2010/08/14(土) - 07:36
8月15日にドイツ、ハンブルグでヴァッテンフォールサイクラシックスが開催される。スプリンターのためのクラシックと呼ばれるこの大会、地元ドイツ勢の活躍に期待がかかる。
前身の大会から数えて今年で15回目を迎えるヴァッテンフォールサイクラシックス。歴史の浅さは、グランツールのようなレースの文化を持たないドイツという国柄も関係するが、そのレースの格式はプロツアーの中で他に見劣りすることは無い。
216.6kmのレース高低の中でポイントとなるのは3回通過するヴァーゼベルクの登り。このヴァーゼベルクは長さ700mほどの短い直線的な上りながら、平均勾配が10%、最大勾配は15%に達するレース屈指の難所。ここで逃げを狙う選手たちはアタックを仕掛けることになる。
そのアタックをなんとかして潰したいのはスプリンターたちだ。なんと言っても、このヴァッテンフォール・サイクラシックスはスプリンターにチャンスのあるレース。ヴァーゼベルグはスプリンターにとって越えられない登りではないのだ。とはいってもさすがはプロツアーのワンデイレース。3度のヴァーゼベルグを越えた集団は数十人単位になるのが常。ここに残れればスプリンターに多大なチャンスが巡ってくる。
スプリンターチームの統率力か、逃げる選手の意志の強さか、見る者を惹き付ける真夏のバトルが、ヴァッテンフォール・サイクラシックスだ。
連覇を狙うファラー 躍進目覚ましいドイツスプリンターに注目!
昨年アメリカ人として初の大会制覇を成し遂げたタイラー・ファラー(アメリカ、ガーミン・トランジションズ)は今年のジロ・デ・イタリアでも活躍を見せ、もうすでに世界屈指のスプリンアーと言っていいだろう。しかしツールでは落車し結果を残すことができなかった。このプロツアーの舞台で復活の勝利を飾りたいところだ。
最有力選手に挙げられるのは今シーズン最多勝を誇るアンドレ・グライペル(ドイツ、チームHTCコロンビア)。すでに16勝を挙げている怪物スプリンターは来期、オメガファーマ・ロットへの移籍が決まっている。移籍の手みやげに、母国最大のレースの優勝を持って行くことができるか。
やはり優れたスプリンターの伝統を持つドイツのもう一人の注目スプリンターはゲラルド・チオレック(ドイツ、チームミルラム)だ。昨年、2007年に2度3位に入っているこの新進のスプリンアーだが、母国最大のタイトルにはまだ恵まれていない。ここで一花咲かせて、今季限りでスポンサーの撤退が決まっているチームに花を添えたいところだ。
昨年アタックを見せる印象的な走りで、最後にスプリントで2位に食い込んだマッティ・ブレシェル(デンマーク、サクソバンク)は雪辱を期す。長年在籍したサクソバンクを去る決断をしたばかりの彼にとっても、最後にチームへの謝意を結果で表したいところ。
その他の有力スプリンターには、昨年4位のアラン・デーヴィス(オーストラリア、アスタナ)、2008年に今大会を制しているロビー・マキュアン(オーストラリア、カチューシャ)、今季ツール2勝&マイヨヴェールのアレッサンドロ・ペタッキ(イタリア、ランプレ・ファルネーゼヴィニ)らがいる。
逃げにチャンスを見出したいアタッカーは、2007年に今大会を制したアレッサンドロ・バッラン(イタリア、BMCレーシング)、今季怪物級活躍を見せている新人ペーター・サガン(スロベキア、リクイガス・ドイモ)、05年の覇者フィリッポ・ポッツァート(イタリア、カチューシャ)らが揃う。
残念ながら日本人選手のエントリーの無い今大会だが、白熱のレースが期待される。スプリントバトルか逃げきりか?最後の最後まで読めない熱い戦いに注目だ。
text:Yufta.OMATA
photo:Makoto.AYANO、Kei.TSUJI,CorVos
前身の大会から数えて今年で15回目を迎えるヴァッテンフォールサイクラシックス。歴史の浅さは、グランツールのようなレースの文化を持たないドイツという国柄も関係するが、そのレースの格式はプロツアーの中で他に見劣りすることは無い。
216.6kmのレース高低の中でポイントとなるのは3回通過するヴァーゼベルクの登り。このヴァーゼベルクは長さ700mほどの短い直線的な上りながら、平均勾配が10%、最大勾配は15%に達するレース屈指の難所。ここで逃げを狙う選手たちはアタックを仕掛けることになる。
そのアタックをなんとかして潰したいのはスプリンターたちだ。なんと言っても、このヴァッテンフォール・サイクラシックスはスプリンターにチャンスのあるレース。ヴァーゼベルグはスプリンターにとって越えられない登りではないのだ。とはいってもさすがはプロツアーのワンデイレース。3度のヴァーゼベルグを越えた集団は数十人単位になるのが常。ここに残れればスプリンターに多大なチャンスが巡ってくる。
スプリンターチームの統率力か、逃げる選手の意志の強さか、見る者を惹き付ける真夏のバトルが、ヴァッテンフォール・サイクラシックスだ。
連覇を狙うファラー 躍進目覚ましいドイツスプリンターに注目!
昨年アメリカ人として初の大会制覇を成し遂げたタイラー・ファラー(アメリカ、ガーミン・トランジションズ)は今年のジロ・デ・イタリアでも活躍を見せ、もうすでに世界屈指のスプリンアーと言っていいだろう。しかしツールでは落車し結果を残すことができなかった。このプロツアーの舞台で復活の勝利を飾りたいところだ。
最有力選手に挙げられるのは今シーズン最多勝を誇るアンドレ・グライペル(ドイツ、チームHTCコロンビア)。すでに16勝を挙げている怪物スプリンターは来期、オメガファーマ・ロットへの移籍が決まっている。移籍の手みやげに、母国最大のレースの優勝を持って行くことができるか。
やはり優れたスプリンターの伝統を持つドイツのもう一人の注目スプリンターはゲラルド・チオレック(ドイツ、チームミルラム)だ。昨年、2007年に2度3位に入っているこの新進のスプリンアーだが、母国最大のタイトルにはまだ恵まれていない。ここで一花咲かせて、今季限りでスポンサーの撤退が決まっているチームに花を添えたいところだ。
昨年アタックを見せる印象的な走りで、最後にスプリントで2位に食い込んだマッティ・ブレシェル(デンマーク、サクソバンク)は雪辱を期す。長年在籍したサクソバンクを去る決断をしたばかりの彼にとっても、最後にチームへの謝意を結果で表したいところ。
その他の有力スプリンターには、昨年4位のアラン・デーヴィス(オーストラリア、アスタナ)、2008年に今大会を制しているロビー・マキュアン(オーストラリア、カチューシャ)、今季ツール2勝&マイヨヴェールのアレッサンドロ・ペタッキ(イタリア、ランプレ・ファルネーゼヴィニ)らがいる。
逃げにチャンスを見出したいアタッカーは、2007年に今大会を制したアレッサンドロ・バッラン(イタリア、BMCレーシング)、今季怪物級活躍を見せている新人ペーター・サガン(スロベキア、リクイガス・ドイモ)、05年の覇者フィリッポ・ポッツァート(イタリア、カチューシャ)らが揃う。
残念ながら日本人選手のエントリーの無い今大会だが、白熱のレースが期待される。スプリントバトルか逃げきりか?最後の最後まで読めない熱い戦いに注目だ。
text:Yufta.OMATA
photo:Makoto.AYANO、Kei.TSUJI,CorVos