想以上に厳しくて自分向きだったんだ。ノーマルバイクという条件で走ったことも自分に味方したのだと思う。昨日のスペシャルなステージ優勝を飾った、今日レッドジャージを守って、タイムトライアルで勝つなんてファンタスティックだ。あと一日ジャージを守ってみせるよ。」
ヘーシンクは2009年ブエルタ・ア・エスパーニャと2010年ツール・ド・フランスで総合6位に入っている今売り出し中のステージレーサー。登坂力に長けたステージレーサーとして着実に成長する24歳のヘーシンクがオマーン総合優勝に王手をかけた。
ボアッソンはステージ5位に終わり、総合首位ヘーシンクとのタイム差は1分13秒に。ステージ2位に食い込んだイタリアチャンピオンのヴィスコンティが総合3位に浮上している。
アルカンシェルを着て走った昨年の総合優勝者ファビアン・カンチェラーラ(スイス、レオパード・トレック)はステージ4位。カンチェラーラは自身のTwitterで「下りで108km/hが出た。警察がスピードの取り締まりをしていなくて良かったよ」とコメントしている。
レース展開と選手コメントはレース公式サイトより。
ツアー・オブ・オマーン2011第5ステージ結果
1位 ロバート・ヘーシンク(オランダ、ラボバンク) 29'20"
2位 ジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、ファルネーゼヴィーニ・ネーリ) +16"
3位 マルコ・ピノッティ(イタリア、HTC・ハイロード) +24"
4位 ファビアン・カンチェラーラ(スイス、レオパード・トレック) +27"
5位 エドヴァルド・ボアッソン(ノルウェー、チームスカイ) +29"
6位 アドリアーノ・マローリ(イタリア、ランプレ・ISD) +36"
7位 ミハエル・アルバジーニ(スイス、HTC・ハイロード) +37"
8位 ラース・ボーム(オランダ、ラボバンク) +43"
9位 アルノー・ジャネソン(フランス、FDJ) +59"
10位 クリスティアン・ヴァンデヴェルデ(アメリカ、ガーミン・サーヴェロ) +1'01"
個人総合成績
1位 ロバート・ヘーシンク(オランダ、ラボバンク) 16h44'38"
2位 エドヴァルド・ボアッソン(ノルウェー、チームスカイ) +1'13"
3位 ジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、ファルネーゼヴィーニ・ネーリ)+1'19"
4位 ミハエル・アルバジーニ(スイス、HTC・ハイロード) +1'52"
5位 クリスティアン・ヴァンデヴェルデ(アメリカ、ガーミン・サーヴェロ) +2'04"
6位 ファビアン・カンチェラーラ(スイス、レオパード・トレック) +2'11"
7位 ドリス・デヴェナインス(ベルギー、クイックステップ) +2'13"
8位 マキシム・モンフォール(ベルギー、レオパード・トレック) +2'19"
9位 パトリック・シンケウィッツ(ドイツ、ファルネーゼヴィーニ・ネーリ) +2'51"
10位 フレフ・ファンアフェルマート(ベルギー、BMCレーシングチーム) +3'02"
ポイント賞
エドヴァルド・ボアッソン(ノルウェー、チームスカイ)
新人賞
ロバート・ヘーシンク(オランダ、ラボバンク)
総合敢闘賞
マルコ・クンプ(スロベニア、ジェオックス・TMC)
チーム総合成績
レオパード・トレック
text:Kei Tsuji
photo:A.S.O.
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