2027年に愛媛県で開催される自転車に関する世界最大級の国際会議Velo-city(ヴェロシティ)に向けてのキックオフセミナーが2月20日、東京で開催された。日本開催に向けて意識を高め、機運を醸成する狙いがある。

東京・永田町で開催されたVelo-city2027愛媛キックオフセミナー photo:Velo-city2027愛媛

Velo-cityEhime2027 ロゴ ©Velo-city2027愛媛 まず改めてVelo-cityとは、世界最大規模の自転車政策およびまちづくりに関する国際会議で、自転車を都市交通の中心的な手段として発展させ、持続可能な社会を実現することを目的としている。
自転車政策の決定者、実務者、研究者・有識者、愛好家などが世界から集まる自転車に関する学術会議として、観光、安全利用、都市計画など様々な議題について議論するとともに、開催都市内で自転車パレードなどを行い、知識交換や交流の促進を図る機会となる。主催は欧州サイクリスト連盟 (ECF) 。
Velo-cityは1980年の初開催以来、毎年1回、欧州を中心に世界各地で開催されており、2027年5月には日本で初めて、またアジアでは台北に次いで2回目となる会議が愛媛県で開催されることが決まっている。(開催決定時の記事)

Velo-city2027のメイン会場となる松山市の愛媛県武道館 photo:Velo-city2027愛媛
■機運醸成のためのキックオフセミナー

過去のVelo-city経験者による経験が共有された photo:Makoto AYANO 今回のキックオフセミナーは、日本ではまだ趣旨が十分に伝わっておらず、イメージも無いVelo-cityの内容や方向性について、関係者およびこれから関わろうという人に向けて、その像を見せ、日本での初開催の機運を高めようという狙いがあったようだ。
登壇・発言者としては主催関係者ほか政策決定者、自治体、都市・交通計画、学者・研究者、環境、観光、自転車関連企業・団体など、Velo-cityに関わる多様な立場からの意見が交換された。
過去のVelo-city出席経験者からは、その経験が共有されたほか、各自治体からは現在進行中の自転車によるまちづくりの施策が説明された。会場とオンラインあわせて約450名にのぼる参加があった。
ここでは会の内容をダイジェストしてお伝えする。

「良いモビリティ活用が、良い社会を作る」と題するパネルディスカッション photo:Makoto AYANO
「良いモビリティ活用が、良い社会を作る」と第するパネルディスカッションでは、さいたま市による自転車を活用したまちづくりや「総合都市交通体系計画」の例を紹介。
ブリヂストンサイクルからは交通安全啓発活動の背景と、官民・他業種との連携による活動を紹介。
ドコモ・バイクシェアからはシェアサイクル事業についての展開や特性の紹介。

アジアでの前Velo-City開催国の台湾の自転車文化を紹介した一青妙さん 
第3次自転車活用推進計画(素案)の概要
愛媛で人気の四国一周サイクリング施策のPR大使・一青妙さんからは台湾から学ぶ自転車文化の紹介とともに、演出に対する提言。
自転車活用推進本部事務局次長(国土交通省道路局参事官)の土田宏道氏からは昨今の自転車を取り巻く社会情勢の変化における第3次自転車活用推進計画の素案の概要が説明された。

宇都宮市副市長の田中成興氏が「宇都宮の自転車まちづくり」を説明 
宇都宮市の自転車通行空間整備
宇都宮市副市長の田中成興氏による「宇都宮の自転車まちづくり」と題する講演では2年前に運用が開始されたLRT(ライトライン)や鉄道、バス路線、地域内交通が連携した「階層性のある効率的な公共交通ネットワーク」を構築した宇都宮市の市街地交通システムにおける、今後の自転車通行空間や利用環境の整備ついての計画、またジャパンカップサイクルロードレースやサイクルスポーツ振興と併せた宇都宮市の目指す自転車まちづくりの方向性が説明された。

宇都宮市のまちづくりと連携した自転車利用環境整備 photo:Makoto AYANO

東海大学准教授の鈴木美緒氏がVelo-cityの概要を説明 
Velo-cityの概要と実際が説明された
東海大学准教授の鈴木美緒氏による「Velo-city の概要と世界的意義」と題する講演では、Velo-cityの概要や過去の開催国における例、特徴など実際的な話を絡めながら、日本での開催意義が説明された。
続いて「Velo-city2027 愛媛開催の意義」トークセッション においては大阪公立大学准教授の吉田長裕氏、土田宏道氏(前出)、Velo-City2027Ehime実行委員会の河上芳一氏がそれぞれの立場で意見を交わした。

Velo-City2027Ehime実行委員会の河上芳一氏 
自転車活用推進本部事務局次長(国土交通省道路局参事官)の土田宏道氏
今まで「しまなみ海道」に代表されるサイクルツーリズムの振興で成功してきた愛媛県という広域自治体がVelo-city開催都市に乗り出す意義。日本の自転車政策が抱える難問は一過性のキャンペーンや一部の熱心な関係者の努力だけで解決できるものではないという「念押し」。

自転車パレードも開催される 
様々な会議やセッションの様子が紹介された
また、過去の自転車活用推進計画におけるVelo-cityの位置づけを再掲し、愛媛・松山が開催都市となるが、あくまで国策として取り組んでいくという説明がなされた。また最後には2007年から2013年にニューヨーク市交通局局長のサディック=カーン氏による街路改革の例が紹介された。
Velo-cityの今後のスケジュールは、3月に来日するECFとの協議でテーマやサブテーマの検討、6月にイタリア・リミニで開催されるVelo-cityにおいて日本ブース出展と2027年開催の引き継ぎ。協賛・出展の募集を開始。9月にテーマ・サブテーマ公表とアブストラクト(論文要旨・講演者)募集。2027年1月に講演者決定とプログラムの調整、参加者募集開始。3月にプログラム公表となる。
なお今回の約4時間に及んだセミナーのアーカイブ配信がYoutTubeにおいて公開されている。
Velo-city2027Ehime 開催概要
日時
2027年5月25日(火)~28日(金) 4日間
主会場
愛媛県武道館(松山市)
主催
欧州サイクリスト連盟(ECF:European Cyclists’ Federation)
共催
Velo-city2027Ehime実行委員会
(会長:愛媛県知事 副会長:松山市長、今治市長 委員:愛媛県市長会・町村会会長、学識経験者など)
内容
学術会議、展示会、自転車パレード
参加者
政策決定者、自治体、都市・交通計画、学者・研究者、環境、観光、自転車関連企業・団体など
1. Velo-cityの目的
・サイクリングや交通計画に関する質の高い知識、優れた新しい情報を国際レベルで広める。
・優れた自転車施策を持つ都市が、市民や事業者などにメリットを紹介し、会議を通じて一般への周知を図る。
・自転車が効率的で健康に良く環境に優しい交通手段であるとの認識を広め、その一層の活用を推進する。
・自転車計画を交通、土地利用計画その他関連部門の自転車政策に組み込む契機を作る。
・すべての関係者(大学/学界、意思決定者、地方自治体、中央政府、国際機関)に参加を求め、交流を促進する。
・開催地の自転車関係団体等へ関与し、開催地の自転車活用の推進を支援する。
2.形式・規模
・学術会議としては、本会議・分科会・ワークショップ・視察など多種形式で4日間開催され、プログラム数は80程度、講演者は400人を超える。
・一般参加も可能な自転車パレードや展示会などのイベントも開催されるほか、社交プログラム、文化プログラムなども開催される。
text&photo:Makoto AYANO


自転車政策の決定者、実務者、研究者・有識者、愛好家などが世界から集まる自転車に関する学術会議として、観光、安全利用、都市計画など様々な議題について議論するとともに、開催都市内で自転車パレードなどを行い、知識交換や交流の促進を図る機会となる。主催は欧州サイクリスト連盟 (ECF) 。
Velo-cityは1980年の初開催以来、毎年1回、欧州を中心に世界各地で開催されており、2027年5月には日本で初めて、またアジアでは台北に次いで2回目となる会議が愛媛県で開催されることが決まっている。(開催決定時の記事)

■機運醸成のためのキックオフセミナー

登壇・発言者としては主催関係者ほか政策決定者、自治体、都市・交通計画、学者・研究者、環境、観光、自転車関連企業・団体など、Velo-cityに関わる多様な立場からの意見が交換された。
過去のVelo-city出席経験者からは、その経験が共有されたほか、各自治体からは現在進行中の自転車によるまちづくりの施策が説明された。会場とオンラインあわせて約450名にのぼる参加があった。
ここでは会の内容をダイジェストしてお伝えする。

「良いモビリティ活用が、良い社会を作る」と第するパネルディスカッションでは、さいたま市による自転車を活用したまちづくりや「総合都市交通体系計画」の例を紹介。
ブリヂストンサイクルからは交通安全啓発活動の背景と、官民・他業種との連携による活動を紹介。
ドコモ・バイクシェアからはシェアサイクル事業についての展開や特性の紹介。


愛媛で人気の四国一周サイクリング施策のPR大使・一青妙さんからは台湾から学ぶ自転車文化の紹介とともに、演出に対する提言。
自転車活用推進本部事務局次長(国土交通省道路局参事官)の土田宏道氏からは昨今の自転車を取り巻く社会情勢の変化における第3次自転車活用推進計画の素案の概要が説明された。


宇都宮市副市長の田中成興氏による「宇都宮の自転車まちづくり」と題する講演では2年前に運用が開始されたLRT(ライトライン)や鉄道、バス路線、地域内交通が連携した「階層性のある効率的な公共交通ネットワーク」を構築した宇都宮市の市街地交通システムにおける、今後の自転車通行空間や利用環境の整備ついての計画、またジャパンカップサイクルロードレースやサイクルスポーツ振興と併せた宇都宮市の目指す自転車まちづくりの方向性が説明された。



東海大学准教授の鈴木美緒氏による「Velo-city の概要と世界的意義」と題する講演では、Velo-cityの概要や過去の開催国における例、特徴など実際的な話を絡めながら、日本での開催意義が説明された。
続いて「Velo-city2027 愛媛開催の意義」トークセッション においては大阪公立大学准教授の吉田長裕氏、土田宏道氏(前出)、Velo-City2027Ehime実行委員会の河上芳一氏がそれぞれの立場で意見を交わした。


今まで「しまなみ海道」に代表されるサイクルツーリズムの振興で成功してきた愛媛県という広域自治体がVelo-city開催都市に乗り出す意義。日本の自転車政策が抱える難問は一過性のキャンペーンや一部の熱心な関係者の努力だけで解決できるものではないという「念押し」。


また、過去の自転車活用推進計画におけるVelo-cityの位置づけを再掲し、愛媛・松山が開催都市となるが、あくまで国策として取り組んでいくという説明がなされた。また最後には2007年から2013年にニューヨーク市交通局局長のサディック=カーン氏による街路改革の例が紹介された。
Velo-cityの今後のスケジュールは、3月に来日するECFとの協議でテーマやサブテーマの検討、6月にイタリア・リミニで開催されるVelo-cityにおいて日本ブース出展と2027年開催の引き継ぎ。協賛・出展の募集を開始。9月にテーマ・サブテーマ公表とアブストラクト(論文要旨・講演者)募集。2027年1月に講演者決定とプログラムの調整、参加者募集開始。3月にプログラム公表となる。
なお今回の約4時間に及んだセミナーのアーカイブ配信がYoutTubeにおいて公開されている。
Velo-city2027Ehime 開催概要
日時
2027年5月25日(火)~28日(金) 4日間
主会場
愛媛県武道館(松山市)
主催
欧州サイクリスト連盟(ECF:European Cyclists’ Federation)
共催
Velo-city2027Ehime実行委員会
(会長:愛媛県知事 副会長:松山市長、今治市長 委員:愛媛県市長会・町村会会長、学識経験者など)
内容
学術会議、展示会、自転車パレード
参加者
政策決定者、自治体、都市・交通計画、学者・研究者、環境、観光、自転車関連企業・団体など
1. Velo-cityの目的
・サイクリングや交通計画に関する質の高い知識、優れた新しい情報を国際レベルで広める。
・優れた自転車施策を持つ都市が、市民や事業者などにメリットを紹介し、会議を通じて一般への周知を図る。
・自転車が効率的で健康に良く環境に優しい交通手段であるとの認識を広め、その一層の活用を推進する。
・自転車計画を交通、土地利用計画その他関連部門の自転車政策に組み込む契機を作る。
・すべての関係者(大学/学界、意思決定者、地方自治体、中央政府、国際機関)に参加を求め、交流を促進する。
・開催地の自転車関係団体等へ関与し、開催地の自転車活用の推進を支援する。
2.形式・規模
・学術会議としては、本会議・分科会・ワークショップ・視察など多種形式で4日間開催され、プログラム数は80程度、講演者は400人を超える。
・一般参加も可能な自転車パレードや展示会などのイベントも開催されるほか、社交プログラム、文化プログラムなども開催される。
text&photo:Makoto AYANO
Amazon.co.jp