イタリアのリクイガス・キャノンデールがミラノでプレゼンテーションを行ない、チームメンバーと新ジャージを発表した。昨年2つのグランツールを制したチームは、ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア)でジロ・デ・イタリア、イヴァン・バッソ(イタリア)でツール・ド・フランス制覇を目指す。

リクイガス・キャノンデールのチームリーダーを担うヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア)とイヴァン・バッソ(イタリア)リクイガス・キャノンデールのチームリーダーを担うヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア)とイヴァン・バッソ(イタリア) photo:Cor Vos今年、リクイガス・キャノンデールは分業制で2つのグランツール制覇を目指す。ニーバリはジロ、バッソはツールでチームリーダーを担い、それぞれ初総合優勝を狙っている。

ニーバリは昨年最も成功したオールラウンダーの一人だ。ジロでステージ優勝を飾りながらバッソの総合優勝をお膳立てし、自身もマリアローザを着用し、最終的に総合3位に入った。更にブエルタ・ア・エスパーニャで総合優勝。ブエルタ制覇はイタリア人として20年ぶりの快挙だ。

昨年ブエルタ初制覇を果たしたヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、リクイガス)昨年ブエルタ初制覇を果たしたヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、リクイガス) photo:Cor Vosロベルト・アマディオ監督曰く、ニーバリは昨年のブエルタ開幕前に「勝つためにスペインに行く」と断言した。そして今年のジロのコースを見たニーバリは「ジロに出場したい。勝てると思う」と意気込んでいるという。

母国イタリア最大のタイトルであるジロ制覇を託されたニーバリは自信を見せる。「単独エースは大きなプレッシャーを伴う。でもブエルタでの経験が自信に繋がった。選手として少しは成長したと思う。マリアローザを着る心積もりはできている」

昨年2度目のジロ・デ・イタリア制覇を果たしたイヴァン・バッソ(イタリア、リクイガス)昨年2度目のジロ・デ・イタリア制覇を果たしたイヴァン・バッソ(イタリア、リクイガス) photo:Riccardo Scanferlaニーバリの7歳年上のバッソはグランツールの経験が豊富だ。2004年のツールでランス・アームストロング(アメリカ)に次いで総合2位に入り、2005年には総合3位に。しかしその後ドーピングスキャンダルが浮上したため、当時の成績は過小評価されている。

2年間の出場停止処分という辛い時期を乗り越えたバッソは、“クリーンな選手”として生まれ変わった。復帰初年度は精彩を欠いたが、昨年のジロで総合優勝を果たし、復活を遂げるとともに、ポテンシャルに対する懐疑的な声を払拭した。

「プロとしての高い意識と競技への献身的な態度の面において、イヴァンは最高の選手だ」アマディオ監督はバッソに絶大なる信頼を置いている。「リエージュ〜バストーニュ〜リエージュの走りによっては、ジロにも出場するかも知れない。だが現時点で今シーズン最高の目標はツール制覇。イヴァンは確信を得ている。ロードレース界の現状を踏まえても、確かに今年のツールは大きなチャンスだ。アルド・サッシの墓前にマイヨジョーヌを供えたいと言う気持ちが彼を後押ししているはず」

昨年12月13日に癌により亡くなったトレーナーのアルド・サッシ氏に、恩返しのマイヨジョーヌを捧げたいとバッソは強く願っている。プレゼンテーションでバッソは「彼の逝去は自分の人生において大きなショックだった。彼のためにツールで勝利を狙う。これは明白だ」と神妙に語っている。

リクイガス・キャノンデールは29名で2011年シーズンを闘う。チームリーダーの一人であるロマン・クロイツィゲル(チェコ)はアスタナへ移籍。エーススプリンターのダニエーレ・ベンナーティ(イタリア)はレオパード・トレックへの道を選択した。代わってフットオン・セルヴェットからエロス・カペッキ(イタリア)やデローザ・スタックプラスティックからクリスティアーノ・サレルノ(イタリア)らを獲得している。注目の若手ペーター・サガン(スロバキア)やダニエル・オス(イタリア)は健在だ。

シーズン開幕戦のツアー・ダウンアンダーにはダヴィデ・チモライ(イタリア)、クリスティアン・コレン(スロベニア)、アラン・マランゴーニ(イタリア)、ファビオ・サバティーニ(イタリア)、シモーネ・ポンツィ(イタリア)、エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア)、キャメロン・ウルフ(オーストラリア)の7名が出場する予定だ。

text:Gregor Brown
translation:Kei Tsuji

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