2019年限りで現役を引退したテイラー・フィニーが、トラック選手として復帰。かつてトラック世界選手権の個人パシュートで連覇を達成したフィニーが、2028年に母国アメリカのロサンゼルスで行われるオリンピック出場を目指す。



2019年のジャパンカップで引退したテイラー・フィニー(アメリカ) photo:Makoto.AYANO

「まさかこんなことになるとは想像もしていなかった。だが、まだ年老いた馬にも少しばかり力が残っていたみたいだ」と、フィニーは自身のSNSに綴った。「グラベルレースへの復帰として始まったことが、気づけばオリンピックを本気で目指す挑戦へと、少しずつ大きく膨らんでいった。この数ヶ月、再びトレーニングに打ち込み、高速で走ることの楽しさを取り戻せたのは本当に楽しく、そしてやりがいのあることだった」。

アメリカ・コロラド州ボルダー出身のフィニーは、1990年生まれの35歳で、2011年にBMCレーシングでプロデビュー。ジロ・デ・イタリアでのステージ優勝や、全米個人タイムトライアル選手権で3度の優勝、また2012年の世界選手権個人タイムトライアルで2位に入るなど、プロトン屈指のTTスペシャリストとして活躍した。しかし29歳だった2019年限りで現役を引退。プロ最終レースはジャパンカップで、日本のファンの前でキャリアを締めくくった。

その後は画家やDJとして活動しつつ、2024年ツール・ド・フランス・ファムの総合優勝者であるカタジナ・ニエウィアドマ(ポーランド、キャニオン・スラム・ゾンダクリプト)と結婚。2025年からはグラベルレースで競技復帰を果たし、今年も精力的にレースに出場していた。

photo:Kei Tsuji

2010年トラック世界選手権の個人パシュートで連覇を達成したフィニー photo:Cor Vos
ロス五輪を目指すべく、現役復帰したフィニー photo:Cor Vos


そしてこの度、トラック競技で2028年のロサンゼルスオリンピックを目指すと宣言した。フィニーはロードと並行してトラック競技にも打ち込み、トラック世界選手権では2009年と2010年の個人パシュートで連覇を達成。昨年11月から本格的にトレーニングを再開し、ロサンゼルス五輪を見据えてアメリカのトラックチームに合流している。

「ジムでやるべきことは多いし、ポジションもさらに煮詰めていかなければならない。だが、チームとの最初の合宿を終え、改めてチーム環境に戻ってきた素晴らしさを感じている。この先2年間でさらにレベルを上げていくのが楽しみだ」と、フィニーは語っている。

text:Sotaro.Arakawa
photo:Makoto.AYANO