2010/09/18(土) - 09:47
現在ブエルタ・ア・エスパーニャでマイヨロホを着るヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、リクイガス)は、間違いなくイタリアの将来を担うニュースターだ。ロード世界選手権のイタリア代表メンバーに選ばれたことで、彼の地位は確固たるものになったと言っていいだろう。
「オーストラリアには勝つために行く。もちろんロード世界選手権に挑むイタリアチームの姿勢は今まで通り。今年は過去に類を見ないほど気合いが入っている」。イタリア代表のパオロ・ベッティーニ新監督はローマで開かれたメンバー発表記者会見でそう語った。
「勝つ準備は出来ている。後手に回るのではなく、悪役を演じてレースをかき回したい」。
これまでニーバリはロード世界選手権のようなワンデーレースより、ステージレースで好成績を残してきた。そんなニーバリの代表チーム入りはある種の刺激になるはず。イタリア代表として初出場するニーバリはただの飾りではない。チームメイトやベッティーニ監督に忠誠を誓い、レースをかき乱す役割を担う。
「ヴィンチェンツォ(ニーバリ)はとてつもない力を秘めた選手だ。260kmを超えるレースで真価を発揮すると思う。そしてプレッシャーを力に変換する術を知っている。彼とプレッシャーを共有して闘いたい」。チームキャプテンに選ばれたポッツァートはそう語っている。
現在開催中のブエルタで見せているニーバリの走りが、代表チーム入りに繋がったのは言うまでもない。日曜日(9月19日)にマドリードで閉幕を迎える3週間のレースで、ニーバリは総合優勝に輝く可能性が高い。山岳で遅れず、個人TTでリードする走りで総合首位を突っ走っている。
「このブエルタで総合優勝したい」。ニーバリはイタリアのガゼッタ・デッロ・スポルト紙のインタビューで思いを打ち明ける。「最後の最後まで闘い抜いてみせる。信じてほしい」。
ニーバリのポテンシャルの高さは折り紙付きだ。現在25歳のニーバリは、リクイガスのチームメイトであるイヴァン・バッソ(イタリア)に次ぐステージレーサーとして台頭。将来を嘱望されながら成長を続けてきた。
2008年、ニーバリはジロ・デ・イタリアで総合11位に入り、ツール・ド・フランスで総合18位。昨年ニーバリはツールで総合7位に入り、アンディ・シュレク(ルクセンブルク)に次いで新人賞2位に入った。今年ニーバリはジロの山岳ステージで優勝。マリアローザを3日間着用し、バッソの総合優勝を支えながら総合3位に入った。
グランツールでの活躍が目立つニーバリだが、小さなレースでもシーズンを通して成績を残している。シーズン序盤には、アルゼンチンのツール・ド・サンルイスで総合優勝。ジロ終了後、ツアー・オブ・スロベニアで総合優勝を飾り、イタリアのトロフェオ・メリンダを制した。
「3週間のステージレースで調子を上げると、その後のレースでも結果が付いてくる。昨年のツールと今年のジロの後は特に調子が良かった」。
ブエルタ第17ステージの個人タイムトライアルでマイヨロホを取り戻したニーバリは、グランツール初制覇を懸けてボラ・デル・ムンドの山岳ステージを闘う。そこで勝っても負けても、閉幕後すぐにニーバリはイタリアに帰国。月曜日に他の代表メンバー10名(正メンバー8名&リザーブ2名)と合流し、翌日オーストラリアのジーロングに発つ。
ロード世界選手権でニーバリはポッツァートのアシストを担う。チャンスが有れば、ニーバリがアルカンシェルを狙うことも有り得る。
ニーバリのレーススケジュールはシーズン最後までギッシリ詰まっている。では来年以降はどうか?ニーバリは2012年までリクイガスと契約更新。バッソとエースの座を分け合いながら、2年間でジロ・デ・イタリアとツール・ド・フランス制覇を目指している。
同年代のアルベルト・コンタドール(スペイン)とアンディ・シュレク(ルクセンブルク)の対抗馬として期待されるニーバリ。土曜日(9月18日)のボラ・デル・ムンドで彼の将来の道筋が見えてくるはずだ。
text:Gregor Brown
translation:Kei Tsuji
「オーストラリアには勝つために行く。もちろんロード世界選手権に挑むイタリアチームの姿勢は今まで通り。今年は過去に類を見ないほど気合いが入っている」。イタリア代表のパオロ・ベッティーニ新監督はローマで開かれたメンバー発表記者会見でそう語った。
「勝つ準備は出来ている。後手に回るのではなく、悪役を演じてレースをかき回したい」。
これまでニーバリはロード世界選手権のようなワンデーレースより、ステージレースで好成績を残してきた。そんなニーバリの代表チーム入りはある種の刺激になるはず。イタリア代表として初出場するニーバリはただの飾りではない。チームメイトやベッティーニ監督に忠誠を誓い、レースをかき乱す役割を担う。
「ヴィンチェンツォ(ニーバリ)はとてつもない力を秘めた選手だ。260kmを超えるレースで真価を発揮すると思う。そしてプレッシャーを力に変換する術を知っている。彼とプレッシャーを共有して闘いたい」。チームキャプテンに選ばれたポッツァートはそう語っている。
現在開催中のブエルタで見せているニーバリの走りが、代表チーム入りに繋がったのは言うまでもない。日曜日(9月19日)にマドリードで閉幕を迎える3週間のレースで、ニーバリは総合優勝に輝く可能性が高い。山岳で遅れず、個人TTでリードする走りで総合首位を突っ走っている。
「このブエルタで総合優勝したい」。ニーバリはイタリアのガゼッタ・デッロ・スポルト紙のインタビューで思いを打ち明ける。「最後の最後まで闘い抜いてみせる。信じてほしい」。
ニーバリのポテンシャルの高さは折り紙付きだ。現在25歳のニーバリは、リクイガスのチームメイトであるイヴァン・バッソ(イタリア)に次ぐステージレーサーとして台頭。将来を嘱望されながら成長を続けてきた。
2008年、ニーバリはジロ・デ・イタリアで総合11位に入り、ツール・ド・フランスで総合18位。昨年ニーバリはツールで総合7位に入り、アンディ・シュレク(ルクセンブルク)に次いで新人賞2位に入った。今年ニーバリはジロの山岳ステージで優勝。マリアローザを3日間着用し、バッソの総合優勝を支えながら総合3位に入った。
グランツールでの活躍が目立つニーバリだが、小さなレースでもシーズンを通して成績を残している。シーズン序盤には、アルゼンチンのツール・ド・サンルイスで総合優勝。ジロ終了後、ツアー・オブ・スロベニアで総合優勝を飾り、イタリアのトロフェオ・メリンダを制した。
「3週間のステージレースで調子を上げると、その後のレースでも結果が付いてくる。昨年のツールと今年のジロの後は特に調子が良かった」。
ブエルタ第17ステージの個人タイムトライアルでマイヨロホを取り戻したニーバリは、グランツール初制覇を懸けてボラ・デル・ムンドの山岳ステージを闘う。そこで勝っても負けても、閉幕後すぐにニーバリはイタリアに帰国。月曜日に他の代表メンバー10名(正メンバー8名&リザーブ2名)と合流し、翌日オーストラリアのジーロングに発つ。
ロード世界選手権でニーバリはポッツァートのアシストを担う。チャンスが有れば、ニーバリがアルカンシェルを狙うことも有り得る。
ニーバリのレーススケジュールはシーズン最後までギッシリ詰まっている。では来年以降はどうか?ニーバリは2012年までリクイガスと契約更新。バッソとエースの座を分け合いながら、2年間でジロ・デ・イタリアとツール・ド・フランス制覇を目指している。
同年代のアルベルト・コンタドール(スペイン)とアンディ・シュレク(ルクセンブルク)の対抗馬として期待されるニーバリ。土曜日(9月18日)のボラ・デル・ムンドで彼の将来の道筋が見えてくるはずだ。
text:Gregor Brown
translation:Kei Tsuji
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