2010/10/16(土) - 22:43
160.8kmで予定されていたツアー・オブ・ハイナン第6ステージは、大雨により20km地点付近でレースは中止となった。選手たちは警察車両による先導のもとループコースをパスし、ホテルまでニュートラル走行をした。
ハイナン島最大の都市・海口は昨夜からの雨が降り続き、朝からどんよりとした暗い雲に覆われていた。雨の中のロードレースが開催されることはさほど珍しくないが、今回は台風のような風を伴っていたことと連日の大雨により道路の冠水が深刻になっていたため状況は厳しい。
選手のホテルからスタート地点までは約3km。今大会では、選手移動用の車両が用意されていないため、降りしきる雨の中選手たちは自走で会場までやってきた。「雨よりも風が嫌ですね」というのは綾部勇成(愛三工業レーシングチーム、日本)。
なお注目が集まっていたアスタナのエース、アレクサンドル・ヴィノクロフ(カザフスタン)はスタート地点に現れずDNS。メカニック曰く、右膝の痛みにより、ヴィノクロフは大事を取ってリタイアした。
サインを済ませると、どの選手も屋根の下で雨をしのいでいたが、雨は弱まらないどころかさらに強くなってしまった。欧州や日本のチームがレースの危険性を訴え、レース審判と協議していたが、レースは予定どおりスタートすることに。選手たちがスタートラインについたのは、スタートわずか5分前だ。
スタートラインではレース開始のカウントダウンが行われていたが、欧州やアメリカの選手を中心にレースをキャンセルしてほしいというアピールが出始める。腕を交差させ大きくバツを作って主催者に猛アピール。それだけ危険な状況だったのだ。しかし、定刻に号砲が響き、レースは予定通りにスタートする。
序盤から悪天候を利用しようとする激しいアタックがかかった。しかし20km地点、2選手が1分10秒ほど集団から先行しているときに、ラジオツールがレースのキャンセルを伝えた。
チーフコミッセールのアレクサンドル氏はこの判断についてこう話す。
「レースがスタートする前からいくつかのチームや選手からコースの短縮やレース中止の申し出があった。しかし、スタート地点ではレースを開催する決定をした。その後、20km地点に近づいてから雨はさらに強くなり、5分間だけ判断を躊躇したが、その間にもどんどんと雨は強くなる。一部の道路は冠水もしていた。選手たちだけでなく、オートバイやレースに関わるすべての人の安全を考えて、レースキャンセルの決定をしたんだ」。
先行していた選手たちは集団に戻り、警察車両による先導のもとニュートラル走行を行い、ホテルへと向かった選手たち。幸いにもループコースがあったため、そこをショートカットすることで本来の1/3程度の距離でホテルへ着くことができた。
現時点で明日のレースは予定どおりスタートする予定。しかし、この先内陸部を通るコースレイアウトであるため道路状況が懸念されている。現地メディアから質問攻めにされるチーフコミッセールは「すべての判断は明日の朝決める」と話している。なお、第7ステージは、第5ステージ終了後のリザルトからスタートする。第6ステージは20kmほど進行したが、リザルトには何も加味されない。
個人総合成績(第5ステージ終了後のもの)
1位 ヴァレンティン・イグリンスキー(カザフスタン、アスタナ) 15h31'58"
2位 ジョニー・ウォーカー(オーストラリア、フットオン・セルヴェット) +20"
3位 キエル・レジネン(アメリカ、ジェリーベリー・サイクリング) +23"
5位 土井雪広(スキル・シマノ) +27"
15位 西谷泰治(愛三工業レーシングチーム) +36"
19位 盛一大(愛三工業レーシングチーム) +42"
31位 綾部勇成(愛三工業レーシングチーム) +48"
54位 福田真平(愛三工業レーシングチーム) +3'02"
80位 鈴木謙一(愛三工業レーシングチーム) +3'59"
アジア最高位
ヴァレンティン・イグリンスキー(カザフスタン、アスタナ)
ポイント賞
ヴァレンティン・イグリンスキー(カザフスタン、アスタナ)
山岳賞
アルカイス・ドゥーラン(スペイン、フットオン・セルヴェット)
text&photo:Sonoko Tanaka
ハイナン島最大の都市・海口は昨夜からの雨が降り続き、朝からどんよりとした暗い雲に覆われていた。雨の中のロードレースが開催されることはさほど珍しくないが、今回は台風のような風を伴っていたことと連日の大雨により道路の冠水が深刻になっていたため状況は厳しい。
選手のホテルからスタート地点までは約3km。今大会では、選手移動用の車両が用意されていないため、降りしきる雨の中選手たちは自走で会場までやってきた。「雨よりも風が嫌ですね」というのは綾部勇成(愛三工業レーシングチーム、日本)。
なお注目が集まっていたアスタナのエース、アレクサンドル・ヴィノクロフ(カザフスタン)はスタート地点に現れずDNS。メカニック曰く、右膝の痛みにより、ヴィノクロフは大事を取ってリタイアした。
サインを済ませると、どの選手も屋根の下で雨をしのいでいたが、雨は弱まらないどころかさらに強くなってしまった。欧州や日本のチームがレースの危険性を訴え、レース審判と協議していたが、レースは予定どおりスタートすることに。選手たちがスタートラインについたのは、スタートわずか5分前だ。
スタートラインではレース開始のカウントダウンが行われていたが、欧州やアメリカの選手を中心にレースをキャンセルしてほしいというアピールが出始める。腕を交差させ大きくバツを作って主催者に猛アピール。それだけ危険な状況だったのだ。しかし、定刻に号砲が響き、レースは予定通りにスタートする。
序盤から悪天候を利用しようとする激しいアタックがかかった。しかし20km地点、2選手が1分10秒ほど集団から先行しているときに、ラジオツールがレースのキャンセルを伝えた。
チーフコミッセールのアレクサンドル氏はこの判断についてこう話す。
「レースがスタートする前からいくつかのチームや選手からコースの短縮やレース中止の申し出があった。しかし、スタート地点ではレースを開催する決定をした。その後、20km地点に近づいてから雨はさらに強くなり、5分間だけ判断を躊躇したが、その間にもどんどんと雨は強くなる。一部の道路は冠水もしていた。選手たちだけでなく、オートバイやレースに関わるすべての人の安全を考えて、レースキャンセルの決定をしたんだ」。
先行していた選手たちは集団に戻り、警察車両による先導のもとニュートラル走行を行い、ホテルへと向かった選手たち。幸いにもループコースがあったため、そこをショートカットすることで本来の1/3程度の距離でホテルへ着くことができた。
現時点で明日のレースは予定どおりスタートする予定。しかし、この先内陸部を通るコースレイアウトであるため道路状況が懸念されている。現地メディアから質問攻めにされるチーフコミッセールは「すべての判断は明日の朝決める」と話している。なお、第7ステージは、第5ステージ終了後のリザルトからスタートする。第6ステージは20kmほど進行したが、リザルトには何も加味されない。
個人総合成績(第5ステージ終了後のもの)
1位 ヴァレンティン・イグリンスキー(カザフスタン、アスタナ) 15h31'58"
2位 ジョニー・ウォーカー(オーストラリア、フットオン・セルヴェット) +20"
3位 キエル・レジネン(アメリカ、ジェリーベリー・サイクリング) +23"
5位 土井雪広(スキル・シマノ) +27"
15位 西谷泰治(愛三工業レーシングチーム) +36"
19位 盛一大(愛三工業レーシングチーム) +42"
31位 綾部勇成(愛三工業レーシングチーム) +48"
54位 福田真平(愛三工業レーシングチーム) +3'02"
80位 鈴木謙一(愛三工業レーシングチーム) +3'59"
アジア最高位
ヴァレンティン・イグリンスキー(カザフスタン、アスタナ)
ポイント賞
ヴァレンティン・イグリンスキー(カザフスタン、アスタナ)
山岳賞
アルカイス・ドゥーラン(スペイン、フットオン・セルヴェット)
text&photo:Sonoko Tanaka
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