2010/10/15(金) - 09:31
2010年10月14日、イタリア北部で第96回ジロ・デル・ピエモンテ(UCI1.HC)が開催され、フィリップ・ジルベール(ベルギー、オメガファーマ・ロット)が得意の爆発的なアタックで大会連覇を掴んだ。アルカンシェルを着て初出場したトル・フースホフト(ノルウェー、サーヴェロ・テストチーム)は14位。
今年で開催96回目を迎えるジロ・デル・ピエモンテは、シーズン終盤にイタリア北部ピエモンテ州で開催されるセミクラシック。ジロ・デ・イタリアと同じRCS Sport主催レースで、2日後に控えたジロ・ディ・ロンバルディア(同じくRCS主催)の前哨戦という意味合いが強い。
全長194kmのコースには、標高450mクラスの山岳が4つ設定されているものの、比較的難易度は低い。ゴール1.6km手前から始まる最大勾配9%の上りが勝敗を分けた。
この日のスタート地点で最も注目を集めたのは、アルカンシェルを着て登場した世界チャンピオンのフースホフト。プロツアー13チーム、プロコンチネンタル7チーム、合計152名の選手たちがスタートを切った。
12km地点でキェール・カールストローム(フィンランド、チームスカイ)やアレクセイ・サラモティンス(ラトビア、チームHTC・コロンビア)ら7名が飛び出したが、44km地点で吸収。レース最初の1時間の平均スピードは51.6km/hをマークした。
続いてオスカル・プヨル(スペイン、サーヴェロ・テストチーム)やトニー・ギャロパン(フランス、コフィディス)ら6名がアタックを仕掛けると、ようやくメイン集団はペースダウン。タイム差は99km地点で最大8分40秒まで広がった。
ゴールまで50kmを残して、先頭6名とサクソバンクがコントロールするメイン集団のタイム差5分30秒。6名はペースを上げて逃げ続けたが、ミスコースによってメイン集団に追いつかれてしまう。
思わぬ形で一つに戻ったメイン集団から、ゴール28km手前のラ・モッラ(標高495m)で7名がアタック。この中から抜け出したアレクサンドル・ディアチェンコ(カザフスタン、アスタナ)とウラディミール・グセフ(ロシア、カチューシャ)が先行し、メイン集団を引き離してラスト10kmのアーチを通過した。
しかし大会連覇を狙うオメガファーマ・ロットの勢い有る集団牽引により、ラスト1.6kmから始まる上り区間でディアチェンコとグセフは吸収。ハイペースを刻むフレフ・ファンアフェルマート(ベルギー、オメガファーマ・ロット)がジルベールを連れ出し、その後ろにマッティ・ブレシェル(デンマーク、サクソバンク)とフースホフトが続く展開でラスト1kmアーチ。
そしてゴールまで800mを残して、ディフェンディングチャンピオンのジルベールが強烈なアタックを仕掛けた。高速で上りを突き進んだジルベールを、ブレシェルとレオナルド・ベルタニョッリ(イタリア、アンドローニ・ジョカトリ)が追走。しかしその差は縮まらない。最後まで先頭を守り切ったジルベールが、独走のままゴールラインを駆け抜けた。
「今日はスタート直後からハイスピードな展開だった。調子が良かったので、チームメイトたちの働きに応えることが出来て本当に嬉しいよ」。大会連覇を達成したジルベールはレースをそう振り返る。ジルベールはアムステル・ゴールドレース、ツアー・オブ・ベルギー区間優勝、ブエルタ・ア・エスパーニャ区間2勝に続く今シーズン5勝目を飾った。
ジルベールは週末に開催されるジロ・ディ・ロンバルディアにもディフェンディングチャンピオンとして出場。もちろん大会連覇を狙う。
「土曜日のロンバルディアに照準を合わせている。ロンバルディアで良いパフォーマンスを発揮して、良いカタチでシーズンを終えたい。ライバルになるのはエヴァンス、コロブネフ、フグルサング、ホーナー、ヴィスコンティ、ニーバリかな」。世界最高峰のアタッカーと称されるジルベールがシーズンの締めくくりにかかる。
アルカンシェルを着て走ったフースホフトは、ジルベールのアタックに反応出来ず14位フィニッシュ。しかしレースを存分に堪能した様子。「ファンタスティックな一日だった。やはり観客にアルカンシェルを披露するのは格別だ。ここ数日間忙しくてコンディションが良くなかったので、成績は気にしていない。ジルベールが勝って嬉しいよ」。フースホフトは土曜日のロンバルディアにも出場予定だ。
レース展開と選手コメントはレース公式サイト、ならびにストリーミング映像より。
ジロ・デル・ピエモンテ2010
1位 フィリップ・ジルベール(ベルギー、オメガファーマ・ロット) 4h28'03"
2位 レオナルド・ベルタニョッリ(イタリア、アンドローニ・ジョカトリ) +02"
3位 マッティ・ブレシェル(デンマーク、サクソバンク)
4位 フィリッポ・ポッツァート(イタリア、カチューシャ)
5位 ドリス・デヴェナインス(ベルギー、クイックステップ)
6位 マウロ・フィネット(イタリア、リクイガス)
7位 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、コルナゴ・CSFイノックス)
8位 バウク・モレマ(オランダ、ラボバンク)
9位 リゴベルト・ウラン(コロンビア、ケースデパーニュ)
10位 ダニエーレ・ピエトロポッリ(イタリア、ランプレ)
text:Kei Tsuji
photo:Riccardo Scanferla
今年で開催96回目を迎えるジロ・デル・ピエモンテは、シーズン終盤にイタリア北部ピエモンテ州で開催されるセミクラシック。ジロ・デ・イタリアと同じRCS Sport主催レースで、2日後に控えたジロ・ディ・ロンバルディア(同じくRCS主催)の前哨戦という意味合いが強い。
全長194kmのコースには、標高450mクラスの山岳が4つ設定されているものの、比較的難易度は低い。ゴール1.6km手前から始まる最大勾配9%の上りが勝敗を分けた。
この日のスタート地点で最も注目を集めたのは、アルカンシェルを着て登場した世界チャンピオンのフースホフト。プロツアー13チーム、プロコンチネンタル7チーム、合計152名の選手たちがスタートを切った。
12km地点でキェール・カールストローム(フィンランド、チームスカイ)やアレクセイ・サラモティンス(ラトビア、チームHTC・コロンビア)ら7名が飛び出したが、44km地点で吸収。レース最初の1時間の平均スピードは51.6km/hをマークした。
続いてオスカル・プヨル(スペイン、サーヴェロ・テストチーム)やトニー・ギャロパン(フランス、コフィディス)ら6名がアタックを仕掛けると、ようやくメイン集団はペースダウン。タイム差は99km地点で最大8分40秒まで広がった。
ゴールまで50kmを残して、先頭6名とサクソバンクがコントロールするメイン集団のタイム差5分30秒。6名はペースを上げて逃げ続けたが、ミスコースによってメイン集団に追いつかれてしまう。
思わぬ形で一つに戻ったメイン集団から、ゴール28km手前のラ・モッラ(標高495m)で7名がアタック。この中から抜け出したアレクサンドル・ディアチェンコ(カザフスタン、アスタナ)とウラディミール・グセフ(ロシア、カチューシャ)が先行し、メイン集団を引き離してラスト10kmのアーチを通過した。
しかし大会連覇を狙うオメガファーマ・ロットの勢い有る集団牽引により、ラスト1.6kmから始まる上り区間でディアチェンコとグセフは吸収。ハイペースを刻むフレフ・ファンアフェルマート(ベルギー、オメガファーマ・ロット)がジルベールを連れ出し、その後ろにマッティ・ブレシェル(デンマーク、サクソバンク)とフースホフトが続く展開でラスト1kmアーチ。
そしてゴールまで800mを残して、ディフェンディングチャンピオンのジルベールが強烈なアタックを仕掛けた。高速で上りを突き進んだジルベールを、ブレシェルとレオナルド・ベルタニョッリ(イタリア、アンドローニ・ジョカトリ)が追走。しかしその差は縮まらない。最後まで先頭を守り切ったジルベールが、独走のままゴールラインを駆け抜けた。
「今日はスタート直後からハイスピードな展開だった。調子が良かったので、チームメイトたちの働きに応えることが出来て本当に嬉しいよ」。大会連覇を達成したジルベールはレースをそう振り返る。ジルベールはアムステル・ゴールドレース、ツアー・オブ・ベルギー区間優勝、ブエルタ・ア・エスパーニャ区間2勝に続く今シーズン5勝目を飾った。
ジルベールは週末に開催されるジロ・ディ・ロンバルディアにもディフェンディングチャンピオンとして出場。もちろん大会連覇を狙う。
「土曜日のロンバルディアに照準を合わせている。ロンバルディアで良いパフォーマンスを発揮して、良いカタチでシーズンを終えたい。ライバルになるのはエヴァンス、コロブネフ、フグルサング、ホーナー、ヴィスコンティ、ニーバリかな」。世界最高峰のアタッカーと称されるジルベールがシーズンの締めくくりにかかる。
アルカンシェルを着て走ったフースホフトは、ジルベールのアタックに反応出来ず14位フィニッシュ。しかしレースを存分に堪能した様子。「ファンタスティックな一日だった。やはり観客にアルカンシェルを披露するのは格別だ。ここ数日間忙しくてコンディションが良くなかったので、成績は気にしていない。ジルベールが勝って嬉しいよ」。フースホフトは土曜日のロンバルディアにも出場予定だ。
レース展開と選手コメントはレース公式サイト、ならびにストリーミング映像より。
ジロ・デル・ピエモンテ2010
1位 フィリップ・ジルベール(ベルギー、オメガファーマ・ロット) 4h28'03"
2位 レオナルド・ベルタニョッリ(イタリア、アンドローニ・ジョカトリ) +02"
3位 マッティ・ブレシェル(デンマーク、サクソバンク)
4位 フィリッポ・ポッツァート(イタリア、カチューシャ)
5位 ドリス・デヴェナインス(ベルギー、クイックステップ)
6位 マウロ・フィネット(イタリア、リクイガス)
7位 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、コルナゴ・CSFイノックス)
8位 バウク・モレマ(オランダ、ラボバンク)
9位 リゴベルト・ウラン(コロンビア、ケースデパーニュ)
10位 ダニエーレ・ピエトロポッリ(イタリア、ランプレ)
text:Kei Tsuji
photo:Riccardo Scanferla
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