2024年に命の危険すらあった大怪我を乗り越え、ヨナス・ヴィンゲゴーハンセンが3年ぶりに袖を通したマイヨジョーヌ。「再びこのジャージを着るのが夢だった」と語ったステージ勝者や、敗れながらも笑顔を見せたポガチャルなど、ツール初日を終えた選手たちのコメントを紹介する。



ステージ優勝&マイヨジョーヌ ヨナス・ヴィンゲゴーハンセン(デンマーク、ヴィスマ・リースアバイク)

レース直後インタビュー

中間計測でトップタイムを更新しながらフィニッシュを目指すヨナス・ヴィンゲゴーハンセン(デンマーク、ヴィスマ・リースアバイク) photo:A.S.O.

完璧なツールの開幕と言うことができる。もちろん先は長いが、完璧な滑り出しだ。チームメイトたちは素晴らしく役割を全うしてくれ、とても強かった。僕はあまり脚を使う必要がなかった。彼らが僕をフィニッシュまで運んでくれたのだからね。そしてステージ優勝とこのマイヨジョーヌをもたらしてくれた。個人的に、最後にこれを着てから数年の時が経っていた。辛く苦しい数年間だ。だからこそ、再びこのジャージを着ることができて嬉しい。

世界最大のレースでのステージ優勝が意味するものは大きい。チームタイムトライアルで、7名のチームメイトが僕のために犠牲になってくれたんだ。僕だけがこのマイヨジョーヌを着てはいるが、勝利は僕らチームのもの。皆で喜びたいし、本当にチームメイトとチームに感謝している。

ステージ優勝を叶えたヴィスマ・リースアバイク photo:A.S.O.

─全てが計画通りに進んだのか?

そう言える。戦術的な作戦を立て、その成果が結果として表れた。

─ジロの総合優勝者が、続くツール最初のマイヨジョーヌを着用したのは、1993年のミゲル・インデュライン以来のこと。そして彼は、その大会の総合優勝者となった。

もちろん僕はここに総合成績で良い結果を残すためにやってきた。しかし、まだ第1ステージが終わっただけ。先は長く、得たタイム差も大きくはない。だがこれ以上を望むことのできない、完璧な滑り出しとなった。そしてこのマイヨジョーヌは非常に大きな意味を持つ。

表彰式後記者会見

早くもヨナス・ヴィンゲゴーハンセン(デンマーク、ヴィスマ・リースアバイク)がマイヨジョーヌを獲得 photo:A.S.O.

再びこのマイヨジョーヌを着ることができた。その事実が何より大切なことだった。ここ3年にわたり、このマイヨジョーヌを着用することを夢に見ていた。(チームとしてこのチームTTを重要視したのは)この種目が自転車ロードレースにおいて重要だからだ。もちろん総合タイムを稼ぐ意味もあるし、このマイヨジョーヌを狙いにいける。だってこのジャージを着ることが自転車選手全員の夢であり、特別なことなのだからね。

このチームTTでの勝利が、チームの雰囲気を良くしてくれるはずだ。僕はもちろん、チームの皆で今夜、この勝利の喜びを分かち合うことだろう。それはこれから続く今大会へのモチベーションに繋がる。

ジロで全力を出し尽くすような状態ではなかった。とても良いコンディションのままジロを終え、ハイレベルな状態をキープすることができた。少なくとも、ここで勝利を掴むだけの力はある。

落ち着いた表情でインタビューに応じるヨナス・ヴィンゲゴーハンセン(デンマーク、ヴィスマ・リースアバイク) photo:A.S.O.

最初の2kmは楽すぎて、もっと飛ばさなければいけないと思っていた。しかし無線から最速タイムを出していると聞かされ、先頭に出ていないにもかかわらず、かなり高い出力が出ていた。僕らにはTTを得意とする選手が5名いることが、良いチームTTに繋がった。特に僕とセップ(クス)、ダヴィデ(ピガンゾーリ)が力になれない平坦ではとても頼りになった。

─チームのパフォーマンスコーチ長であるマチュー・ヘイボール氏が、「このマイヨジョーヌはあの落車の本当の終わりになる」とコメントしていた。

その通りだと思う。ここ数年は辛い時期だった。もし人生に(物語の)章があるとすれば、確かにこの勝利が1つの区切りとなるだろう。その物語では、地面に横たわり「死ぬかもしれない」と思う瞬間もあった。そこからここまで戻ってくることができたのは感動的なことだ。落車したあの瞬間は、競技のことすら考えられなかった。ただ生きることだけを考えていた。だからこそ、このマイヨジョーヌ獲得は夢が叶ったと言えるんだ。

ステージ3位&総合3位&マイヨアポワ(山岳賞) タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツXRG)

最終区間を最速で駆け上がったタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツXRG)は山岳賞を獲得 photo:A.S.O.

落ち込んではいない。この良い走りにとても満足している。もちろんステージ優勝を狙い、良いチームTTができた。今日という日が終わって嬉しい。チームと一緒にこの20分のために準備する期間がとても長かったからね。とてもストレスフルな日々だった。だけど久々のチームTTを楽しんで走ることができた。これからのステージに向けて、チーム全体のモチベーションが高まった。

─最終山岳の登坂タイムは最速だった。

僕には登坂に強い脚があるということ。とても良いニュースだね。それにイサーク(デルトロ)が素晴らしいアシストをしてくれた。彼は本当に良い子で、それにチーム全員が限界を超える、良い走りをしてくれた。

明日の作戦はわからない。とりあえず今は一息つきたい。明日は複雑でパンチャー向きのレイアウトだ。終盤は展開が混沌とするのだろうね。

ステージ5位&総合5位 レムコ・エヴェネプール(ベルギー、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)

TT世界王者、レムコ・エヴェネプール(ベルギー)擁するレッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)はステージ5位 photo:A.S.O.

ヴィスマやイネオス、UAEはメンバー的に僕らより戦力で上回っているチームたち。そんななかで僕らは良い戦いをした。平坦で不利だったにもかかわらずね。僕らは全力を尽くし、良い結果を残せたと思う。ヨナス(ヴィンゲゴー)や上位にいる総合勢と比べて、それほどタイムを失わなかったからね。

ステージ6位&総合10位 ポール・セクサス(フランス、デカトロンCMA CGM)

デカトロンCMA CGMはポール・セクサス(フランス)を総合10位に送り込むことに成功 photo:A.S.O.

高い集中力で臨むことができた。チームの皆は良い走りをしてくれた。ドーフィネのチームTTの時は6名で走り、すぐに5名になった。だから8名で走った今日のチームTTは別物のように感じたよ。世界トップの選手たちと渡り合うことができれば嬉しい。明日は僕にもチャンスがあるだろうレイアウトだ。

text:Sotaro.Arakawa
photo:A.S.O.

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