オーストラリアのコンチネンタルチーム、フライVオーストラリアは2011年のUCIプロツアーライセンス獲得に向けて動いている。オーストラリアチームのプロツアー入りは、サイクリングの国際化を推し進めているUCIの戦略に合致。同チームには追い風が吹いている。

地元オーストラリアや北米レースで結果を残しているフライVオーストラリア地元オーストラリアや北米レースで結果を残しているフライVオーストラリア photo:Fly V Australia2011年のプロツアーライセンス獲得を目指すBMCレーシングチームやルクセンブルクの新チーム。新たにライセンスの申請を行なった14チームの中に、フライVオーストラリアの名前もあった。

同チームは格下コンチネンタル登録のオーストラリアチームで、昨年発足したばかり。メインスポンサーはヴァージングループが運営する国際線航空会社のVオーストラリア。現在デローザを駆って国内外のレースを転戦している。チーム拠点はオーストラリアのブリスベン。

ツアー・オブ・カリフォルニアに出場したフライVオーストラリアツアー・オブ・カリフォルニアに出場したフライVオーストラリア photo:Cor Vos一見無茶なライセンス申請に思われたが、チームマネージャーのクリス・ホワイト氏は自信を覗かせる。「サイクリングの国際化を目指すUCIの戦略に我々のチームはフィットしている。だが特別に優遇されたいとは思っていない。必要な競技レベルや倫理性、チームの運営体制を強化したい」。

「ツアー・オブ・カリフォルニアなどの北米のレースではすでに結果を残しており、財政的にも強力なバックアップを得ている。来シーズンは強力な布陣を揃えたい。ロードレース界で重要な地位を築いたオーストラリアからプロツアーチームが出てきても全く不思議ではない」。

現在オーストラリアはワールドランキングでスペイン、イタリア、ベルギーに次いで4位。2008年からは同国のツアー・ダウンアンダーがプロツアーカレンダーに組み込まれている。

しかしプロツアーライセンス獲得への道のりは険しい。UCIは選手との選手契約状況の提出期限を定めており、ホワイト氏はそれまでに強固な布陣を築く必要がある。

チーム代表を務めるクリス・ホワイトチーム代表を務めるクリス・ホワイト photo:Fly V AustraliaUCIが定めたデッドラインは10月1日。それまでに少なくとも10名の選手契約を終えなければならない。そして、10月20日までに少なくとも15名との契約、12月1日までに少なくとも23名との契約を終える必要がある。特に必要なのはビッグネームの獲得だ。

フライVオーストラリアはドイツからオーストラリアに帰化したハインリッヒ・ハウッスラーやブレット・ランカスター(オーストラリア)との契約交渉を進めていたが、先週2人はガーミン・サーヴェロへの移籍を発表している。

「現チームに所属する9名の選手と契約を更新し、新たに6名が加わる。その選手の名前は近々発表することになるだろう。ヨーロッパで経験を積んだビッグネームの獲得に向けて動いている。中には否定的なメディアもいるけど、チームは進むべき道を進んでいるだけだ」。

プロツアーライセンス獲得を逃した場合、フライVオーストラリアはプロコンチネンタルチームとしてヨーロッパで活動する予定。最大の目標であるツール・ド・フランス出場に向けて更なる発展を目指している。


text:Gregor Brown
translation:Kei Tsuji

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