2010/09/21(火) - 15:56
モノコック構造のカーボンバイクが多くなった現在、コルナゴはラグでつなぐ伝統的なカーボンフレームを得意とするイタリアの老舗メーカーだ。
C59は、EPSにとって代わる同社のフラッグシップモデルになるラグ構造のカーボンフレームだ(EPSも継続販売される)。7月のツール・ド・フランスでBboxブイグテレコムが駆ったことで、発売前にすでにおなじみの存在となった。
新城幸也が乗ったのもこのC59だ。ダウンチューブ裏にはイタリア国旗が大きくあしらわれ、ブイグのチームカラーである水色はどこにも見当たらないが、このカラーこそチームがツールで駆ったモデルだ。
コルナゴのラグドフレームは、クラシックで独特なシルエットと、魅力的なグラフィックが魅力。特に古くからのロードレースファンであれば、コルナゴ独特とも言えるそのフレームスタイルや、美しいグラフィックに惹かれてしまう人は多いのではないだろうか。
もちろんコルナゴもカーボンモノコック構造のバイクを作っている。2011年モデルとしてはモノコック構造フレームの最高峰となるM10も同時にリリースした。
しかしあくまでフラッグシップはこのC59だ。コルナゴはカーボンを自転車の素材として積極的に取り入れた先進的なメーカーのひとつなのに、なぜラグ構造にこだわるのか。
創業者エルネスト・コルナゴがフレームを作りだし、それを古くはエディ・メルクスやジュゼッペ・サロンニをはじめとしたスター選手たちがレースで駆り、人車一体となって勝ちまくってきたイメージがコルナゴにはある。彼らがレースで駆るコルナゴは、写真を通してさえも優美さを覚えるほどの圧倒的な存在感がある。
多くのコルナゴファンにとって、ラグ構造のカーボンフレームこそがコルナゴのイメージなのだ。しかし古い手法とは言え、ラグ構造ならパイプごとに長さを変えることでジオメトリーの変更が可能であり、プロ選手たちのなかには自分専用のスケルトンのバイクの供給をうけている選手もいる。市販製品としては難しい面が多い「スケルトンオーダー」だが、プロ選手の要望に完璧に応えるためには必要な要素の一つとも言える。だからプロ選手のコルナゴに対する評価はいつも高い。
そして、走ったときのダイレクト感や、言葉に言い表すことが難しいほどグイグイ進む感じは、コルナゴのラグ構造カーボンフレームを言い表す際にしばしば使われる表現だ。
ツールではブイグテレコムの選手たちもC59を駆って活躍した。トマ・ヴォクレールとピエリック・フェドリゴのステージ優勝に加え、アントニー・シャルトーの山岳賞獲得。市販化前にすでに十分な活躍を納めてしまった。
実際、新城もC59の性能についてはベタ褒め状態で、コルナゴも「ユキヤ」の活躍に歓喜して「必勝」の文字を入れたC59をいち早くユキヤに供給。それを駆ったユキヤはさらに活躍するという、選手とメーカーの相思相愛状態だ。
開発に4年をかけたというC59。ラグはもちろんだが、メインフレームにはかつてのクロモリフレーム「エサ・メキシコ」を彷彿とさせるジルコ加工が施された多角形断面のカーボンチューブが採用されている。ダウンチューブ内部には補強のためのリブが入り、断面は「日」のようになっている。それをつなぐラグも専用のものが用意され、しかもヘッドラグに空けた穴からケーブルがフレームチューブに内蔵されるという新構造になっている。
ケーブルを内蔵する穴は、単なる穴でなく、ケーブルを通すためのカーボンチューブがフレームパイプ内部を通るという手の込んだ成形構造になっている。そのため、ケーブルを通す作業は至極簡単で、ケーブル端が出てこないなどといった間違いが起こらない。手で押したケーブルはスムーズに反対側の穴から出てくる。もし片方から水を入れればそのまま流れ出るとのことだ。
リアステーには新たに「Q2ステー」を採用し、チェーンステーもスクエアな形状ものが採用されている。Q2とは、おそらく英語の「スクエア」からとった略称だろうとのこと。
他社のバイクが「○○社製の弾性率50tonカーボンパイプを使用している」と積極的に謳うのに反し、コルナゴは従来どおりカーボンの素材についてはとくに公表しない。これは「フレームの場所によって多くの素材を適材適所で使い分ける。フレームの性能を決めるのは、実戦から得られた多くの要素や経験値。単なるカーボン素材の数字などで性能が決まるわけでは決してない」という信念からだ。
「熱い男」として知られたコルナゴジャパン勤務の元選手、岡崎和也さんによれば、C59は「かなり剛性の高いレーシングバイク。初心者向けではなく、脚のある選手にこそ乗ってもらいたいですね。真剣にレースに取り組んでいる人にオススメできるバイクですが、グランフォンドやツーリング用途であれば、コンフォートを意識した設計の他のモデルがいいでしょう」とのこと。C59には「誰にでもおすすめできます」というような陳腐な営業トークは用意されていないのだ。
生粋のレーシングブランド、コルナゴが放つフラッグシップモデルは、果たしてどのような乗り心地なのだろう。西谷雅史、三上和志の2人がインプレッションを語る。
インプレッション
「超高剛性でレーシーな新しいコルナゴ」
西谷雅史(オーベスト)
コルナゴの乗り味は全体的に「安定性と踏み味をバランスよく上手くコントロールしている」という印象が個人的にある。
このC59は、造り方はC40やC50から受け継がれているものの、パイプ形状を変えてきていることもあってか、乗り味は高剛性でものすごくスパルタンかつレーシーなものに仕上がっていると感じた。特にC40から継承されているラグフレームのイメージとは驚くほどかけ離れているのが印象深い。
たしかに驚いたことには驚いたが、コルナゴの伝統的なフォルムなのに今までになかった乗り味なので、“これが新しいコルナゴなのか!”と思わせられるだけの新鮮さがある。とはいえ別にネガティブな印象というわけではない。今までのコルナゴにはない新しい乗り味であるとともに、他社のバイクにもない乗り味になっていることに衝撃を受けた、と言い換えてもいい。
もっと具体的に乗り味を説明していくと、アメリカンバイクに多いヒラヒラとした軽やかさは微塵もなく、高剛性でガッチリとしていて、さらにどっしりした安定感がある。「超高速域」を意識した造りになっていることがよく分かる。
このどっしり感を、乗る人によってはハンドリングが重いと感じるかもしれない。しかし高速で進む長いストレートでは、高い剛性とともにこのどっしりとした安定性が強力な武器になってくれるだろう。
下りのカーブも同じく、70km/hを越える高速から超高速でいかに安定させるか、ということをコンセプトにしているような印象だ。ターゲットを絞り込んで明確にしたことで、個性がよくでていると感じる。
だから中途半端に走っていてはこのバイクの良さはなかなか見えてこない。ある程度の大きな規模のコースで豪快に走ってこそ活きてくるバイクだろう。
少なくともパッと乗って「おっ、コレはいいね」と言えるものではない。しかし、しばらくじっくり乗ることで、そのコンセプトや長所を味わえるバイクとなっている。
入門者に媚を売るような性格はないが、コルナゴが長い年月を掛けて開発したトップレーサーが駆るためのフラグシップだ。ならばこのくらいピーキーなチューニングでも構わないのではないだろうか。
「"C"はコルナゴの考える真のレースバイクだ」
三上和志(サイクルショップミカミ)
“お約束”というか、まずはそのルックスに注目せざるを得ない。コルナゴらしいラグで繋いだフレームは、やはりいい。その点から好きになってしまう。
カーボンモノコックが多い現在でもラグで繋ぐ。しかもラグの段差をあえて残す。この辺りがメーカーとしてのこだわりと『C』を受け継ぐモデルの役割なのかもしれない。
今では古めかしいルックスだが、こういう部分にコルナゴがコルナゴである「らしさ」、現在に至るまで築いてきたブランドのイメージを大切にしている、という印象を受ける。
しかもそれでいてワイヤーは内蔵式にするなど、トレンドを上手く取り入れているところはさすが、というところだ。
そして走りはどうかというと、イマドキのバイクの「フワりとしたしなやかさを持って進む」というよりは「どっしり構えているからあとは踏んでいってくれ」とバイクが要求するかのようだ。
ハンドリングは直進安定性が強い印象があるものの、ひとたび下りで操作してみるとダイレクトに反応してくれるという、実にレーシーな操作感覚だ。
コーナーを曲がりながら修正するときのダイレクト感を含めて、入りたいラインに突っ込んでいける。
積極的な操作を全部受け止めて、狙い通りのラインをトレースするために仕上げられている、と感じた。
乗り味は路面状況をダイレクトに伝えてくる硬めな印象。しかしその衝撃が不快になるようなショックを伝えてくるワケではない。
嫌な衝撃はしっかりと角をとって伝えてくれる感じだ。だが、柔らかいわけではないので、荒れた路面で気を抜いてハンドルに手を添えているだけだと弾かれてしまうだろう。あくまでレース用の車両であって、集中して積極的に乗るためにあるバイクだ。
低速からフワッと進む感じこそ無いが、高速域での伸びやかさは本当に気持ちいいものがある。こういう面からもレースで使われる実用速度域の高いレンジで真価を発揮するように作られていることが伝わってくる。
コルナゴの考えるプロライダーが乗るためにあるフラグシップ。まるで「プロが使うレースバイクはこう造るんだ」とコルナゴが言っているかのようなバイクだ。
コルナゴ C59
フレーム HHM-HMカーボン
サイズ 450S、480S、500S、520S、520、530、550、570
カラー ホワイト、シルバー、レッド、ブルー、イエロー、オレンジ、マットブラック
希望小売価格(フレームのみ・税込み) 598,500円
インプレライダーのプロフィール
西谷雅史(サイクルポイント オーベスト)
東京都調布市にある「サイクルポイント オーベスト」店長。チームオーベストを率い、自らも積極的にレースに参戦。主なリザルトはツール・ド・おきなわ市民200km優勝、ジャパンカップアマチュアレース優勝など。2007年の実業団小川大会では、シマノの野寺秀徳、狩野智也を抑えて優勝している。まさに「日本最速の店長」だ!
サイクルポイント オーベスト
三上和志(サイクルハウスMIKAMI)
埼玉県飯能市にある「サイクルハウスMIKAMI」店主。MTBクロスカントリー全日本シリーズ大会で活躍した経験を生かし、MTBに関してはハード・ソフトともに造詣が深い。トレーニングの一環としてロードバイクにも乗っており、使用目的に合った車種の選択や適正サイズに関するアドバイスなど、特に実走派のライダーに定評が高い。
サイクルハウスMIKAMI
ウェア協力:ルコック・スポルティフ
photo:Makoto.Ayano
text:Kiichi.Gotoda
C59は、EPSにとって代わる同社のフラッグシップモデルになるラグ構造のカーボンフレームだ(EPSも継続販売される)。7月のツール・ド・フランスでBboxブイグテレコムが駆ったことで、発売前にすでにおなじみの存在となった。
新城幸也が乗ったのもこのC59だ。ダウンチューブ裏にはイタリア国旗が大きくあしらわれ、ブイグのチームカラーである水色はどこにも見当たらないが、このカラーこそチームがツールで駆ったモデルだ。
コルナゴのラグドフレームは、クラシックで独特なシルエットと、魅力的なグラフィックが魅力。特に古くからのロードレースファンであれば、コルナゴ独特とも言えるそのフレームスタイルや、美しいグラフィックに惹かれてしまう人は多いのではないだろうか。
もちろんコルナゴもカーボンモノコック構造のバイクを作っている。2011年モデルとしてはモノコック構造フレームの最高峰となるM10も同時にリリースした。
しかしあくまでフラッグシップはこのC59だ。コルナゴはカーボンを自転車の素材として積極的に取り入れた先進的なメーカーのひとつなのに、なぜラグ構造にこだわるのか。
創業者エルネスト・コルナゴがフレームを作りだし、それを古くはエディ・メルクスやジュゼッペ・サロンニをはじめとしたスター選手たちがレースで駆り、人車一体となって勝ちまくってきたイメージがコルナゴにはある。彼らがレースで駆るコルナゴは、写真を通してさえも優美さを覚えるほどの圧倒的な存在感がある。
多くのコルナゴファンにとって、ラグ構造のカーボンフレームこそがコルナゴのイメージなのだ。しかし古い手法とは言え、ラグ構造ならパイプごとに長さを変えることでジオメトリーの変更が可能であり、プロ選手たちのなかには自分専用のスケルトンのバイクの供給をうけている選手もいる。市販製品としては難しい面が多い「スケルトンオーダー」だが、プロ選手の要望に完璧に応えるためには必要な要素の一つとも言える。だからプロ選手のコルナゴに対する評価はいつも高い。
そして、走ったときのダイレクト感や、言葉に言い表すことが難しいほどグイグイ進む感じは、コルナゴのラグ構造カーボンフレームを言い表す際にしばしば使われる表現だ。
ツールではブイグテレコムの選手たちもC59を駆って活躍した。トマ・ヴォクレールとピエリック・フェドリゴのステージ優勝に加え、アントニー・シャルトーの山岳賞獲得。市販化前にすでに十分な活躍を納めてしまった。
実際、新城もC59の性能についてはベタ褒め状態で、コルナゴも「ユキヤ」の活躍に歓喜して「必勝」の文字を入れたC59をいち早くユキヤに供給。それを駆ったユキヤはさらに活躍するという、選手とメーカーの相思相愛状態だ。
開発に4年をかけたというC59。ラグはもちろんだが、メインフレームにはかつてのクロモリフレーム「エサ・メキシコ」を彷彿とさせるジルコ加工が施された多角形断面のカーボンチューブが採用されている。ダウンチューブ内部には補強のためのリブが入り、断面は「日」のようになっている。それをつなぐラグも専用のものが用意され、しかもヘッドラグに空けた穴からケーブルがフレームチューブに内蔵されるという新構造になっている。
ケーブルを内蔵する穴は、単なる穴でなく、ケーブルを通すためのカーボンチューブがフレームパイプ内部を通るという手の込んだ成形構造になっている。そのため、ケーブルを通す作業は至極簡単で、ケーブル端が出てこないなどといった間違いが起こらない。手で押したケーブルはスムーズに反対側の穴から出てくる。もし片方から水を入れればそのまま流れ出るとのことだ。
リアステーには新たに「Q2ステー」を採用し、チェーンステーもスクエアな形状ものが採用されている。Q2とは、おそらく英語の「スクエア」からとった略称だろうとのこと。
他社のバイクが「○○社製の弾性率50tonカーボンパイプを使用している」と積極的に謳うのに反し、コルナゴは従来どおりカーボンの素材についてはとくに公表しない。これは「フレームの場所によって多くの素材を適材適所で使い分ける。フレームの性能を決めるのは、実戦から得られた多くの要素や経験値。単なるカーボン素材の数字などで性能が決まるわけでは決してない」という信念からだ。
「熱い男」として知られたコルナゴジャパン勤務の元選手、岡崎和也さんによれば、C59は「かなり剛性の高いレーシングバイク。初心者向けではなく、脚のある選手にこそ乗ってもらいたいですね。真剣にレースに取り組んでいる人にオススメできるバイクですが、グランフォンドやツーリング用途であれば、コンフォートを意識した設計の他のモデルがいいでしょう」とのこと。C59には「誰にでもおすすめできます」というような陳腐な営業トークは用意されていないのだ。
生粋のレーシングブランド、コルナゴが放つフラッグシップモデルは、果たしてどのような乗り心地なのだろう。西谷雅史、三上和志の2人がインプレッションを語る。
インプレッション
「超高剛性でレーシーな新しいコルナゴ」
西谷雅史(オーベスト)
コルナゴの乗り味は全体的に「安定性と踏み味をバランスよく上手くコントロールしている」という印象が個人的にある。
このC59は、造り方はC40やC50から受け継がれているものの、パイプ形状を変えてきていることもあってか、乗り味は高剛性でものすごくスパルタンかつレーシーなものに仕上がっていると感じた。特にC40から継承されているラグフレームのイメージとは驚くほどかけ離れているのが印象深い。
たしかに驚いたことには驚いたが、コルナゴの伝統的なフォルムなのに今までになかった乗り味なので、“これが新しいコルナゴなのか!”と思わせられるだけの新鮮さがある。とはいえ別にネガティブな印象というわけではない。今までのコルナゴにはない新しい乗り味であるとともに、他社のバイクにもない乗り味になっていることに衝撃を受けた、と言い換えてもいい。
もっと具体的に乗り味を説明していくと、アメリカンバイクに多いヒラヒラとした軽やかさは微塵もなく、高剛性でガッチリとしていて、さらにどっしりした安定感がある。「超高速域」を意識した造りになっていることがよく分かる。
このどっしり感を、乗る人によってはハンドリングが重いと感じるかもしれない。しかし高速で進む長いストレートでは、高い剛性とともにこのどっしりとした安定性が強力な武器になってくれるだろう。
下りのカーブも同じく、70km/hを越える高速から超高速でいかに安定させるか、ということをコンセプトにしているような印象だ。ターゲットを絞り込んで明確にしたことで、個性がよくでていると感じる。
だから中途半端に走っていてはこのバイクの良さはなかなか見えてこない。ある程度の大きな規模のコースで豪快に走ってこそ活きてくるバイクだろう。
少なくともパッと乗って「おっ、コレはいいね」と言えるものではない。しかし、しばらくじっくり乗ることで、そのコンセプトや長所を味わえるバイクとなっている。
入門者に媚を売るような性格はないが、コルナゴが長い年月を掛けて開発したトップレーサーが駆るためのフラグシップだ。ならばこのくらいピーキーなチューニングでも構わないのではないだろうか。
「"C"はコルナゴの考える真のレースバイクだ」
三上和志(サイクルショップミカミ)
“お約束”というか、まずはそのルックスに注目せざるを得ない。コルナゴらしいラグで繋いだフレームは、やはりいい。その点から好きになってしまう。
カーボンモノコックが多い現在でもラグで繋ぐ。しかもラグの段差をあえて残す。この辺りがメーカーとしてのこだわりと『C』を受け継ぐモデルの役割なのかもしれない。
今では古めかしいルックスだが、こういう部分にコルナゴがコルナゴである「らしさ」、現在に至るまで築いてきたブランドのイメージを大切にしている、という印象を受ける。
しかもそれでいてワイヤーは内蔵式にするなど、トレンドを上手く取り入れているところはさすが、というところだ。
そして走りはどうかというと、イマドキのバイクの「フワりとしたしなやかさを持って進む」というよりは「どっしり構えているからあとは踏んでいってくれ」とバイクが要求するかのようだ。
ハンドリングは直進安定性が強い印象があるものの、ひとたび下りで操作してみるとダイレクトに反応してくれるという、実にレーシーな操作感覚だ。
コーナーを曲がりながら修正するときのダイレクト感を含めて、入りたいラインに突っ込んでいける。
積極的な操作を全部受け止めて、狙い通りのラインをトレースするために仕上げられている、と感じた。
乗り味は路面状況をダイレクトに伝えてくる硬めな印象。しかしその衝撃が不快になるようなショックを伝えてくるワケではない。
嫌な衝撃はしっかりと角をとって伝えてくれる感じだ。だが、柔らかいわけではないので、荒れた路面で気を抜いてハンドルに手を添えているだけだと弾かれてしまうだろう。あくまでレース用の車両であって、集中して積極的に乗るためにあるバイクだ。
低速からフワッと進む感じこそ無いが、高速域での伸びやかさは本当に気持ちいいものがある。こういう面からもレースで使われる実用速度域の高いレンジで真価を発揮するように作られていることが伝わってくる。
コルナゴの考えるプロライダーが乗るためにあるフラグシップ。まるで「プロが使うレースバイクはこう造るんだ」とコルナゴが言っているかのようなバイクだ。
コルナゴ C59
フレーム HHM-HMカーボン
サイズ 450S、480S、500S、520S、520、530、550、570
カラー ホワイト、シルバー、レッド、ブルー、イエロー、オレンジ、マットブラック
希望小売価格(フレームのみ・税込み) 598,500円
インプレライダーのプロフィール
西谷雅史(サイクルポイント オーベスト)
東京都調布市にある「サイクルポイント オーベスト」店長。チームオーベストを率い、自らも積極的にレースに参戦。主なリザルトはツール・ド・おきなわ市民200km優勝、ジャパンカップアマチュアレース優勝など。2007年の実業団小川大会では、シマノの野寺秀徳、狩野智也を抑えて優勝している。まさに「日本最速の店長」だ!
サイクルポイント オーベスト
三上和志(サイクルハウスMIKAMI)
埼玉県飯能市にある「サイクルハウスMIKAMI」店主。MTBクロスカントリー全日本シリーズ大会で活躍した経験を生かし、MTBに関してはハード・ソフトともに造詣が深い。トレーニングの一環としてロードバイクにも乗っており、使用目的に合った車種の選択や適正サイズに関するアドバイスなど、特に実走派のライダーに定評が高い。
サイクルハウスMIKAMI
ウェア協力:ルコック・スポルティフ
photo:Makoto.Ayano
text:Kiichi.Gotoda
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