2010/09/26(日) - 09:00
イタリアのナショナルチーム、通称「アッズーリ(青色ジャージ)」たちは、日曜日に開催されるロード世界選手権のテストレースで初めてマーク・カヴェンディッシュ(イギリス)と対峙する。果たして代表メンバーからピュアスプリンターを省いたベッティーニ監督の決断が正しかったのか。その審判が下される。
「カヴェンディッシュは本戦で最後の勝負まで生き残れない。イタリアチームがミスを犯さない限り、彼にチャンスは無い」。パオロ・ベッティーニ新監督はガゼッタ・デッロ・スポルト紙の中でそう語っている。
今年イタリアチームの監督に就任したベッティーニは、ロード世界選手権に向け、フィリッポ・ポッツァートを始めとする9名のアタッカーを率いてオーストラリアに上陸した。その代表メンバーの中に、アレッサンドロ・ペタッキに代表されるピュアスプリンターの姿は無い。つまり、仮にロード世界選手権で集団スプリントに持ち込まれた場合、イタリアチームはカヴェンディッシュに太刀打ち出来ない。
カヴェンディッシュは直前のブエルタ・ア・エスパーニャでステージ3勝を飾って好調をアピール。しかしベッティーニ監督には、カヴェンディッシュ向きの集団スプリントに持ち込まないという自信がある。
イタリア代表チームを構成するのは、ジロ・デ・イタリアでステージ1勝を飾ったポッツァートの他、ブエルタの総合優勝者ヴィンチェンツォ・ニーバリや、イタリアチャンピオンのジョヴァンニ・ヴィスコンティら。この3選手がチーム戦略の中枢を担う。
「代表メンバーはシーズンを通して成績を残している選手ばかり。チーム力はお墨付きだ。これが現在イタリアが誇る最強チームだと断言出来る。全ての選手がそれぞれの役割をもってレースに挑む」
世界選のエリートロードレースが行なわれるのは最終日の10月3日(日)。ちょうどその1週間前にあたる9月26日(日)に、「ヘラルド・サン・クラシックレース」がメルボルン近郊のバララットで開催される。そこでイタリアチームはライバルチームと初めて顔を合わす。レースは19.4kmの周回コースを6周。今年のオーストラリア選手権が行なわれたコースだ。
イタリアチームは9月21日(火)に世界選のメイン会場となるジーロングに到着。時差ボケを解消しつつトレーニングを続けている。木曜日には世界選のコースを含む70kmを走り、金曜日にはメルボルンとジーロングを結ぶ平坦区間を試走した。
イタリアチームは世界選の本戦でホワイトジャージを着る。そのジャージには「バッレーロ・センプレ・コン・ノイ(バッレーロの魂はいつも我々の胸に)」の文字が刻まれる。2月7日にラリーカーレースで事故死した前イタリア代表チーム監督の故フランコ・バッレリーニ氏に捧げるメモリアルジャージだ。
対するカヴェンディッシュは木曜日に現地に到着。代表メンバーであるジェレミー・ハントとともに、60kmのトレーニングライドをこなした。
「タフなサーキットコースだ。予想以上に厳しい。でも(上り頂上から)ゴールまで距離がある。上りで遅れても、挽回可能なほど距離が残されている」。カヴェンディッシュは地元オーストラリアのヘラルド・サン紙にコースの印象を述べている。「ピュアスプリンター向きのコースではないと選手は口々に言っているが、これは自分にもチャンスがあるコースだ。確かに優勝候補の筆頭ではないかも知れない。でも勝算はある」。
カヴェンディッシュvsアッズーリ。その前哨戦の行方に注目したい。
text:Gregor Brown
translation:Kei Tsuji
photo:Riccardo Scanferla
「カヴェンディッシュは本戦で最後の勝負まで生き残れない。イタリアチームがミスを犯さない限り、彼にチャンスは無い」。パオロ・ベッティーニ新監督はガゼッタ・デッロ・スポルト紙の中でそう語っている。
今年イタリアチームの監督に就任したベッティーニは、ロード世界選手権に向け、フィリッポ・ポッツァートを始めとする9名のアタッカーを率いてオーストラリアに上陸した。その代表メンバーの中に、アレッサンドロ・ペタッキに代表されるピュアスプリンターの姿は無い。つまり、仮にロード世界選手権で集団スプリントに持ち込まれた場合、イタリアチームはカヴェンディッシュに太刀打ち出来ない。
カヴェンディッシュは直前のブエルタ・ア・エスパーニャでステージ3勝を飾って好調をアピール。しかしベッティーニ監督には、カヴェンディッシュ向きの集団スプリントに持ち込まないという自信がある。
イタリア代表チームを構成するのは、ジロ・デ・イタリアでステージ1勝を飾ったポッツァートの他、ブエルタの総合優勝者ヴィンチェンツォ・ニーバリや、イタリアチャンピオンのジョヴァンニ・ヴィスコンティら。この3選手がチーム戦略の中枢を担う。
「代表メンバーはシーズンを通して成績を残している選手ばかり。チーム力はお墨付きだ。これが現在イタリアが誇る最強チームだと断言出来る。全ての選手がそれぞれの役割をもってレースに挑む」
世界選のエリートロードレースが行なわれるのは最終日の10月3日(日)。ちょうどその1週間前にあたる9月26日(日)に、「ヘラルド・サン・クラシックレース」がメルボルン近郊のバララットで開催される。そこでイタリアチームはライバルチームと初めて顔を合わす。レースは19.4kmの周回コースを6周。今年のオーストラリア選手権が行なわれたコースだ。
イタリアチームは9月21日(火)に世界選のメイン会場となるジーロングに到着。時差ボケを解消しつつトレーニングを続けている。木曜日には世界選のコースを含む70kmを走り、金曜日にはメルボルンとジーロングを結ぶ平坦区間を試走した。
イタリアチームは世界選の本戦でホワイトジャージを着る。そのジャージには「バッレーロ・センプレ・コン・ノイ(バッレーロの魂はいつも我々の胸に)」の文字が刻まれる。2月7日にラリーカーレースで事故死した前イタリア代表チーム監督の故フランコ・バッレリーニ氏に捧げるメモリアルジャージだ。
対するカヴェンディッシュは木曜日に現地に到着。代表メンバーであるジェレミー・ハントとともに、60kmのトレーニングライドをこなした。
「タフなサーキットコースだ。予想以上に厳しい。でも(上り頂上から)ゴールまで距離がある。上りで遅れても、挽回可能なほど距離が残されている」。カヴェンディッシュは地元オーストラリアのヘラルド・サン紙にコースの印象を述べている。「ピュアスプリンター向きのコースではないと選手は口々に言っているが、これは自分にもチャンスがあるコースだ。確かに優勝候補の筆頭ではないかも知れない。でも勝算はある」。
カヴェンディッシュvsアッズーリ。その前哨戦の行方に注目したい。
text:Gregor Brown
translation:Kei Tsuji
photo:Riccardo Scanferla
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