2010年8月21日、イタリアで第19回トロフェオ・メリンダ(UCI1.1)が開催され、ゴール手前の上りで飛び出したヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、リクイガス)が優勝。1週間後に開幕するブエルタ・ア・エスパーニャに向けて好調ぶりをアピールした。

両手を挙げてゴールするヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、リクイガス)両手を挙げてゴールするヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、リクイガス) photo:Riccardo Scanferla毎年8月下旬に北イタリア・トレント近郊で開催されているトロフェオ・メリンダ。起伏に富んだアップダウンコースが用意され、終盤にかけて高低差500Mのカテゴリー山岳を含む周回コースを3周する。ゴール手前が上りっぱなしのコースレイアウトだ。

コースの厳しさから、レースは進行とともに脱落者が続出するサバイバルレースの様相を呈し、終盤にかけてタジェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、チームHTC・コロンビア)とパトリック・シンケウィッツ(ドイツ、ISD・ネーリ)がアタック。

アタックを成功させたヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、リクイガス)が独走ゴールアタックを成功させたヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、リクイガス)が独走ゴール photo:Riccardo Scanferlaこの2人が吸収されると今度は前年大会覇者でイタリアチャンピオンのジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、ISD・ネーリ)が飛び出したが、ゴール直前に上りカウンターアタックを成功させたニーバリが全ての選手を抜いて先頭へ。ウラディスラフ・ボリソフ(ロシア、アモーレ・エ・ヴィータ)の追撃を振り切ったニーバリが独走状態でゴールに飛び込んだ。

ニーバリは今シーズン7勝目(うち1勝はジロのチームTT)。ジロ・デ・イタリアを自身最高の総合3位で終えたシチリア出身のオールラウンダーは、ツール・ド・フランスをパスし、ブエルタ・ア・エスパーニャに照準を合わせている。

表彰台、左から2位ウラディスラフ・ボリソフ(ロシア、アモーレ・エ・ヴィータ)、優勝ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、リクイガス)、3位ジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、ISD・ネーリ)表彰台、左から2位ウラディスラフ・ボリソフ(ロシア、アモーレ・エ・ヴィータ)、優勝ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、リクイガス)、3位ジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、ISD・ネーリ) photo:Riccardo Scanferla「この勝利は喜びと安堵感を与えてくれる。あと1週間で開幕するブエルタ・ア・エスパーニャを前に、調子の良さを確認しておきたかったんだ。今は自分のポテンシャルを信頼出来ている。今シーズンはここまで順調に勝ち星を重ねているけど、この流れをシーズン最後まで持ち込みたい。ブエルタでライバルに闘いを挑む準備は出来ている(リクイガス公式サイト)」

ニーバリは初出場のブエルタでフランク・シュレク(ルクセンブルク、サクソバンク)やデニス・メンショフ(ロシア、ラボバンク)、カルロス・サストレ(スペイン、サーヴェロ・テストチーム)、クリスティアン・ヴァンデヴェルデ(アメリカ、ガーミン・トランジションズ)らと総合優勝を懸けて闘う。ブエルタは8月28日、セビーリャのミッドナイト・チームタイムトライアルで開幕する。

レース展開はガゼッタ紙、選手コメントはリクイガスの公式サイトより。


トロフェオ・メリンダ2010
1位 ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、リクイガス)       4h49'00"
2位 ウラディスラフ・ボリソフ(ロシア、アモーレ・エ・ヴィータ)
3位 ジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、ISD・ネーリ)
4位 フランチェスコ・ファイッリ(イタリア、アックア・エ・サポーネ)
5位 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、コルナゴ・CSFイノックス)
6位 パトリック・シンケウィッツ(ドイツ、ISD・ネーリ)
7位 フォルトゥナート・バリアーニ(イタリア、コルナゴ・CSFイノックス)
8位 トム・ダニエルソン(アメリカ、ガーミン・トランジションズ)
9位 ルイスアンヘル・マテマルドネス(スペイン、アンドローニ・ジョカトリ)+15"
10位 ピーター・ステティーナ(アメリカ、ガーミン・トランジションズ)

text:Kei Tsuji
photo:Riccardo Scanferla

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