アタックが繰り返される激しい展開となったアムステルゴールドレース・レディースエディション。残り23km地点で単独先頭に立ったパウラ・ブラジ(スペイン、UAEチームADQ)が独走を決め、スペイン人として初優勝を飾った。



集団先頭でスタートを待つ、マリアンヌ・フォス(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク)ら歴代優勝者たち photo:CorVos

4月19日に行われたアムステルゴールドレース・レディースエディション(UCIワールドツアー)は、オランダ南端のリンブルフ州を巡るワンデーレース。男子同様、3日後のフレーシュ・ワロンヌ、1週間後のリエージュ〜バストーニュ〜リエージュへと続く「アルデンヌ3連戦」の初戦だ。158.1kmのコースには、5度登坂するカウベルグを含む21箇所のベルグ(丘)が設定された。

スタート地点には前回覇者ミーシャ・ブレーデウォルツ(オランダ、SDワークス・プロタイム)や2023年の優勝者デミ・フォレリング(オランダ、FDJユナイテッド・スエズ)、世界王者のマグドレーヌ・ヴァリエール(カナダ、EFエデュケーション・オートリー)らが並ぶ。アンネリース・ナイセン(ベルギー、ロット・アンテルマルシェレディース)のアタックから5名の逃げグループが形成され、レース中盤までに3名に絞られた。

しかしその3名もメイン集団に引き戻され、レースは振り出しに戻る。残り40km地点のカウベルグでは、地元オランダ王者であるロレーナ・ウィーベス(SDワークス・プロタイム)がアシストの役割を終えて遅れていく。その動きに背中を押されるように、2017年覇者アンナ・ファンデルブレッヘン(オランダ)がアタックし、自らプロトンの人数を30名程度に絞っていく。

逃げを引き戻し、レースは振り出しに戻った photo:CorVos

残り23km地点から単独先頭に立ったパウラ・ブラジ(スペイン、UAEチームADQ) photo:CorVos

ブラジを追走するプロトン photo:CorVos

さらにファンデルブレッヘンが加速すると、フォレリングやニエウィアドマ、プック・ピーテルセ(オランダ、フェニックス・プレミアテック)ら5名に分裂。しかしその後の平坦路で後続が追いつき、アタックの応酬の末、ニンケ・フィンケ(オランダ、SDワークス・プロタイム)が飛び出すことに成功する。遅れてパウラ・ブラジ(スペイン、UAEチームADQ)が追いつき、追走する23名に43秒差をつけて最終周回に入った。

そして続くカウベルグでブラジはフィンケを引き離し、23km地点で先頭に立つ。レース後に「怪我人や体調不良者が相次ぎ、昨日に急遽出場が決まった」と明かしたブラジは、勝利を目指して懸命に踏み続ける。対する追走集団はフォレリングが自ら先頭でペースを作るが、うまく協力が得られない。ブラジは途中、コースを誤りかけてタイムロスする場面もあったが、小雨降るフィニッシュに単独で到着。キャリアハイの勝利を手に入れた。

一方、追走集団ではファンデルブレッヘンのアタックは不発に終わり、ニエウィアドマの加速にフォレリングが追従する。しかしブラジには届かず、2位争いのスプリントをニエウィアドマが制し、2位に入った。

独走勝利したパウラ・ブラジ(スペイン、UAEチームADQ) photo:CorVos

初出場で金星となる優勝を果たしたパウラ・ブラジ(スペイン、UAEチームADQ) photo:CorVos

初出場のアムステルゴールドレースで、金星と呼ぶにふさわしい優勝を果たしたブラジ。「人生で最も美しいレースだった。ペースは速く、絶えず加速が繰り返される混沌とした展開だった。初出場だったため途中は苦しみ、チームメイトに謝罪したほどだった。そんな中、先頭集団に残れるよう全力を尽くし、勇気と幸運によって仕掛けるべき良いタイミングを選ぶことができた。あとは最後まで勝利を信じ、全力で走るだけだった。本当にクレイジーな1日だった」と振り返った。

大会史上、初のスペイン人優勝者となったブラジは、UAEの育成チームから2025年にプロデビューした23歳。昨年はツール・ド・ロマンディ・フェミナン初日の個人タイムトライアルでワールドツアー初勝利を飾り、ヨーロッパ選手権のロードU23でも優勝。今後の活躍が期待される若手が、オランダの地で結果を残した。
アムステルゴールドレース・レディースエディション2026結果
1位 パウラ・ブラジ(スペイン、UAEチームADQ) 4:02:15
2位 カタジナ・ニエウィアドマ(ポーランド、キャニオン・スラム・ゾンダクリプト) +0:27
3位 デミ・フォレリング(オランダ、FDJユナイテッド・スエズ)
4位 レティツィア・パテルノステル(イタリア、リブ・アルウラー・ジェイコ) +0:43
5位 ノエミ・リュエッグ(スイス、EFエデュケーション・オートリー)
6位 カーリーン・スウィンケルス(オランダ、UAEチームADQ)
7位 サラ・ヴァンダム(カナダ、ヴィスマ・リースアバイク)
8位 リーアンヌ・マルクス(オランダ、リドル・トレック)
9位 アンナ・ファンデルブレッヘン(オランダ、SDワークス・プロタイム)
10位 プック・ピーテルセ(オランダ、フェニックス・プレミアテック)
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos

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