韓国で開催されたUCIマウンテンバイク・ワールドシリーズ開幕戦は泥の激戦となり、XCOではエリート男女共にシリーズXCO初優勝者が誕生。多数参戦した日本人選手たちの結果やコメントと共にレポートします。

世界最高峰の舞台、UCI MTBワールドシリーズが韓国で開幕。日本勢も参戦を果たした photo:UCI
2026年UCIマウンテンバイク・ワールドシリーズが、アジア初開催となる韓国ラウンドで開幕した。場所は2018年の冬季五輪開催地となったスキーリゾート地、モナ・ヨンピョン。最終日に開催されたXCO(クロスカントリーオリンピック)では激しい雨がコースを泥沼へと変え、過酷なコンディション下で各レースが開催された。
女子エリート:フレイが最終周回でリスヴェッズを逆転

先頭争いを繰り広げるシーナ・フレイ(スイス、スペシャライズド・ファクトリーレーシング)とジェニー・リスヴェッズ(スウェーデン、キャニオンXCレーシング) photo:UCI
女子エリートは三つ巴の激戦となった。スタートダッシュを決めた勢いそのままに逃げたのはジェニー・リスヴェッズ(スウェーデン、キャニオンXCレーシング)。アルカンシエルを着る世界女王は一気に25秒リードを開いて独走体制に入ったものの、2周目に失速。2番手で単独追走していたシーナ・フレイ(スイス、スペシャライズド・ファクトリーレーシング)が合流。さらにマディガン・マンロー(アメリカ、リブ・ファクトリーレーシング)を加えた3名による、レース終盤まで続く主導権争いが繰り広げられた。
乗車でのクライミングに秀でるリスヴェッズと、粘りつく泥が生んだ近年稀に見る長いランニング区間が速いフレイ。最終周回のゲレンデ登坂では、フレイがミスしたリスヴェッズを追い抜き、続く林間の急勾配区間でリードを構築。最後の登坂区間でもアドバンテージを積み重ねたフレイはそのままフィニッシュへ。スペシャライズドがこのタイミングで発表した新型バイクをアピールしながら、キャリア初となるワールドシリーズのXCO優勝を成し遂げた。

最終周回の勝負を制したシーナ・フレイ(スイス、スペシャライズド・ファクトリーレーシング) photo:UCI

UCI MTBワールドシリーズ2026 第1戦 女子エリート表彰台 photo:UCI
金曜日のショートトラック(XCC)に続くダブル制覇。数ヶ月前の手の骨折という逆境を跳ね返したフレイは「何年も掛かったけれど、ついに夢が叶った。今回もスタッフの働きが素晴らしかったし、スペシャライズドの新バイクにもすごく助けられた。車体の軽さはこの悪条件でとても役に立ってくれた」とコメント。「この冬、怪我をしていた時にジムトレーニングをたくさん積み重ねたので、それが役に立ったのかもしれない。今日は忍耐力が本当に重要で、自分なりのペースで走ることが大切だった。バイクは上り下りともとてもスムーズに走ってくれたし、ここの雰囲気も最高だった」と加えている。
2位はリスヴェッズで、3位はムンロー。ジャパンMTBカップで優勝したリャン・ジェンラン(中国)は18位と好走している。
男子エリート:24歳のリロがエリート初戦で大金星

圧倒的な走りを披露したダリオ・リロ(スイス、ジャイアント・ファクトリーオフロードチームXC) photo:UCI
女子と比べてトップ選手層が若干薄かった男子エリートは、優勝候補筆頭のクリストファー・ブレヴィンス(アメリカ、スペシャライズド・ファクトリーレーシング)がトレーニング中の鎖骨骨折で欠場する波乱の幕開けに。日本から全日本王者の沢田時(Astemo 宇都宮ブリッツェン)と北林力(ウノ・ファクトリーレーシング)、さらに副島達海(TRK Works)が参戦し、過酷な泥コースで競り合いを続けた。
レースが進むにつれて路面状況が悪くなる一戦を支配したのは、今季エリートに昇格したばかりのダリオ・リロ(スイス、ジャイアント・ファクトリーオフロードチームXC)だった。24歳のリロは1周目で後続に17秒の差をつけると、その後は一度も首位を譲ることなく独走。粘土質の泥によって駆動系トラブルやパンクが多発する中、リロはノートラブルで走りきり、エリートデビュー戦で見事に初優勝を飾った。

多数の落車が発生した泥の下りを行く北林力(ウノ・ファクトリーレーシング) photo:Unno Factory Racing XC
「何と言っていいか分からないよ。日曜日は雨予報だとわかったとき、すでにチームメイトに『日曜日は僕の日になるぞ』と言っていたんだ。朝起きた時は『よし、今日はその日だ』という感じ。スタート前はすごく緊張していたけど、計画通りに走ったらあとは自然にうまくいったんだ」と初優勝したリロは喜ぶ。2位にはルカ・マルタン(フランス、キャノンデール・ファクトリーレーシング)が、3位にはチームメイトのチャーリー・アルドリッジ(イギリス)が入り、表彰台全員が25歳以下という若手の台頭を印象付ける結果に。

ゲレンデ登坂を押し上げる北林力(ウノ・ファクトリーレーシング) photo:Unno Factory Racing XC 
65位でレースを終えた副島達海(TRK Works) photo:TRK Works

過酷な泥レースを走り終えた北林、副島、沢田 photo:TRK Works
日本勢は共に完走ならなかったものの、北林が「1番苦手な泥の中での自転車乗り降りとランニングが多い状況で出来る限り出し切る事だけに集中して走り切る事は出来ました。調子は戻ってきました」と最上位の57位。副島は初のワールドシリーズを65位で終え、「TRKWorksのジャージでこのワールドシリーズの舞台に立てたことを嬉しく思います。結果は濃泥への対応に苦慮し、65位で完走は果たせませんでしたが、現地には日本から沢山の方が応援に来られており、大きな力になりました。初年度にこのキャリアをスタートさせられたことは光栄です。また自らの力でこの大舞台に強くなって戻ります」とコメント。
沢田は67位で「人生で一番走ったレース。どんなコンディションでも変わらず速い世界のトップとの差を、痛いほど実感したワールドカップでした。でも、これで終わりにはしたくない」とそれぞれレースを振り返っている。
男子のアンダー23には野嵜然新(drawer THE RACING)が出場して28位完走。チームメイトの高橋翔は43位で完走には繋がらなかった。
また、怪我を乗り越え、10年ぶりにダウンヒル女子エリートに再挑戦した全日本チャンピオンの末政実緒は、僅か15名だけが突破できる予選を通過できずレース終了。「たくさんの方に支えていただき、再びこの舞台を走れたことに本当に感謝しています。世界のレベルの高さを痛感しながらも、最高の時間を過ごすことができました」と自身のSNSに綴っている。

2026年UCIマウンテンバイク・ワールドシリーズが、アジア初開催となる韓国ラウンドで開幕した。場所は2018年の冬季五輪開催地となったスキーリゾート地、モナ・ヨンピョン。最終日に開催されたXCO(クロスカントリーオリンピック)では激しい雨がコースを泥沼へと変え、過酷なコンディション下で各レースが開催された。
女子エリート:フレイが最終周回でリスヴェッズを逆転

女子エリートは三つ巴の激戦となった。スタートダッシュを決めた勢いそのままに逃げたのはジェニー・リスヴェッズ(スウェーデン、キャニオンXCレーシング)。アルカンシエルを着る世界女王は一気に25秒リードを開いて独走体制に入ったものの、2周目に失速。2番手で単独追走していたシーナ・フレイ(スイス、スペシャライズド・ファクトリーレーシング)が合流。さらにマディガン・マンロー(アメリカ、リブ・ファクトリーレーシング)を加えた3名による、レース終盤まで続く主導権争いが繰り広げられた。
乗車でのクライミングに秀でるリスヴェッズと、粘りつく泥が生んだ近年稀に見る長いランニング区間が速いフレイ。最終周回のゲレンデ登坂では、フレイがミスしたリスヴェッズを追い抜き、続く林間の急勾配区間でリードを構築。最後の登坂区間でもアドバンテージを積み重ねたフレイはそのままフィニッシュへ。スペシャライズドがこのタイミングで発表した新型バイクをアピールしながら、キャリア初となるワールドシリーズのXCO優勝を成し遂げた。


金曜日のショートトラック(XCC)に続くダブル制覇。数ヶ月前の手の骨折という逆境を跳ね返したフレイは「何年も掛かったけれど、ついに夢が叶った。今回もスタッフの働きが素晴らしかったし、スペシャライズドの新バイクにもすごく助けられた。車体の軽さはこの悪条件でとても役に立ってくれた」とコメント。「この冬、怪我をしていた時にジムトレーニングをたくさん積み重ねたので、それが役に立ったのかもしれない。今日は忍耐力が本当に重要で、自分なりのペースで走ることが大切だった。バイクは上り下りともとてもスムーズに走ってくれたし、ここの雰囲気も最高だった」と加えている。
2位はリスヴェッズで、3位はムンロー。ジャパンMTBカップで優勝したリャン・ジェンラン(中国)は18位と好走している。
男子エリート:24歳のリロがエリート初戦で大金星

女子と比べてトップ選手層が若干薄かった男子エリートは、優勝候補筆頭のクリストファー・ブレヴィンス(アメリカ、スペシャライズド・ファクトリーレーシング)がトレーニング中の鎖骨骨折で欠場する波乱の幕開けに。日本から全日本王者の沢田時(Astemo 宇都宮ブリッツェン)と北林力(ウノ・ファクトリーレーシング)、さらに副島達海(TRK Works)が参戦し、過酷な泥コースで競り合いを続けた。
レースが進むにつれて路面状況が悪くなる一戦を支配したのは、今季エリートに昇格したばかりのダリオ・リロ(スイス、ジャイアント・ファクトリーオフロードチームXC)だった。24歳のリロは1周目で後続に17秒の差をつけると、その後は一度も首位を譲ることなく独走。粘土質の泥によって駆動系トラブルやパンクが多発する中、リロはノートラブルで走りきり、エリートデビュー戦で見事に初優勝を飾った。

「何と言っていいか分からないよ。日曜日は雨予報だとわかったとき、すでにチームメイトに『日曜日は僕の日になるぞ』と言っていたんだ。朝起きた時は『よし、今日はその日だ』という感じ。スタート前はすごく緊張していたけど、計画通りに走ったらあとは自然にうまくいったんだ」と初優勝したリロは喜ぶ。2位にはルカ・マルタン(フランス、キャノンデール・ファクトリーレーシング)が、3位にはチームメイトのチャーリー・アルドリッジ(イギリス)が入り、表彰台全員が25歳以下という若手の台頭を印象付ける結果に。



日本勢は共に完走ならなかったものの、北林が「1番苦手な泥の中での自転車乗り降りとランニングが多い状況で出来る限り出し切る事だけに集中して走り切る事は出来ました。調子は戻ってきました」と最上位の57位。副島は初のワールドシリーズを65位で終え、「TRKWorksのジャージでこのワールドシリーズの舞台に立てたことを嬉しく思います。結果は濃泥への対応に苦慮し、65位で完走は果たせませんでしたが、現地には日本から沢山の方が応援に来られており、大きな力になりました。初年度にこのキャリアをスタートさせられたことは光栄です。また自らの力でこの大舞台に強くなって戻ります」とコメント。
沢田は67位で「人生で一番走ったレース。どんなコンディションでも変わらず速い世界のトップとの差を、痛いほど実感したワールドカップでした。でも、これで終わりにはしたくない」とそれぞれレースを振り返っている。
男子のアンダー23には野嵜然新(drawer THE RACING)が出場して28位完走。チームメイトの高橋翔は43位で完走には繋がらなかった。
また、怪我を乗り越え、10年ぶりにダウンヒル女子エリートに再挑戦した全日本チャンピオンの末政実緒は、僅か15名だけが突破できる予選を通過できずレース終了。「たくさんの方に支えていただき、再びこの舞台を走れたことに本当に感謝しています。世界のレベルの高さを痛感しながらも、最高の時間を過ごすことができました」と自身のSNSに綴っている。
UCI MTBワールドシリーズ2026 第1戦 男子エリート結果
| 1位 | ダリオ・リロ(スイス、ジャイアント・ファクトリーオフロードチームXC) | 1:24:36 |
| 2位 | ルカ・マルタン(フランス、キャノンデール・ファクトリーレーシング) | 1:26:22 |
| 3位 | チャーリー・アルドリッジ(イギリス、キャノンデール・ファクトリーレーシング) | 1:27:15 |
| 4位 | ジョーダン・サルー(BMCファクトリーレーシング) | 1:27:35 |
| 5位 | ジョシュア・ドゥバウ(フランス、デカトロン・フォードレーシングチーム) | 1:27:39 |
| 6位 | フィリッポ・フォンタナ(イタリア) | 1:27:54 |
| 7位 | コール・プンチャード(カナダ、キャノンデール・ファクトリーレーシング) | 1:27:59 |
| 8位 | フィリッポ・コロンボ(スイス、スコット・スラムMTBレーシングチーム) | 1:28:00 |
| 9位 | セバスティアン・フィニ(デンマーク、モンドレイカー・ファクトリーレーシングXC) | 1:28:15 |
| 10位 | ファビオ・プントナー(スイス、スコット・スラムMTBレーシングチーム) | 1:28:25 |
| 57位 | 北林力(ウノ・ファクトリーレーシング) | LAP |
| 65位 | 副島達海(TRK Works) | |
| 67位 | 沢田時(Astemo 宇都宮ブリッツェン) |
UCI MTBワールドシリーズ2026 第1戦 女子エリート結果
| 1位 | シーナ・フレイ(スイス、スペシャライズド・ファクトリーレーシング) | 1:27:03 |
| 2位 | ジェニー・リスヴェッズ(スウェーデン、キャニオンXCレーシング) | 1:27:29 |
| 3位 | マディガン・マンロー(アメリカ、リブ・ファクトリーレーシング) | 1:27:31 |
| 4位 | ジェニファー・ジャクソン(カナダ、オルベア・フォックスファクトリーチーム) | 1:27:38 |
| 5位 | マルティナ・ベルタ(イタリア、オリジン・レーシングディヴィジョン) | 1:28:21 |
| 6位 | ラウラ・スティガー(オーストリア、スペシャライズド・ファクトリーレーシング) | 1:28:51 |
| 7位 | ローニャ・ブロックリンガー(スイス、リブ・ファクトリーレーシング) | 1:29:05 |
| 8位 | ヨランダ・ネフ(スイス、キャノンデール・ファクトリーレーシング) | 1:29:09 |
| 9位 | ヘイリー・バッテン(アメリカ、スペシャライズド・ファクトリーレーシング) | 1:29:51 |
| 10位 | ニーナ・グラフ(ドイツ、トレック・アンブロークンXC) | 1:30:07 |
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